Cardano Foundation が、開発者 BloxBean による新しいデータ基盤「Analytics Store」を公式に紹介しました。フルノードもインデクサもデータベースも立てずに、ノートPC1台で Cardano の全オンチェーン履歴を照会できる、というものです。これまで専用基盤を持つ一部の人の作業だったオンチェーン分析が、誰の手元にも降りてくる——そんな入口の変化として受け止めています。
何が「軽く」なったのか
従来、Cardano のオンチェーンデータをまともに分析するには、フルノード・インデクサ・PostgreSQL を組み合わせた重い基盤が前提でした。Analytics Store は、チェーンの全履歴を Parquet という汎用フォーマットへ書き出し、内蔵した軽量エンジン DuckDB を通じて、ローカルから SQL で照会できるようにします。データは日付やエポック単位で分割され、継続的に同期されていきます。
書き出された Parquet は、pandas や Apache Spark など、広く使われている分析ツールでそのまま扱えます。手元のPCで始めて、必要になればより大きな環境へ拡張する——その流れが、データ形式を変えずに自然につながるのが大きな利点です。
「No node, no indexer, no database. Query the chain on a laptop.」(Cardano Foundation 公式発表より)
財団が「公共財」に資源を入れる意味
注目したいのは、Cardano Foundation が紹介にとどまらず、本番運用に耐える品質へ仕上げるべく、自らエンジニアリング資源を投じている点です。特定企業の囲い込み製品ではなく、誰もが使えるデータ基盤=エコシステムの公共財として整える姿勢が表れています。
データの透明性は UTxO チェーンの強みですが、その強みは「誰でもアクセスできて初めて価値になる」もの。今回はその裏付けを一歩進めた動きだと考えています。
ここから見ておきたいこと
次の焦点は、個人開発者や研究者、そして私たちのような SPO が、このデータをどう使い始めるかです。SITION でも日々オンチェーン指標を追っていますが、こうした標準ツールが広がれば、分析に参加できる人の母数そのものが増えていきます。まずは「手元で触れる環境が整った」という事実を、静かに押さえておきたい動きです。
一次ソース・参照
- Cardano Foundation 公式発表(@Cardano_CF, 2026/6/22): https://x.com/Cardano_CF/status/2069022095737074139
- 公式ブログ: https://cardanofoundation.org/blog/yaci-store-cardano-data-analytics
- BloxBean / Yaci Store(オープンソース・MIT): https://github.com/bloxbean/yaci-store

















