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Deep Dive

なぜ今、Midnightなのか――AIに任せる時代の「選べるプライバシー」

2026-09-05SIPO
曇りガラスのパネルの一部だけが透明になり、奥の幾何学的な形が見える、選択的な情報開示のイメージ。

Midnight Ambassador 特別企画|再編集・保存版

PRIVACY HISTORY | AI | MIDNIGHT

「隠す・名乗らない・失わない」4000年の知恵から、何を見せ、何を任せるかを考える

プライバシーは、ただ隠すためだけの技術ではありません。
何を、誰に、どこまで見せるかを選べる社会を支える基盤です。

AIに仕事を任せるとき、私たちは何まで渡すのでしょうか。依頼の内容だけでなく、過去の行動や買い物の履歴も必要なのでしょうか。それとも、財布の中身と、お金を動かす権限まで渡すことになるのでしょうか。

Midnightアンバサダーとして、私はこの技術に注目しています。便利な仕組みを使うために差し出す情報を、アプリケーションを作る段階から見直せるからです。

古代の文字、日本の呼び名と帳簿、近代の権利、暗号技術には、それぞれの時代に情報と向き合ってきた工夫があります。Midnightへまっすぐ続く歴史ではありませんが、何を見せ、何を任せ、そのルールをどう確かめるかを考える手掛かりは見つかります。

1. AIに仕事を任せるとき、私たちは何まで渡すのか

たとえば、AIアシスタントに「仕事で使うサービスの契約を、必要なものだけ更新してほしい」と頼む場面を想像してみてください。

契約内容を読むには、請求書や利用状況へのアクセスが必要になります。更新するには、そのサービスを使い続けてよいかを判断しなければなりません。料金を払うには、さらに支払いの権限が必要です。ところが、この三つを区別しなければ、「仕事を任せる」が「関連する情報と権限を全部渡す」に変わってしまいます。

人間の仕事では、こうした区別を日常的に行っています。経理担当者が請求書を処理するからといって、全従業員の病歴を読む必要はありません。取引先に支払い能力を示すために、すべての顧客や交渉中の案件を公開する必要もないはずです。相手を信頼していても、目的に必要な範囲を決めておくからこそ、安心して仕事を分担できます。

AIが関わる場面でも、この発想は変わりません。ただし、見る、記録する、照合する、実行するという処理が一つにつながるほど、どこまで許可したのかを把握しにくくなります。

便利になった分だけ、多くの情報や権限を渡しているとすれば、本当にそこまで必要なのかと立ち止まってみたいところです。情報をどう渡し、どう守るかという悩みは、デジタル技術が生まれるはるか前からありました。

2. 隠す・名乗らない・失わない――古代と日本の知恵

古代の文字は、現代の「秘密保護」と同じではない

暗号史では、約4000年前の古代エジプトに見られる、通常とは異なるヒエログリフの使い方が取り上げられます。エジプト学者エティエンヌ・ドリオトンの研究は、特殊な表記が、内容を秘密にするためだけでなく、読み手の関心を引く工夫にもなり得たことを論じています。[古代エジプトの暗号表記研究

誰が読み、どのように理解するのかを意識しながら、文字の表し方を変えていたと考えられます。現代とは目的が異なります。それでも、情報の伝わり方に工夫を凝らしていたことがうかがえます。

女房名が教えてくれる、識別と実名の違い

日本では、紫式部や清少納言の呼び名が面白い入口になります。これらは現代的な意味での本名ではなく、宮廷で用いられた女房名であり、本名については確実でない点が残ります。父や夫の官職などに由来する呼称が用いられ、当時の身分や社会関係とも結び付いていました。[斎宮歴史博物館の解説

女房名の目的を現代のプライバシー保護と重ねることはできません。それでも、実名を公に示さなくても、呼称を通じてその人が誰か分かるという点は興味深いものです。人を識別するために、その人に結び付くあらゆる情報まで知る必要があるのでしょうか。本人確認や仮名の使い方を考えるときにも通じる話です。

帳簿は、秘密にするだけでは守れない

商いの記録には、また違った切実さがあります。大福帳に残された売掛や支払いの記録は、後で相手に請求し、取引を続けるための手掛かりでした。秘密を守れていても、必要なときに読めなければ役に立ちません。

