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Kraft Heinz、食品の産地証明を Cardano に記録する仕組みに参加

2026-10-02SIPO #カルダノ財団

Cardano 財団は日本時間 10 月 1 日未明、食品の供給網の記録サービス Open Food Chain が、食品ブランドの法令対応のデータを Cardano に記録し、QR コードから買い物客が確かめられる仕組みを提供していると紹介しました。参加企業として Kraft Heinz と Interfood の名前を挙げています。

食品メーカーは、規制に対応するために産地や取引の記録を既に集めています。その記録を、監査のための書類から、売り場で消費者が読める「証明」に変える試みで、ブロックチェーンが企業の現場で使われる典型的な形の 1 つです。この記事では、財団の告知と Open Food Chain の公式サイトから、仕組みと参加企業の範囲を整理します。

「法律で既に集めているデータ」を使う

財団の公式 X は、告知の書き出しを次のように始めています。

Food brands already collect supply chain compliance data by law.

— Cardano 財団 公式 X(2026 年 9 月 30 日・UTC)

食品ブランドは、供給網の法令対応のデータを法律に基づいて既に集めている。Open Food Chain はそのデータを Cardano に固定し(アンカーし)、QR コードの裏に置くことで、たとえば「森林破壊ゼロ」という表示を農場までたどれるようにする、という説明です。

新しいデータを一から集めるのではなく、規制対応のために既にある記録を再利用する点が、この仕組みの出発点になっています。Open Food Chain の公式サイトも、既存のデータを整理するだけで、社内の IT システムを変える必要はないと説明しています。

背景にある欧州の 2 つの規制

公式サイトは、対応する規制として EUDR と EmpCo の 2 つを挙げています。

  • EUDR(EU 森林破壊防止規則) — カカオやコーヒーなどの品目について、生産地で森林破壊が起きていないことを確認する義務(デューデリジェンス)を事業者に課す規則です
  • EmpCo(消費者の権利強化指令) — 「環境にやさしい」などの表示に、裏付けを求める規則です

前者は企業に記録を集めさせ、後者は表示の根拠を問う規則です。集めた記録がそのまま表示の根拠になれば、規制対応のコストが、売り場での信頼という形で回収できるようになります。財団のブログ記事の URL が「compliance-into-sales(法令対応を売上へ)」となっているのは、この考え方を表していると読めます。

QR コードは 1 つで、レジ・取引先・消費者に

Open Food Chain が提供するのは、商品ごとに読み取れる「製品パスポート」です。トレーサビリティのデータ、認証、仕入れ先からの証拠を、QR コードを通じて商品に結びつけます。

公式サイトによると、この QR は GS1 Digital Link(バーコードの国際標準化団体 GS1 が定めた、QR コードに商品情報を載せる方式)の形にもでき、包装の 1 つのコードがレジ、取引先、消費者のパスポートのすべてに使えるとしています。小売業界では、2027 年に向けて店頭で 2 次元コードを読み取れるようにする準備が進んでいることにも触れています。

公式サイトでは、カカオ、オリーブオイル、魚、ジュースの 4 品目で既に本番運用しているとしています。10 月 2 日に確認した時点で、公式サイトのトップページにはブロックチェーンや Cardano という言葉は出てきません。食品業界の顧客に向けては、規制対応と表示の裏付けを前面に出し、技術の名前は表に出していないことが分かります。

参加企業と、まだ分からないこと

財団の告知は Kraft Heinz と Interfood について「on board(参加している)」と書き、Open Food Chain の公式サイトも「Working with Kraft Heinz and Interfood」としています。一方で、どの商品・どの地域で、いつから QR が付くのかは、今回確認できた範囲の一次情報には書かれていません。世界的な食品メーカーが参加したことは事実として読めますが、店頭で手に取れる商品にすぐ Cardano の記録が付くとまでは言えない段階です。

同じ週、財団は Petrobras とリオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-Rio)との共同研究として、持続可能な航空燃料と再生可能ディーゼル「Diesel R」に関する 2 つのブロックチェーンのアプリケーションも発表しました。燃料と食品という違いはあっても、どちらも「どこで作られ、どう運ばれたか」の記録を残す用途です。財団が企業向けに打ち出している Cardano の使い道が、供給網の証明に集まっていることが見えてきます。

次に確認したいのは、Open Food Chain の公式サイトに、Kraft Heinz や Interfood の具体的な導入事例(対象の商品と開始時期)が載るかどうかです。あわせて、実際の商品の QR から、Cardano 上の記録までたどれる画面が公開されれば、この仕組みが売り場まで届いたことを読者自身が確かめられるようになります。

ことば

  • アンカー — データそのものではなく、その要約値(ハッシュ)などをブロックチェーンに書き込み、後から改ざんされていないことを確かめられるようにすること。企業のデータを外に出さずに証明だけを残す用途で使われます。
  • EUDR — EU の森林破壊防止規則。対象品目を EU で販売・輸出する事業者に、生産地の位置情報などを含む確認を求めます。食品メーカーが産地の記録を集める大きな理由になっています。
  • GS1 Digital Link — 商品のバーコード情報をウェブのアドレスの形で QR コードに載せる国際標準。レジでの読み取りと、消費者向けの情報提供を 1 つのコードで兼ねられます。

一次ソース / 関連リンク