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ホスキンソン氏、Pogun の始動は90日以内と投稿

2026-10-05SIPO

IOG のチャールズ・ホスキンソン氏は10月3日(UTC)、ビットコインを担保にした貸し借りのサービス Pogun について「90日以内に始まる」と X に投稿しました。ビットコインから Cardano のステーブルコインを借りる仕組みに使う BitVM を「1,000倍改善した」とも書いています。

90日後は年明けの2027年1月1日にあたります。Pogun は4月に Cardano の国庫へ約1,229万 ADA を申請し、5月に承認されないまま失効した計画で、今回の投稿は資金の行方とは別に開発が続いていることを示しました。一方で「1,000倍」という数字は、Pogun の公式サイトが公開している比較とは一致しません。投稿の中身と、サイトで確かめられることを分けて整理します。

投稿で語られた3つのこと

投稿は、別の利用者への返信の形で書かれています。中身は3点です。Pogun が「90日以内に始まる」こと、ビットコインから Cardano のステーブルコインを借りる用途であること、そしてその仕組みの BitVM に「1,000倍の改善」があること。投稿には Pogun の公式サイトへのリンクが添えられていました。

翌10月4日にも、ホスキンソン氏は別の返信で、この1年の成果として RealFi や Midnight と並べて「Pogun is on the way(Pogun はもうすぐ)」と書いています。IOG として力を入れている案件の一つとして、名前を繰り返し挙げている形です。

公式サイトが示す Pogun の仕組み

Pogun の公式サイトは、サービスを「固定条件のビットコイン担保の貸し借り」と説明しています。資産を預けっぱなしにしない(ノンカストディアル)、価格の変動で強制的に清算されない、資金をプールにまとめない、の3点が柱です。貸し手が金利や期間、返済と債務不履行の条件を示し、借り手がそれを読んで受け入れてから資金が動き、ビットコインがロックされます。

担保の側を受け持つのが、BitVM を土台にした「Pogun Mirror」です。ローンごとにビットコインを個別にビットコインのネットワーク上へロックし、他の貸付に回したりまとめたりしないと書かれています。価格が下がっただけでは清算されず、債務不履行になるのは署名した返済条件を満たさなかったときだけです。

サイトの表示は現時点で「開発中」「Coming soon」で、順番待ちのリストへの登録を受け付けています。FAQ は、ビットコインを担保にする機能は「まだ稼働していない」と明記しています。

「1,000倍」と、公開された比較

サイトに載っている実測は、8月4日にビットコインのメインネットで行われた試作のテストです。不正な引き出しを止める道筋と、異議を受けた正当な引き出しを完了させる道筋の2つを動かし、前者は止まり、後者は完了しました。委員は3人、預け入れは5,000サトシの小さな規模で、ブロック960,975〜961,010の間に36件の取引、合計58,198vB を使っています。

サイトはこれを、BitVM2 の公開されている設計で1回の異議申し立てにかかる1,358,889vB と比べ、約95.7%少ないと書いています。1BTC=6万5,000ドル、1サトシ/vB の前提で見積もった費用は、Pogun が38ドル、BitVM2 が883ドルです。倍率に直すと約23分の1で、サイトには1,000倍という数字は見当たりません。サイト自身も、比べている処理の中身が異なり、比較もテストも本番の準備ができたことを示すものではないと注記しています。

ホスキンソン氏の「1,000倍」が何と何を比べた数字なのかは、投稿には書かれていません。今のところ公開資料で確かめられるのは約95.7%減のほうで、両者の差は Pogun の技術資料が出たときに埋まるはずの部分です。

国庫申請は失効、開発は続く

Pogun は4月22日(エポック626)に、国庫引き出しの提案「Pogun: Capital Without Compromise」を出しました。申請額は1,229万 ADA で、クレジット市場、利回りの仕組み、BitVM のブリッジを段階的に出し、利益が出たら国庫へ返していく設計でした。SIPO も DRep として賛成しましたが(5月9日の記事)、提案はエポック633で承認されないまま失効しています。

サイトに並ぶ創業者3人のうち、CPO の Hans Lahe 氏は IOG でビットコイン DeFi のプロダクト責任者を務めた人物です。国庫の資金がつかなかったあとも、8月にはビットコインのメインネットで担保の仕組みのテストを行っており、開発そのものは続いています。

次に見るもの

確認できる次の一点は、Pogun の公式サイトの FAQ にある「ビットコインの担保はまだ稼働していない」という一文です。ホスキンソン氏の言う90日、つまり2027年1月1日ごろまでにこの表示が変わり、順番待ちの登録者に案内が届くかどうかで、「始まる」の中身が分かります。あわせて、テストの記録はサイトがリンクしている公開のエクスプローラーで、誰でも取引を一件ずつ確かめられます。

ことば

  • BitVM — ビットコインのスクリプトを変えずに、複雑な計算の結果を「異議があれば検証する」方式で扱う仕組み。ビットコインを他のチェーンへ安全に動かすブリッジの土台として研究が進み、Pogun は担保のロックに使います。
  • 価格による清算 — 担保の価値が一定以下に下がると、担保が自動的に売られる仕組み。多くの DeFi の貸付が採用していますが、Pogun は返済条件を守る限り価格だけでは清算しない設計を掲げています。
  • vB(仮想バイト) — ビットコインの取引がブロックの中で使う容量の単位。手数料は vB あたりのサトシで決まるため、使う vB が少ないほど担保の出し入れが安く済みます。

一次ソース / 関連リンク