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Weekly Brief #20|SPO は動いた、それでも 51% は遠い — SPO 票が 2.63% から 15.78% へ、1 億 2,000 万 ada は執行、Leios が約 6 倍を実測

2026-08-22SIPO

前号(#19)は、こう閉じました。「沈黙が減ることは、起こりうると分かりました。1 週間で 37 ポイント動いた実例が出たからです。残っているのは、それが SPO の側でも起きるかどうかです。期限は 9 月 1 日です」。

今週、その問いに答えが出ました。起きました。 minPoolCost に投票したプールは 24 から 60 へ、SPO の賛成は 2.63% から 15.78% へ動いています。憲法委員会の更新も 9 プールから 32 プールへ、1.71% から 8.07% です。前号で「自然増ではないところにある」と書いた経路は、実際に現れました。

そして同時に、それでも届いていないことも、はっきりしました。要件は 51% です。15.78% は 6 倍になった数字ですが、残りは 35 ポイント以上あり、期限まで 10 日ほどしかありません。今週いちばん考える価値があるのは、なぜ 2.5 倍のプールが動いて、割合は 6 倍にしかならなかったのか、そしてなぜ 6 倍になってもまだ 3 分の 1 にも満たないのか、という点です。答えは、プールの数と委任の量が別物だからです。

エグゼクティブ・サマリー

  • SPO は動きました:minPoolCost に賛成したプールは 24 → 60、SPO 賛成は 2.63% → 15.78%。憲法委員会の更新は 9 → 32 プール、1.71% → 8.07%。どちらも期限は 9 月 1 日(エポック 653)、要件は 51% です。
  • それでも、まだ届いていません:60 プールが賛成しても 15.78% です。委任先を「常に棄権」のままにしているプールが 541 あり、何もしないことがそのまま棄権として数えられます。
  • 1 億 2,000 万 ada は、実際に払い出されました:AlphaGrowth の Cardano PRIME はエポック 649 で可決し、エポック 650 で執行されています。前号の「来週の注目」5 番への回答です。
  • von Bergen は、今日が期限です:DRep 賛成 59.5%(117 票)ですが、情報提供議案の要件は 100% です。そして憲法委員会の反対は 2 件から 3 件に増えました
  • Leios が、説明ではなく数字を出しました:テストネット MusashiNet の Earth フェーズが 41 日で完了。ブロック 127,000 超、参加プールは 3 から 63、ピークは 26.8 TxkB/s(Praos 単体の 4.51 TxkB/s に対して)。
  • 台帳が BLS 鍵を持ち始めました:前号で「Leios の立ち上げ時に SPO が登録を求められる」と書いた BLS 鍵は、今週、台帳のプール分配データに組み込まれています。
  • Dijkstra の時間割に、初めて「リスク」と書かれました:Intersect は 2026 年内の発効を目指すとしつつ、ノードのリリース候補が出てくるかどうかに時間割のリスクがあると記しています。前号までは「スコープと目標時期は変わっていない」でした。
  • 市場は今週、上を向きました:ADA は週間 +26.70%($0.178548 → $0.226213)。前号の −11.4% を取り返しています。

1. マーケット・パルス

8 月 15 日から 8 月 22 日にかけての、朝の定点観測値です。

銘柄8/158/22週間
ADA$0.178548$0.226213+26.70%
BTC$62,768$78,459+25.00%
ETH$1,875.23$2,511.72+33.94%
NIGHT$0.0172702$0.02188096+26.70%

8 月 22 日の 4 銘柄は、日本時間 7 時 00 分に同じ取得でそろえた値です。

前号で私たちは「国庫では最大の案件が通り、価格は下げました。期待と資金の付き方は、上下どちらの向きにもずれます」と書きました。今週は両方が上を向いています。ただし、この上げ幅は ADA だけのものではありません。BTC が +25.00%、ETH が +33.94% です。ADA の +26.70% は、市場全体の動きの中にあります。 ガバナンスの進み方を価格の説明に使うことも、その逆も、今週の材料からはできません。

NIGHT が ADA とほぼ同じ +26.70% で動いている点は、前号(NIGHT −9.61% / ADA −11.42%)と同じ関係が続いていることを示しています。

2. SPO は動きました — 24 プールから 60 プールへ

前号でいちばん強く書いたのは、SPO 票が動いていないという点でした。9 月 1 日(エポック 653)を期限とする 2 件は、どちらも SPO の 51% を可決要件に持っています。前号時点の数字は 2.63% と 1.71% でした。

