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Yaci Store 3.0.0 ベータに SQL 分析層と MCP サーバー

2026-09-27SIPO

Cardano 財団は日本時間 9 月 26 日、BloxBean が開発するチェーンインデクサ Yaci Store の次期版 3.0.0 のベータを紹介し、開発者に試用を呼びかけました。GitHub では 9 月 23 日(UTC)にプレリリース 3.0.0-beta4 が公開されており、Blockfrost と同じ形の API、SQL で問い合わせる分析層、AI ツールとつなぐ MCP サーバーが一つのソフトウェアに揃い始めています。

Cardano のアプリは、ウォレットの残高表示から DRep の投票集計まで、どこかでチェーンのデータを読み出しています。その読み出しを外部の API サービスに頼るか、自分で建てたインデクサで賄うか。3.0.0 は、後者を選ぶときの手間を減らす方向の更新です。ベータの中身と、現時点で本番に使える版との関係を順に見ていきます。

3.0.0-beta4 に入ったもの

リリースノートが挙げる主な項目は次のとおりです。

  • Blockfrost 互換の API:Network、Pools、Governance / DRep の各 API を追加し、資産・エポック・スクリプトの並び順や性能も修正
  • 分析層(analytics-query):Parquet 形式で書き出したデータに DuckDB で SQL を投げる仕組み
  • MCP サーバー(mcp-server):分析や補助の機能を AI ツールから呼べるようにする任意のモジュール
  • Java プラグイン:独自のインデクサ処理を Java で書ける
  • トークンのメタデータ:CIP-26 と CIP-68 の FT / NFT に対応する拡張(Asset Store Ext)

あわせて、ガバナンス集計の精度に関わる修正がまとまって入りました。報酬アカウントを登録解除した SPO の既定投票の扱い、提案の供託金を SPO のステークに含める計算、登録解除した DRep の古い票を無視する処理などです。

SQL と MCP で、何ができるようになるか

分析層は、チェーンのデータを Parquet というファイル形式に書き出し、DuckDB という組み込み型のデータベースで SQL を実行します。SIPO は 6 月に、この分析の仕組みを「Analytics Store」として紹介しました。3.0.0-beta4 では、その Parquet のデータに SQL を投げる問い合わせ層(analytics-query)が加わり、さらに MCP サーバーから呼び出せるようになります。

MCP サーバーを追加した変更(プルリクエスト #1088)の説明によれば、AI ツールはテーブルの一覧や構造を確かめたうえで SQL を実行し、結果を受け取れます。返す行数は既定で 1,000 行、実行時間は既定 30 秒・上限 300 秒に抑えられています。アドレスの残高や、残高の多いアドレスの一覧を取り出す専用の機能も用意されています。MCP サーバーは既定では無効で、設定で明示的に有効にしたときだけ動きます。外部の API サービスを経由せず、手元のインデクサに AI から直接問い合わせる形です。

本番で使うなら 2.0.3、3.0 は試す段階

3.0.0-beta4 はプレリリースです。リリースノートは、以前のベータや 2.x からその場で更新するより、ジェネシスから同期し直すことを勧めています。台帳・ガバナンス・メタデータの状態を正しく作るためだと説明されています。

同じ 9 月 23 日には安定版 2.0.3 も出ており、こちらが GitHub 上の最新の正式版です。ガバナンス集計の修正やトークンメタデータの拡張は 2.0.3 にも入っていますが、Blockfrost 互換の Network / Pools / Governance API、分析層、MCP サーバー、Java プラグインは 3.0 系だけの機能です。財団の投稿も 3.0.0 について「試して、壊れたところを教えてほしい」と呼びかけています。自前でインデクサを運用している開発者や、データを確かめながら投票する DRep にとっては、2.0.3 で運用を続けつつ、3.0 を検証環境で触っておく時期にあたります。

次のリリースで見る点

見る先は bloxbean/yaci-store の GitHub リリース一覧です。次のベータか 3.0.0 の正式版が出たとき、ジェネシスからの再同期を勧める注記が外れるか、MCP サーバーの既定(無効)が変わるかを見ると、3.0 が本番に使える段階へ進んだかが分かります。

ことば

  • Blockfrost — Cardano のチェーンデータを API で提供するサービス。多くのアプリがこの形式で書かれているため、同じ形の API を自前のインデクサで出せると、アプリ側を大きく書き換えずに乗り換えられます。
  • MCP(Model Context Protocol) — AI ツールが外部のデータや機能を呼び出すための共通の手順。インデクサが MCP に対応すると、AI にチェーンのデータを直接問い合わせさせる使い方が開けます。
  • DuckDB と Parquet — Parquet は列ごとにデータを収める分析向けのファイル形式、DuckDB はそれを手元で高速に集計できる組み込み型データベース。サーバーを別に建てずに全履歴の集計ができるのが利点です。

一次ソース / 関連リンク