文化遺産データベースの「清帳紙」の解説には、大福帳に使われた土佐の紙を、火災の際に井戸へ入れて守り、取り出した後も墨書を読めたという記述があります。その丈夫さが、関西で重宝された理由だったといいます。[文化遺産データベース「清帳紙」

原本を水中へ退避させるこの方法は、別の場所に複製を置くバックアップとは異なります。それでも、災害の後にも記録を使えるようにしておくという知恵は、いまにもつながります。

文字の工夫、呼び名の慣習、帳簿の保護は、目的も背景も異なります。それでも、現代のプライバシー技術を使う際には、秘匿できるというだけで安心せず、誰が扱い、必要なときに使えるかまで考えておきたいものです。

3. 私生活は誰のものか――権利と『1984年』

新しい技術が、私生活の境界を動かす

1890年、米国のサミュエル・ウォーレンとルイス・ブランダイスは「The Right to Privacy」を発表しました。写真や新聞によって私生活が広く伝えられる状況を背景に、プライバシーを法的に保護する必要を論じた画期的な論文です。「放っておいてもらう権利」という表現も登場しますが、両著者はこれを法律家クーリーの言葉として参照しています。[1890年の原論文

それまで限られた人にしか見えなかった生活が、広く伝えられるようになりました。その変化に、法律も向き合う必要が生じたのです。

『1984年』を、監視装置だけの物語にしない

1949年に刊行されたジョージ・オーウェルの『1984年』は、私生活への介入が自由をどう脅かすかを考えさせます。作中の人々は、いま実際に監視されているか分からなくても、見聞きされている可能性を前提に振る舞います。私がここから受け取るのは、監視の力は記録を集めることだけでなく、人が自分から行動を狭めることにも及ぶという警告です。[Orwell Foundationの作品紹介

読んだ本、会った相手、支援した団体まで、常に他人から評価される前提で暮らすなら、振る舞いも変わるでしょう。まだまとまっていない考えを試したり、周囲に説明せずに何かに関心を持ったりする余地まで、小さくなってしまうかもしれません。

小説が描く体制を現代社会にそのまま当てはめることはできませんが、自分の行動がどこまで知られるかを理解し、考え直せる余地は、私たちにも大切です。

真実であることと、公開してよいことは別

日本の1964年の「宴のあと」事件では、創作を含む小説の描写と、実在する人物の私生活との関係が争われました。東京地裁は、私生活をみだりに公開されない利益を法的に保護する判断を示しました。[東京地裁判決・京都産業大学掲載

事実であっても、その人が広く知られることを望まない情報はあります。「嘘を書かれたか」だけでは、プライバシーの侵害を捉えきれません。ただし、公開の適否を考えるには、公共性や表現の自由などとの関係も検討する必要があります。本人が秘密を望めば、常に公開を止められるわけではありません。

コンピューターによる個人データの処理が広がると、勝手な公表を防ぐだけでなく、誰が何の目的で情報を集め、使っているのかも問題になります。1980年に採択されたOECDのプライバシー・ガイドラインは、収集の制限、目的の明確化、利用の制限、本人の関与、管理者の責任などを八つの基本原則として示しました。各国を直接拘束する法律とは異なり、国際的な政策原則として位置付けられています。[OECDの公式勧告

情報を技術で秘匿していても、集める量が過剰だったり、使われ方を確かめられなかったりすれば、問題は残ります。必要な分だけを集め、利用状況を確認でき、間違いにも対応できるようにする責任が、情報を扱う側にあります。

4. 法律に加えて、コードでも守る――暗号とサイファーパンク

1970年代には、暗号技術にも重要な展開がありました。1976年のディフィーとヘルマンによる公開鍵暗号の研究、そして1970年代後半のRSAです。公開してよい情報と秘密に保つ情報を組み合わせ、離れた相手と安全に通信したり、署名を検証したりするための道が開かれました。[Diffie–Hellman原論文RSA原論文