今週の数字です(2026 年 8 月 22 日 07:12 JST 取得・エポック 650)。

提案SPO 賛成プール(賛成・反対・棄権)前号
minPoolCost を 75 ada へ + Plutus メモリ上限(Part 2)15.78%60・4・282.63%(24・1・—)
憲法委員会の更新 20268.07%32・1・11.71%(9・1・—)

賛成したプールは 24 から 60 へ、9 から 32 へ増えました。割合では 6.00 倍と 4.72 倍です。

DRep の側も同じ向きに動いています。minPoolCost は 32.43%(68 票)から 43.65%(97 票)へ、憲法委員会の更新は 30.12% から 37.58%(89 票)へ。どちらも閾値は 67% です。

前号で私たちは「前号から 1 週間で動いたのが 10 プール分だとすると、残りの 2 週間で 51% に届く経路は、自然増ではないところにある」と書きました。今週動いたのは 36 プール分です。自然増ではない何かが働いたことになります。ただし、それが何だったのかは投票の記録には残りません。ここは前号と同じく、事実の提示にとどめます。

一つだけ、同じ週に起きた出来事として並べておきます。Cardano Foundation が 8 月 21 日に、SPO はガバナンスの独立した投票体であり、憲法委員会の変更と重要なプロトコルパラメータについて独自の閾値を持つと改めて示しました。 因果を主張はしませんが、周知が行われた週に票が動いた、という並びではあります。

3. それでも 15.78% です — 数と量は違います

ここが今週いちばん重要な点です。

賛成したプールは 2.5 倍になりました。割合は 6.00 倍になりました。この 2 つの倍率がずれているのは、可決要件が票数ではなく委任量の割合だからです。プールを 1 つ数えるのではなく、そのプールに預けられているステークを数えます。したがって、大きなプールが 1 つ動くことと、小さなプールが 10 動くことは、同じ重さになりません。

そして、もう一つ効いている数字があります。委任先が「常に棄権」のままになっているプールが 541 あります(憲法委員会の更新では 565)。棄権は可決の計算から外れますが、外れるということは賛成側にも回らないということです。

つまり、いま盤面はこうなっています。

  • 実際に意思表示したプール:賛成 60・反対 4・棄権 28 = 92
  • 何も設定していないため棄権として扱われるプール:541

意思表示した 92 プールのうち、賛成は 65% を占めます。反対しているプールは 4 つしかありません。 それでも 15.78% にしかならないのは、盤面の大半が「まだ席に着いていない」状態だからです。

前号で私たちは、DRep 側についてこう書きました。「閾値を越えるのに必要なのは説得ではなく参加だった」。SPO 側でも同じ構造が見えています。反対は 4 プールです。足りないのは賛成を増やすことではなく、棄権の既定値のまま置かれているステークが席に着くことです。

固定手数料の下限を 170 ada から 75 ada へ下げるこの提案は、報酬全体が小さいプールほど強く効きます。その床を決める投票で、まだ動いていない委任量がいちばん多いという状態が、今週の実測値です。

なお Intersect は今週の更新で、この提案について「2 つの変更が束ねられており、投票の際は両方を考慮すべきだ」と明記しています。minPoolCost の引き下げと Plutus のメモリ上限の引き上げは、賛否の理由が同じとは限りません。

4. 1 億 2,000 万 ada は、実際に払い出されました

前号の「来週の注目」5 番に、私たちはこう書きました。「AlphaGrowth の執行 — 1 億 2,000 万 ada が実際に払い出されるエポックと、その後の報告の形」。

エポックが確定しました。エポック 650 で執行済みです(可決はエポック 649)。前号で確認した可決時の数字は、DRep 賛成 80.1%(154 票)、投票済み反対 7.67%(39 票)、未投票 8.5% でした。

金額としては、これまで追ってきた案件の中で最大です。前号で「執行の過程は前号までの案件より広く見られることになります」と書いたとおり、ここから先は使い方の報告が観測対象になります。今週の時点では、執行が行われたという事実までが確認できる範囲です。

5. von Bergen は、今日が期限です

プロトコルバージョン 12 のハードフォークを「von Bergen」と名付ける情報提供議案は、エポック 651、8 月 22 日が期限です。つまり今日です。

今週の数字です(8 月 22 日 07:07 JST 取得)。

区分前号
DRep 賛成(閾値 100%59.5%(117 票)52.49%(98 票)
投票済み反対0.04%(2 票)0.0%(1 票)
未投票36.14%43.13%
棄権(分母外)22 票18 票
憲法委員会賛成 0・反対 3・未投票 3賛成 0・反対 2・未投票 4

