Cardano Foundation が 2026年9月7日、2025/26 年イベントシリーズの総括と、2027年シリーズの初期構想を公式フォーラムに投稿しました。同じ日に日本語版の投稿も公開されています。数字の棚卸しと「次はこうしたい、意見をください」という設計段階の案が、同時に出てきた形です。決まったあとを追いかけるより、決まる前に窓が開いている時間のほうが、読み手が実際に動ける幅は大きくなります。この記事では、公表された数字と2027年案の中身、そして「日本語で出せる」ことの意味を順に整理します。
■ 20の催しが残した数字
財団の投稿によれば、2025/26 シリーズは国庫(Treasury)で賄われた12か月のプログラムで、2025年8月の Blockchain Rio から2026年7月の WebX Asia Tokyo まで、4大陸にまたがる20の催しを実施しました。参加した Cardano プロジェクトは79件です。
投稿に並んだ実績は次のとおりです。
- ブースでの接触:8,191件
- 参加した開発者:1,169人
- 政府・規制当局:50、企業:143、学術機関:26
- 基調講演・パネル登壇:27件
- 掲載記事・放送インタビュー:147件
- ウォレット登録:1,045件(目標の201%)
- Cardano Academy の登録:1,244件(目標の222%)
- ハッカソン申込:102件
- 専門家によるワークショップ:56回
目標比が明示されているのはウォレット登録と Academy 登録の2項目で、どちらも設定値の2倍を超えています。一方で、接触件数や登壇件数には目標値が併記されていないため、「多いか少ないか」を外から判定することはできません。ここで読み取れるのは、財団が2027年の話を始めるにあたって、まず12か月分の実績を数字として並べたという事実です。
■ 2027年は「ひとつのブースで11会議」という案
2027年案の骨格は、1月から12月というカレンダーイヤーで年間を区切り、欧州・アジア・オーストラリア・アフリカ・ラテンアメリカ・米国を対象に11の会議へ出る、というものです。初回は2027年2月の Africa Tech Summit から始める想定で、アジア太平洋の会議としては TOKEN2049 の名前が挙がっています。
やり方の変更点は、会議ごとに別々の出展を積み上げるのではなく、統一されたひとつの Cardano ブースに集約し、そこに選定されたビルダーのプロジェクトが乗るという設計です。ブランディング、登壇枠、メディアキャンペーンも同じ器の上でまとめられます。
財団は4つの柱を挙げています。ビルダーをエコシステムの中心的な参加者として扱うこと。責任の所在は中央に置きつつ、実施は現地で行うこと。Cardano 2030 の戦略ビジョンと整合させること。そして、より絞り込まれた予測可能な年次カレンダーにすること。「絞り込む」という言い方は、20から11へ数を減らす今回の案とそのまま対応しています。
予算については、「列挙したすべてのイベントを500万米ドルの枠内に収める見積もりである」と書かれています。財源は国庫からの引き出しで、ネットチェンジリミット(NCL)の余地とコミュニティの反応を前提とする、という条件付きです。X の投稿でも「コミュニティが支持しなければ実現しない」と明記されました。つまり現時点では、正式な提案としてはまだ何も提出されていません。金額も会議の内訳も、この段階の構想として読む必要があります。
■ 日本語で出せる、ということ
今回もう一つ押さえておきたいのは、英語版と日本語版が同じ日に公開されている点です。フォーラムの議論は通常、英語で始まって英語で結論に近づいていきます。日本語話者が意見を出すには、まず英語の長文を読み、英語で書き返す必要がありました。今回はその手前に日本語の入口が置かれています。
2025/26 シリーズの最後の催しは WebX Asia Tokyo(2026年7月)でした。日本はすでに実績のある開催地として名簿に載っています。2027年の11会議に日本が含まれるかどうかは公表されていませんが、地域と会議の選定はいま議論の途中にあり、そこへ日本語で意見を出せる面が用意されている、というのが今日の事実です。
財団はフォーラムでの意見に加えて、X 上で AMA を開く予定だとしています。
■ 見ておきたいこと
- X 上の AMA — 開催時期と、11会議の具体的な内訳がそこで示されるかどうか
- 正式提案の提出時期 — 国庫からの引き出しは NCL の余地次第とされており、構想が提案の形になるまでには時間がかかる可能性があります
- 日本語フォーラムに寄せられる意見 — 窓が開いているだけでは、議題にはなりません
2025/26 の20の催しは、終わってから数字として読むものになりました。2027年のシリーズは、まだ数字になる前の段階にあります。どこで開き、誰が壇上に立つのかを決める話し合いに、日本語で参加できる期間は限られています。あなたなら、どの会議に Cardano がいるべきだと書きますか。
一次ソース / 関連リンク
- Cardano Foundation「Cardano Global Events 2027: The Catch-up」(公式フォーラム・英語)
https://forum.cardano.org/t/cardano-global-events-2027-the-catch-up/156671 - Cardano Foundation「Cardano 2027」(公式フォーラム・日本語版)
https://forum.cardano.org/t/cardano-2027/156673 - @Cardano_CF の投稿(2027年シリーズ構想の告知)
https://x.com/Cardano_CF/status/2096893857065501046 - @Cardano_CF の投稿(日本語版フォーラム投稿の告知)
https://x.com/Cardano_CF/status/2096893860030927070
