AI エージェント向けの決済ネットワークを手がける Masumi Network が9月26日(UTC)、Midnight 上で AI エージェントが暮らす街のシミュレーション Midnight City に、自社のエージェントを送り込んだと公式 X で発表しました。Cardano でエージェント同士の支払いの仕組みを作ってきたプロジェクトが、Midnight のエージェントの街に拠点を持った形です。
発表は短く、エージェントが街で何をするのかは書かれていません。それでも、10月10日には東京で Midnight City のイベントが開かれる予定で、外部のプロジェクトが街に入ってくる動きは、この街が誰に向けて開かれているのかを考える材料になります。発表の中身と、Midnight City がエージェントを受け入れる仕組みを、公式の資料から整理します。
Masumi is taking over Midnight City.
— Masumi (@MasumiNetwork) September 26, 2026
We’re happy to share that we’ve launched a Masumi Agent on @MidnightCitySim.
発表に書かれていること、書かれていないこと
Masumi の投稿は、「Masumi のエージェントを Midnight City で立ち上げた」と伝えたうえで、「まもなく Midnight City の誰もが Masumi について話すようになる」「街が自分たちのものになるまで止まらない」と続けています。添えられているのは画像 1 枚で、エージェントの名前や役割、街の中で支払いを行うのかどうかといった具体的な中身には触れていません。
投稿は意気込みを語る調子で、現時点で確かめられるのは「Masumi のエージェントが街に入った」という一点です。エージェントが Masumi の決済の仕組みを街の中で使うのかどうかは、今後の発表を待つ必要があります。
Masumi は何をしているプロジェクトか
Masumi の公式サイトは、自らを「AI エージェントのための決済ネットワーク」と説明しています。仕組みの柱は 4 つで、支払う側のエージェントが資金を預け、仕事が終わるとコントラクトが支払いを解放するエスクロー型の決済、エージェントごとの分散型 ID と評価、エージェントの行動をチェーン上に残す記録、そしてエージェントを検索して呼び出せる公開の登録簿です。開発者向けのページでは、Cardano のテストネット上で動くエージェントの例も示されています。
Masumi は、HTTP の上で AI エージェントが少額の支払いを行う規格 x402 とも関わっています。公式サイトは「x402 の規格に正式に取り込まれた」と掲げており、SIPO が 9月21日に扱った x402 の公式 SDK への Cardano の対応でも、Cardano 財団のエンジニアが Masumi のチームと組み、Masumi を送金方式の一つとして加えた経緯が説明されていました。
Midnight City は外のエージェントをどう受け入れるか
Midnight City の公式ドキュメントは、この街を「AI エージェントのための常設のシミュレーション」と説明しています。街にいるエージェントは、それぞれ ID、居場所、職業、持ち物、スキルなどを持ち、街が用意する AI で動くか、承認を受けた外部の制御で動きます。
エージェントを登録する手順も公開されています。メールアドレスでアカウントを作ると、無料のアカウントで 1 体のエージェントを作れます。プロフィールは審査を受け、承認されたあとに街へ送り出されます。エージェントを動かす AI は、街の側が運用するものと、Hermes や OpenClaw、手元のローカルモデルなど自分で用意するものから選べます。Masumi のような外部のプロジェクトも、同じ入口から自前のエージェントを住まわせられることになります。
一方でドキュメントは、街の中の出来事とブロックチェーン上の資産を分けて考えるよう求めています。街で使われるクリスタルはゲーム内のアイテムで、クリスタルを送っても NIGHT は動かず、DUST も使いません。ホスト型のエージェントやウォレット、プライバシーの機能は、プレビュー期間中に変わりうるとも断っています。
次に見るもの
確認できる次の一点は、10月10日(土)に東京・白金台の八芳園で開かれる「Enter Midnight City: Tokyo」です。ホスキンソン氏と Midnight City のチームが、街のビジョンとこれからの展開を紹介する場とされています。外部のエージェントや決済の仕組みを街にどう組み込むのかが語られるかは、この場で確かめられます。
あわせて、Midnight City のリリースノートと Masumi の公式 X で、Masumi のエージェントが街の中で何をしているのか、支払いの機能に触れる告知が出るかを見ておくと、今回の参加が名乗りにとどまるのか、実際の連携に進むのかが分かってきます。
ことば
- AI エージェント — 目標を与えられると、自分で判断して情報を集めたり、ほかのサービスを呼び出したりする AI のプログラム。Midnight City では、性格や職業を持ったエージェントが街の住人として動きます。
- x402 — HTTP の応答コード 402(支払いが必要)を使い、エージェントがその場で少額を払ってデータや API を使えるようにする決済の規格。Cardano でも対応が進み、Masumi はその送金方式の一つになっています。
- エスクロー — 支払う側の資金を第三者(ここではスマートコントラクト)がいったん預かり、条件が満たされたときに受け取る側へ渡す仕組み。仕事の完了と支払いを結びつけるために使われます。
一次ソース / 関連リンク
- Masumi 公式 X(Midnight City にエージェントを立ち上げ・2026年9月26日)
https://x.com/MasumiNetwork/status/2103932708485546055 - Masumi 公式サイト
https://www.masumi.network - Midnight City 公式ドキュメント:What’s Midnight City
https://midnight.city/docs/whats-midnight-city - Midnight City 公式ドキュメント:Create your agent
https://midnight.city/docs/create-your-agent - Midnight City 公式ドキュメント:Release notes
https://midnight.city/docs/release-notes - ホスキンソン氏と Midnight City、10月10日に八芳園で東京イベント(SIPO.TOKYO・2026年9月25日)
https://sipo.tokyo/signal-20260925-c3333d78/ - x402 公式 SDK に Cardano、npm で導入可能に(SIPO.TOKYO・2026年9月21日)
https://sipo.tokyo/signal-20260921-764ad571/
