Midnight 上で DEX を運営する Pulse のトークン発行の仕組み「Pulse Pump」が動き始め、Midnight 向けウォレットの 1AM が日本時間 10 月 4 日早朝、エクスプローラーやモバイル版・Chrome 拡張版での連携を発表しました。Pulse のサイトでは、1,000 NIGHT を払うと固定供給量のトークンを作り、同時にそのトークンの取引プールを開ける画面が公開されています。
1AM の発表は、10 月 2 日に Midnight のメインネットで誰でもコントラクトを配備できるようになった 2 日後にあたります。プライバシーを前提にしたチェーンで「誰でもトークンを出せる」場がどう設計されているのか、手数料と仕組みを公式の表記から確かめます。配備開放の経緯は 10 月 2 日の Signal で扱いました。
1AM が発表した連携の中身
1AM の投稿は「Pulse Pump の始動を祝って、新しいパートナーテーマと連携を 1AM の製品群に展開する」と書き、次の 3 つを挙げています。
- 1AM のエクスプローラーで、Pulse で生まれたトークンを一覧できる
- モバイル版と Chrome 拡張版で、Pulse Pump のデザインテーマに切り替えられる
- 自分のミームコインを発行できる
1AM は Midnight 向けのウォレットとエクスプローラーを手がけるチームで、Pulse のトークン作成画面も「1AM ウォレットを接続すること」を条件にしています。発行の入口となるウォレットが、同じタイミングで見た目と一覧の両面から歩調を合わせた形です。
1,000 NIGHT の内訳と、引き上げられない流動性
Pulse のサイトの「Launch a token」画面には、発行に必要な費用と条件が次のように書かれています。
- 発行に 1,000 NIGHT: うち 250 NIGHT がプラットフォーム手数料、750 NIGHT が初期の流動性
- 取引手数料は 0.5% で固定
- 発行者の取り分のトークンはなく、発行者が使える流動性ポジションも持たない
- 入力はティッカー・発行量・小数点以下の桁数と、必須のロゴ画像
最後の 2 点が、この設計の要です。発行者があらかじめ自分の取り分を確保できず、初期に入れた 750 NIGHT の流動性も引き出せない作りなら、発行直後に作り手がプールから資金を抜いて去るという手口は使えません。ミームコインの発行場でよく問題になる「作り手の持ち逃げ」(ラグプル) を、Pulse は費用の表記の中で封じる条件として明示しています。
サイトには別に「Minting utility」という画面もあり、こちらはプールを作らずに固定供給量の Midnight トークンだけを発行します。この画面は、取引の処理に使う DUST をウォレットに用意すること、Eternl ウォレットでは動かないことを注記しています。
NIGHT はブリッジを通って Midnight に入る
ここで使う NIGHT は、Cardano 上の NIGHT を Pulse の Moonlight ブリッジで Midnight に移したものです。Pulse は 9 月 30 日、利用者からの質問に「Cardano のウォレットで Cardano 上の NIGHT を使い、それを Midnight にブリッジする。ミームコインは Midnight の資産だ」と答え、「Cardano のローンチパッドでは決してない」と書いています。
Pulse のドキュメントによると、ブリッジは Cardano 側でトークンを預かり、Midnight 側で対応するラップトークンを発行する仕組みです。NIGHT の場合、預け入れは 5〜300,000 NIGHT、預け入れ手数料は 3 ADA、引き出し手数料は 15 NIGHT と定められています。預け入れの上限は「ブリッジのコントラクトが監査を受けているあいだ」の措置と説明されています。
Pulse の DEX 自体は 8 月中旬に Midnight 上で稼働を始め、9 月 2 日には ADA・NIGHT・USDCx・USDM を取引できると告知していました。ドキュメントは、利用者の残高を公開の台帳に載せず、ゼロ知識証明を使った独自の残高管理で取引を処理すると説明しています。誰でもトークンを出せる場と、残高や取引が外から見えにくい場が、同じアプリの中で重なったことになります。
試す前に確かめたい 3 点
Pulse で生まれるトークンに触れる前に、確かめておきたい点は 3 つです。
- ブリッジの監査 — Pulse のドキュメント (Moonlight Bridge のページ) に預け入れ上限の注記が残っているあいだは、ブリッジのコントラクトが監査中という扱いです。注記が外れるか、監査結果の公表があるかを、ドキュメントと Pulse の公式 X (@pulseonmidnight) で確認できます
- 引き出しの費用 — Cardano へ戻すときは 15 NIGHT の手数料がかかり、引き出しは 20 NIGHT からです。少額で試す場合は、戻すときの費用を先に計算しておくと安心です
- トークンの中身 — 1AM のエクスプローラーで一覧できるのは、誰でも発行できるトークンです。発行の手軽さは、そのトークンに裏付けがあることを意味しません
配備開放と同じ週に、発行・取引・ウォレットの 3 つがつながった一般向けの場が Midnight に姿を見せました。その場がどれだけ使われるかは、Pulse の「Explore」画面で各プールの預かり資産と 24 時間の取引量として、毎日確かめられます。
ことば
- Pulse Pump — Midnight 上の DEX、Pulse のトークン発行の仕組みとして 1AM が紹介した名前です。Pulse のサイトでは、トークンの発行と取引プールの開設を 1 つの画面で行えます。
- DUST — Midnight で取引を処理するために使う資源です。NIGHT を持っていると生成され、手数料の支払いに充てられます。Pulse のトークン発行画面も、DUST を用意するよう求めています。
- ラップトークン — 別のチェーンにある資産を預かり、その代わりとして発行される同量のトークンです。Pulse 上の NIGHT もこの形で、価値の裏付けはブリッジが預かる Cardano 側の NIGHT にあります。
一次ソース / 関連リンク
- 1AM 公式 X: 1AM × Pulse Pump (2026 年 10 月 3 日・UTC)
https://x.com/OneAmXYZ/status/2106473230626402489 - Pulse: Launch a token (トークン発行画面・費用の表記)
https://pulsefinance.org/launch - Pulse: Minting utility (固定供給量トークンの発行画面)
https://pulsefinance.org/mint - Pulse ドキュメント: Moonlight Bridge
https://pulsefinance.org/docs/bridge - Pulse ドキュメント: Accounting Model
https://pulsefinance.org/docs/accounting-model - Pulse 公式 X: Cardano のローンチパッドではないとの説明 (2026 年 9 月 30 日・UTC)
https://x.com/pulseonmidnight/status/2105097990050599270 - Pulse 公式 X: DEX の稼働開始 (2026 年 8 月 13 日・UTC)
https://x.com/pulseonmidnight/status/2087975426396233860 - Midnight 公式 X: メインネットでのコントラクト配備の開放 (2026 年 10 月 2 日)
https://x.com/MidnightNtwrk/status/2105926258295206019
