米国上院は現地時間 2026 年 9 月 15 日、暗号資産の市場構造を定める「Clarity Act」(デジタル資産市場明確化法案)の審議に進むための討論終結動議を、賛成 49・反対 50 で否決しました。可決には 60 票が必要でした。その約 6 時間後、チャールズ・ホスキンソン氏は「Clarity Act」と題した 27 分 13 秒の動画を配信しています。
動画の主旋律は「私は 1 年以上前からこの法案は死んでいると言ってきた」という一点です。ただし氏が時間の大半を使うのは勝ち誇ることではなく、なぜこの設計では通らなかったのかという立法実務の解剖でした。海外の規制枠組みを一切参照しなかったこと。すべてをコモディティとして CFTC に押し込んだこと。標準を定める機関を呼ばなかったこと。倫理条項を軽く見たこと。氏はこの四つを「罪」と呼びます。
そして後半、話は法案から離れ、業界そのものへの決別に近い調子に変わります。「私の業界はこの狂気から逃れるために作られたのに、その指導者たちはサーカスに加わることを選んだ」。
落ちたのは設計であって、方向ではありません。氏が示す処方箋——1933 年法を現代化してデジタル証券を定義する、海外の規制当局を呼んで相互承認の枠組みをつくる、そして分割して一つずつ通す——は、すでに一度成功した方法です。ステーブルコインを対象とした GENIUS 法は、上院 68-30 で通っています。
本稿では動画の全文を翻訳し、氏が挙げる数字を一次資料と並べたうえで、ここから何が動きうるのかを SIPO の視点で読みます。
動画:Charles Hoskinson「Clarity Act」(2026 年 9 月 15 日配信・27 分 13 秒)
先に結論
- 氏の処方箋は「分割して一つずつ通す」です。これは机上の案ではありません。ステーブルコインを対象とした GENIUS 法は上院 68-30・下院 308-122 で成立しています。600 ページ超を一度に通そうとした今回の 49-50 と並べると、方法の差がそのまま数字に出ています。
- 否決されたのは法案そのものではなく、審議に進むための手続きです。賛成 49・反対 50 で、可決に必要な 60 票に届きませんでした。反対に回った共和党は Collins(メイン州)・Hawley(ミズーリ州)・Moran(カンザス州)・Tillis(ノースカロライナ州)の 4 名、民主党の Coons 議員(デラウェア州)は棄権しています。
- 氏の数字はよく当たっています。 CFTC の人員は氏の言う「700 人未満」よりさらに少なく、2025 会計年度末で 556 人(前年度末 708 人から 21.5% 減)。米国の債務残高は 9 月 14 日時点で 40 兆 544 億ドル。ラトニック商務長官の一家の純資産が入閣以来 2 倍超の約 73 億ドルになったこと、その主因が Tether への間接持分であることも報じられています。
- 一つ、幅の大きい数字があります。「SEC は 1 万人くらい」は、一次資料では約 4,000 人(2014 年以来の最低水準)です。ただし SEC と CFTC の人員比が 7 対 1 であることに変わりはなく、「桁が違う機関に巨大市場を渡した」という論旨はそのまま成立します。
- 氏は否決の理由を「トランプ大統領一家の暗号資産収益が法案を党派問題にした」という線で語ります。この線は報道とも一致しますが、共和党 4 名の反対理由はそれぞれ別でした。Collins 議員と Hawley 議員は地域銀行・信用組合の預金流出と農業融資への影響を挙げ、Tillis 議員は再審議動議を残すための手続き的な反対だと説明しています。
- 氏が動画で読み上げた声明の主は、Elissa Slotkin 上院議員(民主・ミシガン州)です。氏は「証券弁護士」と紹介していますが、公開されている経歴は元 CIA 情報分析官・元国防次官補代理という安全保障畑のものです。声明の後半がマネーロンダリングとテロ資金に割かれている理由は、この経歴を知ると腑に落ちます。
- その声明には、動画で読み上げられた先にもう一段落あります。 原文は「この法案には次の試みの土台になりうる超党派の強い条項がある」「米国は暗号資産イノベーションで世界をリードすべきだ」「今後の作業には引き続きオープンだ」と結ばれています。氏はこの声明を「交渉の扉が閉じた」ことの例として引きますが、最後の段落まで読むと、扉はまだ開いています。
9 月 15 日に何が起きたのか
採決は現地時間 14 時 15 分に行われました。対象は下院を通過済みの H.R.3633「デジタル資産市場明確化法」で、上院がこれを審議の俎上に載せるかどうかを問う討論終結動議です。法案の可否を決める投票ではありません。
結果は賛成 49・反対 50。共和党指導部は採決の前日にあたる日曜、公職者が暗号資産で利益を得ることを制限する倫理条項を追加した修正版を提出していましたが、民主党の要求には届きませんでした。
反対に回った共和党 4 名の理由は、報道で次のように伝えられています。Collins 議員は 600 ページを超える法案の精査不足を挙げ、とくに地域銀行や信用組合が住宅ローンや中小企業融資の原資となる預金を失う懸念を示しました。Hawley 議員は「うちの州の農家は、これで融資を受けられなくなるのではないかと本気で怯えている」と述べています。Tillis 議員の反対は手続き的なもので、再審議動議を提出できるようにするための投票だと本人が説明し、「この手続き上の動議によって、前向きな結果に向けた作業を続けられる」としています。Moran 議員の理由は報道に見当たりません。
市場は下げました。ビットコインは夜間高値の 79,530 ドルから 75,850 ドルへ 24 時間で 4.2% 下落。イーサリアムは 3.9% 安の 2,407 ドル、ソラナは 3% 安の 98.50 ドル。株式ではコインベースが 6.7% 安、サークルが 8% 安と、暗号資産関連銘柄の下げが目立ちました。
この採決により、2026 年内の上院での市場構造立法は事実上終了したと受け止められています。
動画の数字を、一次資料と並べる
動画は口頭のライブ配信なので、数字はその場の記憶で語られます。あとから一次資料と並べておくと、どこがそのまま使えて、どこを補えばよいかが見えます。
