SecondFi (旧 Yoroi) の日本語公式アカウント @secondfi_jp が 2026 年 10 月 21 日、10 月 7 日に資産回収ツールを公開してからの進捗として、検証と処理を終えた回収申請について 1 億 ADA 超と 2,200 万 NIGHT を送金先アドレスへ送ったと報告しました。あわせて、今後数日以内に回収スマートコントラクトを通じた送金処理を完全に自動化し、残る申請の処理を速めるとしています。
6 月の事案で影響を受けたウォレットを持つ方にとっては、出した申請がいつ着金するかに直結する知らせです。同じスレッドでは、回収の対象になる範囲、NIGHT エアドロップの割当の扱い、なりすまし詐欺の手口も具体的に書かれています。自己管理型のウォレットで流出した資産が持ち主へ戻る例は、SecondFi 自身が「非常に稀」と書くとおり多くありません。本記事では、投稿に書かれていることと、まだ書かれていないことを分けて整理します。
1 億 ADA 超と 2,200 万 NIGHT、送られた分の中身
報告は日本時間 10 月 21 日 10 時 53 分に投稿されました。数字は「正常に検証・処理が完了した回収申請」の合計で、申請の件数や、何人分の申請が完了したのかは書かれていません。
規模の目安になるのは、SecondFi が 6 月 24 日に英語の公式アカウント @secondfiapp で出した説明です。そこでは、4 件の流出のうち 3 件が外部の攻撃者によるもので、374 アドレスから約 1,600 万 ADA が失われた一方、緊急措置で残る約 1.29 億 ADA を確保し、独立した第三者のカストディアン (資産の保管業者) へ移していると説明していました。今回の 1 億 ADA 超は、この 1.29 億 ADA の 7 割を超える大きさにあたります。ただし、今回の送金がその確保分から出たものかどうか、あるいはどれだけ出たのかは、投稿には書かれていません。
2,200 万 NIGHT についても、どの経緯の NIGHT が含まれているのかは説明がありません。後で触れるとおり、同じスレッドは NIGHT エアドロップの割当が引き続き元のウォレットに紐づくとも書いているため、両者は分けて読む必要があります。
自動化で速くなるのは、残る申請の処理
投稿によると、次の段階は回収スマートコントラクトを通じた送金処理の完全な自動化です。時期は「今後数日以内」で、これにより残りの対象申請の処理が速く進むとしています。
一方で、申請を出しただけでは本人確認と処理が完了したことにはならない、とも念を押しています。送金は、回収規約、検証の結果、資産の利用可能状況、技術上の制限などに従って行われます。手続きは影響を受けたウォレットごとに個別に進み、必要な場合はアドレスごとにも個別に扱われます。
SecondFi のヘルプセンターにある資産回収 FAQ は、申請から処理までの目安を最大 5 営業日としています。申請済みの方は、secondfi.io の状況確認画面に申請時に入力した新しい送り先アドレスを入れると、「Submitted (受付済み・処理中)」か「Completed (送金済み)」かを確かめられます。影響を受けた元のウォレットのアドレスを入れても見つからない点に注意が必要です。まだ申請していない影響ウォレットの持ち主には、公式の資産回収ツールの利用を呼びかけています。
対象にならないもの: NIGHT の割当と外部 DeFi のポジション
スレッドは、回収の対象を「資産回収ツール、または該当する最終回収オファーで回収対象と特定された資産と金額」に限るとしています。影響を受けたウォレットに関わるすべての資産、ポジション、損失が対象になるわけではない、という書き方です。対象かどうかと金額は、事案の記録、影響ウォレットのスナップショット、回収規約の基準で決まります。最終回収オファーがどのような形で示されるのかは、この投稿では説明されていません。
対象の外側について、スレッドはとくに次の三つを明記しています。
- NIGHT エアドロップの割当 — SecondFi は Midnight Foundation に請求方法を問い合わせ、適用される手続きのもとでは、割当は引き続き元のウォレットに紐づくという回答を得ています。9 月 21 日に英語版で示された「NIGHT は元のウォレットからしか請求できない」という内容と同じです (SIPO の 9 月 22 日の記事)。
