カルダノ公式サイトが、アプリごとのオンチェーン取引数を並べたリーダーボードを公開しています。表示されている集計期間は 2026年6月28日〜7月28日の30日間(エポック646)で、追跡対象の取引は 343,045件。そのうち DEX が 78.0%(267,699件)を占めています。
この数字が面白いのは、順位の付け方が話題性でも知名度でもなく、実際にオンチェーンで発生した取引の実行数だという点です。公式アカウントもこの集計を紹介する際に「雰囲気でも反応の多さでもない、オンチェーンの件数だ」という言い方をしています。カルダノというチェーンが「いま何に使われているのか」を、宣伝の量を通さずに見る材料になります。内訳を順に見ていきます。
■ カテゴリー別の内訳
公開されている分類と件数は次のとおりです。
- DEX — 78.0%(267,699件)
- Not Listed(分類未掲載)— 6.5%(22,317件)
- Notary(証明・記録)— 6.2%(21,226件)
- Lending(貸借)— 3.5%(11,857件)
- Minting(発行)— 2.7%(9,203件)
- その他 — 3.1%(10,743件)
DEX が全体の約8割です。残りの5分類を全部合わせても 22.0% にしかなりません。取引所としての使われ方が、それ以外のすべてを大きく引き離している状態です。
■ 上位はすべて DEX、しかも首位1本で全体の4割
アプリ別の上位10件は次のようになっています。
- Minswap(DEX)— 142,195件
- WingRiders(DEX)— 44,770件
- Splash(DEX)— 30,152件
- SundaeSwap(DEX)— 23,718件
- CSWAP(DEX)— 18,506件
- UVerify(Notary)— 11,449件
- Spectrum Finance(Not Listed)— 9,989件
- FMS by Trivolve(Notary)— 9,776件
- CIP-25 NFT Minting(標準規格)— 9,184件
- Midnight(Not Listed)— 8,592件
上位5件がすべて DEX です。ここから公表値を使って計算してみると、構造がもう少しはっきりします。
首位の Minswap の 142,195件は、追跡対象 343,045件の 41.5% にあたります。アプリ1本で、チェーン上の追跡対象取引の4割強を動かしている計算です。DEX カテゴリー 267,699件のなかで見れば 53.1%、つまり DEX の取引の半分以上が Minswap 1本に集まっています。
上位5件の合計は 259,341件で、全体の 75.6%、DEX カテゴリーの 96.9% です。DEX が 78.0% を占めるという話は、正確には「5つの DEX が 78.0% のほぼ全部を占めている」という話でもあります。
これは強さでもあり、集中でもあります。DEX 側の更新や不具合が、そのままチェーン全体の実行数に直結しやすい構造だということでもあるからです。
■ 取引以外は、どこで使われているのか
DEX を除いて見ると、2番目に大きいのは Notary、つまり文書や記録の証明に使う用途です。21,226件で 6.2%。上位10件のなかにも UVerify と FMS by Trivolve の2つが入っています。金融ではない使われ方が、貸借(3.5%)や発行(2.7%)より上に来ている点は、この表のなかでは目を引きます。
10位に Midnight が 8,592件で入っているのも記録しておきたいところです。カテゴリー表示は「Not Listed」で、分類上はまだ整理されていない扱いになっています。
■ この表で言えること、言えないこと
読むときに気をつけたい点が2つあります。
1つは、これが「追跡対象」の集計だということです。343,045件はチェーン上で起きたすべての取引ではなく、このリーダーボードが把握しているアプリに紐づいた取引の数です。分類が「Not Listed」となっているものがあることからも、把握の範囲には幅があると考えるのが自然です。
もう1つは、件数は使われ方の一面でしかない、ということです。1件あたりの金額も、その取引が誰にとってどんな意味を持ったのかも、この表からは分かりません。少額の取引を何度も出すアプリと、大口を月に数回動かすアプリでは、件数の出方がまったく違います。件数が多いことは「よく動いている」を意味しますが、「価値が大きい」を意味しません。
■ 次に見るもの
同じ集計が次のエポックでどう変わるかです。DEX の比率が 78.0% から動くのか、それとも上位5件の顔ぶれごと固定されているのか。集中が続くのであれば、それはチェーンの使われ方がまだ取引に寄っているという話になりますし、Notary や発行の比率が上がってくるのであれば、使われ方の幅が広がってきているという話になります。
公式が「反応の多さではなく件数で見る」という物差しを表に出したこと自体も、材料として押さえておく価値があります。宣伝の量と実行数がずれているとき、どちらを見るかで結論は変わります。
一次ソース
- Cardano — Apps leaderboard(オンチェーン取引数の集計・2026年6月28日〜7月28日/エポック646)
https://cardano.org/apps/leaderboard - @Cardano — Which apps actually moved transactions last epoch?(2026年7月31日)
https://x.com/Cardano/status/2083100122146033874