| 動画での発言 | 一次資料で確かめたこと | 補足 |
|---|---|---|
| CFTC の職員は 700 人未満 | 裏が取れます(むしろ控えめ) | 2025 会計年度末で 556 人。前年度末 708 人から 21.5% 減。予算上の定員は 2026 年度 636 人 |
| SEC は 1 万人くらい | 一次資料では約 4,000 人 | 会計検査院の調査で 2025 会計年度末 約 4,000 人。同年度に 871 人・約 18% が離職。ただし SEC 対 CFTC が約 7 対 1 である点は変わらない |
| 法案はすべてをコモディティにして CFTC を規制当局にした | 裏が取れます | デジタル・コモディティの現物市場を CFTC の排他的管轄とし、成熟度テストで SEC 管轄から移行させる設計 |
| まずステーブルコインから分割して通すべきだった(GENIUS 法) | 事実部分は裏が取れます | GENIUS 法は 2025 年 7 月 18 日に成立(上院 68-30、下院 308-122)。「正しい一手だった」は評価 |
| David Sacks 氏が cryptozar に選ばれたとき | 発言は過去形で、事実関係と整合します | 役職名「White House A.I. & Crypto Czar」も正しい。なお同氏は動画の時点では既に退任しており(2026 年 3 月 26 日・特別政府職員の年間 130 日上限による)、現在は大統領科学技術諮問委員会の共同議長 |
| 2022 年に Toomey 上院議員と話した | 時系列は整合します | Toomey 議員は 2011 年から 2023 年 1 月 3 日まで在職。会合そのものの公開記録はなく、本人の証言 |
| トランプ大統領は最低 15 億ドルを得た | 概ね裏が取れます | 2026 年 7 月提出の公式財務開示(2025 暦年)で暗号資産関連が 14 億ドル超。ロイターの調査では一家 4 事業で最低 23 億ドル、同時期に 100 万人超の投資家が約 22.5 億ドルの純損失 |
| ラトニック長官の資産は倍増し Tether と結びつく | 裏が取れます | 入閣以来、一家の純資産は 2 倍超の約 73 億ドル。主因は Cantor Fitzgerald の 55% 持分を通じた Tether 間接持分(2025 年初 17 億ドル → 54 億ドル) |
| 国家債務は 40 兆ドル超 | 裏が取れます | 財務省の日次データで 2026 年 9 月 14 日時点 40 兆 544 億 2,196 万ドル |
| 声明を出した議員は証券弁護士 | 一次資料では別の経歴 | Slotkin 議員は弁護士資格を持たない。元 CIA 情報分析官、2011〜2017 年に国防次官補代理(国際安全保障担当) |
| その議員は暗号資産にバックドアを求めている | 声明にその記述はない | 原文は「マネーロンダリングを止め、テロリストや北朝鮮・イランのような国家の資金経路を断つ手段」。氏の解釈であって発言ではない |
| 84 歳の議員が車椅子で議場に運ばれた | 出来事としては裏が取れます | McConnell 議員(84 歳・ケンタッキー州)が 2026 年 9 月 14 日に 3 か月超の欠席から車椅子で復帰。6 月中旬の転倒後に肺炎を併発。年末で引退予定。氏の「発話不能」「野菜」は罵倒表現であり事実ではない |
| 民主党が下院奪還 90% 超、上院 60% 超 | 予測市場の実測はこの値 | 予測市場で 2026 年 9 月 14 日時点、下院 約 88%・上院 約 58.5%。専門予報は確率値を出さず、上院のモーダル予測は民主 1〜3 議席増で過半数に届かない |
| NIST を複数回訪問し耐量子標準で協働した | 公開記録では見当たりません | 訪問記録や標準化プロセスへの公式貢献者としての記録は見当たらない。ただし 2018 年に IOHK が耐量子化研究の外部協力者として Peter Schwabe 氏(NIST 耐量子標準の主要研究者)との協働を発表している |
| Wyoming 幹細胞自由法を成立させた | 法律の成立は裏が取れます | SF0048。上院 31-0、下院 59-0 で可決、2026 年 7 月 1 日施行。提出者は Barlow 上院議員。氏個人の関与(18 か月の対話)は公開記録では確認できず、本人の証言 |
SIPO の視点
1.「1 年以上前から言っていた」——アーカイブに残る、氏の主張の軌跡
SIPO.TOKYO は氏の市場構造法案に関する動画を継続して翻訳・解説してきました。だから過去の記事を開けば、当時の発言がそのまま残っています。
2026 年 4 月 26 日の記事で、氏はこう述べています。「Clarity は現状のままなら、私のプロジェクトには有利です。けれど業界全体として見たとき、私はこれを通すべきではないと考えます」。そのうえで 2029 年まで待つという選択肢を提示し、理由として三つを挙げていました。この枠組みでは 1933 年証券法を改正できないこと。立法過程が超党派の意見と海外の規制当局を排除したこと。そして「Security by Default」の仕組みが新規プロジェクトの成長経路を塞ぐこと。
今回の動画で氏が語る処方箋——1933 年法を現代化してデジタル証券を定義せよ、海外の規制当局を呼んで相互承認の枠組みを作れ、分割して一つずつ通せ——は、5 か月前の記事に記録されている内容とほぼ同じです。少なくとも主張の一貫性については、外部の記憶に頼らず確かめられます。
時期を細かく追うと、氏の姿勢が動いていく様子も見えます。2025 年 10 月 11 日の記事では「現時点で良い合意が成立するとは到底考えられない」と強く懐疑しながら、同時に「この戦いに今日、勝たなければならない」とも述べていました。まだ勝ちにいく構えです。それが半年後には「通すべきではない」「2029 年まで待て」に変わります。「1 年以上前から死んでいると言い続けた」という今回の要約より、この軌跡のほうが読みごたえがあります。
2.否決の理由は、倫理条項だけではありませんでした
