昨日、EMURGO と Yoroi が自分たちの DRep について「変更を予定している」と告知しました。Intersect のボードからの退任と DRep の登録抹消が予定されている、という受け止めがコミュニティと報道の双方から出ています。創業に関わった組織がガバナンスの席から降りていく動きですが、席が空くこと自体は分散化ではありません。空いた席に誰が座り、預け先を失った委任がどこへ向かうのかまで見て、はじめて結果が分かります。
🎯 今日の主役
投稿の見出しは「EMURGO & Yoroi DRep Update: Upcoming Changes to Our DReps」で、SecondFi の事案で影響を受けた利用者の対応を続けるなかでの判断だと説明されています。
流れとして見ると、これは急な方針転換ではありません。EMURGO は 7 月にも、5 団体で構成される Pentad から離脱しています。SecondFi で起きた事案——約 1,600 万 ADA、当時のレートで約 240 万ドル相当が 374 のウォレットから流出したもの——への対応にリソースを集中するため、というのがその時の説明でした。今回はそこからさらに一段、ガバナンスの席を手放す動きになります。
DRep の登録抹消には、委任という観点で実務的な意味があります。DRep は ADA 保有者が投票権を預ける先です。預け先そのものが登録を取り下げれば、そこに預けていた人は預け先を選び直すことになります。Yoroi はウォレットの画面から自分たちの DRep へ委任できる導線を持っていたため、この見直しは「ウォレットが委任先を兼ねる」構造を一度ほどく作業でもあります。実際、その構造そのものへの批判がコミュニティから出ていたことが、今回の動きの背景として報じられています。
創業に関わった組織が運営の席から降りていくこと自体は、分散化の設計としては想定された方向です。SIPO としては、ここから数日の委任の動きを見ていきます。
🧭 今日の焦点 3 件
Cardano に初めて IBC の線がつながりました
未明、Cardano Foundation が、Cardano と Injective が IBC でテストネット接続されたことを発表しました。「Injective は Cardano への稼働中のオンチェーン IBC レールを持つ最初のチェーンです」という言い方をしています。IBC は異なるチェーン同士がリレーを介さずに資産とメッセージをやり取りするための規格で、これがつながると ADA を Injective 側へ、INJ を Cardano 側へ動かせるようになります。現時点ではテストネットであり、本番稼働ではありません。それでも「他のチェーンから Cardano へ入ってくる標準的な経路」が初めて実装された形で、相互運用の議論が仕様の話から接続の話に移ったことを示しています。
週次の開発レポートに三つの名前が並びました
Cardano の公式アカウントが、週次の技術レポートを「Plutus V4、Leios テストネット、Mithril のベンチマークが一つのレポートに入っている」と紹介しました。IO 側も同じ日に、技術スタック全体の週次まとめを改めて案内しています。Plutus は 7 月 18 日の van Rossem で性能面が更新されたばかりで、Leios は throughput を引き上げる次の工程、Mithril は軽量な同期を支える署名の仕組みです。個別の発表ではなく定例の進捗として並ぶようになってきたところが、今の開発局面を表しています。
Scalus が v1.0.0 に到達しました
Scala で Cardano のスマートコントラクトを書ける開発基盤 Scalus が、v1.0.0 のリリースを告知しました。Cardano 公式アカウントもこれを転載しています。Scalus は Scala 3 のコードを Plutus Core にコンパイルする仕組みで、オンチェーンとオフチェーンを同じ言語で書ける点が特徴です。開発元の Lantr は、2026 年 7 月から 2027 年 6 月までの 12 か月でプラットフォームを拡張する案を国庫に提出しています。3 年の開発を経ての 1.0 は、言語の選択肢が実務で使える段階に来たという区切りになります。
📊 数値スナップショット(8月4日 9:30 JST 時点)
ADA 0.19259ドル +2.11%(24h)|時価総額 71.97億ドル
NIGHT 0.019302ドル +0.68%(24h)|時価総額 3.206億ドル
背景クロスマーケット: BTC 63,350ドル +0.22%|ETH 1,854.62ドル -0.93%
