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Midnight、コントラクト連携の v9 も年内の見込み

2026-10-02SIPO #Midnight

Midnight 財団の CTO、Sebastien Guillemot 氏は日本時間 10 月 1 日昼、次のリリース「v8」でプライベートなスマートコントラクトが使えるようになり、続くコントラクト同士の連携機能(v9)も年内に実現できる見通しになったと X で明かしました。監査パートナーの協力によって、後に来るはずだった更新が同じ年のうちに並ぶ形です。

プライバシーを保ったまま動くコントラクトが単体で使えることと、それらを組み合わせて金融アプリを作れることは、別の段階です。後者が年内に見えてきたことで、Midnight が「秘匿送金のチェーン」から「秘匿のまま DeFi を組み立てられる基盤」に進む時期が具体的になりました。この記事では、発言の中身と、開発ライブラリ・ウォレットの側で同じ週に起きていたことをあわせて整理します。

Guillemot 氏が示した v8 と v9 の順番

As known, the v8 release enables private contracts, with composability (v9) coming after. Thanks to our great audit partners, it look like the composability upgrade (v9) will be also be this year!

— Sebastien Guillemot 氏の X 投稿(2026 年 10 月 1 日)

既に知られているとおり v8 でプライベートなコントラクトが可能になり、その後にコンポーザビリティ(v9)が来る。監査パートナーのおかげで、v9 も今年中になりそうだ、という内容です。

v8 自体の位置づけは、これまでの説明と変わっていません。新しいのは v9 の時期で、「v8 の後」としか言われていなかった更新に、年内という目安が付きました。監査パートナーを理由に挙げていることから、スケジュールを決めていたのは開発そのものより、安全性の確認にかかる時間だったと読めます。

なお同氏は同じ日の一連の投稿で、メインネットへの 1.0.4 更新の予定や、一般の開発者がコントラクトを配備できるようになる段階についても説明しています。その流れと、NIGHT の価格の動きとの関係は 10 月 1 日の記事で扱いました。

「コンポーザビリティ」は何を可能にするか

コンポーザビリティとは、あるコントラクトが別のコントラクトを呼び出し、機能を組み合わせて使える性質のことです。Ethereum や Cardano の DeFi では、DEX で交換した資産をそのまま融資の担保に入れる、といった操作の連鎖がこれによって成り立っています。

Midnight の場合、それぞれのコントラクトが秘匿のデータを扱うため、呼び出しの間でも何を明かし何を隠すかを保ったまま連携させる必要があります。v8 で個々のコントラクトが動き、v9 でそれらがつながる、という順番は、この難しさを反映しています。v8 の段階でも、本人確認や投票のように 1 つのコントラクトで完結する用途は作れますが、複数のプロトコルを組み合わせる DeFi は v9 を待つことになります。

開発ライブラリには「動的なクロスコントラクト呼び出し」

開発者が使う TypeScript のライブラリ midnight-js では、同じ時期に関連する変更が出ています。GitHub のリリース情報によると、プレリリースの v5.0.0-rc.2 と rc.3 には、新機能として「dynamic cross-contract calls」、つまりコントラクトから別のコントラクトを動的に呼び出す機能が記されています。rc.3 の公開は 10 月 1 日 6 時(日本時間)で、UTC の 9 月 30 日のうちに rc.0 から rc.3 までが立て続けに公開されました。

これが v9 のコンポーザビリティとどう対応するのかは、リリース情報には書かれていません。プレリリースであり、ネットワーク側の更新がなければ本番では使えない機能でもあります。それでも、開発者向けの道具の側で、コントラクト同士の呼び出しを扱う準備が進んでいることは確認できます。

ウォレットの側では、接続先の切り替えが続いています

利用者に近い側では、別の動きがありました。Gero Wallet は 10 月 2 日未明、v2.7.2 を Chrome ウェブストアの審査に出したと公表しました。これまでのメインネットのインデクサが廃止されたことで止まっていた Midnight への対応を復旧するもので、既存の 2.7.1 の利用者に不便をかけたことを詫びています。審査が終わり次第、配信が始まる予定です。

Midnight 提供のメインネットの RPC とインデクサの接続先が 9 月 30 日に終了し、Blockfrost の提供先へ移った経緯は、10 月 2 日の Deep Dive の最終章で扱っています。Gero Wallet で Midnight の残高が表示されなくなっている場合は、この切り替えの影響の可能性があります。Gero Wallet が Midnight の秘匿残高を本番で表示し始めた 2.7.1 については、9 月 17 日の記事をご覧ください。

年内に並ぶ節目

v8 と v9 が同じ年に並ぶと、Midnight のアプリは「個々に動く」段階と「つながる」段階を短い間隔で迎えることになります。開発者にとっては、v8 向けに作ったコントラクトを、すぐに v9 の連携を前提に組み直す可能性がある、ということでもあります。

確認先は、midnight-node リポジトリの GitHub リリースと、Guillemot 氏の X です。まずメインネットへの 1.0.4 の展開と、一般の開発者がコントラクトを配備できるようになる告知が、v8 の実際の開始点になります。v9 は、監査の完了とあわせて日付が示されるかどうかが、年内という見通しを確かめる手がかりです。

ことば

  • コンポーザビリティ — 複数のコントラクトや機能を組み合わせてアプリを作れる性質。DeFi の「交換してそのまま担保に入れる」といった操作の連鎖は、これに支えられています。
  • プライベートなスマートコントラクト — 入力や状態の一部を公開せずに実行できるコントラクト。Midnight はゼロ知識証明を使い、必要な情報だけを明かす設計をとっています。
  • midnight-js — Midnight のアプリを TypeScript で作るための公式ライブラリ。コントラクトの配備や呼び出し、証明の生成をアプリの側から扱います。

一次ソース / 関連リンク

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