EMURGO が手がける決済カード Cardano Card は10月13日、2026年10月31日で提供を終えると公式 X で発表しました。カードの発行を担う Wirex が、利用者の資産を預かる型(カストディアル)の基盤をやめてノンカストディアルの形へ移るためで、Wirex との提携も同じ10月31日に終わります。
カードはそれまで通常どおり使えるとしていますが、残高をどう扱うかや、次のカードをどうするかはまだ示されていません。手元にカードを持つ方が今のうちに確かめておくことと、2025年の立ち上げからの経緯を整理します。
発表に書かれていること、書かれていないこと
公式 X の投稿は短いものです。書かれているのは、10月31日で提供を終えること、それまではカードが通常どおり使えること、終了の理由が Wirex のノンカストディアルへの移行と預かり型の基盤の廃止であること、その結果 Wirex との提携が同日に終わること、の4点です。投稿は「カードを持っている方には直接影響する」として、ほかから伝わる前に自分たちから知らせたかったと添えています。
Your card will keep working as normal until then.
一方で、カードに残った残高を終了日までに使い切る必要があるのか、払い戻しの手続きがあるのか、終了は何時(どのタイムゾーン)なのかは、この発表には書かれていません。プログラムの今後についても「詳細は近く共有する」とするにとどまります。
カードを持つ方がいま確かめておきたいのは、次の3点です。
- カードと Wirex のアプリに残っている残高の額
- 10月31日までに予定している支払いや ATM の利用
- 残高の扱いについての案内が、公式の窓口から出ているかどうか
サービスの終了の時期には、終了を口実にした偽の案内が出回りやすくなります。案内は、Cardano Card の公式 X(@cardano_card)と公式サイトで出たものだけを見るのが安全です。
2025年の立ち上げと、予告されていた「第2段階」
Cardano Card は、2025年11月11日にベルリンの Cardano Summit 2025 で、EMURGO と Wirex の提携として発表されました。当時のプレスリリースによると、カードは Wirex のアプリに組み込まれ、Visa が使える場所で ADA などの暗号資産を支払いに使えるもので、購入額に応じた暗号資産のキャッシュバックや、ADA を担保にした借入も用意されていました。
同じリリースは、第2段階として「ノンカストディアルの Cardano カード」を2026年に出す見通しも示していました。今回は、その発行元である Wirex の側がノンカストディアルの形へ移り、預かり型の基盤を閉じることで、提携が終わります。予告されていた第2段階が別の形で続くのかどうかは、発表からは読み取れません。「今後の計画は追って知らせる」という一文が、その答えを待つ場所になっています。
Cardano の周辺では、10月1日にも Wirex が発行するカードの終了が発表されています。SecondFi が、Wirex との合意のもとでカードプログラムを11月30日に終えるとしたものです(既報: SecondFiカード、11月30日でプログラム終了)。SecondFi は残高を終了日より前に使うよう呼びかけていましたが、Cardano Card の今回の発表には、まだそうした案内はありません。2つのカードは条件が違うため、SecondFi の案内をそのまま当てはめないことが大切です。
同じ名前のハッカソン作品とは別のもの
紛らわしい点がひとつあります。10月上旬にシンガポールの TOKEN2049 で開かれたハッカソン「Origins」で、Cardano のトラックの1位になった作品も「Cardano Card」という名前でした(既報: Cardano トラックの CoinGraph、TOKEN2049 ハッカソンで全体優勝)。こちらは AI エージェントがエスクローを通して買い物をする仕組みの試作で、今回終了が発表された EMURGO と Wirex の決済カードとは別のものです。
10月31日までに見ておく場所
次に確かめる先は、Cardano Card の公式 X と公式サイト(cardanocard.io)です。終了日の10月31日までに、残高の扱いや終了の時刻、プログラムの次の計画について追加の案内が出るかどうかを見てください。特に残高の案内は、カードを持つ方の手続きに直結します。EMURGO と Wirex が2026年に予告していたノンカストディアルのカードが、Wirex 以外の発行元と組む形で出てくるのかどうかも、同じ案内の中で分かるはずです。
ことば
- カストディアル/ノンカストディアル — 利用者の資産をサービスの側が預かって管理するのがカストディアル、利用者が自分の鍵で資産を持ち続けるのがノンカストディアルです。今回は発行元の Wirex が後者へ移ることが、カード終了の理由になりました。
- Wirex — 暗号資産と法定通貨の両方を扱うアプリとカードを提供する決済の事業者。Cardano Card と SecondFi カードの発行を担ってきましたが、預かり型の基盤を閉じる方針で、2つのカードの終了が続いています。
一次ソース / 関連リンク
- Cardano Card 公式 X の終了のお知らせ(2026年10月13日)
https://x.com/cardano_card/status/2109868143032361378
EMURGO と Wirex による Cardano Card 発表のプレスリリース(2025年11月11日・PR Newswire)(tools.prnewswire.com)

cardanocard.io

