ハードフォークは「切り替えて終わり」ではありません。van Rossem が日本時間の2026年7月19日早朝(7月18日 21:44:51 UTC)にプロトコル v11 へ移行したあと、各プロトコルやツールが本当に問題なく動くかを、エコシステムが一つずつ確認していく工程が続きます。きのうは、その「対応済み」の確認が積み上がった一日でした。そして同じ流れの中で、Cardano 上でゼロ知識暗号が稼働し始めました。土台を固め、その上にプライバシーが乗る——今週の Cardano はこの二段構えで読むと、全体像がつかみやすいと思います。以下、SPO の視点で整理します。
🎯 今日の主役
van Rossem は、創設エンティティが上から段取りしたのではなく、コミュニティの発案・議論・オンチェーン批准だけで実施された、Cardano で初めてのハードフォークでした。7月18日 21:44:51 UTC にプロトコル v11 へ移行し、Conway 台帳エラー内の intra-era(世代内)変更として、Plutus に新しい組込関数が加わり、スマートコントラクトの実行コストが下がりました。既存のコントラクトを壊さずに性能を底上げする設計です。
重要なのは、発効の「翌日」に何が起きているかです。ハードフォークの真価は、切り替え後にエコシステムが滞りなく動くかどうかで決まります。きのうは Liqwid が、オフチェーン側のコンポーネントが van Rossem(Conway)を無事に通過したと報告しました。IntersectMBO も発効完了を正式にアナウンスしています。一方でノードは 10.7.0 がそのままメインネット版に昇格したわけではなく、別の合意まわりの不具合修正を含む 10.7.1 での対応が見込まれている点は、SPO 目線で引き続き見ておきたいところです。
そしてもう一つの節目が、Cardano 上でのゼロ知識(ZK)暗号の稼働です。Developers 向けに紹介され、プライバシー技術が「研究の話」から「実際に触れるもの」へと動き始めました。van Rossem で土台を固め、その上にプライバシーが乗る——この二段構えが、48〜72時間の観察の起点になります。
🧭 今日の焦点 3件
対応確認フェーズ——ハードフォーク直後は「無事に動いた」という確認情報こそが最大の材料です。Liqwid のような通過報告が各プロトコルから順次出てくる流れを追うことで、ネットワーク全体の健全性が見えてきます。とりわけノード 10.7.1 の対応状況は、ブロック生成を担う SPO にとって最優先の確認事項です。
ガバナンス——van Rossem 後も意思決定の歯車は止まりません。複数の Treasury Withdrawal 提案が投票フェーズにあり、7月28日が締切として意識されています。あわせて7月22日には、Daedalus ウォレットの保守・改善提案をめぐる Governance Hour #9 が予定されています。プロトコルの更新とガバナンスの運用が並走しているのが、いまの Cardano の姿です。
Midnight とプライバシー——Cardano 上での ZK 暗号の稼働に加え、Midnight 側では Night Sky アクセラレーター(7月開始の10週間プログラム)が早期チームのプライバシー機能実装を後押ししています。Charles Hoskinson 氏が Shield_USD を「最もわくわくするハイブリッドアプリの一つ」と評すなど、ステーブルコイン系の実装にも関心が集まっています。
📊 数値スナップショット
- van Rossem 発効: 7月18日 21:44:51 UTC、プロトコル v11 へ移行
- 変更の性質: Conway 台帳内の intra-era 更新(Plutus 組込関数の追加+実行コスト引き下げ)
- 意義: 創設エンティティ主導ではなく、コミュニティのオンチェーン批准だけで実施された初のハードフォーク
- ノード: 10.7.0 は別の合意まわりの不具合修正を含む 10.7.1 での対応が見込まれる
- ガバナンス: Treasury Withdrawal 提案は投票中(締切 7/28)/7月22日に Governance Hour #9(Daedalus 保守提案)
⚡ 先行指標 Watch(48-72h)
- ノード 10.7.1 のリリース状況と SPO の更新進捗
- 各 DeFi プロトコル(Minswap・Liqwid・Indigo 等)の van Rossem「対応済み」報告
- Treasury Withdrawal 投票——7月28日締切に向けた DRep の集票状況
- Cardano 上での ZK 暗号/Midnight プライバシー実装の開発者向け続報
- Leios(Musashi Dojo テストネット)と Hydra のスケーリング進捗
🔄 48-72h 分岐(観察軸)
- Base: 主要プロトコルが軒並み「対応済み」を出し、10.7.1 も問題なく行き渡る。van Rossem は静かに成功したハードフォークとして定着。
- Risk: 一部ツールやノードで不具合報告が出て、10.7.1 対応に時間がかかる。ネットワークは動くが、対応確認に注意を要する局面。
- Alt: ZK 暗号・Midnight の実装続報が相次ぎ、話題の中心が「土台の更新」から「プライバシーの実装」へ移る。
📎 直近24時間の動き
■ 重要な動き
- van Rossem ハードフォークの状況アップデートが共有され、コミュニティ主導で批准・実施された経緯が改めて確認された(@Cardano_CF が @IntersectMBO をRT)
https://x.com/Cardano_CF/status/2078733882178797762 - ゼロ知識(ZK)暗号が Cardano 上で稼働、Developers 向けに紹介(@Cardano)
https://x.com/Cardano/status/2078674220075139421 - Liqwid のオフチェーンコンポーネントが van Rossem(Conway)を無事に通過と報告(@liqwidfinance)
https://x.com/liqwidfinance/status/2078610688646238463 - IntersectMBO が van Rossem 発効完了を正式アナウンス(@IntersectMBO)
https://x.com/IntersectMBO/status/2078612038658506770
▫ その他の動き
- Intersect が2026年の提案を提示(前年より抑えた要求規模へ)、ガバナンス予算の議論が継続(@IntersectMBO)
https://x.com/IntersectMBO/status/2078469906522087735 - Midnight のディープダイブ解説が共有され、プライバシー技術の学習コンテンツが充実(@MidnightNtwrk)
https://x.com/MidnightNtwrk/status/2078448426761466166 - Charles Hoskinson 氏が Shield_USD を Cardano 向けの「最もわくわくするハイブリッドアプリの一つ」と評価(@IOHK_Charles)
https://x.com/IOHK_Charles/status/2078576600837452047
一次ソース
- Cardano upgrade: van Rossem hard fork(Intersect MBO)
https://intersectmbo.org/news/cardano-upgrade-van-rossem-hard-fork - van Rossem 批准と7月18日発効(報道)
https://cryptobriefing.com/cardano-van-rossem-hard-fork-ratified/ - Liqwid の van Rossem 通過報告(@liqwidfinance)
https://x.com/liqwidfinance/status/2078610688646238463 - Recent Cardano Governance Actions(Intersect MBO)
https://www.intersectmbo.org/news/recent-cardano-governance-actions
