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次のハードフォークを決めている部屋は、どちらも公開されています——Hard Fork Working Group と CIP Editors Meeting が 1 時間差で開きます

2026-09-02SIPO

Cardano の公式アカウントが、火曜に 2 つのミーティングを開くと告知しました。Hard Fork Working Group が 17:00 UTC、CIP Editors Meeting が 18:00 UTC。どちらにも「Open to all」と添えられています。次のハードフォークの中身を詰めている部屋が、同じ晩に続けて 2 つ、誰にでも開かれているということです。告知そのものは短い 1 通ですが、この 2 つの部屋が何をする場所なのかを一次資料で辿ると、いま Cardano のどのあたりが動いているのかが見えてきます。参加されない方にとっても、ここで扱われている材料は追う価値があります。

■ 日本時間では 9 月 2 日の未明です

17:00 UTC は日本時間の 9 月 2 日 午前 2 時、18:00 UTC は同じく 午前 3 時にあたります。初期報では前者を「日本時間午後2時」と記載しましたが、これは誤りでした。正しくは 9 月 2 日 午前 2 時です。訂正します。

時刻についてはもう一点、ややこしい事情があります。Intersect の Cardano Upgrades ドキュメントには「Currently the hard fork working group meets once every week, Tuesdays at 3pm UTC, using Luma events from the following calendar.」とあり、週次・火曜という頻度は今回の告知と一致する一方、時刻は 15:00 UTC で、今回告知された 17:00 UTC と食い違います。文書とカレンダーのどちらが新しいかは外から判定できないため、実際の開始時刻は告知が案内している Luma のカレンダーで確認するのが確実です。

頻度が週次であるということは、今回に間に合わなくても翌週があるということでもあります。急いで駆けつけるより、何を話している場なのかを先に把握しておくほうが、結果的に得るものは大きいはずです。

■ Hard Fork Working Group は「上がっている提案があるとき」に動きます

Intersect の作業部会ページによれば、この部会の役割は「Facilitation of Cardano upgrades and oversee and coordinate issues relating to hard forks.」— アップグレードの進行を支え、ハードフォークにまつわる論点を調整することだと書かれています。求めている参加者の範囲も明記されていて、「builders, stake-pool operators, exchanges, and the broader community」と、ビルダー・ステークプールオペレーター・取引所・広いコミュニティが並びます。運営にあたるのは Intersect の Bosko Majdanac 氏、Matt Davis 氏、Ryan Williams 氏で、参加希望は hard-fork@intersectmbo.org へのメールでも受け付けている旨が記されています。

同じページには、この部会が「spun up and down dependent on active upgrade proposals」— 動いているアップグレード提案の有無に応じて立ち上がり、また畳まれる、とも書かれています。であれば、毎週開かれているという事実そのものが、いま処理すべき提案が実際にある、という合図になります。なお、このページには archived の表示が付いています。役割の記述としては読めますが、現在の運用状況はカレンダー側と合わせて見るのが安全です。

■ いま動いている提案は Dijkstra(プロトコルバージョン 12)です

Intersect の Cardano Upgrades ドキュメントで「Planned upgrades」に挙がっているのは Dijkstra です。概要ページは「The Dijkstra era delivers Cardano’s next major protocol upgrade in two phases.」と説明し、プロトコルバージョンは 12 と示されています。第 1 段階は新エラ(v12)への移行として Ouroboros Linear Leios、Nested Transactions、Peras のコーデック拡張とプロトコルパラメータを有効化し、第 2 段階はエラ内ハードフォークとして Ouroboros Peras を有効化する、という二段構えです。

時期については、コード完成の目標が第 1 段階で 2026 年 Q4、第 2 段階で 2027 年 Q2 とされ、メインネットのハードフォーク日はいずれも TBD です。同ページには「All dates and quarters are estimated targets…They do not include governance processes or community testing.」という注意書きが添えられており、ガバナンス手続きとコミュニティテストの時間は含まれていない見積もりだと明示されています。日付として読むべきものではありません。

第 1 段階に含まれる項目として並んでいるのは、CIP-164(Ouroboros Linear Leios)、CIP-118(Nested Transactions)、CIP-112(Observe Script Type/Guard Scripts)、CIP-159(Account Address Enhancement Phase 1)、CIP-167(Remove isValid from Transactions)、CIP-176(Non-segregated Block Body Serialization)、PlutusV4 Script Context、CIP-181(Remove DRep Requirement for Reward Withdrawals)、CIP-50(Pledge Leverage-Based Staking Rewards)です。ステークプールを運用している方、委任している方の目から見ると、報酬の受け取り条件に関わる CIP-181 と、プレッジのレバレッジに関わる CIP-50 が同じ一覧に載っている点は押さえておきたいところです。

ロールアウトの段取りも示されています。Preview でのハードフォーク、およそ 2 週間の Preview SPO テスト期間、Pre-production でのハードフォーク、1〜2 週間の Pre-production SPO テスト期間を経て、メインネットのガバナンス承認へ進む、という順序です。SPO がノードを動かして確かめる時間が、工程として最初から組み込まれています。

■ CIP Editors Meeting は Discord で、公開されています

もう一方の部屋も開いています。CIP リポジトリの README は、CIP エディターの役割を「facilitate discussions and progress submissions on GitHub, reviewing progress in bi-weekly meetings held on Discord which are open to the public.」と説明しています。GitHub 上で議論を進め、隔週の会合で進捗をレビューする、その会合は Discord で公開されている、ということです。現在のエディターとして挙がっているのは Robert Phair 氏(@rphair)、Ryan Williams 氏(@Ryun1)、Thomas Vellekoop 氏(@perturbing)の 3 名です。

CIP と CPS の関係も同じ README に書かれています。CIP は「a formalised design document for the Cardano community」であり、エコシステムやプロセスへの変更を記述するもの。CPS(Cardano Problem Statement)は CIP を補完する文書で、同じリポジトリの中に対等な存在として置かれます。解決策を書くのが CIP、問題を書くのが CPS、という役割分担です。

ここで前の節とつながります。Dijkstra の第 1 段階に載っているのは、すべて CIP の番号でした。番号が動く場所と、その番号を束ねてハードフォークにする場所が、同じ晩に 1 時間差で開かれている。告知が並べているのは、そういう 2 つの部屋です。

■ 見ておくもの

ひとつは、Dijkstra の Preview ハードフォークと SPO テスト期間の告知です。工程表に組み込まれている以上、ここが動き始めれば見積もりが実際の日程に変わっていきます。もうひとつは、CIP-50 や CIP-181 のように、SPO と委任している方の手元に直接効く提案の状態変化です。そしてもうひとつは、Hard Fork Working Group の週次開催が続くかどうか。畳まれるときは提案が片付いたときで、続くときは、まだ調整が残っているときです。


一次ソース / 関連リンク