それ以前から使われていた暗号では、共通の秘密鍵をどう安全に共有するかが課題の一つでした。公開鍵暗号は、そこに新しい方法を加えました。ただし、相手の確認や安全な実装は引き続き必要です。数学にすべてを預けるというより、他者への信頼を、検証できる仕組みで補う技術と捉えると分かりやすくなります。

デビッド・チャウムは1980年代に、匿名通信や、追跡されにくい支払いにつながる研究を発表しました。そして1993年、エリック・ヒューズは「A Cypherpunk’s Manifesto」で、プライバシーを自分について選択的に明かす力として捉え、コードを書くことの重要性を説きました。[Chaumの論文一覧Hughesの宣言

「選べるプライバシー」という考えには、こうした蓄積があります。法律による保護に加え、必要以上に情報を渡さずに参加できる仕組みを、自分たちの手で作ろうとしてきた人々がいました。

Bitcoinも、この歴史を考えるうえで欠かせません。2008年の原論文は電子署名を用いた取引を説明し、「Privacy」の節では、公開鍵に実名を結び付けないことや、取引ごとに新しい鍵を使うことを論じています。しかし、取引のつながりが分析の手掛かりになるという問題も残ります。[Bitcoin原論文

秘密鍵による署名が示すのは、鍵に対応する操作を認めるための条件を満たしたことです。その人の戸籍上の身元や、あらゆる意味での正当な所有権まで証明するものではありません。操作する権限を確かめる仕組みがあっても、本人確認や取引情報の保護は、それぞれ考える必要があります。

年表――一本道ではなく、異なる問題への応答

時代・出来事本稿で受け取る視点
約4000年前の古代エジプトの特殊表記情報の表し方・読まれ方を工夫する。現代の秘密保護とは区別する
平安期の女房名識別する呼称と実名は、必ずしも一致しない
大福帳と紙を守る工夫情報は、必要なときに使える状態で残すことも大切
1890年「The Right to Privacy」新技術が私生活の境界を動かし、法的保護を問い直す
1949年『1984年』監視される可能性が、行動や思考の余地を狭め得る
1964年「宴のあと」事件真実であることと、公開してよいことを分けて考える
1970年代の公開鍵暗号研究/1980年OECDガイドライン技術による保護と、データを扱う責任をそれぞれ整える
1980年代のChaumの研究/1993年のHughesの宣言必要以上の情報を渡さずに参加できる仕組みを作る
2008年のBitcoin原論文署名による権限の検証と、公開取引の追跡可能性を考える
AIが情報や操作を扱う時代見せる情報、任せる範囲、ルールの確かめ方を、仕組みとして設計する

この年表に並ぶのは、一つの概念が進化してきた過程というより、情報をめぐる異なる問題に、慣習、制度、技術で応じてきた足跡です。

5. AI時代の三つの設計――情報・権限・検証

デジタル情報は、複製し、検索し、別の記録と結び付けることが容易です。いったん共有した情報について、手元の一つを消すだけで、すべての複製まで取り消せるとは限りません。情報を残すことに苦心した帳簿の時代とは、違う難しさがあります。

AIとの会話には、完成した結論だけでなく、迷い、将来の計画、仕事の文脈も含まれることがあります。私はこれを、検索履歴に加えて「考え途中の記録」を渡す行為でもあると捉えています。会話がどう保存・利用されるかは、製品や契約、設定、運用によって異なるので、自分が使う環境で確かめておく必要があります。

会話の先でAIが実際の操作まで行う場面では、少なくとも三つの点を決めておくことが重要です。

一つ目は、何を見せるか

目的の達成に必要な情報は何でしょうか。生の記録が必要なのか、それとも条件を満たすという結果だけでよいのでしょうか。誰の端末やサービスで処理され、誰に保存されるのでしょうか。

誰から隠すのかによって、守るための方法は変わります。ブロックチェーンの閲覧者に金額が見えなくても、入力先のアプリケーションには知られる場合があります。AIサービスへ元データを送った後で取引だけを秘匿しても、そのサービスにデータが渡ったことは変わりません。

二つ目は、何を任せるか

請求書を読むこと、支払いを提案すること、実際に送信することは、それぞれ異なる権限です。宛先、1回の上限、一定期間の累計額、利用期限、再確認が必要な条件などについて、認める範囲をあらかじめ定めておきます。

