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Indigo、MCP で AI エージェントからローンの照会と操作

2026-10-09SIPO

合成資産 iUSD などを発行する Cardano の DeFi プロトコル Indigo は、日本時間 10 月 7 日未明、AI アプリと外部のツールをつなぐ共通規格 MCP に対応した AI エージェントを Indigo につなげば、「いま利率がいちばん高い安定プールは?」「自分のローンの状態を見せて」といった質問や、「500 INDY をステークして」といった操作を言葉で頼めると公式 X で告知しました。照会だけなら手元の AI アプリにつなぐだけで始められる一方、資産を動かす操作にはウォレットの鍵を AI アプリの設定に置く必要があり、何を預けるのかを分けて考えることが使い方の出発点になります。

Cardano では先月から、ノードやチェーンのデータ基盤の側で AI エージェント向けの MCP 対応が続いてきました。今回は DeFi のプロトコルそのものが、ローンや安定プールを言葉で扱う入口を用意した形です。告知の案内先にあるポータルと GitHub の公開資料から、照会でできること、操作に必要なもの、いつから使えたのかを順に整理します。

照会と操作で、つなぐサーバーが分かれる

告知が案内する Indigo Agents のポータルによると、このツール群は Indigo の中核開発チームである Indigo Foundation が開発・保守しており、MIT ライセンスのオープンソースとして公開されています。対応する AI アプリとして、Claude Desktop、Claude Code、Cursor、Windsurf などが挙げられています。

中身は 2 つの MCP サーバーに分かれています。GitHub の説明によると、Indigo 用のサーバーは 69 のツールを持ち、iUSD や iBTC などの価格、ローン(CDP)の一覧と健全性、安定プールの状態、INDY のステーキング、ガバナンスの投票や温度感の確認までを扱います。もう一つの Cardano 用のサーバーはウォレット向けの 6 つのツールで、アドレスや残高の確認、ステーキングの委任先と受け取れる報酬の確認、署名済みの取引の送信を受け持ちます。

照会の敷居は低めです。ポータルの FAQ は、Indigo のインデクサーに問い合わせる読み取り専用のツールなら、Blockfrost の API キーがなくても動くと説明しています。チェーンへの直接の問い合わせや書き込みの操作には、キーを用意するよう勧めています。そのうえで FAQ は、適切な権限を持つウォレットをつなげば、ローンの作成・調整・解消までできるとしています。

操作の鍵は、AI アプリの設定ファイルに置かれる

操作に進む場合に知っておきたいのは、鍵の置き場所です。Cardano 用のサーバーの説明書きでは、初期設定の対話でウォレットのシードフレーズを入力し、端末内に保存する方式が案内されています。手動で設定する場合の例も、Claude Desktop や Cursor の設定ファイルの中に、シードフレーズをそのまま書き込む形です。説明書きは、シードフレーズは AI のモデルには渡らないとしています。

モデルに渡らないとしても、その設定ファイルと端末は、ウォレットそのものと同じ重みを持つことになります。ブラウザのウォレットで取引のたびに承認画面を確かめる使い方とは、守るべき場所が変わります。ポータル自身も、まず読み取り専用で始めること、署名の前に取引の中身を確かめること、少額で試すことを勧めています。

試してみるなら、照会だけを先に使い、操作を試す段階では少額だけを入れた専用のウォレットを用意する、という順番が無理のない分け方です。言葉で頼めることと、その結果できあがる取引が意図どおりかを確かめることは、別の作業として残ります。

3 月から公開されていた道具に、入口が整った

今回の告知は、新しい版の公開ではありません。npm の公開記録では、Indigo 用と Cardano 用のサーバーはどちらも 2026 年 3 月上旬に初めて公開され、Indigo 用の最新版 0.4.2 は 9 月 7 日に出ています。GitHub のリポジトリ自体は 2025 年 9 月に作られています。10 月 7 日の投稿は、半年あまり育ててきた道具を、ポータルという一つの入口にまとめて利用者へ案内したものと読めます。

Cardano の MCP 対応は、これまで開発者向けの基盤から進んできました。Cardano のインデクサー Yaci Store は 3.0.0 のベータで SQL の分析層と MCP サーバーを加え(9 月 27 日の記事)、Blink Labs のノード実装 Dingo は v0.78.0 で MCP を内蔵しました(10 月 6 日の記事)。どちらもチェーンのデータを読むための入口です。Indigo の場合は、利用者のローンやステークという、お金の置き場所そのものに AI がつながります。エージェントが Cardano のデータを買う x402 の動きとあわせて、10 月 9 日の Daily Intel でも取り上げました。

次に確かめる点は、リリース一覧と FAQ

読み取りの便利さは、すぐに試して確かめられます。操作の側で次に見るべきなのは、GitHub の indigo-mcp のリリース一覧です。0.4.2 の次の版が出たとき、変更点にローン操作や署名の確認手順についての記述が加わるかどうかで、書き込みの機能をどこまで利用者向けに整えていくのかが見えてきます。あわせて、ポータルの FAQ にある権限と署名の説明が更新されるかも、使い始める前に確かめておきたい点です。

ことば

  • MCP(Model Context Protocol) — AI アプリと外部のツールやデータをつなぐための共通の手順。対応した AI アプリなら、設定を足すだけで同じツールを呼び出せるため、Cardano でもノードやデータ基盤から DeFi まで対応が広がっています。
  • 安定プール(Stability Pool) — Indigo で、利用者が iUSD などの iAsset を預けるプール。担保が足りなくなったローンを清算するときに預けた iAsset が使われ、代わりにそのローンの担保を持ち分に応じて受け取ります。
  • シードフレーズ — ウォレットを復元するための単語の並び。これを知っていれば誰でも資産を動かせるため、どこに書き、どの端末に置くかがそのまま安全性を左右します。

一次ソース / 関連リンク

Indigo Agents ポータル(機能・FAQ)(Indigo Agents)

cardano-mcp(GitHub・ウォレット用 MCP サーバー)(GitHub)