Intersect が日本時間 8 月 31 日 6 時 45 分、「Update Constitutional Committee 2026」の投票について「48 HOURS TO VOTE」と告知しました。あわせて示された集計は、DReps が 66.3%(閾値 67%)、SPOs が 39%(閾値 51%)です。締め切りは協定世界時 9 月 1 日 21 時 44 分、日本時間では 9 月 2 日の 6 時 44 分にあたります。
SIPO はこの議案を 8 月 26 日から追ってきました。そのあいだ繰り返し確かめてきたのは、賛成を止めているのが反対ではなく未投票だ、という構造です。今日の数字はそこに別の論点を足します。票は増えています。増えてはいるのですが、締め切りまでに閾値へ届く速さでは増えていません。残りポイント数だけを見ていると、この差は見えません。水準ではなく変化率で見ると、残り 1 日半の意味が変わります。
そこで、SIPO が取得してきた集計の系列を並べ、必要なペースと実際のペースを突き合わせます。
初期報: https://sipo.tokyo/breaking-x-2094179617317753117/
■ 残っているのは 0.57 ポイントと 11.08 ポイントです
現在の集計は次のとおりです(日本時間 2026 年 8 月 31 日 18 時 16 分取得・AdaStat の集計を Koios で照合)。
- DRep 賛成 66.43%(139 票)/閾値 67% ── 残り 0.57 ポイント
- SPO 賛成 39.92%(221 票)/閾値 51% ── 残り 11.08 ポイント
告知が示した 66.3% と 39% は、SIPO が同日 7 時 54 分に取得した 66.35%・39.07% とほぼ一致します。数字そのものについて、公式の集計と独立に取った値のあいだにずれはありません。
内訳は 8 月末を通じて変わっていません。DRep 側は投票済みの反対が 0.24%(5 票)、AlwaysNoConfidence が 2.88%、未投票が 30.45%。SPO 側は投票済みの反対が 0.54%(1 票)、AlwaysNoConfidence が 0.46%、未投票が 59.08% です。gov.tools の画面で「No」として表示される値(投票済み反対 + AlwaysNoConfidence)は、DRep 3.12%・SPO 1.00% にとどまります。
つまり、この議案に対して明確に反対しているのは、DRep で 5 票、SPO で 1 票です。残り 11.08 ポイントは、反対を説得して縮める距離ではありません。まだ投票していないところが票を入れれば、そのぶんだけ縮む距離です。
■ 動いてはいます。ただし必要なペースの 4 分の 1 です
SIPO が取得してきた SPO 賛成率の系列は次のようになります。
- 8 月 28 日 14 時 24 分 ── 32.18%
- 8 月 29 日 9 時 20 分 ── 35.47%
- 8 月 30 日 12 時 32 分 ── 37.86%
- 8 月 30 日 20 時 21 分 ── 38.79%
- 8 月 31 日 7 時 54 分 ── 39.07%
- 8 月 31 日 18 時 16 分 ── 39.92%
直近の約 30 時間(8 月 30 日 12 時 32 分から 8 月 31 日 18 時 16 分まで)で積み上がったのは 2.06 ポイント、1 時間あたり 0.07 ポイントほどです。締め切りまでは、この取得時点から約 36 時間半あります。残り 11.08 ポイントをそこで埋めるには、1 時間あたり 0.30 ポイントが要ります。直近のペースの、およそ 4.4 倍です。
DRep 側も、距離が短いことと届くことは別です。同じ 30 時間で積み上がったのは 0.28 ポイントで、このペースのままなら残り 0.57 ポイントを埋めるのに 60 時間かかる計算になります。締め切りは 36 時間半後です。
ただし、これは予測ではありません。賛成率はステーク加重ですから、大きな投票力を持つ一者が投じれば、階段状に跳ねます。DRep 側の 0.57 ポイントは、条件次第で一度の投票で埋まる幅です。ここで言えるのは、「自然に積み上がるのを待つ」形では届かない、ということだけです。閾値を越えるとすれば、それは平常運転の延長ではなく、この 1 日半のあいだに新しく投票する人が出た結果になります。
■ もう 1 件の議案は、止まり方が違います
同じ締め切りを持つ議案がもう 1 件あります。「Reduce minPoolCost to 75 ada and increase Plutus Memory Limits (Part 2)」です。最低プール手数料を 340 ADA から 75 ADA へ下げる内容を含むため、プールを運用している方には直接効いてきます。
集計は次のとおりです(同じく 8 月 31 日 18 時 16 分取得)。
- DRep 賛成 63.68%(133 票)/閾値 67% ── 残り 3.32 ポイント
- SPO 賛成 28.64%(117 票)/閾値 51% ── 残り 22.36 ポイント
こちらは委員会更新と性質が違います。投票済みの反対が DRep で 4.71%(28 票)、SPO で 6.55%(44 票)あり、明示的な棄権も SPO で 40 票入っています。委員会更新では反対が合わせて 6 票でしたから、桁が違います。この議案には、内容そのものへの異論が実際に存在します。
とはいえ、ここでも最大の塊は未投票です。SPO 側の未投票は 64.34%。残り 22.36 ポイントという距離は、1 日半で埋まる幅ではありません。
■ 止まるものの範囲に、Dijkstra と Leios が名指しされました
今回の告知には、通らなかった場合の帰結が、これまでより具体的に書かれています。
If this action doesn’t pass, existing Committee members’ terms will expire and the Committee will fall below the required committeeMinSize of five.
