MidnightのNIGHTが、0.04ドル付近まで上昇しています。2026年10月1日13時11分のBybit現物チャートでは、進行中の日足の価格は0.04048 USDTでした。同日13時台に確認したCoinGeckoの価格解説では、24時間で約24%、7日間で約74%の上昇となっています。CoinGeckoの市場データ
背景を考えるうえで注目したいのは、秘匿スマートコントラクトの公開準備が具体化していることと、NIGHTの将来性を評価する発言が広がっていることです。さらに10月1日朝には、Midnight財団のCTO、Sebastien Guillemot氏がロードマップの前倒しについて説明しました。
ただし、これらの発表がどれだけ買い注文につながったかは、公開情報だけでは特定できません。ここでは、価格から確認できる変化、開発側が公表した内容、そして上昇を説明する仮説を順に整理します。
価格は200日移動平均を上回る水準へ
図1は、BybitのNIGHT/USDT現物の日足チャートです。直近の上昇によって、表示価格は100日・200日移動平均の両方を上回っています。

| チャートの項目 | 表示値 |
|---|---|
| 進行中の日足の価格 | 0.04048 USDT |
| 当日足の始値からの変化 | +3.32% |
| 100日単純移動平均 | 0.02373 USDT |
| 200日単純移動平均 | 0.03027 USDT |
画面上部の「+3.32%」は、その日足の始値からの変化です。直近24時間を比較するCoinGeckoの騰落率とは、区切り方が違います。また、BybitのUSDT建て価格と、複数市場を集計するCoinGeckoのドル建て価格にも差があります。
価格が長期の平均を上回ったことは、回復の強さを見る一つの手がかりになります。一方、100日平均はまだ200日平均より下にあります。二つの平均線が交差する「ゴールデンクロス」が成立したと読むことはできず、当日足の終値も確定していません。
10月1日、スマートコントラクト公開への道筋が更新された
Guillemot氏は9月26日、Node 1.0.3をスマートコントラクト配備の有効化前に必要な最後の主要技術リリースと説明しました。そのうえで、しばらく安定性を確認し、問題がなければ配備を有効にする予定を示しています。9月26日の本人投稿
この経緯は、SIPOのMidnightノード更新の記事でも整理しています。今回、新たに見るべき材料は10月1日朝の連続投稿です。
同氏は、v8で秘匿スマートコントラクトを利用できるようになり、その後のv9で「コンポーザビリティ」を導入するという順序を説明しました。コンポーザビリティとは、複数のコントラクトや機能を組み合わせてアプリを作れる性質です。監査パートナーの協力によって、v9も2026年内に実現できる見込みだとしています。ロードマップについての本人投稿
この前倒しに備え、近くメインネットに1.0.4更新を展開する予定も示しました。一般の開発者が誰でもメインネットへ配備できるようにするリリースについては、引き続き「これから」のものとして説明されています。1.0.4更新の予定/一般開発者への配備開放について
ここには段階があります。Guillemot氏の説明によれば、現在は安全性や安定性を重視する段階的な立ち上げ期間で、パートナーはすでにメインネットへコントラクトを配備し、コードを共有しながら準備を進めています。一般開発者への開放と、コントラクト同士を組み合わせる次の更新は、それぞれ確認すべき節目です。現在の立ち上げ段階/パートナーの配備について
将来のアプリ利用につながる工程が具体化したことは、NIGHTへの期待を支える材料になり得ます。ただし、10月1日の発表だけで、それ以前から続く上昇全体を説明することはできません。
Hoskinson氏とWeiss Cryptoの発言が将来像に注目を集めた
9月28日、Charles Hoskinson氏は、NIGHTが今後24か月の有力な投資対象になる可能性があると評価するWeiss Cryptoの投稿を引用しました。そのうえで、MidnightがZcashより大きくなるとの見通しを示しています。引用元を含めて、本人の投稿で確認できます。Hoskinson氏の投稿
