Cardano 発の無期限先物取引所 Strike Finance は日本時間10月17日朝、公式 X で、流動性の保管庫 SLP の出し手に向けたシーズン1報酬のうち、前半の1万 STRIKE を前日に配ったと明かしました。残る後半の1万 STRIKE は10月28日に配る予定です。
Strike はこの報酬を、保管庫そのものの運用成績と、RealFi の USD 利回りに「上乗せされるもの」と位置づけています。ただし公式ドキュメントを読むと、3つの層がそろって重なるかどうかは、SLP にどう資金を入れたかで変わります。配り方の仕組みと、層ごとの条件を順に見ていきます。
30日で2万 STRIKE、1日888ポイントを分け合う
告知は「ポイントのページを更新した」という一文から始まります。報酬のもとになっているのは、Strike のドキュメントにある Points の仕組みです。シーズン1は9月28日0時(UTC)から10月28日0時(UTC)までの30日間で、賞金プールは2万 STRIKE と定められています。
SLP に資金を預けていると、UTC の1日ごとに888ポイントが、預けている人全員のあいだで分けられます。配分の基準は、その日の時間で重みをつけた平均の預け入れ額です。ドキュメントの例では、1日のうち前半の12時間に1,000ドル、後半の12時間に3,000ドルを置いた人の平均は2,000ドルになります。ポイントは1時間ごとに更新され、その日のうちは見込みの値で、日付が変わると確定します。
ポイントから STRIKE への換算率は、シーズンを通して固定です。888ポイントの30日分で2万6,640ポイント、これで2万 STRIKE を割るので、1ポイントはおよそ0.7508 STRIKE になります。1日あたりに直すと、約667 STRIKE を預け手全員で分け合う計算です。
受け取りは Cardano の上で行われます。Cardano のウォレットで使っている口座には自動で送られ、Ethereum や Solana、メールで登録した口座は、Points のページで Cardano のアドレス(addr1…)を1度だけ設定します。設定したアドレスは後から変えられません。
前半と後半に分けた配布
ドキュメントには、ポイントは「シーズンの終わりに」STRIKE に換わると書かれています。今回の告知は、その2万 STRIKE を前半と後半の1万ずつに分け、シーズンの途中で前半を先に渡した形です。後半の配布日として示された10月28日は、シーズン1が締まる日と重なります。
前半の1万 STRIKE が、どの日までのポイントをもとに配られたのかは、告知にもドキュメントにも書かれていません。換算率が固定されている以上、最終的に各自が受け取る総量はシーズン全体のポイントで決まるはずですが、前半分の計算の区切りは公開情報からは確かめられない状態です。
3つの層と、それぞれに付いた条件
告知が挙げた3つの層は、性質がそれぞれ違います。
ひとつめは保管庫の運用成績です。SLP は、プロのマーケットメイク会社と共同で作った仕組みで売りと買いの注文を出し、清算の引き受け手も兼ねています。ドキュメントは、その収益はマーケットメイクの損益や資金調達率の受け払い、清算の手数料などを合わせたもので、決まった利息ではないと説明しています。この層には別の支えもあります。Strike は2026年7月4日から2027年7月4日までの1年間、SLP に預けた資金の損失を自社のトレジャリーで補填するプログラムを掲げています。対象は保管庫全体で200万ドルまでの預け入れで、新しく預けた資金は3か月以上置いておくことが条件です。
ふたつめが今回の STRIKE 報酬です。Points の FAQ によると、ポイントは預けた額をもとに数え、保管庫の損益では増減しません。引き出しを申請した持ち分にはポイントが付かず、引き出しても、それまでに得たポイントは残ります。
みっつめが RealFi の USD 利回りです。10月13日(UTC)の発表で、Strike は RealFi の sUSDrf を担保に USD を借り、その USD で SLP の持ち分を買う形を加えました(既報: Strike Finance、RealFi の sUSDrf を借入の担保に追加)。ここで気をつけたいのが、Points の FAQ にある一文です。ポイントが付かないものとして、Borrow and Earn で借りた USD による預け入れが明記されています。
つまり、自分の資金で SLP に預けた人は運用成績と STRIKE 報酬を受け取り、sUSDrf を担保に借りた USD で入った人は運用成績と sUSDrf の利回りを受け取ります。後者の預け入れには、ドキュメントの規定どおりならポイントが付きません。3つの層を、ひとつの預け入れでまとめて受け取れるわけではない、ということです。
10月28日、締まるシーズンと次の条件
確認できる次の一点は、10月28日の後半の配布です。シーズン1が締まった時点で、Strike のアプリの Points のページに確定したポイントが並び、後半の1万 STRIKE が配られるかどうかを確かめられます。
もうひとつは、ドキュメントの Points のページに次のシーズンの条件が載るかどうかです。現在のページには「今後のシーズンでは取引でもポイントを得られるようにする」とだけあり、期間や賞金プールはまだ書かれていません。預け手だけでなく取引する人にも報酬を広げるのか、その配分をどう決めるのかで、Strike が SLP の厚みと取引の量のどちらに次の重心を置くのかが見えてきます。
ことば
- SLP(Strike Liquidity Provider) — Strike が運営するマーケットメイク用の保管庫。売りと買いの注文を出して取引の相手になり、清算の引き受け手も兼ねます。シーズン1の STRIKE 報酬は、この保管庫に資金を預けた人が対象です。
- 時間加重平均 — 預けていた時間の長さで重みをつけた平均額。日中に出し入れしても、置いていた時間に応じて数えられます。Strike のポイント配分は、この値の比率で1日888ポイントを分けています。
- Borrow and Earn — 対応する資産を担保に USD を借り、その USD で SLP の持ち分を買う Strike の仕組み。sUSDrf も担保に加わりましたが、この方法による預け入れはポイントの対象外とされています。
一次ソース / 関連リンク
- Strike Finance 公式 X の告知(2026年10月16日 UTC)
https://x.com/strikeperps/status/2111244897995133221
docs.strikefinance.org
Strike Finance ドキュメント: SLP Vault
docs.strikefinance.org
Strike Finance ドキュメント: Strike LP Vault Liquidity Program
docs.strikefinance.org
Strike Finance ドキュメント: Borrow and Earn
docs.strikefinance.org
- Strike Finance 公式 X: RealFi 利回りの組み込み(2026年10月13日 UTC)
https://x.com/strikeperps/status/2110053214745972805
