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Cardano ネイティブトークン、Fireblocks で保管・送付へ

2026-09-25SIPO

Cardano Foundation は9月24日、Cardano のネイティブトークン(CNT)がデジタル資産の保管基盤 Fireblocks で扱えるようになると発表しました。Fireblocks を使う取引所・銀行・フィンテックは、ほかの資産に使っているのと同じポリシー管理のまま、CNT を保管し、送り、受け取れるようになります。

Cardano の側では長く「ネイティブトークンは台帳そのものの機能である」ことが設計上の強みとして語られてきました。今回の発表は、その設計が機関の運用現場でどう効くのかが、はじめて具体的な形で示された場面です。発行できることと、機関が持てることは別の問題で、Cardano がこの1年進めてきた統合の並び(USDC、Pyth、Dune など)は後者を埋める作業でした。以下では、Cardano Foundation 自身が説明した内容と、報道が先に伝えている規格・時期を分けて整理します。

■ これまでは手作業が挟まっていた

Fireblocks は、銀行やフィンテックがデジタル資産を扱うための保管・送金承認・権限管理の基盤です。Cardano Foundation は、同社が年間5兆ドル超のデジタル資産送金を保護していると説明しています。

ADA そのものは2021年から Fireblocks で扱えました。変わるのはその上に乗るトークンのほうです。Cardano Foundation は「これまで CNT がこの基盤を通るには手作業の工程が必要だった。それが不要になる」と述べています。ステーブルコインやトークン化された実物資産を Cardano 上で発行しても、機関の口座に入れるところで人手が挟まっていた、ということです。

この差は小さく見えて、実務では決定的です。Fireblocks 自身も同日、「銀行がオンチェーンで発行する前に確かめるのは2つ、ネットワークと基盤だ」と投稿し、Cardano Foundation が前者を10年かけて作り、Fireblocks が後者を持ち込む、という整理を示しました。

■ 台帳の機能であることが、ここで効く

Cardano Foundation が今回いちばん強調したのは、技術的な理由のほうでした。Cardano ではトークンがスマートコントラクトではなく台帳そのものの機能として扱われるため、CNT は Fireblocks の既存のポリシーエンジンと承認フローにそのまま入る、という説明です。

同財団はこれを「新しく受け入れる資産クラスもなければ、新しく作るリスクモデルもない」と表現しました。機関が新しい資産を扱えるようにするとき、工程の大半はリスク部門の承認に費やされます。トークンごとにコントラクトの挙動を読み、監査し、社内基準に落とす作業が省けるなら、判断は速くなります。

発表には EMURGO と Iagon、そして Pentad への謝辞が添えられました。Pentad は Cardano Foundation・EMURGO・Input Output・Intersect・Midnight Foundation の5者を指します。統合の実装は Iagon が5月にデモを予告していた流れの延長にあり、単独の財団プロジェクトではなく、複数の組織が関わった作業だったことが明示されています。

■ 対象の規格と、完全対応の時期

ここから先は、Cardano Foundation の投稿そのものには書かれていない部分です。複数の報道は、対象が CIP-26(トークンレジストリ)と CIP-68(オンチェーンのメタデータ規格)に沿ったトークンであること、完全対応は2027年3月までであることを伝えています。Cardano Foundation の投稿は日付に触れず、「Fireblocks との DeFi・エコシステム統合は2027年に向けてさらに進行中」とだけ述べています。

読む側としては、この2つを分けて持っておくのが安全です。確定しているのは対応の方針と、それが機関の既存ワークフローに素直に入るという設計上の理由。期日と規格の範囲は、財団の公式文書で確認できたときに固めるべき情報です。

なお、Cardano Foundation は Fireblocks を今年の Cardano Critical Integrations の項目として進めてきました。今回の発表は、その工程表が1つ進んだ地点として読めます。

■ 次に確かめる一点

最初に見るべきは、Cardano Foundation のニュース面(cardanofoundation.org/blog)に載った今回の告知の本文です。規格の範囲と段階ごとの時期が書かれているのはここで、X の投稿には入っていません。

そのうえで、対応が実際に始まったかどうかは Fireblocks の対応資産一覧で確かめられます。発表と、顧客が画面で選べるようになる時点はずれます。10月1日には RealFi の dApp が Cardano メインネットで動き出す予定で、Cardano 上のドル建て資産が増えていく時期と、機関側の受け皿が整う時期がどう噛み合うのかは、年末にかけての見どころになります。

■ ことば

  • CNT(Cardano ネイティブトークン) — Cardano で発行されるトークン。ほかの多くのチェーンと違い、スマートコントラクトではなく台帳自体がトークンを扱います。今回はこの違いが、機関の承認フローに乗せやすい理由として使われました。
  • ポリシーエンジン — 誰がいくらまで、どの宛先に送れるかを組織のルールとして機械的に強制する仕組み。銀行がデジタル資産を扱う際の中核で、ここに載るかどうかが実務上の可否を決めます。
  • Pentad — Cardano Foundation・EMURGO・Input Output・Intersect・Midnight Foundation の5組織を指す呼び方。今回のように複数組織にまたがる統合で、まとめて言及されることが増えています。

一次ソース / 関連リンク