Cardano 財団は 10 月 19 日(日本時間 16 時半ごろ)、UCLA アンダーソン経営大学院のベンチャー・アクセラレータとの提携で、最初の授業が開かれたと公式 X で伝えました。学生がチームに分かれて Web3 の事業を設計し、短いピッチをしてフィードバックを受ける形式で、財団は次の段階として 2027 年に UCLA の授業へ Cardano の教材が入ると予告しています。
9 月 28 日の提携発表の時点では、告知の投稿だけでは授業の中身や日程が分かりませんでした。財団ブログの発表全文には、今日の授業の設計と 2027 年までの予定が具体的に書かれています。この記事では、その中身を順に整理し、教育から起業までを一つの相手と組んだこの提携が、Cardano のエコシステムに何を積み上げようとしているのかを考えます。
初期報: CardanoがUCLA Andersonとアカデミーパートナーシップを開始/提携発表時の解説: Cardano 財団、UCLA の起業家育成にフェローシップ5枠
10 月 19 日の授業は「Cardano for the Real World」
財団ブログによると、提携の最初の取り組みは「Cardano for the Real World: Blockchain, AI, and Building the Next Big Thing」と題した対話型のマスタークラスで、開催日は発表の段階で 10 月 19 日と決まっていました。内容は財団の学習講座 Cardano Academy と、UCLA で教える Alex Nascimento 氏が共同で設計しています。
授業で扱うテーマは 3 つです。
- 企業向けの Web3
- 分散型の AI エージェント基盤
- 実社会でのブロックチェーンの使いみち
学生はチームを組んで Web3 の事業の設計図を描き、短時間のピッチで発表します。あわせて、AI の支援を受けながらスマートコントラクトを開発する方法にも触れる構成です。財団の今日の投稿にある「チームが Web3 の事業を設計し、ピッチして、フィードバックを受ける」という説明は、この設計どおりに授業が進んだことを示しています。
修了した学生には、Cardano 財団がスポンサーとなる修了証が出ます。財団は 10 月 6 日(UTC)に Cardano Academy の上級資格 CBCP の試験を始めていますが、今回の修了証がそれと同じ仕組みかどうかは、発表には書かれていません。
2027 年、経営大学院の授業に Cardano Academy の教材が入る
財団が今日の投稿で「次」と予告した 2027 年のカリキュラムは、発表全文では具体的な授業名まで示されています。対象は Alex Nascimento 氏(UCLA アンダーソン MBA 2008 年修了)が教える「Blockchain Cryptocurrency Applications in Business and Finance」で、2027 年から Cardano Academy の教材と活用事例が組み込まれます。学生は Cardano の教材に加えて、実際の使いみちやプロジェクト型の学習にも取り組むとされています。
Nascimento 氏は発表のなかで、ブロックチェーンや AI を製品・市場・事業モデルの作り替えに使いこなす力は、いまの学生と創業者にとって欠かせないものだと述べています。今日のマスタークラスは単発の講演ではなく、翌年の授業へつながる最初の 1 回として置かれています。
創業者への支援は 5 社のフェローシップと 2027 年のショーケース
教室の外では、すでに会社を始めている創業者向けの支援が 2 つ用意されています。
1 つ目は、アクセラレータのプログラム「UCLA Accelerate」の参加企業から選ばれる 5 社へのフェローシップです。選ばれた企業は資金、メンタリング、Cardano エコシステムとの関わりを受け、Cardano 上で事業を作る可能性を探る機会を得ます。フェローシップの金額は、発表全文にも書かれていません。
2 つ目は、2027 年の「UCLA Draper Innovation Showcase」への財団のスポンサー参加です。教育プログラム、創業者との交流、ネットワーキング、ショーケースの催しを通じたエコシステムの露出が含まれます。
財団で事業化とエコシステム拡大を担う Nadia Mannell 氏は、創業者と早い段階から関わり、財団の Academy と Venture Hub を通じて、Cardano 上での事業づくりを支えると説明しています。学ぶ場(Academy)と事業を育てる場(Venture Hub)を、同じ大学の同じ人たちに向けて並べたことが、この提携の組み立ての特徴です。
チューリッヒ、ブラジリア、リオの大学連携に UCLA が加わる
発表は今回の提携を、財団がこれまで進めてきたチューリッヒ大学、ブラジリア大学、リオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-Rio)との協力の延長に位置づけています。Cardano Academy は、これまで主に個人がオンラインで自分のペースで学ぶ講座と資格の仕組みでした。それが大学の授業の中で、事業の設計やピッチと組み合わせて使われる段階に入りつつあります。
ステークプールの運営や DRep としての投票に日々関わる立場から見ると、この流れの意味は、Cardano を「最初に触れるチェーン」として学んだ人が、そのまま Cardano の上で会社を作る人になる道筋が、一つの提携の中で用意された点にあります。ネットワークの長期的な価値は、使う人と作る人の厚みで決まります。授業 1 回で結果が出る話ではありませんが、2027 年の授業とショーケースで、その厚みがどこまで増えたかが見えてきます。
確かめやすい次の一点は、2027 年の UCLA Draper Innovation Showcase です。財団がスポンサーとして関わる場なので、フェローシップを受けた 5 社がどんな分野の会社で、Cardano 上で何を作ろうとしているのかが、ショーケースの出展企業として表に出てくる可能性があります。それより前に、UCLA アンダーソンのベンチャー・アクセラレータのページで次の Accelerate の参加企業が公表されれば、5 社の顔ぶれはそこで先に分かります。
ことば
- マスタークラス — 第一線の実務家や専門家が少人数を相手に、講義だけでなく実習や対話を交えて行う集中授業。今回は 1 回の授業の中で、事業の設計からピッチ、フィードバックまでを通しで体験させる形でした。
- Venture Hub — Cardano 財団の事業支援の窓口で、Cardano Accelerator Program(CAP)などのプログラムを持ちます。今回の提携では、教育を担う Academy と並んで、UCLA の創業者を支える側に置かれています。
- UCLA Accelerate — UCLA アンダーソンのベンチャー・アクセラレータが運営する、初期段階の企業向けの集中プログラム。今回のフェローシップ 5 社は、この参加企業の中から選ばれます。
一次ソース / 関連リンク
- Cardano Foundation 公式 X(UCLA での最初の授業)
https://x.com/Cardano_CF/status/2112084472938344687
Cardano Foundation ブログ(UCLA アンダーソンのベンチャー・アクセラレータとの提携発表全文・2026 年 9 月 28 日)(cardanofoundation.org)

UCLA Anderson Venture Accelerator(プログラムの概要)
UCLA Anderson School of Management
Cardano Academy(Cardano 財団)(cardanofoundation.org)
