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SPO の票は、独立した 51% です——Cardano 財団が期限前に呼びかけた 2 件と、DRep 賛成 43.29%

2026-08-22SIPO

Cardano 財団が、ステークプール運営者(SPO)に向けて直接投票を呼びかけました。呼びかけの対象は、期限が迫っているガバナンスアクションです。投稿は 8 月 21 日、対象は 9 月 1 日に期限を迎える 2 件でした。呼びかけの中心にあるのは「SPO は独自の閾値を持つ、独立した投票主体である」という一文でした。SIPO はこの 2 件を 8 月 9 日・14 日・16 日と追い続けています。同じものを繰り返し扱っているのは、これらの提案が未投票を可決計算の分母に含む設計になっているからです。票を投じないことは、反対とも棄権とも違います。ただ閾値の計算では賛成側に立たないため、結果としては不成立の方向に働きます。財団が書いた文言と、閾値の実際の値、そして取得時点の投票状況を順に確認します。

初期報: Cardano、SPO による重要な投票が 9 月 1 日で期限切れ

■ 「Nothing passes without you」——財団が書いたのは、投票主体の話でした

投稿は次の一文から始まります。

Cardano’s governance is also driven by Stake Pool Operators.(Cardano のガバナンスは、ステークプール運営者によっても動かされています)

そのうえで、どの場面で SPO が呼ばれるのかが続きます。

On Constitutional Committee changes and critical protocol parameters, SPOs are a separate voting body with their own threshold. Nothing passes without you.(憲法委員会の変更と重要なプロトコルパラメータについて、SPO は独自の閾値を持つ独立した投票主体です。あなたがたなしに通るものはありません)

期限を迎える 2 件として挙げられているのは、Update Constitutional Committee 2026(2026 年憲法委員会の更新)と、Reduce minPoolCost to 75 ada and increase Plutus Memory Limits (Part 2)(minPoolCost の 75 ada への引き下げと、Plutus メモリ上限の引き上げ・第 2 部)です。投稿は Cast your votes now to make your voice heard.(今すぐ票を投じて、あなたの声を届けてください)で締めくくられています。

Koios で確認したところ、2 件はいずれも取得時点で投票受付中の状態にあり、批准・施行・期限切れ・取り下げのいずれにも至っていません。オンチェーン上の期限エポックは、どちらも 653 です。取得時点のエポックは 650 でした。

■ 「独自の閾値」は、51% という数字です

財団が書いた their own threshold(独自の閾値)は、言葉のあやではありません。プロトコルパラメータとして実在する数字です。Koios のエポック 650 時点の値を確認しました。

  • 憲法委員会の更新に必要な SPO 閾値(pvtCommitteeNormal): 51%
  • セキュリティ関連のパラメータ変更に必要な SPO 閾値(pvtPPSecurityGroup): 51%

DRep 側の閾値は、これとは別に設定されています。同じエポックの値で、憲法委員会の更新は 67%(dvtCommitteeNormal)、パラメータ変更はグループごとに 67% から 75% です。2 つの集計は独立して走っていて、片方が閾値を超えても、もう片方が超えなければアクションは可決されません。「Nothing passes without you」は、この構造をそのまま言い換えたものです。

■ SPO が呼ばれている理由は、minPoolCost ではありません

パラメータ変更のほうは、名前に minPoolCost が入っているため、プール運営の固定手数料の下限が SPO を投票に引き入れているように読めます。実際には違います。

CIP-1694 は、SPO の票を必要とする「セキュリティ関連プロトコルパラメータ」を列挙しています。maxBlockBodySize、maxTxSize、maxBlockHeaderSize、maxValueSize、maxBlockExecutionUnits、txFeePerByte、txFeeFixed、utxoCostPerByte、govActionDeposit、minFeeRefScriptCostPerByte の 10 個です。minPoolCost は、この一覧に入っていません。入っているのは maxBlockExecutionUnits——今回の提案が引き上げようとしている、ブロック 1 つあたりの実行上限のほうです。

つまり SPO がこのアクションで投票権を持つのは、自分たちの報酬の下限が議題だからではなく、ブロックに詰め込める仕事量の上限が議題だからです。束ねられた 2 つの変更のうち、SPO を投票主体に引き入れているのは Plutus 側でした。なお、現行の minPoolCost が 170 ada(170,000,000 lovelace)であることは、同じエポック 650 のパラメータで確認できます。

■ DRep 賛成は 43.29%、未投票は 50.29% です

パラメータ変更アクションの投票状況を AdaStat から取得し、Koios の集計と一致することを確認しました。2026 年 8 月 22 日 1 時 19 分(日本時間)時点です。

  • DRep 賛成(可決基準・閾値 67%): 43.29%(95 票)
  • 投票済みの反対: 2.64%(12 票)
  • AlwaysNoConfidence: 3.78%
  • 未投票: 50.29%
  • 棄権: 9 票(可決計算の分母から除外)
  • 憲法委員会: 賛成 3・反対 0・未投票 4

ここでの賛成率は、棄権を除き未投票を含む分母に対する割合です。gov.tools の画面で「No」として表示されるのは、投票済みの反対と AlwaysNoConfidence を合わせた 6.42% にあたります。未投票の 50.29% は、反対ではありません。

SIPO がこれまでに記録した数字と並べると、動きは次のようになります。

  • 8 月 14 日: 賛成 22.8%(65 票)/未投票 73.19%
  • 8 月 16 日: 賛成 32.94%
  • 8 月 22 日: 賛成 43.29%(95 票)/未投票 50.29%

8 日で 20.49 ポイント、30 票の増加です。8 月 14 日の記事では、当時の傾きが続いたとして「67% に届く距離ではない」と書きました。傾きは、そこから変わっています。それでも閾値までは 23.71 ポイントあり、期限エポックは 653、取得時点は 650 です。

なお、憲法委員会の更新のほうの投票数値は、本記事では扱いません。現在の集計は、下記の提案ページで直接確認できます。

■ ここから見ておきたいこと

  • DRep 賛成が、8 日で 20 ポイントという傾きを保つかどうか。保てば期限までに 67% は射程に入りますが、告知が効いている間だけの加速であれば鈍ります
  • SPO 側の集計が 51% に届くかどうか。DRep 側が閾値を超えても、SPO 側が届かなければ可決されません
  • 憲法委員会の更新は、CC が投票主体に入らないぶん DRep と SPO の 2 者だけで決まります。2 件をまとめて語るときに、可決の条件が違うことを混ぜないこと

期限は 9 月 1 日です。エポック 653 を過ぎれば、票が集まっていたかどうかにかかわらず、2 件とも期限切れになります。


一次ソース / 関連リンク