動画の構成上、氏は否決を「トランプ大統領一家の収益が法案を党派問題にした」という一本の線で説明します。倫理条項が最大の争点だったことは報道でも一致しており、この線自体は間違っていません。
ただし反対票の内訳を見ると、線はもう少し太くなります。共和党から反対に回った 4 名のうち、Collins 議員と Hawley 議員が挙げたのは地域金融機関の預金流出と農業融資でした。暗号資産の是非ではなく、地元の銀行と農家に何が起きるかという話です。Tillis 議員に至っては、法案に反対したのではなく、再審議の道を残すための手続きとして反対側に回っています。
この差は、次に何が起きるかの読みに影響します。倫理条項だけが障害なら、大統領一家の市場参加という条件が変わった時点で道が開きます。しかし預金と融資への懸念は法案の中身に関する話なので、条文を書き直さない限り残ります。そして Tillis 議員の手続き的反対は、少なくとも一人は「まだ終わっていない」という前提で動いていることを意味します。
3.「分割して通す」は、すでに一度成功している方法です
氏の処方箋のうち最も実務的なのは、包括法案を諦めて分割せよという部分です。そしてこれは机上の案ではありません。
ステーブルコインを対象とする GENIUS 法は 2025 年 7 月 18 日に成立しています。上院 68-30、下院 308-122。今回の 49-50 と並べると差は歴然としています。対象を絞り、争点を一つずつ処理した法案は通り、すべてを一度に決めようとした 600 ページ超の法案は審議入りすらできませんでした。
氏が提案する次の分割は、①1933 年証券法を現代化して「デジタル証券」を定義する法、②KYC・AML・テロ資金対策をスマートコントラクトと両立させる「コンプライアンス現代化法」、③真にコモディティと言える資産のために CFTC を現代化する法、の三つです。この順序には理由があります。「証券であること」が忌避される最大の理由は開示と規制の重さであり、そこを設計し直さない限り、業界はまた「コモディティにしてくれ」と言い続けることになるからです。
4.日本が積んだ運用実績は、次の設計が参照する側にあります
日本の読者にとって見どころなのは、おそらく動画の中盤です。氏は立法過程の第一の罪として「海外の事例を一切見なかった」ことを挙げ、呼ばれなかった相手を列挙します。欧州の MiCA を作った人々。日本の金融庁。韓国。ベトナム。アブダビとドバイ。スイス。ケイマンと英領ヴァージン諸島。王室属領。
氏の言い分は、暗号資産は国境を越えて動く以上、法律を作るだけでは足りず、相互承認の取り決めが要るというものです。米国から国外へ送れるし、国外から米国へも送れる。であれば法の間に互換性がなければ機能しない、と。
この指摘は、日本で事業を営む側から見ると実感を伴います。日本は資金決済法と金融商品取引法の枠組みを早い段階で整備し、暗号資産交換業者の登録制度を運用してきました。制度の当否はさておき、運用実績のある枠組みであることは確かです。それを参照しないまま新しい包括法を書けば、国際的な整合は後から取り直すことになります。
言い換えれば、日本が積んできた運用の蓄積は、次の設計が参照する側にあります。呼ばれなかったという話は、裏を返せばまだ使われていない手札があるということです。相互承認の枠組みが議題に戻るとき、登録制度を実際に回してきた経験は交渉材料になります。
SIPO はステークプール運用とガバナンス参加を通じてカルダノのエコシステムに関わっており、規制の国際的な整合は他人事ではありません。米国で市場構造法が 2026 年内に成立しないことが確定した以上、当面の規制の座標軸は各国の既存制度と、SEC・CFTC の規則制定に移ります。SEC のアトキンス委員長が「法律の裏づけがなければ規則は長続きしない」と述べているとおり規則で埋める部分には限界がありますが、そのぶん次の立法で何を書くべきかという論点は、今回でかなり整理されました。
ここから見ておきたいこと
- 再審議動議が実際に使われるか。 Tillis 議員が残した手続き上の余地が動くかどうかで、「2026 年内は終わり」という現在の読みが変わります。
- 条文の分割が始まるか。 氏の処方箋どおり、デジタル証券の定義だけを切り出した法案が出てくるかどうか。GENIUS 法の前例があるため、これは実現可能性のある道筋です。
- SEC と CFTC の規則制定がどこまで進むか。 SEC は「Regulation Crypto Assets」を準備していると報じられています。法律の裏づけなしにどこまで書けるかが焦点です。
- 11 月 3 日の中間選挙。 議会の構成が変われば、次の法案の起点が変わります。氏が指摘するとおり、民主党が多数を取れば条文を自党に有利に書き直せる立場になります。
- CFTC の人員と予算。 556 人という実員のまま巨大市場の監督を担えるのかという問いは、法案が通らなかった今も残ります。2027 年度の要求は 650 人・4 億 1,000 万ドルです。
落ちたのは 600 ページを一度に通そうとした設計であって、規制をつくるという方向そのものではありません。分割して通す方法は GENIUS 法で一度成功していますし、次の設計に必要な材料——デジタル証券の定義、コンプライアンスの現代化、海外の枠組みとの相互承認——は、今回の動画でかなり具体的に並べられました。11 月 3 日の中間選挙で議会の構成が決まり、それまでは SEC と CFTC の規則制定が動きます。次の窓が開くときに何が用意されているのかを、いまのうちに見ておく価値があります。
チャールズ・ホスキンソン氏動画「Clarity Act」全翻訳
編集注:本節は動画の全文訳です。氏の発言をそのまま日本語にしたものであり、SIPO の見解ではありません。動画の後半には、実名の政治家と現政権に対する強い批判・罵倒表現が含まれます。自動字幕が伏せた語は〔聞き取り不能〕と表記し、推測で補っていません。自動字幕の固有名詞の誤記(Saxs → Sacks、Tumi → Toomey、Mika → MiCA、Lutnik → Lutnick など)は正しい表記に直しています。
導入──Clarity Act は上院で否決された
こんにちは、チャールズ・ホスキンソンです。暖かく晴れたコロラドからライブでお届けしています。いつも暖かく、いつも晴れていて、ときどきコロラドです。今日は 2026 年 9 月 15 日。今日は Clarity Act について少しお話しします。