情報提供議案の可決要件は 100% です。未投票が 36.14% ある以上、この議案が可決する経路は残っていません。

前号で私たちは、この議案について「名前を決めるだけの議案に委員会から反対が 2 件入っている」と書きました。今週、反対は 3 件に増えています。 未投票だった委員のうち 1 名が反対に回った形です。反対の理由は投票そのものからは読み取れません。

名前を決める議案が不成立になった場合、ハードフォークの名称がどう扱われるのかは、この議案の記録からは分かりません。次の材料を待つことになります。

6. 憲法修正ポータルの「6 件」は、実質 4 件です

前号で、憲法修正ポータル(cap.intersectmbo.org)に協議中 4 件が並んだことを書きました。今週、画面上の協議中は 6 件になっています。

ただし、この増え方には注記が要ります。今週の実際の内訳です(8 月 22 日時点)。

#種別状態表題議論
1CAP協議中Require Milestone-Based Treasury Disbursement and Return of Undistributed Funds3
2CAP協議中Remove Article II section 7.42
3CAP協議中Evolve the Net Change Limit into a Strategic Spending Plan10
4CIS協議中(author-ready)The Bundling Gap in Constitutional Amendment6
5CAP取り下げResearch note — ignore (AuditResearch1)0
6CAP取り下げResearch XSS check0
7CAP協議中Research XSS check 20
8CAP協議中F-21 stored XSS author name research0

#5 から #8 は、表題から見てポータル自体の動作検証を目的とした投稿です。 2 件はすでに取り下げられ、2 件が協議中のまま画面に残っています。Intersect は今週の更新で、このポータルをアルファテストとして公開中と記しています。検証中のシステムに検証用の投稿が入っている、という状態です。

したがって、実質的な改正提案は #1 から #4 の 4 件で、前号から変わっていません。 画面の「6」をそのまま提案数として読むと、実態を取り違えます。

その 4 件の中では動きがありました。前号で取り上げた CIS #4「憲法修正における束ねのギャップ」が author-ready へ進んでいます。 議論も 5 件から 6 件に増えました。いちばん議論が付いているのは引き続き CAP #3(Net Change Limit を戦略的な支出計画へ発展させる案)で、9 件から 10 件になっています。

前号で書いたとおり、CIS #4 が扱っているのは、複数の変更を 1 つの提案に束ねることの扱いです。第 3 節で触れた「minPoolCost と Plutus メモリ上限が束ねられている」という状態、そして Intersect が「投票の際は両方を考慮すべき」と注記している状態は、まさにこの提案が問うている構造そのものです。いま SPO が 15.78% で投票している対象が、憲法の側からも議題になっている、ということになります。

7. Leios が、説明ではなく数字を出しました

今週の週次開発レポートで、Leios のテストネット MusashiNet の Earth フェーズが完了したと報告されました。6 月 23 日の開始から 41 日間の運用です。

記録された値は次のとおりです。

項目
生成ブロック127,000 超
オンチェーン証明書約 8,000
参加プール3 → 63
ピークスループット26.8 TxkB/s(Praos 単体のメインネット到達値 4.51 TxkB/s に対して)
リリース回数8 週間で 12

倍率にすると約 5.94 倍です。ここで押さえておきたいのは、この数字がテストネットで実際に測られた値だという点です。これまで Leios のスループットは設計上の見込みとして語られてきました。今週出てきたのは、測定条件つきの実測値です。

技術面では、継続的な負荷の下で起きていたメモリリークの解消、同期中ノードの証明書検証の安定化、そして mempool の再設計(トランザクションの再検証をオフチェーンで行い、ブロック生成ループがロックするのを防ぐ)が挙げられています。運用に近いところの不具合が、41 日の稼働で洗い出された形です。

そして、プール運営の側にとっていちばん重要なのはここです。 台帳チームが、プール分配データを拡張して BLS 鍵とプール単位の BLS 帰属ステークを含める作業を進めました。

前号で私たちは、Intersect の記述からこう書きました。「Dijkstra のあと、Leios は立ち上げ段階に入り、そこで SPO は BLS 鍵の登録を求められます」。今週、その鍵を台帳が持つための土台が動いています。手順書はまだ出ていませんが、登録先の構造が先に作られている段階だと読めます。

参加プールが 3 から 63 へ増えていることも、あわせて見ておく価値があります。今週、同じ SPO という集団が 2 か所で数えられました。投票所で 60、テストネットで 63 です。数がほぼ同じであることに意味があるとは限りませんが、動いている運営者の層は、投票にもテストネットにも同時に現れている、という見え方にはなります。