1回の支払いが小さくても、繰り返せば合計は大きくなります。1回の上限を設けただけで、被害額までその範囲に収まるとは言えません。処理を止め、与えた権限を取り消せる手段も欠かせません。

三つ目は、そのルールを何が検証するか

スマートコントラクトは、取引の条件や処理をコードで定め、ブロックチェーン上で検証・実行する仕組みです。画面で「上限以内」と表示されることと、どの経路で操作しても同じ制限が強制されることは違います。アプリの判定、ウォレットの署名、スマートコントラクトによる検証には、それぞれ別の役割があります。

ゼロ知識証明は、秘密の情報そのものを明かさずに、条件の成立を証明する技術です。ただし、入力された情報が現実世界で正しいかどうかは、それだけでは保証できません。年齢を証明するなら、元になる情報を誰が確認したのかまでたどる必要があります。条件を満たしたという結果を信頼するには、その前提も確かめたいところです。

AIに仕事を任せるには、情報を守るだけでなく、与えた権限が安全に使われるようにする必要もあります。この二つを、Midnightを使ったアプリケーションでどう扱えるのかを見ていきます。

6. Midnightは何を可能にし、何を自動では解決しないのか

「確かめる」と「全部見る」を切り離す

たとえば、年齢条件だけを確認する場面で、氏名や住所を含む身分証全体を見せる必要があるでしょうか。信頼できる年齢情報と適切な仕組みがあれば、具体的な生年月日を渡さずに「必要な年齢に達している」という結果だけを確かめる方法が考えられます。あらゆる本人確認を不要にするものではありませんが、年齢を確認したいだけの場面で、渡す情報を減らせる可能性があります。

企業取引でも、同じ発想が役に立ちます。取引が定められた条件を満たしているかを確かめたい相手に、価格交渉の履歴、全顧客、すべての口座情報まで渡す必要があるとは限りません。必要な確認に応じながら、開示する情報を絞ることができれば、協力しやすくなります。

Midnightの開発環境では、公開する状態と、ローカルで扱う非公開の状態を組み合わせ、ゼロ知識証明を用いるアプリケーションを構築できます。Compactという言語を使い、何を公開し、何を非公開で扱うかを開発者が明示的に定めます。[Midnight公式の開発者向け解説

「選べる」は、何でも後から隠せるという意味ではない

ただし、利用者がその場で任意の情報を選び、好きな相手だけに自由に開示できる機能が、すべてのアプリに備わるわけではありません。何を証明し、何を公開するかは、やり取りするコントラクトの条件にも左右されます。公式FAQも、利用者が任意に証明内容を決めるのではなく、定められた要求を受け入れるか判断する点を説明しています。[Midnight公式FAQ

値を隠したまま条件の成立を証明できる場合もあれば、値そのものの公開が求められる場合もあります。いったん公開台帳に出した情報は、その後ローカルに取り込んでも、非公開には戻りません。

だから私は、「選べるプライバシー」には、作る側の責任も含まれると考えています。初めから過剰な情報を要求せず、何が公開されるかを分かるようにして、確認や拒否の機会を用意する必要があります。そうした配慮があってこそ、利用者は自分で選べます。

Midnightは、こうした仕組みを作るための技術的な選択肢を提供します。元データの信頼性やAIに渡す情報、権限の管理、端末の安全性、法制度への対応については、チェーンを使うだけでは足りず、それぞれに備える必要があります。

なぜ、私はいまMidnightに注目するのか

私がMidnightに期待しているのは、アプリケーションを作る段階から、情報の保護を仕組みに組み込めることです。何を隠し、何を検証できるようにするかを、動く仕組みとして考えられます。

人間が毎回すべての処理を見張るのは難しいものです。任せる範囲を定め、その範囲が守られているかを確かめようとすれば、全面公開か全面秘匿かという二択では足りなくなります。相手に必要な確認を認めながら、自分が渡す必要のない情報は手元に残せるようにしたいのです。