では、我らが友人である CoinDesk を開いてみましょう。ここにあります。CoinDesk のライブ速報。「Clarity Act が上院で否決、暗号資産は下落」。この否決によって、2026 年の上院における市場構造立法の作業は事実上終わり、これは暗号資産業界にとって大きな打撃である——業界は何年もの時間と数億ドルを、自らの利益を後押しするために投じてきたのだから、と。
ご存じの方も多いと思いますが、私は 1 年以上にわたって、Clarity Act は最初から死んでいる、うまくいかない、成立しないと言い続けてきました。では、その理由に入っていきましょう。
私は立法を通した経験がある──ワイオミング州の幹細胞自由法
まず前提として、聞いている方の中にはご存じない方もいるかもしれませんが、私は法律を通すことについてかなりの経験があります。立法者たちとは日常的に仕事をしています。直近で実現したものの例をお見せしましょう。ワイオミング州です。「幹細胞自由法、反対票ゼロで上下両院を通過」。全会一致でした。投票した民主党議員も共和党議員も、全員が賛成しました。反対票は一票もありません。
幹細胞自由法とは何か。論争のない法案でしょうか。「幹細胞はいいものだから補助金を出そう」といった類のものでしょうか。違います。これは FDA の承認を経ずに、患者に幹細胞を投与できるようにする法律です。それは論争的でしょうか。世界の誰も文句を言わないような話でしょうか。バイオテクノロジーで知られているわけでもなく、幹細胞で知られているわけでもない州において、これ以上ないほど論争的です。州の医事委員会からしてもそうです。それでも通しました。
これは一日の作業の産物ではありません。約 18 か月にわたる、慎重な対話と議論、連合の構築、そして「何が可能か」についての率直で深い理解の産物です。
ではどうやったのか。まず第一に、他のすべての幹細胞自由法を調べました。モンタナを見ました。ユタを見ました。フロリダを見ました。そして反対票がどこから出たのかを調べました。人々がどこに正当な不満と懸念を抱いたのかを調べました。これが第一段階です。他の人がすでにやった仕事があることを認める、ということです。
第一の罪──世界を一切見なかった
史上最悪の「ザー(担当官)」であろう David Sacks 氏が cryptozar に選ばれたとき、彼には他国の暗号資産法制を見ようという関心も、好奇心も、意欲もありませんでした。欧州の MiCA の策定に関わった人は誰一人招かれませんでした。日本から、金融庁から、誰も招かれませんでした。韓国からも、ベトナムからも。アブダビやドバイ、スイスからも誰も。ケイマン諸島や英領ヴァージン諸島、王室属領からも誰も招かれませんでした。
これらの場所はすべて、暗号資産法制を通すために懸命に働き、規制の枠組みを丸ごと作り上げてきました。VASP、すなわち仮想資産サービス提供者の登録制度のようなものを持っています。とくにドバイの VARA とアブダビの ADGM は非常に成熟した枠組みを持ち、暗号資産を扱う規制対象事業者を多数抱えています。
ですから第一段階は、すでに何がなされたかを言葉にし、それをカテゴリーに分解することです。資産の分類を見る。税法を見る。カストディを見る。DeFi を他と切り離して見る。こうした個別の論点を一つずつ見ていくのです。
Toomey 上院議員の助言──分割して一つずつ通せ
2022 年に Toomey 上院議員と話したとき、彼はこう言いました。これをやり遂げる唯一の方法は——そして Toomey 氏は完全に正しかったのですが——分割して、一つずつ解決していくことだ、ステーブルコインから始めて、と。GENIUS 法、おめでとうございます。あれは正しい一手でした。
では次の一手は何だったか。証券の定義を更新し、現代化し、「デジタル証券」という概念を作ることです。ところが Sacks 氏がやったのは、世界の他の地域に対して近視眼的で、政府がどう動くかについての理解を一切欠いた、包括的な全体枠組みを押し通すことでした。
第二の罪──何もかもコモディティにして CFTC に押し込んだ
彼はこう言ったわけです。「全部コモディティにしてしまおう。コモディティでないものまでコモディティにして、CFTC を所管の規制当局にしよう」と。
CFTC で働いている人は 700 人もいません。私の会社が最高値をつけていたときの従業員数のほうが、彼が 2 兆ドル超の産業を規制させようとした組織より多かったのです。SEC には 1 万人くらいいます。そして CFTC は歴史的に原則ベースの規制当局であり、開示や介入について SEC と同じ道具立てを持っていません。証券はコモディティとは明確に異なるものだからです。
つまり規制当局の選択が間違っていた。しかし誰も証券にはなりたくなかった。証券であることは最悪だからです。それで、CFTC が実際にこれらの市場をどう運営し規制するのかについて、戦略も計画も一切ないまま、そこに詰め込もうとしました。これが罪その一です。
できたはずのこと──デジタル証券の定義と現実資産の革命
私たちは業界を「デジタル証券の定義」のもとに結集させ、同時に現実資産(RWA)の革命を起こすこともできたはずです。Securitize のような企業や、セキュリティトークンの標準を手がけてきた人たちを集めて、本物の革新を生み出す。たとえば、ブロックチェーンを企業ではなく開示の手段として使うにはどうすればよいか。デジタル証券がブローカーディーラー登録なしに既存の取引所で取引できるようにするにはどうすればよいか。できたことはたくさんあります。
そして、デジタル証券を実効的に規制・監督するために SEC はどんな道具を必要とするのか。ICO もその枠組みの下でカバーできたはずです。
そのうえで、ビットコインやカルダノ、XRP のように本当にコモディティと言えるものについては、CFTC をどう更新し、強化し、現代化するかを議論すればよかった。そして、そうした資産については海外の規制当局が何をやってきたかを参照する必要があります。相互承認の取り決めが要るからです。つまり、法律を通すだけでなく、さまざまな国と条約を結ぶのです。法の間に相互性を持たせるために。なぜなら——考えてみてください——私は米国外の人に暗号資産を送れますし、米国外の人は米国内に暗号資産を送れます。当たり前のことです。