Hydra も大きな改善を出しています。バックエンド側の待ち方を固定待機からポーリングへ変えたことで、ヘッドの全ライフサイクルが 1 時間超から約 13.5 分へ、publish が約 10 分から 32 秒へ、初回シードが約 30 分から 40 秒へ短縮されました。

8. Dijkstra の時間割に、初めて「リスク」と書かれました

Intersect の週次更新 #125(8 月 21 日)で、Dijkstra の書きぶりが変わりました。

前号で引用した #124 は、「Dijkstra のスコープと目標時期は変わっていない」という趣旨でした。今週の #125 は、Haskell ノードのチームが 2026 年内の発効を目指しているとしたうえで、その時間割にはノードのリリース候補が出てくるかどうかに関わるリスクがあると記しています。安定性とリリース品質を優先する、という但し書きも同時に置かれています。

これは遅延の告知ではありません。ただ、目標時期に条件が付いたという変化ではあります。前号までの読み方をそのまま延長せず、次の更新でこの表現が続くのかどうかを見る必要があります。

あわせて、Dijkstra の準備状況を追う readiness tracker の初版が用意されました。判定基準は今後詳細化されるとされています。

そしてもう一点、今週の更新は憲法委員会の更新(9 月 1 日期限)がガバナンスの継続に必須であると明記しています。可決しない場合は Cardano のガバナンスの継続が中断されうるとし、Dijkstra の進行にも影響すると書かれています。前号では「可決しないと委員会が最低 5 名を割ります」と書きました。今週は、その先で何が止まるのかまで踏み込んだ記述になっています。

SPO 賛成 8.07% という数字は、この文脈に置かれています。

9. Midnight ウォッチ

今週の Midnight まわりで確認できた動きです。

開発者数の第三者データが出ました。 Midnight は、Electric Capital の集計を引いて、アクティブなコントリビューターが前年比 +325%、3 年で +693%、フルタイム開発者が 2 年で +226%、定着した開発者が 3 年で +357% と示しています。自社集計ではなくエコシステム横断で開発者を数えているデータセットを根拠に置いた点が、この発表の性格を決めています。

ただし、コントリビューターの数は成果物の数でも利用者の数でもありません。次に見るべきは、この人数がメインネット上で動くアプリケーションと、そこを通る取引にどれだけ変換されるかです。

ハッカソンの結果が出ました。 Major League Hacking との共催ハッカソンには 84 チームが参加し、48 時間の作業を経て 7 チームが入賞しています。入賞作の詳細は公式ブログにまとめられました。

CertiK とのエコシステムパートナーシップが 8 月 21 日に告知されました。監査を専門とする企業がプライバシーチェーンの側に入るという構図です。ただしこれは公式アカウントによる告知の範囲で、提携の対象範囲と開始時期を示す公式文書は本稿執筆時点で確認できていません。

Nightforce のリーダー職が、米国と欧州で募集開始となりました。

NIGHT の週間は +26.70%($0.0172702 → $0.02188096)で、ADA の +26.70% とほぼ一致しています。

前号で私たちは、MIP(Midnight Improvement Proposal)のプロセスに沿った第一号の提案を確認できていないと書きました。今週も確認できていません。

10. リスク・ディメンション

今週の材料から、注意しておきたい点を 5 つ挙げます。

1. 「SPO が動いた」は、まだ 3 分の 1 にも届いていません。 15.78% は 6 倍になった数字ですが、要件は 51% です。今週と同じ増え方がもう 1 週続いても、期限には届きません。増えたという事実と、間に合うかどうかは別の話です。

2. 憲法委員会の更新のほうが、期限としては重いままです。 SPO 8.07%、DRep 37.58%。Intersect は可決しない場合にガバナンスの継続が中断されうると書いています。minPoolCost は否決されても現状維持ですが、こちらは現状維持が成立しません。

3. 今週の価格は、Cardano 固有の材料では説明できません。 ADA +26.70% に対し BTC +25.00%、ETH +33.94%。ガバナンスの進捗と価格を結びつけて読むと、来週それが外れます。

4. Dijkstra の時間割に条件が付きました。 ノードのリリース候補が出るかどうかにリスクがあるという記述は、今週初めて現れたものです。1 回の記述で傾向とは言えませんが、次の更新で確認すべき変化です。

5. 画面上の数字が、実態と一致しないことがあります。 憲法修正ポータルの「協議中 6 件」は、実質的な提案としては 4 件です。アルファテスト中のシステムでは、表示される件数が中身の件数と一致しない期間があります。

