エポックな日々, ニュース, ...

自立の宣言と、次の地平——IOG 50%削減・Masumi × Midnight × USDMの5日間:エポック626

エポック626(2026年4月20日 午前6時44分頃 〜 4月25日 午前6時44分頃)

序章:削る決断と、広がる地平の同居

エポック625を振り返るとき、私たちは「動き始めた制度が、市場に試される」と書きました。Intersect予算プラットフォームが稼働し、BIP 361が量子脅威論争を喚起し、Hormuz海峡は崩壊から完全開放、そして再封鎖観測へと振り子を振った——制度と外部世界の両方が同時に動いた5日間でした。

エポック626は、その次の段階です。

動いた制度が、大胆な「削る決断」を下しました。 そしてほぼ同時に、Cardanoエコシステムが次の地平——AIエージェント決済・プライバシー付きドル決済・エンタープライズ向けネーム解決——へと一気に踏み出しました。

IOG(Input Output Global)が2026年度予算を前年比50%未満に削減し、「自立型エコシステム」への転換を宣言。9提案・$3,890万がDRep投票にかけられました。同じ5日間の中で、Masumi Networkのx402 Cardano Standardが正式マージされ、Cardanoが正式にAIエージェント決済チェーンの一員に加わりました。そして4月24日1日のうちに、Midnightエコシステムの3つの動き(Midnames mainnet実装・Eclipse Bounty Round 2・初のZealyパートナースプリント)が同日に揃い、USDMがCardano↔Midnight間を初めて渡り、プライバシー付きドル決済への道が開きました。

一方で外部世界では、Kelp DAO $292MハックがEVM L2ラップブリッジ構造の限界を露わにし、CLARITY Act成立期限が確言され、Japan FSAがステーブルコイン最終ガイドラインを発表。BTC ETFが4月月次フローで初めて黒字転換しました。

削る決断と、広がる地平が同居した5日間——エポック626を、序章から順に振り返ります。

▶ エポック625振り返り:https://sipo.tokyo/?p=39683


第1章:外部の嵐——Kelp DAOハック、CLARITY Act、Japan FSA、BTC ETF黒字転換

4月20日、Kelp DAO $292Mハック——EVM L2ラップブリッジの構造的限界

エポック626初日の日本時間4月20日、Kelp DAOが約$292M規模のハックを受けました。攻撃者はAAVEに$66億相当を引き出す動きを見せ、DeFi史上最大規模のクロスチェーン危機となりました。

この事件は単発のバグではありません。EVM L2ラップブリッジ構造そのものの限界を示す事例として、エコシステム全体が受け止めました。L2で発行されるラップトークンと、L1の実資産との乖離・流動性・ガバナンス不整合が、攻撃面を広げている——この論点は2026年に入ってから繰り返し指摘されてきました。

▶ 関連記事:https://x.com/SITIONjp/status/2046004840212672972

Cardanoコミュニティにとってこの事件は、UTxO + Partner Chain + Hydraという独自アーキテクチャの構造的優位性を改めて確認させる出来事でした。Partner Chain(Midnight / Minotaur)は、ブリッジに依存せず独立した台帳として機能します。ラップトークンの再帰的な相互依存が生じません。

Charles Hoskinsonは同週、Kelp DAOハックを題材にCardanoの設計思想を解説する動画を公開しました。エコシステムが抱えていた直感——「wrapped bridge architectureは持たない」——が、まさに想定された形で顕在化したと言えます。

4月23日、CLARITY Act「5月末成立」確言——Senator Morenoの発言が予測市場を動かした

日本時間4月23日午後、Senator Bernie Moreno(オハイオ選出・共和党)が「CLARITY Actを5月末までに成立させる」と確言しました。この発言は予測市場を8ポイント動かしたと報じられています。

▶ 関連記事:https://x.com/SITIONjp/status/2047273697082486902

CLARITY Act(Clarity for Digital Assets Act)は、米国における暗号資産の証券/コモディティ区分を明確化する立法パッケージです。Gensler時代のSECが採用した「enforcement による規制」アプローチを法律レベルで終焉させる設計で、SEC/CFTC間の管轄分担を明確にします。

同じ4月23日には、SEC Atkins委員長が就任1年を迎え、「enforcementによる規制の終焉」をあらためて示す姿勢を取りました。制度としての米国クリプト新秩序が、立法府と規制当局の双方から固まりつつあります。