第三の罪──標準を作る機関を呼ばなかった
次に標準の問題があります。私は NIST(米国立標準技術研究所)を何度も訪ねました。何度も話をしました。耐量子標準について広範に協働してきました。
こうしたものを定義するには標準が必要です。NIST はそれを行うのに最適な組織です。なぜか。彼らは私たちの暗号技術のすべてを標準化しているからです。インターネットの大きな部分も。彼らは客観的で中立な暗号学者と技術者で構成されていて、その発言には重大な影響力があります。商務省が、米国の各機関に対してその標準に従うことを義務づけているからです。ですから、国防総省と仕事をしたいなら、国務省と仕事をしたいなら、財務省と仕事をしたいなら、政府調達のどれかに関わりたいなら、NIST の標準に従わなければなりません。
であれば、すでに米国政府で働いている技術者と暗号学者を、定義と標準についての議論に招き入れるのが筋ではないでしょうか。作業部会を作り、産業界と官民連携の形で組ませて、スループットの標準、分散性の標準、資産定義の標準といったものを一式作る。そうすれば道路の規則ができます。産業界の私たちはどの標準に従えばよいかが分かり、互いに相互運用できるようになります。
そこを取り逃がしました。その問題へのアプローチの仕方も、それが公正な政府調達に不可欠であることも、まったく理解されていませんでした。調達したいものの法定定義すらないのに、どうやって提案依頼書を書くのですか。大きな問題です。またしても、政府への理解の欠如です。
第四の罪──倫理問題を軽く見た
それから倫理の問題がありました。
米国大統領は World Liberty Financial と Trump コインから、少なくとも 15 億ドルを得ました。
そして私たちは全員、それが 2026 年の最大の政治的争点になることを知っていました。民主党は当然こう言うでしょう。トランプの暗号資産 イコール トランプ イコール 腐敗、と。
信じられないなら、今回反対票を投じた上院議員の一人のツイートを、そのまま読んでみましょう。ちなみに彼女は証券弁護士です。
本日、私は Clarity Act に反対票を投じました。米国における暗号資産を規制するための法案です。この法案の倫理条項はあまりにも薄い。トランプ大統領、その子どもたち、そして閣僚たちは、暗号資産の領域で数十億ドルを稼いでおり、その一部は普通のアメリカ人から苦労して得た金を巻き上げることで得られています。私は、公職者によるそうした振る舞いを法典に書き込むいかなる法案にも、良心に照らして賛成することはできません。今日のトランプ大統領やラトニック長官のためにもです。
なぜラトニックか。彼の純資産は倍増しており、自身の事業を通じて Tether と深く結びついているからです。
将来それを利用しようとするいかなる民主党員のためにもです。
これが第一の論点です。彼らは池で小便をしたのです。超党派だったものを党派的なものに変えてしまった。暗号資産 イコール トランプ イコール 悪。政治的な対話を毒しました。野党に対して、15 億ドルを稼いでそれが全部大統領に入り、しかも彼が市場参加者でいられる、などということを認めさせられるわけがありません。
安全保障の論点と、できたはずの「コンプライアンス現代化法」
それから、これも興味深い論点です。声明はこう続きます。「国家安全保障の面では、マネーロンダリングを止め、テロ国家への資金経路を断つための手段を確実に整えるために、まだやるべきことがある」。
ここで彼女は権威主義的な左派の側に戻っています。彼女は暗号資産にバックドアを求めている。それは決して起きません。囲い込みです。技術を理解していないのです。私たちにできる最善は、選択的開示とアルゴリズムによるコンプライアンスです。
NIST に標準化させることに加えて、もう一つ大きな機会がありました。作業部会を作り、人々を集めて、米国のコンプライアンス——KYC、AML、テロ資金対策——のすべてをスマートコントラクトと両立するように成文化することです。それが「コンプライアンス現代化法」になり得ました。
分割の仕方が見えてきたでしょうか。「証券現代化法」がある。GENIUS でやったのと同じように 1933 年の証券取引所法を更新して、何をするか。デジタル証券の定義を作るのです。次にコンプライアンスの部分を更新し、ゼロ知識証明やその他の技術を取引のコンプライアンスに使えるようにする。規制された世界と規制されていない世界を、同じレールの上に共存させるのです。
そうすれば、まさにこの部分が満たされたはずです。彼女は私とまったく同じことを言っています。「そして現時点で、CFTC を含む我々の機関には、この法案を執行するために必要な監督能力と人員が欠けている」。まったくそのとおりです。700 人もいない組織に、巨大な経済圏を規制させようとしているのです。予算は増えていません。監督体制も追加されていません。それが何を意味するか分かりますか。彼らは自力で見つけてくるしかない。さもなければ規則制定すらできません。
すべては予測可能だった
こうしたことはすべて分かっていました。予測可能でした。1 月の時点で、これらが懸念事項だと伝えられていました。完全に無視されました。
エリザベス・ウォーレンの懸念の話ではありません。彼女はいつだって我々の敵ですし、クズです。証券法に携わってきた、倫理に携わってきた、まともな人々が懸念を持っていたのです。
どうやって法律を通すのか。彼らの声を聞くのです。世界を見るのです。彼らの声を聞き、腰を据えて向き合う。私たちが幹細胞自由法で 18 か月かけてやったように。そして問うのです。「あなたが懸念しているのは何ですか」。法執行の懸念、税務コンプライアンスの懸念、証券登録の懸念、監督の懸念、資金と予算の懸念。FINRA、FinCEN、連邦準備制度といった既存の組織。全員が席に着いていました。すべてを解決することはできません。しかしやるべきことは、一歩ずつ、主体ごとに進め、業界も一緒に連れていくことです。
ホワイトハウスの写真撮影会