同氏が挙げたのは、必要な情報だけを明かす選択的開示、プライバシーを備えたエージェント、複数チェーンに関わるDeFiの構想などです。NIGHTを、秘匿送金に加えてアプリや金融サービスを支える仕組みとして評価する見方が示されました。
これらは関係者の将来への評価です。「大きくなる」という表現を、そのままトークン価格の予測や、実現済みの利用規模として読むことはできません。発言が上昇局面と近い時期に出たことは確認できますが、買い手の動機や寄与率まで示すものではありません。
アプリへの期待は、NIGHTの役割とどうつながるか
Midnightでは、トランザクションの手数料にDUSTというネットワークリソースを使います。DUSTは、生成のために登録したNIGHTから生まれます。そのため、アプリ利用が広がれば、それを支えるNIGHTの役割にも関心が向かう、という期待には仕組み上の接点があります。Midnight公式の資金準備ガイド
ただし、アプリ利用者全員が、自分でNIGHTを購入する必要があるとは限りません。公式ドキュメントは、別のウォレットがDUSTの手数料を負担するスポンサー方式を説明しています。これにより、利用者がDUSTを持たずにアプリを使い始める設計も可能です。DUSTスポンサー方式の公式説明
読者にとっての意味は、利用したいアプリが増え、手数料の準備も簡単になる可能性があることです。その期待が実際のNIGHT需要へどうつながるかを評価するには、アプリの稼働、利用者、DUSTの消費、スポンサーの運用を確かめる必要があります。
取引の拡大は確認できるが、買いの内訳は分からない
CoinGeckoの同日13時台の主統計欄では、24時間出来高は約9,400万ドル、無期限先物の建玉残高は約4,900万ドルでした。別の更新時点を反映する出来高解説欄も、前日比で2倍を超える増加を示しています。建玉とは、まだ決済されずに残っている契約の規模です。取引所での売買が活発な局面であることが分かります。CoinGecko
価格の上昇が注目を集め、さらに追随買いが入った可能性はあります。しかし、出来高には売りと買いの両方が含まれます。建玉の残高だけでは、新規の買い、売りポジションの買い戻し、強制清算のどれが上昇にどれだけ寄与したかは判定できません。
また、取引所での出来高と、Midnight上のアプリ利用は別の指標です。今回確認した市場データだけを根拠に、ネットワークの実需が急増したと結論づけることはできません。
次に確認したい三つの変化
- 一般開発者への配備開放が実施されるか。 1.0.4更新と、誰でもメインネットにコントラクトを配備できるようになる工程を、公式告知で確認します。
- v9の見通しが、利用可能な機能として実現するか。 コントラクト同士の呼び出しなどは、DeFiを含むアプリの設計範囲に関わります。2026年内という見込みと、実際の導入を分けて追います。予定機能についての本人投稿
- 関心の高まりが、継続的な利用につながるか。 売買の活況に加え、公開アプリとその稼働状況、利用者、DUSTの消費などを見ていきます。
NIGHTの今回の回復は、Midnightの公開準備が進み、将来像への期待が語られる時期に起きています。開発進展と強気発言は有力な買い材料の候補ですが、価格への影響は推測を含みます。次の判断材料は、その期待がどの機能と利用につながっていくかです。
参考・出典
- CoinGecko:Midnight(NIGHT)の価格・市場データ
- Sebastien Guillemot氏:9月26日のノード更新と配備有効化の予定
- Sebastien Guillemot氏:10月1日のv8・v9ロードマップ
- Sebastien Guillemot氏:1.0.4更新の予定
- Sebastien Guillemot氏:一般開発者へのメインネット配備開放の予定
- Charles Hoskinson氏:Weiss Cryptoの投稿を引用したMidnightへの見通し
- Midnight公式:資金準備とNIGHTからのDUST生成
- Midnight公式:DUSTスポンサー方式
- SIPO:Midnightノード1.0.300、全検証者の更新後にランタイム切替
※価格・出来高は参照時点の値です。チャートは10月1日13時11分13秒、CoinGeckoは同日13時台の表示を使用しています。発表があった事実と、その発表が価格上昇を引き起こしたという解釈は区別しています。
