LIVE ADA-- MCAP-- TVL-- STAKE-- EPOCH-- Cardano & Midnight 総合情報ポータル
SIPO
速報 Cardano財団CEOがTOKEN2049でデジタルアイデンティティの未来を語る 11時間前 速報一覧 →
HOME › Signal › Open Wallet Standard、v1.4.3 で Cardano に対応
Signal

Open Wallet Standard、v1.4.3 で Cardano に対応

2026-10-09SIPO #Midnight

ウォレットの管理と署名を複数のチェーンで共通に扱うオープンソースの仕組み Open Wallet Standard(OWS)が、v1.4.3 で Cardano に対応しました。Input | Output(IOG)は 10 月 8 日にこれを発表し、実装を書いたのは Cardano の DEX、WingRiders だと伝えています。

OWS は、AI エージェントにウォレットを持たせることを前提に、署名の前に使い方のルールを確かめる仕組みを備えています。エージェントが自分で支払う動きが Cardano で広がり始めた週に、その財布の側の共通部品にも Cardano が加わりました。この記事では、IOG の発表と GitHub の記録から、何ができるようになったのかを整理します。

OWS は「鍵は手元、署名の前にルール」の仕組み

IOG の説明によると、OWS はウォレットの管理と取引の署名のためのオープンソースのソフトウェアです。ウォレットは利用者の手元のマシンに置かれたままで、アプリは SDK か ows というコマンドラインのツールを通じてウォレットを使います。一つの使い方で多くのチェーンを扱えるのが特徴です。

開発者はエージェントごとに API キーを発行し、そのキーにルールを付けられます。OWS は署名する前にそのルールを確かめ、使えるチェーンを限る許可リストや、キーの有効期限といった制御を標準で持っています。GitHub のリポジトリは MIT ライセンスで公開されており、対応するチェーンの一覧には EVM 系、Solana、Bitcoin、Cosmos、Tron、TON、Sui、XRPL などが並んでいます。

Cardano 対応で何ができるか

IOG が挙げた Cardano 対応の中身は次のとおりです。

  • アドレスの生成、署名、残高の照会
  • Cardano の取引の詳細を、署名前のルールの確認に渡す
  • 支払い用の鍵とステーク用の鍵を、CIP-1852 の規格に沿って別々に導き出す(Cardano の基本的なアドレスは両方を使うため)
  • 取引は支払い用の鍵で署名し、委任のように必要な場合はステーク用の鍵の署名も加える
  • メッセージの署名には、ベース・エンタープライズ・報酬の各アドレスを使える
  • 残高はコミュニティが運営する Cardano の API、Koios から取得する

OWS の対応チェーンの文書では、Cardano は鍵の種類が Ed25519-BIP32(CIP-1852)、コインタイプが 1815、アドレスはメインネットが addr1…、テストネットが addr_test1… の形と定義されています。

SIPO の立場から目を留めたいのは、委任の署名まで扱える点です。エージェントの財布がステーク用の鍵も持てるということは、エージェントが保有する ADA をステークプールに委任する操作も、同じルールの確認の下で行えることを意味します。

WingRiders が書き、IOG と Midnight 財団が見た

IOG によると、統合のコードは WingRiders が書き、IOG と Midnight 財団がプロジェクトの調整と技術的なレビューを担いました。そのうえで OWS のメンテナーが何回かに分けてコードをレビューし、取り込んでいます。WingRiders の公式 X も「実装を作ったことを誇りに思う」と投稿しました。

GitHub の記録では、Cardano 対応のプルリクエスト(#244「feat: Cardano chain support」)は 8 月 4 日に出され、9 月 15 日に取り込まれました。変更は 76 ファイル、追加は 8,783 行です。v1.4.3 のリリースは 9 月 29 日(UTC)に公開され、リリースノートの変更点の筆頭にこのプルリクエストが載っています。IOG の発表は、その 9 日後にあたります。

DEX の運営チームが、取引所の外にある共通の部品に Cardano の対応を書き足したことになります。他のチェーン向けに作られた道具が Cardano を扱えるようになれば、複数のチェーンでエージェントを動かす開発者にとって、Cardano を加える手間が一つ減ります。同じ週のシンガポールの TOKEN2049 では、ハッカソンの全体優勝が、エージェントが x402 で支払う Cardano のトラックの作品から出ています。

開発者が今日試せること

OWS は Node.js、Python、Rust から使え、インストールの手順は GitHub の README にまとまっています。Cardano で試すなら、まず確かめる先は対応チェーンの文書(docs/07-supported-chains.md)と、署名前のルールを定義する文書(docs/03-policy-engine.md)です。エージェントに渡す API キーに「Cardano だけ」「有効期限つき」のルールを付けて署名させれば、仕組みの要点はすぐにつかめます。不具合や要望は OWS の Issue 欄で受け付けており、Cardano 対応の次の改良がどう進むかも、そこと次のリリースノートで追えます。

ことば

  • Open Wallet Standard(OWS) — 鍵を手元に置いたまま、複数のチェーンのウォレット管理と署名を一つの使い方で扱うオープンソースの仕組み。AI エージェントに渡す API キーごとに、署名前のルールを付けられます。
  • CIP-1852 — Cardano のウォレットで鍵を導き出す道筋(導出パス)を定めた規格。支払い用とステーク用の鍵を分けて導き出すのが特徴で、OWS の Cardano 対応もこの規格に沿っています。
  • WingRiders — Cardano の DEX の一つ。今回は取引所の外で、OWS の Cardano 対応のコードを書きました。IOG と Midnight 財団がレビューに加わっています。

一次ソース / 関連リンク

GitHub: feat: Cardano chain support(#244)(github.com)

タグ: #Midnight