- 外部 DeFi のポジション — SecondFi は関連する DeFi プロトコルにも事案を通知しましたが、流動性プールなどのポジションを維持・回収できたかはプロトコルごとに異なり、一部は維持も回収もできなかったとしています。
- コミュニティ製のツール — 有志がこうした問題に向けた独自ツールを作っていますが、公式の回収手続きには含まれず、SecondFi は安全性も有効性も保証しないとしています。
そのうえで、エアドロップの請求や外部ポジションの回収を目的に、影響を受けたウォレットを再接続したり取引したりしないよう求めています。公式の回収・移行手続きで明示的に指示された場合だけが例外です。影響ウォレットでの署名がリスクになるという 6 月以来の説明と、同じ線の上にある呼びかけです。
偽の回収案内を見分ける手がかり
回収が進んでいるという知らせが出ると、「あなたの分も回収できる」と装った案内が届きやすくなります。スレッドは、SecondFi が決してしないこととして次を挙げています。
- SecondFi から先に DM やメールを送ること
- secondfi.io の公式ツール以外で、メール・DM・チャット・電話・画面共有を通じてリカバリーフレーズを求めること
- 「安全用」「認証用」「回収用」などと称するウォレットへの送金、回収を解除するための手数料、リモートアクセスの許可、無関係な取引の承認を求めること
資産回収 FAQ も、回収に手数料はかからず、手数料の支払いや送金、取引への署名を求める相手は詐欺だと書いています。10 月 12 日の公式投稿では、リカバリーフレーズが第三者に共有され、すでに漏えいしている可能性があるケースを確認したとも述べていました。アクセスするときは、届いたリンクではなく secondfi.io を自分で入力し、アドレスバーの表示を確かめてから進めるのが基本です。手順の全体は 10 月 9 日の解説記事にまとめています。
次に確かめる一点
最初の確認点は、自動化の開始告知です。投稿の「数日以内」から数えると 10 月末までが目安になり、告知は @secondfi_jp と @secondfiapp の公式アカウントに出るはずです。そのとき、送金済みの合計がどこまで伸びたか、残る申請の件数や処理の見込みまで示されるかを見ます。申請済みの方は、それと並行して secondfi.io の状況確認で、送り先アドレスの表示が Completed に変わるかを確かめてください。
ことば
- 資産回収ツール — 6 月の事案で影響を受けたウォレットの持ち主が、ゼロ知識証明で所有を示して対象資産の返還を申請する仕組み。10 月 7 日に公開され、secondfi.io だけで提供されています。
- 回収規約 (Recovery Terms) — 回収の対象や金額の決め方を定めた条件。申請の最初に全文を読んで同意する必要があり、表示される回収見込み額は約束ではないと FAQ が説明しています。
- NIGHT エアドロップの割当 — Midnight の配布で各ウォレットに割り当てられた NIGHT の受け取り権。SecondFi の事案では、割当は元のウォレットに紐づいたままで、回収ツールの対象とは別の扱いです。
一次ソース / 関連リンク
- SecondFi 日本語公式 X の進捗報告 (2026-10-21 10:53 JST)
https://x.com/secondfi_jp/status/2112723855743811596 - 同スレッド: 回収の対象と NIGHT の配当・外部 DeFi ポジション
https://x.com/secondfi_jp/status/2112723926392676371 - 同スレッド: NIGHT エアドロップの割当は元のウォレットに紐づく
https://x.com/secondfi_jp/status/2112723938145149265 - 同スレッド: SecondFi が求めないこと
https://x.com/secondfi_jp/status/2112723902954979526 - SecondFi 日本語公式 X: セキュリティに関するお知らせ (2026-10-12)
https://x.com/secondfi_jp/status/2109479811089629193 - SecondFi 公式 X: 流出の内訳と約 1.29 億 ADA の確保 (2026-06-24)
https://x.com/secondfiapp/status/2069719171391512793
SecondFi Asset Recovery FAQ (ヘルプセンター)(SecondFi)


