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Midnight、TOKEN2049 で Night Mode を初公開

2026-10-07SIPO #Midnight

Midnight のファーミ・サイード氏が 10 月 7 日、シンガポールで開かれている TOKEN2049 の初日に基調講演を行い、Night Mode、Collateral Warehouse、Offer Files、Midnight Passport の 4 つのプロダクトを示しました。Midnight の公式 X はこれを「すべてのチェーンのためのプライバシーの層」とまとめており、自分のチェーンの外にいる利用者や資産にまでプライバシーの機能を届けにいく方針を、はっきり打ち出した形です。

前日には、Solana のウォレットから Midnight のプライベートな DeFi を使えるようにする対応も、Solana Summit の場で発表されていました。講演のスライドに書かれた 4 つの説明と、すでにテストネットで動いている Solana 対応を並べて、確かめられたことと、まだ説明を待っていることを整理します。

講演のスライドに並んだ 4 つの名前

講演の会場は Bit Digital Stage です。Midnight の公式 X は前日の予告で、すべての人のためのプライバシー、Midnight Network の次の段階、そしてプライバシーを大きな規模で現実にするために何が要るか、を話すと案内していました。

講演の始まりを伝える公式 X の投稿に添えられた会場の写真には、スライドがそのまま写っています。見出しは「Private. Cross-chain. Always on.」(プライベートで、チェーンをまたぎ、止まらない)。その下に、4 つのプロダクトが 1 行ずつの説明つきで並んでいました。

  • Night Mode — チェーンをつなぐ(Connects the chains)
  • Collateral Warehouse — 資産を保管する(Holds the assets)
  • Offer Files — 資産を取引できるようにする(Makes assets tradeable)
  • Midnight Passport — あなたと、あなたのエージェントのための ID(Identity for you and your agents)

Midnight の日本向け公式アカウント(@midnight_jpn)は、これらを「他のチェーンにもプライバシーをもたらすプロダクト群」と紹介し、Night Mode はこの場が初めてのお披露目だと書いています。4 つが一続きの流れとして描かれているのが読み取れます。チェーンをつなぎ、資産を預かり、それを取引できる形にし、使う人の身元を証明する、という順番です。

一方で、それぞれの仕組みや提供の時期を説明した記事は、10 月 7 日夜の時点で Midnight の公式ブログにはまだ載っていません。いま公式に確かめられるのは、スライドの 1 行ずつの説明までです。

先に動いていた Solana ウォレット対応

4 つのうち、すでに手で触れる形になっているのは「チェーンをつなぐ」方向の動きです。講演の前日、Sebastien Guillemot(セバスチャン・ギユモ)氏は、Solana Summit で「Midnight の新しい Solana ウォレット対応」を紹介したと X に投稿しました。Solana の利用者は、手持ちの Solana ウォレットから直接、プライベートなスワップやプライベートな DeFi を使えるようになり、別のソフトを入れる必要はないといいます。

同氏によれば、テストネットで対応しているウォレットは Backpack と Nightly の 2 つです。メインネットでの提供は、年内に予定している Midnight の台帳(ledger)の v9 アップグレードに合わせる計画だとしています。投稿に添えられた画面では、Nightly と Backpack のトークン一覧に、SOL と並んで「(Midnight)」と付いた試験用のトークンが表示されていました。

Midnight の公式 X は同じ日に「Hey @solana 👋」と投稿し、IOG のチャールズ・ホスキンソン氏も「Welcome to Midnight, Solana」と続けています。

Night Mode の「チェーンをつなぐ」という説明と、この Solana 対応は同じ方向を向いています。ただ、Solana 対応が Night Mode そのものなのか、その一部なのかは、公式にはまだ説明されていません。

Passport は「シードフレーズを見せない」入口

4 つのうち、開発の資料が公開されているのは Midnight Passport です。IOG の研究部門 ARC(Advanced Research and Creativity)が GitHub で公開しているリポジトリは、Passport を Midnight の利用者向けの ID とウォレットの層と位置づけています。

目標として書かれているのは、利用者が QR コードを読み取るだけで、名前がつき、認証され、すぐに取引できるアカウントにたどり着くことです。その途中で、シードフレーズもアドレスも、手数料用のトークンを買う画面も見せない、という設計を掲げています。リポジトリには 10 月 1 日に更新された開発状況のページと、10 月のデモの計画が置かれており、計画と研究、試作が並行して進んでいる段階にあります。

スライドの「あなたとあなたのエージェントのための ID」という説明からは、人だけでなく、人の代わりに動くプログラムにも同じ入口を用意しようとしている考えがうかがえます。暗号資産を初めて使う人がつまずきやすいのは、技術そのものよりも、最初のウォレット作りです。Passport がそこを越えられれば、他のチェーンから来た利用者にとっての入口にもなります。

Cardano から見た Midnight の外向きの一歩

Midnight は Cardano のパートナーチェーンとして立ち上がり、3 月にメインネットを開始しました。10 月 2 日には、メインネットで誰でもスマートコントラクトを配備できる段階に入ったばかりです(10 月 3 日の Daily Intel)。

その翌週に示されたのが、Solana をはじめとする他のチェーンの利用者と資産を迎え入れる 4 つのプロダクトでした。Midnight の利用者が Cardano のウォレットを持つ人に限られなくなれば、Midnight 上のアプリを作る開発者にとっては、相手にできる利用者の数が大きく変わります。Cardano の側から見れば、IOG の系譜にある技術が、パートナーチェーンを通じて他のエコシステムの利用者に届き始めたことになります。

日本の読者にとっては、話を直接聞ける機会も近くにあります。10 月 10 日には東京・白金台の八芳園で「Midnight City: Tokyo」が開かれ、ホスキンソン氏が登場する予定です(10 月 5 日の記事)。

確かめる先は、公式ブログと台帳の v9

4 つのプロダクトはまだ名前と 1 行の説明の段階で、Solana 対応はテストネットで動き始めたところです。それぞれの中身が公式に語られる場所は 2 つあります。1 つは Midnight の公式ブログの月次報告「State of the Network」です。8 月版は 8 月 26 日、9 月版は 9 月 28 日に出ており、10 月末ごろに出るとみられる 10 月版が、TOKEN2049 での発表をどう位置づけるかが最初の手がかりになります。もう 1 つは台帳の v9 アップグレードの告知で、Solana ウォレット対応のメインネットでの開始時期は、そこで確かめられます。

ことば

  • TOKEN2049 — シンガポールとドバイで毎年開かれる、暗号資産の大型カンファレンス。今年のシンガポール会場は 10 月 7〜8 日で、各チェーンが新しい発表をこの場に合わせてきます。
  • 台帳(ledger)の v9 — Midnight で取引の検証と記録のルールを担う部分の次の版。ギユモ氏は、Solana ウォレット対応のメインネットでの提供を、この版に合わせると説明しています。
  • シードフレーズ — ウォレットを復元するための 12〜24 個の英単語の並び。なくすと資産を取り戻せず、知られると盗まれるため、初めての人の大きな壁でした。Passport はこれを見せない設計を掲げています。

一次ソース / 関連リンク

Midnight Passport(IOG ARC・GitHub)(github.com)

Midnight 公式ブログ(midnight.network)

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