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Daedalus 11.5.0、Mithril の部分同期で残る欠落を修正

2026-10-15SIPO #ダイダロス

フルノード型ウォレットの Daedalus が 10 月 14 日、バージョン 11.5.0 を公開しました。Mithril で途中まで同期したあとにローカルのブロックチェーンへ欠落が残り、ノードが止まることがあった不具合を直し、あわせて Linux 向けのネイティブパッケージと、診断レポートをワンクリックでコピーするボタンを加えています。

Daedalus のサポートを IOG から引き継いだ Se7en Labs は公式 X で公開を告げ、GitHub のリリースノートは「すべての Daedalus 利用者にこのバージョンへの更新を推奨」と結んでいます。前回の 11.4.0(9 月 18 日)が CSV 出力やガバナンス画面の不具合修正を中心にしていたのに対し、今回は同期の信頼性という、フルノード型ウォレットの土台に触れる変更が中心です。

Mithril の部分同期で残っていた「穴」

Daedalus は手元でノードを動かし、ブロックチェーン全体を自分のパソコンに持つウォレットです。最初の同期には長い時間がかかるため、署名付きのスナップショットから一気に追いつく Mithril の仕組みを使えるようになっています。

リリースノートによると、これまでは部分同期のあと、ローカルに保存された最新のチャンク(ブロックをまとめて保存する単位)が不完全なまま残ることがありました。その結果、ノードがブロックを受け付けなくなったり、「Replaying ledger」の表示のまま先へ進まなくなったりする場合があったといいます。11.5.0 では、部分同期を行ってもローカルのブロックチェーンに欠落が残らないよう改めました。

「Replaying ledger」で止まったように見える状態は、利用者の側からは待てば終わるのか、壊れているのかの見分けがつきにくいものです。原因の一つがウォレットの側で塞がれたことになります。

不具合を報告しやすくする「コピー」ボタン

新しく加わった「コピー」ボタンは、診断レポート全体を整形済みのテキストとしてクリップボードに写し、そのままバグ報告へ貼り付けられるようにするものです。Se7en Labs は 11.3.0(9 月 1 日)で IOG から Daedalus のサポート業務を引き継ぎ、専用のサポートポータルを開設しました。報告の手間を減らす今回の機能は、その窓口とセットで効いてくる改善です。

Windows では、コンピューター名に英数字以外の文字(日本語の名前など)が含まれる環境で、cardano-node が起動に失敗したり、broken pipe のエラーで同期が止まったりする問題も修正されました。日本語でパソコン名を付けている利用者には、直接関係する可能性がある修正です。

Linux 向けパッケージとテストネットでの鍵ファイル読み込み

Linux では、Debian(.deb)、RPM 系(.rpm)、Arch(.pkg.tar.zst)、NixOS 向けのネイティブなシステムパッケージが用意されました。11.3.0 で Rust に書き直されたプロセス監視の仕組み(watchdog)が OS レベルの入口になり、ノードとウォレットのプロセス全体を管理する形に変わっています。

開発者やテスト利用者に向けては、Daedalus の鍵ファイルからのウォレット読み込みが preprod と preview の 2 つのテストネットでも使えるようになりました。依存関係では cardano-node が 11.1.3 に更新されています。11.1.3 は、IPv4 アドレスの読み取り順を元に戻したノードの修正版です(9 月 30 日の記事)。

次に確かめること

Mithril の部分同期を使ったことがあり、「Replaying ledger」で止まった経験のある人は、11.5.0 へ更新したうえで同期が最後まで進むかを確かめるのが近道です。うまくいかない場合は、新しいコピーボタンで診断レポートを写し、Se7en Labs のサポートポータル(daedalus.support.se7enlabs.com)へ送れば、状況を正確に伝えられます。

確認できる次の一点は、GitHub の Daedalus リリースページに載る次のバージョンのリリースノートです。今回のパッケージ追加で Linux 版の配布経路が変わったため、次の更新で各ディストリビューション向けの案内がどう整うかが、Se7en Labs 体制での保守の進み具合を測る目安になります。

ことば

  • Mithril — 署名付きのスナップショットを使い、ブロックチェーン全体を最初から検証し直さずに短時間で同期を追いつかせる仕組み。フルノード型の Daedalus では、最初の同期にかかる時間を大きく縮める手段として使われています。
  • フルノード型ウォレット — ブロックチェーンの全データを手元に持ち、自分のノードで取引を検証するウォレット。外部のサーバーに頼らない代わりに、同期の信頼性がそのまま使い勝手を左右します。
  • Se7en Labs — Daedalus の公開とサポートを担うチーム。9 月 1 日の 11.3.0 で IOG からサポート業務を引き継ぎ、問い合わせ窓口も自前のポータルに移しました。

一次ソース / 関連リンク

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