Cardano の公式アカウントが 9 月 13 日、来週開かれるコミュニティ主導の会議 3 件を告知しました。9 月 15 日(UTC)に Hard Fork Working Group と CIP Editors Meeting、9 月 16 日に Cardano Product Committee(CPC)の作業会が続き、日本時間ではいずれも 9 月 16 日(水)の未明と夜にあたります。
3 件とも Luma の登録ページ上は無料・承認不要で、誰でも入れる公開の場です。次のハードフォーク Dijkstra を巡っては、提案を束ねる部屋、提案の文書を審査する部屋、製品としての優先順位を考える部屋が、同じ 2 日間に並びます。告知は短い 1 通でしたが、それぞれの部屋でいま何が扱われているかを一次資料で辿ると、Dijkstra の準備が「何を入れるか」から「どの順で揃えるか」へ進んでいることが見えてきます。
初期報: 来週、Cardanoコミュニティ主導のイベント複数開催予定
開始時刻は UTC で 15:00、16:00、13:30 です
告知の投稿には「5:00 PM」「6:00 PM」「3:30 PM」とだけあり、時間帯の表記がありません。案内先の Luma カレンダーに登録された開始時刻を見ると、Hard Fork Working Group は 9 月 15 日 15:00〜16:00 UTC、CIP Editors Meeting は同日 16:00〜17:00 UTC、CPC の作業会は 9 月 16 日 13:30〜15:00 UTC です。投稿の表記は、UTC より 2 時間進んだ時刻で書かれていることになります。
日本時間に直すと、次のとおりです。
- Hard Fork Working Group:9 月 16 日(水)午前 0 時〜1 時(オンライン会議・ホストは Intersect と Bosko Majdanac 氏)
- CIP Editors Meeting:9 月 16 日(水)午前 1 時〜2 時(Discord・ホストは Robert Phair 氏)
- CPC 作業会:9 月 16 日(水)午後 10 時 30 分〜翌 0 時(オンライン会議・ホストは Lorenzo 氏)
Hard Fork Working Group の時刻については、9 月 2 日の記事で、Intersect の文書にある「Tuesdays at 3pm UTC」と当時の告知の時刻が食い違っており、どちらが新しいか外からは判定できないと書きました。今回の回について言えば、Luma の登録は 15:00 UTC で、文書の記載と一致しています。
Hard Fork Working Group は、Dijkstra の依存関係の整理に入っています
直近の 9 月 8 日の議事録を読むと、この部会の関心はリリースの中身そのものから、何が何を待っているかの管理へ移っています。
ノードについては、議事録で「mainnet ready」とされ当日中のプレリリースが見込まれていた 11.1 系が、9 月 8 日(UTC)に GitHub で 11.1.1 のプレリリースとして公開されました。一方の 11.2 は、Leios を除く Dijkstra の範囲をほぼすべて含む版として統合が進んでいますが、議事録には「shouldnt be considered of being capable to survive the hard fork event」と明記されています。進み具合を追う GitHub の issue #6672 は、9 月 13 日時点でまだ open で、Ledger や Consensus、API、CLI の各部品が「In progress」と並んでいます。
同じ議事録では、依存関係の図と表が紹介され、表を Dijkstra の公式な依存関係トラッカーに格上げすることが決まりました。Dijkstra の概要ページからは具体的な日付を外し、範囲を示す唯一の拠り所にするという方針も記録されています。周辺ツールでは、Ogmios と Kupo の代替となる cardano-rpc と cardano-sieve が試用できる段階にある一方、置き換えの取り組みは 2027 年へ延ばされ、Dolos と Pallas も準備の重要経路に数えられています。部会は、作業が固まるまで週 1 回の開催を続けるとしています。
CIP Editors Meeting は隔週で、9 月 1 日の次の回です
CIP リポジトリの README は、エディターが GitHub 上の議論を進め、Discord で公開の隔週会合を開いて進捗を確認すると説明しています。Luma にも 9 月 15 日、9 月 29 日、10 月 13 日と 2 週間おきに同じ時刻で登録されていて、9 月 1 日の回から数えて今回がその次にあたります。Luma の説明文には、議題は HackMD で公開していると添えられています。
この部屋とハードフォークの部屋は、9 月 8 日の議事録の一文でつながります。プロトコルパラメータの新しい文書を準備するくだりで、「Alternative node teams need CIP level source of truth, rather than Haskell implementation level」と書かれていました。議事録の同じ回には、Haskell 版のほかに Amaru、Dingo、Scalus など 10 のノード実装が並んでいます。複数の実装が同じハードフォークを越えるには、Haskell のコードではなく CIP の文書が基準になる必要がある、ということです。CIP の審査は、その基準を整える作業でもあります。
CPC の作業会は見学でき、最後の 30 分で質問もできます