Midnightは、そうした設計を支える技術的な選択肢の一つです。具体的な試作を通して、どこで使え、何を補う必要があるのかを見ていきます。

7. 思想を、動く設計へ――秘匿決済の試作から考える

SIPOの別稿「AI × Privacy 何を隠し、何を証明するか」では、AIを用いて開発したMidnightのテスト環境向けデモを紹介しています。公開で初期登録した1000ptから、送金額を明かさずに100ptと10ptを差し引く場面を題材にした試作です。計算そのものは簡単でも、どの数字が誰に見えるのかを追うと、画面を見るだけでは気付きにくい違いがあります。

まず、開発にAIを使っていても、実行時の支払いをAIが自律的に判断しているわけではありません。このデモは外部モデルを呼び出さず、あらかじめ定めた支払い条件を判定します。公開仕様でも、この決定論的なルールをAIエージェントと呼ばないことが明示されています。[デモの設計仕様

この試作では、送受信者の識別に使うコントラクト上の公開鍵が台帳に残ります。これはウォレットのアドレスとは別のものです。初期登録額は公開で、「残高確認」も、その時点の残高を公開する操作です。一方、送金時の金額と残高の実値は公開しません。残高を見るという日常的な言葉から、本人だけに表示される画面を想像すると、ここは見落としやすい点です。どの操作で台帳への開示が起こるかを知っておく必要があります。[デモのコントラクト

また、紹介されている「1回25ptまで」は、支払い上限の入力欄に設定された初期値で、利用者が変更できます。入力した上限をアプリが判定に使う仕組みであり、コントラクトが強制する損失上限ではありません。[上限入力欄の実装支払いルールの実装

使っているのはテスト用のアプリ内単位で、受取人へ秘密の状態を安全に届ける仕組みなどは未実装です。実資産の決済サービスや、完成した二者間決済として扱える段階にはありません。[デモの説明

こうして操作ごとに見ていくと、どこで情報が守られ、どこから先は作り込む必要があるのかが具体的になります。小さな試作でも、実際に動かす形にすると、言葉だけでは曖昧だった点を確かめられます。

思想の先へ――実装編のご案内

デモの画面写真と操作の流れは、次の実装編で紹介しています。

AI × Privacy 何を隠し、何を証明するか――AIにお金を任せる時代の、“見せ方”のデザイン

実装編でAIに支払いを任せる場面として描いた説明や、「1回25ptまで」という上限の紹介は、本章で補足した実装上の区別と併せてお読みください。イベントの案内は、2026年8月の公開当時の情報です。

古い文字や呼び名、商いの帳簿からたどってくると、情報を守るという営みの幅広さを感じます。伝えたい相手に伝え、取引に必要な記録を残しながら、私生活への行き過ぎた介入は防ぎたいものです。そのために、慣習や制度、技術が使われてきました。

AIに仕事を任せるようになっても、自分の生活や考えを必要以上に差し出さずに、人と協力できる余地は残したいと思います。便利さと引き換えに、気付かないうちに失ってよいものではありません。

使う人が、何が公開され、どこまで操作を任せるのかを理解し、任せた範囲が守られているかも確かめられる仕組みが必要です。そうした仕組みを作る手段として、私はMidnightに注目しています。

透明性メモ

本稿は、SIPOのMidnightアンバサダーとしての筆者の考察であり、Midnight Foundationの公式見解を代弁するものではありません。2026年8月21日公開の思想編と長編原稿を基に、歴史上の比喩と事実の区別、AIに渡す情報と決済権限の区別、実装上の限界を補い、保存版として再編集しました。

「4000年」は古代の表記の工夫から現代までを眺める、おおよその時間軸です。現代のプライバシー権が4000年前から存在したという意味でも、Midnightへ至る直接の系譜を示すものでもありません。『1984年』に関する記述は作品の紹介と筆者の読解であり、独自の強調文を原作からの引用として掲載していません。

技術説明は2026年9月4日までに参照した公式資料と、実装編が案内する公開コードの特定版に基づきます。デモの現在の稼働、イベントでの実演実績、商用利用の安全性を本稿で検証したものではありません。用途の例は設計上の説明であり、投資や実資産の送金を勧めるものではありません。

参考・出典