ホワイトハウスでのあの素晴らしい写真の数々をご覧になったでしょう。大勢の人たちと、そのファンたちがこうツイートする。「見てくれ、我々の仲間は素晴らしいアクセスを持っている。ホワイトハウスへのアクセスがある」。彼らはそれを金で買ったのです。政治献金を見てください。それで何を達成したのですか。何を達成したのですか。そこから何を得たのですか。
政治劇場の、見世物になってしまいました。
Scaramucci 氏がトランプ氏に敵対的な本を書きました。するとトランプ氏は、Scaramucci 氏の会議「SALT」——業界の大物が集まる場です——と同じ時間に、ホワイトハウスで急遽の会合を開くことにしました。つまり彼らは、Scaramucci 氏の会議に行くか、ホワイトハウスで写真に収まりに行くかを選ばされたのです。日付を調べてみてください。この過程がどれほど些末なものになったか、ということです。成果とは何の関係もありませんでした。
1933 年の法律は 93 年経ってもまだ生きている
1933 年の証券取引所法は 93 年前に成立しました。それが今も国の法として生きています。フランクリン・ローズヴェルトが大統領でした。ジョン・F・ケネディの父が初代の〔SEC 委員長〕です。歴史の長さの感覚がつかめるでしょう。
〔訳注:正しくは 1933 年証券法(発行市場の開示)と 1934 年証券取引所法(流通市場の規制・SEC を創設)という別々の法律です。ライブ配信での言い回しとして、そのまま訳出しました。2026 − 1933 = 93 年という計算は、1933 年法を指すなら合います。〕
こうしたものを通すとき、それは一つの政権を超えていきます。特定の議会を超えていきます。そしてその周りに数兆ドル規模の産業が育ち、何百万人ものアメリカ人がそこで雇われることになります。これは党派的なやっつけ仕事でやるものではないし、最も高い金を払った者が条文を書くというものでもありません。これは原則に基づいて行うものです。全員を連れていくのです。ゆっくりとした、几帳面な進め方です。
それがなされなかったのは、やっていた人たちにそうしたことをやる経験も知識もなく、これをまた一つの党派的な演習として扱ったからです。
民主党に、今妥協する理由がない
そして、ごく常識的な問いを立てるだけで済む話でもあります。ごく常識的な問いです。
あなたが民主党の立法者だとして、90% を超える確率で下院を奪還し、現時点で 60% を超える確率で上院も奪還する見込みがあり、立法府の両院を支配して Clarity Act を自分たちの立場にずっと有利な条文に書き直せるとしたら、いったいなぜ今日妥協するのですか。なぜ今、取引に応じるのですか。
正直に言えば、この人たちは皆さんと暗号資産業界を使って資金を集めたのです。アクセスは得られました。彼らのイベントに行き、晩餐会に行き、食事に行き、そして「Clarity を通すために全力を尽くす」と言われた。そして政治をやってきた私たちのような人間、政治を知り、法律を通してきた人間は、昨年の時点でこう言ったのです。時間と労力と金の無駄だ、それは死んでいる、と。
民主党にはここで交渉を検討する動機すらありませんでした。なぜなら彼らは「暗号資産 イコール トランプ イコール 悪」という立場を取ったからです。そして、政権に就いたら倫理を取り戻すという立場を取ったからです。調査に次ぐ調査に次ぐ調査が行われることは間違いありません。もちろんそれらは虚栄であり、どこにも行き着かないでしょう。立法府には何かを実行する権限がないからです。しかし彼らは大騒ぎするでしょう。そして彼らの最大の論点の一つは、米国大統領は米国の市場の参加者であるべきではない、というものになります。
大統領は市場に参加すべきではない
そして、ご存じですか。私は彼らに同意します。大統領は、どの党の大統領であろうと、株式を取引すべきではないし、暗号資産を取引すべきではないし、市場の一員であるべきではありません。彼は私たちより先に情報を見ます。インサイダー取引です。彼はツイート一つで米国市場を暴落させることも上昇させることもできる力を持ち、米国市場の規制当局に対して不当な影響力を持っています。
だからこそ、この大統領より前のすべての大統領が、こうした市場での取引を自ら回避してきたのです。腐敗や裏取引の疑惑は常にありましたが、ミームコインが発行されて 10 億ドル以上が稼がれるようなことは、私たちは一度も見たことがありません。一度もありません。物事には比例というものがあり、規模というものがあります。そしてこうしたことをやれば、その代償を払わなければなりません。誰かが言う役目を負わなければならない。
この政権への決別
そして私は、このレームダック政権が私を憎み、私を馬鹿な奴だ、悪い奴だと言おうと、どんな名前で呼ぼうと、本当にどうでもいいのです。
彼らは「新しい戦争はしない」と言っておいて、イランに侵攻した人たちです。彼らは「エプスタイン関連の連中を一掃する」と言っておいて、資料の公開を拒んだ人たちです。彼らは「あの腐敗したバイデンの連中を追い出す」と言っておいて、私たちの背中で数十億ドルを稼いだ人たちです。クリスティ・ノーム氏と彼女が流している広告の件であれ、このゴミのような政権で起きた他の何百もの出来事であれ。
そして「それはただの負け惜しみだろう、チャールズ、お前が cryptozar にしてもらえなかったからだ」と言われるでしょう。いいえ、彼らは私を選びませんでした。そして、こういう結末と、こういう行状と振る舞いになると分かっていたなら、そんな機会が得られる場所の 100 フィート以内にすら近づきたいとは思わなかったでしょう。歴史の灰の山へ、せいせいします。
ワシントンの麻痺
いまワシントンには瘴気が漂っていて、麻痺が広がっていて、私たちは誠実さの問題を抱えています。
昨日、私は 84 歳の植物のような人が上院に車椅子で運び込まれるのを見ました。発話する能力はなく、手をかろうじて動かせる程度です。それでも彼はケンタッキー州民を代表する上院議員としてやっていける、と私たちは言われています。
これは人民の、人民による、人民のための政府ではありません。最高額の入札者に所有され、運営される金権政治です。そして私たちはこの茶番に耐えるよう言われている。私たちが言われているのは、青銅器時代の神々を崇拝する悪魔的な小児性愛者たちのうち、どちらがより好きかを選べ、ということです。モレクの側か、バアルの側か。