11. 来週の注目

  1. minPoolCost の SPO 票 — 15.78% からどこまで積み上がるか。期限はエポック 653(9 月 1 日)です。
  2. 憲法委員会の更新 — SPO 8.07% から動くか。ガバナンスの継続が懸かっています。
  3. von Bergen の帰結 — 今日が期限です。不成立となった場合、プロトコルバージョン 12 の名称がどう扱われるか。
  4. Leios の BLS 鍵 — 台帳が鍵を持ち始めた次に、SPO 向けの登録手順が文書として出てくるか。
  5. Dijkstra のリスク表現 — 次の週次更新で、ノードのリリース候補に関する記述が続くか、消えるか。
  6. CIS #4 — author-ready から先へ進み、束ねの扱いについて具体的な条文案が出てくるか。
  7. 新規 2 件(エポック 656 期限)Governance Incentives Framework 2026 は現時点で DRep 賛成 0.74%(7 票)に対し反対 25 票が入っています。前号までの案件と違い、沈黙ではなく明確な反対が先に集まっている珍しい形です。

まとめ

前号は、こう終わりました。「残っているのは、それが SPO の側でも起きるかどうかです」。

起きました。24 プールが 60 プールになり、9 プールが 32 プールになりました。反対しているプールは 4 つしかありません。SPO は、少なくとも沈黙してはいません。

けれども、15.78% です。

この 2 つを並べたときに見えてくるのが、今週の本題だと思います。参加は「人数」でも「プール数」でもなく、「委任された量」で数えられます。 60 プールが賛成しても、そのプールに集まっているステークが少なければ 15.78% です。そして、委任先を「常に棄権」のままにしているプールが 541 あります。何もしないことが、そのまま棄権として計上される設計になっています。

前号で DRep 側について書いたことが、そのまま SPO 側にも当てはまります。閾値を越えるのに必要なのは、説得ではなく参加でした。ただし今週分かったのは、その参加が量として数えられるという一段です。動いた 36 プールは、確かに沈黙を破りました。それでも盤面の 3 分の 1 にも届いていません。

同じ週に、Leios のテストネットには 63 のプールが集まり、41 日間で 127,000 のブロックを作りました。台帳は BLS 鍵を持ち始めました。手を動かしている運営者は、確実にいます。

固定手数料の下限を決める投票と、次のプロトコルの土台を作るテストネット。どちらも同じ集団が主語です。片方には 63 が集まり、もう片方は 15.78% で止まっています。

期限は 9 月 1 日です。残りは 10 日ほどです。

参考・出典

透明性メモ

今週、材料には出たものの本文に入れなかったもの、および判断の分かれ目を記しておきます。

  • Dijkstra に必要な憲法改正の「提出目標 9 月 11 日」:この日付は複数の記事で流通していますが、一次にあたる Intersect の週次更新には記載がなく、出典は二次報道でした。確認できない日付は書きません。 本文には、Intersect #125 に記載のある「憲法の修正を含む文書化の作業が進行中」までを採りました。
  • 憲法委員会の更新の投票数値の取得経路:この提案は種別が NewCommittee のため、通常使っている取得経路が完走しません(前号と同じ既知の事象です)。DRep と SPO の値は Koios の集計から取得し、Intersect の週次更新の記載(DRep 37.9% / SPO 7.93%)と整合することを確認したうえで本文に入れています。
  • 憲法修正ポータルの検証用投稿について:#5 から #8 が存在することは画面上の事実として書きましたが、ポータルに脆弱性があるかどうかは判断していません。 アルファテスト中のシステムに検証用の投稿が入っている、という以上のことは本稿では書きません。
  • CertiK 提携の範囲:公式アカウントの告知までで、対象範囲と開始時期を示す文書には到達していません。本文でも告知の範囲であることを明示しています。
  • SPO 票が 1 週間で 6 倍になった理由:投票の記録から分かるのは票が増えたという事実までです。同じ週に Cardano Foundation の周知があったことは並べて書きましたが、因果は主張していません。
  • von Bergen に憲法委員会の反対が 3 件入った理由:投票そのものからは読み取れないため、事実のみを記しています。
  • 落選 2 件(Scalus・dOSPO/OMF)の三度目の提出:今週の提案一覧にも現れていません。
  • MusashiNet の「約 6 倍」:週次レポートに記載された 26.8 TxkB/s と 4.51 TxkB/s をそのまま提示しています。測定条件の解釈は加えていません。

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