CPC は、Intersect の説明によれば、L1 とエコシステム全体を含めて Cardano を 1 つのプロダクトとして見る諮問機関で、共有するビジョンと戦略、年間目標を開かれた形で作る手助けをする役割を担います。委員名簿では Samuel Leathers 氏が委員長、Lorenzo Bruno 氏が書記を務めています。
Luma の説明文には、この回は委員会の作業会であり、誰でも見学でき、最後の 30 分は書記が見学者とのやり取りを受け付けると書かれています。カレンダーには 9 月 23 日の回も同じ時刻で入っています。
ハードフォークとの関係でいえば、CPC は「Dijkstra Hard Fork Planning」というページを公開していて、第 1 段階(プロトコルバージョン 12)を 2026 年 Q4、Ouroboros Peras を有効にする第 2 段階を 2027 年 Q2 の目標に置き、それぞれ Preview、Pre-production、メインネットの順に、各段階でガバナンスアクションの承認を要するとしています。これらの時期はコード完成の目標で、ガバナンス手続きとコミュニティテストの時間は含まれていないとも明記されています。9 月 8 日の議事録には、今後のハードフォークの意思決定と優先順位づけの手順を起草するという宿題も記録されていました。
2 日間のあとに残るもの
3 つの会議に参加しなくても、結果は文書として外に出てきます。Hard Fork Working Group の議事録は Cardano Upgrades のドキュメントに回ごとに追加されていて、9 月 15 日の回が載れば、依存関係トラッカーの格上げと概要ページの日付整理がどこまで進んだかが確認できます。ノードの側では、issue #6672 の各部品が「In progress」から動くかどうかが、11.2 がいつ出るかの手がかりになります。SPO としては、11.2 が出ることより、ハードフォーク対応と明示される版がいつ示されるかのほうを待つ場面が続きます。
ことば
- Dijkstra — Cardano の次のハードフォークで、プロトコルバージョン 12 の新しい時代を指します。9 月 8 日の議事録では、名称を誰にちなむかの手順も議題に上がっていました。
- CIP — Cardano Improvement Proposal の略で、エコシステムへの変更を記述する設計文書です。複数のノード実装が並ぶいま、実装間で揃える基準としての役割が増しています。
- CPC — Intersect の Cardano Product Committee で、Cardano を 1 つのプロダクトとして見て方向性と優先順位を考える諮問機関です。ハードフォークの段階計画もこの委員会のページで公開されています。
一次ソース / 関連リンク
- Cardano 公式アカウントによる告知(X・2026 年 9 月 13 日)
https://x.com/Cardano/status/2098947795591782789 - Cardano Events カレンダー(Luma・開催日時と参加リンク)
https://luma.com/CardanoEvents - Hard Fork Working Group(Luma・9 月 15 日の回)
https://luma.com/dg69axu5 - CIP Editors Meeting(Luma・9 月 15 日の回)
https://luma.com/88em7pih - Intersect Product Committee call(Luma・9 月 16 日の回)
https://luma.com/06jfoeac - Hard Fork Working Group 議事録(Intersect・2026 年 9 月 8 日)
https://cardanoupgrades.docs.intersectmbo.org/general/hard-fork-working-group-meeting-minutes/8th-september-2026 - Cardano Upgrades ドキュメント(Intersect・作業部会の開催頻度)
https://cardanoupgrades.docs.intersectmbo.org/ - cardano-node 11.1.1 リリース(GitHub)
https://github.com/IntersectMBO/cardano-node/releases/tag/11.1.1 - Release v11.2 の進捗 issue #6672(GitHub)
https://github.com/IntersectMBO/cardano-node/issues/6672 - CIP リポジトリ README(エディターと隔週会合)
https://github.com/cardano-foundation/CIPs - Cardano Product Committee 委員名簿(Intersect)
https://committees.docs.intersectmbo.org/intersect-product-committee/about/committee-members - Dijkstra Hard Fork Planning(Intersect Product Committee)
https://product.cardano.intersectmbo.org/hardfork-planning/dijkstra/ - 初期報(SIPO.TOKYO)
https://sipo.tokyo/breaking-x-2098947795591782789/ - Hard Fork Working Group と CIP Editors 会議、火曜に公開で連続開催(SIPO.TOKYO・2026 年 9 月 2 日)
https://sipo.tokyo/signal-20260902-592e4bdb/