オンチェーン(9:29 JST 時点): エポック 647 / 進捗 22.3% / 残り約 93 時間
流通供給 365億0,901万 ADA|国庫 14億4,644万 ADA|リザーブ 62億0,625万 ADA|ブロック高 13,763,322
Regime(Cardano エコシステム): 前日の大きな上昇のあと、ADA は小幅な続伸で落ち着いています。エコシステム側の材料は開発の定例進捗とガバナンスの人事に寄っており、価格を動かす種類のニュースではありません。
⚡ 先行指標 Watch(48-72h)
【1】DRep 登録抹消が実際にオンチェーンで実行されるかどうか。告知と実行のあいだには手続きの時間があります
【2】Yoroi の DRep に預けられていた委任の行き先。まとまった量がどこへ動くかは、次の投票の力関係に直結します
【3】Intersect のボード構成の更新。空いた席がどう扱われるかは、公式の案内を待つ段階です
【4】Dijkstra 期のハードフォーク範囲の確定。Nested Transactions と Linear Leios を年内にメインネットへ、という工程が動いています
【5】minPoolCost を 170 ADA から 75 ADA へ下げるパラメータ更新提案の進み方
【6】SecondFi の復旧工程。移行ツールが 8 月、ZK リカバリーツールが 9 月上旬という日程が示されています
【7】Injective との IBC 接続がテストネットから先へ進むかどうか。本番稼働の条件と時期がどう示されるかを見ます
🔄 48-72h 分岐(観察軸)
Base: 告知どおりに手続きが進み、委任の預け先が分散して吸収されます。ガバナンスの日程そのものには大きな影響が出ません。
Risk: 預け先を失った委任がまとまって特定の DRep に集まり、分散化を目的とした動きが結果として集中を生みます。投票率が一時的に落ちる展開もあり得ます。
Alt: 空いた席と委任をめぐる議論が公開の場に出て、ウォレットと DRep の関係そのものを整理する提案につながります。
📎 直近24時間の動き
重要な動き
・Cardano Foundation が、Cardano と Injective が IBC でテストネット接続されたと発表しました。Injective は Cardano への稼働中のオンチェーン IBC レールを持つ最初のチェーンになります。 投稿
・EMURGO と Yoroi が、自分たちの DRep について変更を予定していると告知しました。SecondFi の事案で影響を受けた利用者への対応を続けるなかでの判断だと説明されています。 投稿
・Intersect のボードからの退任と DRep の登録抹消が予定されている、という受け止めがコミュニティから共有されました。 投稿
・Cardano 公式が週次の技術レポートを紹介し、Plutus V4・Leios テストネット・Mithril のベンチマークが一つにまとまっていることに触れました。 投稿
・Scalus が v1.0.0 のリリースを告知し、Cardano 公式アカウントが転載しました。Scala で Cardano のコントラクトを書く開発基盤です。 投稿
・IO が技術開発スタック全体の週次まとめを改めて案内しました。 投稿
その他の動き
・Cardano Foundation が EU の新しい製品規則に触れ、Digital Product Passports を「サステナビリティ報告は主張、Digital Product Passports は証明」と位置づける投稿をしました。 投稿
・IO が、RealFi を金融アクセスの第一歩として論じた外部のブログ記事を共有しました。 投稿
・Lace が自己管理のセキュリティモデルについて、利用者に好みを尋ねる投稿をしています。 投稿
・SPO と開発者に向けたドラフトへのフィードバック募集が共有されました。 投稿
・Midnight の日本語アカウントが、先週 1 週間の動向をまとめた週間ダイジェストを案内しました。 投稿
・SecondFi の事案対応が続くなかでの EMURGO の立ち位置について、コミュニティで議論が交わされています。 投稿
・AlphaGrowth 提案について、公開の場での討論を望む声が共有されました。 投稿
一次ソース
Cardano × Injective IBC テストネット接続(Cardano Foundation 公式投稿)
EMURGO & Yoroi DRep Update(公式投稿)
Cardano 公式
EMURGO ニュースリリース
Scalus 公式
Midnight 公式