そして私はもううんざりです。心底うんざりしています。私の業界は、この狂気から逃れるために作られました。それなのに、その指導者と呼ばれる人たちはサーカスに加わることを選び、その一部になった。自分たちが持つ事業を制度的に守り固められるかもしれないという期待を抱いて。そして彼らはそこから、自分自身の金銭的利益のために数十億ドルを稼いだ。恥を知れ、全員が。
業界は何のために作られたのか
私たちは、ここでの核心の目的が「全員に KYC を」でも「全員を政府が管理する」でも「どの銀行が勝つか」でもないことを忘れてしまいました。核心は、あなたがあなた自身の銀行になることです。あなたが自分のウォレットを持ち、自分のデータを持ち、自分のアイデンティティを持ち、神から与えられたプライバシーを享受する権利を持つことです。
私たちには、毎日私たち全員から奪い続けるこの邪悪な金融システムから離脱する権利があります。
私たちは 40 兆ドルを超える国家債務を見つめています。そして米国大統領は、あの出来損ないの中間選挙集会——あれが一体〔聞き取り不能〕何だったのか知りませんが——で、自分の党を再選させれば 5,000 ドルの小切手を切ると言いました。どうやらアメリカはもう 1 兆ドルの流出を賄えるらしい。私たちは 25 年以上、均衡財政を見ていません。
そして「奴隷のようにこの通貨の中にとどまらなければならない」と言われます。私たちの業界の要点は、離脱する能力を与えることでした。この狂気から逃れ、別の何かをするために。
そして私たちの指導者たちはそれを忘れてしまった。彼らはこれに巻き込まれて、こう言いました。「ルールがないよりは、何らかのルールがあったほうがましだ。中身を知るには、とにかく法案を通すしかない」。
どれだけ飲み込みたいのですか。どれだけ口に押し込まれれば、それがチョコレートではないと認めるのですか。正直に言って、あなたの限界はどこですか。私は限界に達しました。もうどうでもいい。本当にどうでもいいのです。どう終わろうと構いません。無一文になって路上でぼろをまとうことになっても、私は気にしません。
自由がなければ、人生は何でもない
自由がなければ、人生は何の意味も持ちません。そして誠実さがなければ、人は人として何の価値も持ちません。
嘘をついて勝ったなら、それは勝ちではありません。ずるをして勝ったなら、それは勝ちではありません。 目的は手段を正当化しません。そして「命令に従っただけだ」は決して言い訳になりません。
これらは近代が苦労して学んだ教訓です。そして私たちはこれを破るたびに後悔します。そして謝って「二度とやらない」と言います。でも、またやるのです。私たちは人間だから。
そこが暗号資産の要点なのです。それが私たちが何者であるかという要点です。暗号資産は悪になれません。嘘をつけません。コードが法です。結果が良かろうと悪かろうと、書かれたとおりに動きます。ハッキングや鍵の紛失で被害を受けた私たちは皆、そのことを誰よりも痛切に知っています。
しかしそこには、私たちの社会がこれほど深く欠いている誠実さがあります。私たちは基本的な品位すら欠いていて、嘘があまりにも当たり前になり、それが私たち全員を覆って夜の暖をとる毛布になってしまいました。私たちはもう、真実がどんな味なのかさえ知りません。
悲しいことです。
ワシントンに救済を求めるな
救済をワシントンに求めてはいけません。企業や個人に救済を求めてはいけません。自分自身を見て、自分の原則と自分の誠実さを見てください。そして、自分がどんな人間でありたいのか、どこへ行きたいのか、未来をどこに着地させたいのかを自らに問うてください。
そうすれば気づくはずです。核心において、物事を実際に良くする技術を持ち、あなたのお金を、プライバシーを、アイデンティティを取り戻し、それらを通じてあなたの自由を取り戻す力を持つ産業は、これだけだということに。
そしてある時点で、私のようにひどく疲れて、もうどうでもよくなるのです。こうした演説をしても、私は何のご褒美ももらえません。でも私はご褒美のためにやっているのではありません。愛されるためにやっているのでもありません。支持率が 1% でも構いません。私は自分のためにやっています。
私は自由と解放を享受できる世界に生きたい。そしてそれを保証する唯一の方法は、全員がそれを持つ仕組みを作ることです。ですから、真実を語る者として憎まれることになっても、私たちは行くべきところに行き着き、向こう側にたどり着くでしょう。
市場が下げているのが信じられない
ですから、これでようやく教訓を得て、何かを確信してもらえればと思います。Clarity は決して救済ではありませんでした。
市場が下げているのが信じられません。この愚か者たちが。私たちがここに来ることは、あなたたち全員が知っていたはずです。なぜ暗号資産を売っているのですか。「ああ、米国政府が我々を受け入れて、持ち高を吊り上げてはくれないのか」。そうですか、結構です。
いま米国が触れるものは何もかも〔聞き取り不能〕になります。ヘンリー・キッシンジャーの言葉を借りれば、「米国の敵であることは危険だが、米国の友であることは致命的だ」。あの〔聞き取り不能〕はどうなっていますか。あの戦争はどうなっていますか。大量破壊兵器は見つかりましたか。〔聞き取り不能〕
もううんざりです。
仕事に戻れ
先へ進みましょう。この章を閉じましょう。ページを閉じましょう。仕事に戻りましょう。人々に暗号資産を採用してもらいましょう。プライベートな暗号資産を採用してもらいましょう。暗号資産の制御を、決して止められないネットワークへ移しましょう。そしてすべてのアメリカ人をそこに入れ、その資産をそこに入れましょう。そうすれば彼らはこの邪悪なシステムから離脱し、もはやその一部ではなくなります。
私たちが政府に何を望むかを伝えるのです。それは私たちの政府です。彼らを指導者のように扱うのをやめましょう。彼らを王や領主や支配者のように扱うのをやめましょう。
ずっと昔、一群の反逆者たちが一枚の文書に自分の名前を署名しました。もし戦いに負けていれば、処刑されていたであろう文書に。王はいない、指導者はいない、監督者はいないと言う特権のために。私たちアメリカ国民が国を導くのであって、その逆ではありません。
そしてこの国が犯した最大の罪は、国民に対して「あなたたちは主導権を持っていない」と信じ込ませたことです。
