Cardano の開発運営を担う Intersect は 10 月 9 日の週報 #132 で、エポック 660 のメインネットのブロック生成のうち約 30% が、いまもノード 11.1.2 より古い版で行われていると公表しました。11.1.2 は 9 月 17 日に公開された重要な更新で、公開から 3 週間たっても、ブロックを作るプールのおよそ 3 割がまだ追いついていないことになります。
プログラム可能なトークンの本番稼働と同じ号に並んだ数字ですが、こちらはネットワークの土台の側の話です。新しい機能がどれだけ速く積み上がっても、ブロックを作るノードの更新が遅れれば、その次の段階へ進む足場が整いません。11.1.2 がどんな更新で、30% という数字をどう読み、委任している側が何を確かめられるのかを整理します。
初期報:プログラム可能なトークンが Cardano メインネットで本稼働(SIPO.TOKYO 速報)
11.1.2 は最低ライン、推奨は 11.1.3
週報は 11.1.2 を、9 月にテストネットの Preprod で見つかった問題に対応して出された重要な更新だと説明しています。GitHub のリリースノートが挙げる変更点は、タイムロック・スクリプト(一定の時刻まで資金を動かせなくするスクリプト)のメモリ使用量の最適化です。Intersect は SPO とノードの運用者に、基盤を更新するよう重ねて求めています。
その後、9 月 29 日に 11.1.3 が出ました。リリースノートによると、11.1.2 で IPv4 アドレスの読み取り方が意図せず変わっていたのを、以前の方式に戻す修正です。週報の表現では、11.1.3 があらゆる利用者に推奨される版で、11.1.2 が最低ラインという位置づけになっています。
つまり、いま求められているのは「11.1.2 以上、できれば 11.1.3」です。約 30% という数字は、その最低ラインにすら届いていないブロック生成の割合を指しています。
約 30% は、ブロックヘッダーの版で数えた値
この割合は、実際に作られたブロックから数えられています。週報によると、11.1.2 より古いノードで作られたブロックは、ブロックヘッダーに版 11.0 として記録されます。ヘッダーの版は誰でもエクスプローラーで読めるので、更新の進み具合は外から追えます。
数える単位はプールの数でなく、ブロックの数です。ブロックは委任量に応じて割り当てられるので、大きなプールが 1 つ更新するだけでも割合が動きます。逆に言えば、約 30% が古い版のままということは、ステークの重みで見ても 3 割前後がまだ旧版の上にある、という読み方になります。
Intersect は、ネットワーク全体の版の比率を確かめる面として pooltool の「Network Health」ページを案内しています。
11.2 と 11.3、次の大型更新へ向かう順序
週報は、この先の道筋も示しています。次の節目は 11.2 で、Leios を除く Dijkstra の機能一式を載せ、公開テストネットの DijkstraNet を立ち上げる予定です。そのあとの 11.3 は、Dijkstra の機能一式と Leios の実装を一つにまとめた、ハードフォークの候補版を目指すとされています。
同じ号で報じられたプログラム可能なトークン(CIP-0113)は、ハードフォークを必要としない形で 10 月 7 日に本番稼働しました。一方、Dijkstra はハードフォークを伴う大型更新です。週報は 11.2 や 11.3 の導入に 11.1.2 が前提になるとは書いていませんが、今回の更新でブロック生成の 3 割が 3 週間残ったという実績は、次の大型更新でノードがどれだけ速くそろうかを見積もるときの、現時点の手がかりになります。
委任している側が確かめられること
ADA を委任しているプールが更新を済ませているかは、委任者の側からも確かめられます。エクスプローラーで委任先のプールが直近に作ったブロックを開けば、そのブロックヘッダーの版が表示されます。版が 11.0 のままであれば、11.1.2 より古いノードで動いているということです。
更新の速さは、報酬の利回りの表示には直接あらわれません。それでも、重要な更新を数週間のうちに当てられるかどうかは、プールの運用体制を外から測れる数少ない材料の一つです。プールを選ぶときに、固定費や利益率と並べて見ておく価値があります。
次に見るもの
確認できる次の一点は、pooltool の Network Health ページで、エポック 661(日本時間 10 月 17 日 6 時 44 分まで)のヘッダー版 11.0 の割合が 30% からどこまで下がるかです。あわせて、Intersect の週報の次号 #133 が更新率をどう報告するか、そして GitHub の cardano-node のリリース一覧に 11.2 がいつ載るかを見ていきます。
ことば
- ブロックヘッダーの版 — 各ブロックの冒頭に記録される、ブロックを作ったノードの版の目印です。作られたブロックそのものに残るため、ネットワーク全体の更新率を外から数える物差しとして使われています。
- Preprod — 本番のメインネットとほぼ同じ条件で動く、Cardano の公開テストネットです。今回の 11.1.2 は、ここで 9 月に見つかった問題をメインネットに持ち込まないための更新として出されました。
- Dijkstra — Cardano の次の大型更新(ハードフォーク)の名前です。11.2 で機能一式を公開テストネットに載せ、11.3 でハードフォークの候補版にまとめる順序が示されており、ノードの足並みがそろうことが前提になります。
一次ソース / 関連リンク

Intersect Weekly Update #132(2026 年 10 月 9 日)
intersectmbo.org
- Intersect 公式 X の告知(週報 #132)
https://x.com/IntersectMBO/status/2109345263080915061
pooltool Network Health(ブロックヘッダー版の比率)(pooltool.io)

