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Sundae v4 のメインネット公開は 10 月 1 日です——プレビューのテストネットは、もう触れる状態にあります

2026-09-11SIPO

Cardano の DEX「SundaeSwap」を開発する Sundae Labs が、次期メジャー版となる Sundae v4 のメインネット公開を 10 月 1 日に行うと告知しました。あわせてプレビュー用のテストネットが公開され、7 月末に設計の全体像が示されてから初めて、日付と、実際に触れる場所が同時に出そろった形になります。

SIPO が追いかけているのは、Cardano 上の実装が「発表」から「触れる場所」へ降りてくる瞬間です。設計思想の説明がいくら精緻でも、読者が自分の手で触れるものが出てこない限り、その技術がどの段階にあるかは測れません。今回の告知は、その線をまたいだ 1 本にあたります。

以下では、告知に書かれていることと書かれていないことを分けたうえで、7 月以降に公式が公開してきた v4 の中身を並べ、10 月 1 日までに確認しておきたい点を整理します。

■ 告知に入っているのは 2 つだけです

Sundae Labs の公式アカウントが日本時間 9 月 10 日 23 時 36 分に投稿した本文は、次の 3 行です。

Meet Sundae v4.
Mainnet launching October 1st.
Preview testnet is now live at app.preview.sundae.fi

つまり書かれているのは、メインネットの公開日が 10 月 1 日であること、プレビュー用のテストネットがすでに動いていること、この 2 点です。それ以上の説明は本文にありません。

ここで 1 つ、読むときに気をつけておきたい点があります。告知は「プレビュー用テストネットが公開中」とだけ述べており、それがどのネットワークの上で動いているかを明示していません。Cardano には Preview という名前の公開テストネットがあり、告知にある URL のサブドメインも同じ語ですが、告知本文はネットワーク名を書いていないので、本稿では推測で確定させません。触ってみる方は、接続時にウォレット側が表示するネットワーク名をご自身で確認してください。年の表記も本文にはありません。

■ 7 月から 9 月までに、公式が公開してきた中身

今回の告知は突然出てきたものではありません。Sundae Labs は 7 月 30 日に「Sundae v4 is coming」として次期メジャーアップグレードの最初の詳細を公開し、そこから 4 回にわたって、機能を 1 つずつ取り上げるライブ配信のミニシリーズを続けてきました。公式の説明をそのまま並べると、v4 の輪郭はこうなります。

  • 自動ルーティング(8 月 7 日):CTO の Pi Lanningham 氏が、ソルバーがどうやって最良の経路を見つけるかを解説する回です。公式はこの回の対象として、アグリゲーター、RealFi、そして v4 の上に構築する機関投資家のデスクを挙げ、「相当な出来高をさばくなら執行の質がすべてだ」と書いています。
  • カスタム Vault(8 月 14 日):利回りを生む独自の Vault、トレジャリー全体を稼働する流動性へ変えること、独自曲線や再担保(rehypothecation)といった高度なプリミティブ、そして「すべての取引が Vault へ流れうる」注文フローの統合。公式はこれらを v4 の機関投資家向けツールキットと位置づけています。
  • 集中流動性(8 月 28 日):Cardano の eUTXO モデルの上で集中流動性をネイティブに実現した、と説明されています。現在価格の周辺に厚みを積むことで、取引がより狭い値幅で約定するという狙いです。
  • Linear Swaps(9 月 4 日):公式の表現は「true 1:1 stableswap product」で、予測可能・低手数料・スリッページゼロ・変動損失ゼロと書かれています。同時に、それが生みうる問題と、プール自身が自分の裁定コストを払う「bounty」の仕組みで解こうとしている点にも触れています。

設計そのものの読み解きは、SIPO でも 8 月 2 日に 8 つの設計としてまとめています(SundaeSwap v4 発表──8 つの新設計で DEX は「モジュール型の流動性基盤」へ)。中心にあるのは、プールを「トークンの準備金と、それに対する持分」という最小単位まで分解し、価格曲線・取引条件・注文処理・外部プロトコル連携を組み替え可能なモジュールとして扱う考え方です。

■ 告知が触れていないこと

日付が入った一方で、告知本文が答えていない点も残っています。整理すると 4 つです。

  • 10 月 1 日に何が有効になるのか:7 月の発表の時点で、Sundae Labs は挙げた設計例のすべてが初日から使えるわけではなく、中核機能から段階的に出す方針だと説明していました。今回の “Mainnet launching” が全体の公開を指すのか、その段階的な公開の開始を指すのかは、告知の 3 行からは判別できません。
  • 監査の結果:7 月時点では監査が終盤という説明でしたが、報告書そのものの公開について告知は触れていません。
  • v3 の流動性をどう移すか:既存プールの移行条件、期限、手数料の扱いは、告知に書かれていません。既に流動性を置いている方にとっては、ここが最も直接効く部分です。
  • プレビューに何が並んでいるか:テストネットは本番の資産を使わない環境ですから、触れること自体にリスクはありません。ただし段階的な公開が予定されている以上、プレビューに v4 の全機能が並んでいるとは限りません。

もう 1 点、7 月の説明では、発表から 1 か月以内に中核機能から段階的な公開を始める予定とされていました。10 月 1 日はそれより後ろの日付です。ただし前述のとおり、この 2 つが同じ節目を指しているかどうかは公式の文面からは分かりませんので、ここでは日付だけを並べて、解釈は開いたままにしておきます。

■ 10 月 1 日までに見ておくもの

見るべきものを 3 つに絞ります。

1 つ目は、段階の公表の仕方です。初日に何が有効で、何が後から来るのかを、公式がどの粒度で示すか。ここが曖昧なまま公開日を迎えると、利用者は自分が触っているものが完成形なのか途中なのかを判断できません。

2 つ目は、v3 からの移行条件です。移行の告知が公開日の直前に出るのか、余裕を持って出るのかは、そのまま流動性提供者の準備時間になります。

3 つ目は、プレビューで自動ルーティングが実際に効いているかどうかです。公式が執行の質を前面に出している以上、同じ取引を出したときに受取額が改善するかは、テストネットの段階でも体感として確かめられる部類の項目です。

Cardano の DeFi は、この秋、個別プロトコルの機能競争とエコシステム全体の穴の可視化が同時に走っています。v4 はその前者の側で、最も具体的な日付を持った案件になりました。公開日が来たときに、告知の 3 行がどこまで実物に変わっているか。SIPO はそこを見ます。

■ ことば

  • DEX(分散型取引所):運営会社が注文を預かるのではなく、ブロックチェーン上のプログラムが交換を成立させる取引所です。今回 v4 で組み替えの対象になっているのは、その「交換を成立させる部分」の設計そのものです。
  • メインネット:本物の資産が動く稼働中のネットワークを指します。v4 の話で 10 月 1 日という日付が重みを持つのは、それが実資産を扱う面での切り替え日だからです。
  • プレビュー用テストネット:本番前に試すための、価値のないトークンで動く環境です。今回これが先に開いたことで、設計の説明を読むだけだった段階から、手を動かして確かめられる段階へ移りました。

一次ソース / 関連リンク