あなたが主導権を持っています。それを決して忘れないでください。誰にもそれを奪わせないでください。そして、その核心において、本物の暗号資産は自由と解放の道具であることを理解してください。
それがこの話の本質です。トークンが上がるか下がるかではありません。あなたの自由の話です。移動の自由、表現の自由、結社の自由、商業の自由、自らの労働の果実を享受する自由、あなたの自由と繁栄、そしてあなたが誰であろうと、あなたがあなたであるための自由です。
あなたには神から与えられた権利と尊厳があります。そして私たちは法の下で皆平等です。そして私たちは暗号資産の下でも皆平等です。それを決して忘れないでください。
というわけで、出来損ないの過程にはせいせいしますし、〔聞き取り不能〕すらまともにできない政権の無能さにもせいせいします。仕事に戻りましょう。
一次ソース・関連資料
動画
- Charles Hoskinson「Clarity Act」(2026 年 9 月 15 日配信・27 分 13 秒) — https://www.youtube.com/live/Xt05z3xJnBE
採決
- Slotkin 上院議員の声明(2026 年 9 月 15 日・原文) — https://x.com/SenatorSlotkin/status/2099930187551142252
- CoinDesk「Crypto’s biggest Senate push falls flat as the Clarity Act fails to clear a crucial procedural vote」 — https://www.coindesk.com/policy/2026/09/15/crypto-clarity-act-flames-out-in-failed-u-s-senate-vote
- CNBC「Senate cloture vote on Clarity Act fails」 — https://www.cnbc.com/2026/09/15/senate-cloture-vote-on-clarity-act-fails-dealing-regulatory-setback-to-crypto-industry.html
- NPR「Crypto suffers major defeat as Senate rejects Clarity Act」 — https://www.npr.org/2026/09/15/nx-s1-5968711/clarity-act-crypto-senate-vote
- Newsweek(反対に回った共和党議員の内訳と理由) — https://www.newsweek.com/crypto-clarity-act-fails-senate-republicans-vote-with-democrats-12447024
- 議会調査局 IN12583(法案の規制構造の解説) — https://www.congress.gov/crs-product/IN12583
数値の裏づけ
- 米財務省 FiscalData「Debt to the Penny」(国家債務の日次残高) — https://fiscaldata.treasury.gov/datasets/debt-to-the-penny/
- 米会計検査院 GAO-26-107813(SEC の人員推移) — https://www.gao.gov/products/gao-26-107813
- Decrypt(CFTC 監察官報告に基づく人員減) — https://decrypt.co/355225/cftc-faces-tough-crypto-mandate-fewer-staff-inspector-general
- SEC「About the Securities Laws」(1933 年法と 1934 年法の区別) — https://www.sec.gov/about/about-securities-laws
- ホワイトハウス「GENIUS 法署名」ファクトシート — https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/07/fact-sheet-president-donald-j-trump-signs-genius-act-into-law/
- TIME(2026 年提出の大統領財務開示と暗号資産収益) — https://time.com/article/2026/07/01/trump-2025-financial-disclosure-crypto-world-liberty-financial/
- Forbes(ラトニック商務長官の資産と Tether 持分) — https://www.forbes.com/sites/saradorn/2026/09/11/how-commerce-secretary-howard-lutnick-went-from-911-hero-to-most-hated-guy-on-wall-street/
- CNBC(David Sacks 氏の退任) — https://www.cnbc.com/2026/03/26/david-sacks-trump-crypto-ai-czar.html
- NBC News(McConnell 議員の議会復帰) — https://www.nbcnews.com/politics/congress/mitch-mcconnell-returns-senate-three-month-absence-rcna597815
- ワイオミング州議会 SF0048「Stem Cell Freedom Act」 — https://www.wyoleg.gov/Legislation/2026/SF0048
- IOHK「耐量子化研究プログラム」(2018 年・Peter Schwabe 氏との協働) — https://iohk.io/blog/research-program-to-work-on-hardening-cardano-against-quantum-computers/
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