委員会は、プロトコルが定める最少人数の 5 名を下回ります。そして、その状態が続くあいだ止まるものが列挙されています。
Until the Committee returns to at least five members, Treasury Withdrawal, Parameter Update, Constitution Update and Hard Fork Initiation actions cannot be ratified. This could also affect progress towards Dijkstra and Leios, which will require constitutional as well as technical updates.
国庫からの引き出し、パラメータ変更、憲法の改正、ハードフォークの開始──これらが批准できなくなる、という点はこれまでの説明と同じです。今回新しいのは、その影響先として Dijkstra と Leios が名前で挙げられたことです。理由も書かれています。この 2 つは技術的な更新だけでなく、憲法にかかわる更新も必要とするからです。
ここで注意しておきたいのは、これが「委員会が仕事をしなくなる」という話ではないことです。定員を割った委員会も投票そのものは行えます。できなくなるのは批准です。憲法への適合を判定する手続きが完了しないため、その後ろに並ぶ議案が順番待ちのまま動かなくなります。パラメータ変更が止まるということは、いま投票中の minPoolCost の議案が仮に閾値を越えても、そこから先で詰まりうるということでもあります。
■ 次に見るもの
9 月 2 日 6 時 44 分までに、SPO 51% と DRep 67% の両方へ届くかどうかです。届かなければ、否決ではなく時間切れとして終わります。見るべきは残りポイント数よりも、そこへ向かう速さのほうです。1 時間あたり 0.3 ポイントに乗る局面が来るのか、それとも 0.07 ポイントのまま締め切りを迎えるのかで、結果はほぼ決まります。
プールを運用されている方は、締め切りまでに一度だけ確認をおすすめします。賛成でも反対でも棄権でも、投じた票は分母の外か賛成側かに動きます。一方、何もしなければ、報酬アカウントを AlwaysAbstain に委任していない限り、その分は分母に残り続けます。賛成率を押し下げる側に働く、ということです。手順は Cardano Developer Portal に SPO 向けの案内があります。
結果が出たあとに見る点も、いまから決めておけます。通った場合は、発効が 9 月 6 日の境界まで動かない理由(任期の上限が 146 エポックであること)を SIPO は 8 月 29 日に扱いました。通らなかった場合は、委員会が 5 名へ戻るまでにどの議案が順番待ちに入るのか、そのリストが次の論点になります。
一次ソース / 関連リンク
- Intersect:48 HOURS TO VOTE(X・2026-08-30・告知原文と帰結の記述)
https://x.com/IntersectMBO/status/2094179617317753117 - GovTool:Update Constitutional Committee 2026(提案ページ・投票状況)
https://gov.tools/governance_actions/gov_action1w2w64uhelz0cg2np7m37hal905tdd7jpzm3fcyc3g7qvkwgfppgqqfsggt5 - GovTool:Reduce minPoolCost to 75 ada and increase Plutus Memory Limits (Part 2)(提案ページ・投票状況)
https://gov.tools/governance_actions/gov_action14dr5yg75pchr2sz42djtuflpvx5qnsek29qg7s7cft8lzrqt5vrqqtqntpk - Cardano Developer Portal:SPO のガバナンス投票手順
https://developers.cardano.org/docs/operators/governance/spo-governance/ - SIPO:早く通っても、着任は 9 月 6 日から動きません(2026-08-29・発効日と議席の入れ替わり)
https://sipo.tokyo/signal-20260829-3deb92d9/ - SIPO:「最終エポック」は、いま走っている 652 のことです(2026-08-28・2 議案の位置づけ)
https://sipo.tokyo/signal-20260828-61ac0b15/