4月24日、Japan FSA最終ガイドライン——2026年7月施行

日本時間4月24日、金融庁(FSA)がステーブルコイン・暗号資産カストディに関する最終ガイドラインを発表しました。2026年7月施行です。

▶ 関連記事:https://x.com/SITIONjp/status/2047594216793251990

日本のステーブルコイン法制は、2023年の資金決済法改正で基礎ができていました。今回の最終ガイドラインは、発行者・カストディアン・取引所の業務区分と実務フローを具体化したものです。JPYCや円建てステーブルの本格稼働、USDC・USDTの国内流通、カストディサービスの提供条件がここで確定しました。

日本の暗号資産市場は、税制面では依然として総合課税の重い仕組みが残っていますが、決済・カストディのインフラ面では主要国の中でもっとも早く制度が整いつつあります。

4月24日、BTC ETF 4月月次フロー黒字転換——機関資金の本格流入

同じ4月24日、Bitcoin ETFの4月月次フローがプラスに転換しました。年初来フローもプラス圏に復帰しました。

▶ 関連記事:https://x.com/SITIONjp/status/2047449726476534041

3月まで続いていた「ETF冬」——機関投資家の一部がリスクオフで資金を引き上げていた時期——が、4月後半で潮目を変えました。CLARITY Act確言、SEC体制転換、Fed据え置き観測の安定——複合要因で「制度的不確実性」が薄れたことが背景です。

エポック626期間中のBTC Fear & Greed Indexは、4/18の26から4/24の39まで推移しました。4/23には46(Fear寄りの中立)まで回復しています。CLARITY発言の影響が指数上にはっきり現れました。

外部世界の嵐は、依然として複雑です。Hormuz海峡は再封鎖観測が残り、WTI原油は4.4%急騰しました。しかし制度面の不確実性は、この5日間で明らかに薄まりました。


第2章:IOG 2026年予算——50%削減と「自立型エコシステム」への転換

4月23日、IOG予算50%削減発表——「Cardanoは自立するべき時期に来た」

日本時間4月23日朝、Input Output Global(IOG)が2026年度予算について、前年比50%未満に削減することを発表しました。発表と同時に、IOGは「Cardanoは自立型エコシステムへ転換するべき段階に来た」という明確な方向性を示しました。

▶ SIPO解説:https://x.com/SIPO_Tokyo/status/2047072909148254374

この決定の意味は、単なるコストカットではありません。Cardanoがこの約7年間、IOGを中核エンジンとして発展してきた構造から、コミュニティ主導・複数主体が並行して開発を担う構造への本格移行を示すものです。

予算の削減対象は、主に従来IOGが担ってきた「汎用的なエコシステム支援」部分です。コア研究開発(Leios・Babel Fees・Ouroboros関連)は引き続き維持されます。一方で、ツール開発・プロジェクト支援・教育・カンファレンス運営などは、Intersect・MBO・Project Catalyst・独立DAO・パートナー企業などに段階的に移管されます。

4月23日、IOG 2026年トレジャリー提案AMA——3,004名参加で完了

同じ4月23日、IOGが主催するトレジャリー提案AMA(Ask Me Anything)が実施され、3,004名が参加しました。Cardanoガバナンスイベントとしては、近年最大規模のひとつです。

▶ SIPO速報:https://x.com/SIPO_Tokyo/status/2047274734698873216

AMAでは、IOG側が9つの提案それぞれについて、実行計画・マイルストーン・予算配分・KPIを詳細に説明しました。DRep・SPO・一般コミュニティメンバーからの質問に対し、チャールズ・ホスキンソンを含むIOG幹部が直接応答しました。

印象的だったのは、IOG側から発せられた「このAMAが通過儀礼ではない」というメッセージでした。提案はDRep投票で正式に可否が決まる。IOGは提案を「お願いする側」であり、コミュニティは「判断する側」である。この権力関係の明確化が、自立型エコシステムの核心です。

4月24日、9提案・$3,890万がDRep投票へ——5月24日期限

4月24日、IOG 2026年度予算の9提案・合計約$3,890万が、DRep投票フェーズに正式に移行しました。投票期限は5月24日です。

▶ SIPO速報:https://x.com/SIPO_Tokyo/status/2047783474535510375

9提案の主要テーマは次の通りです。Leios(並列ブロックプロデュース・6月テストネット予定)、Babel Fees(カスタムトークンでのトランザクション手数料支払い)、Mithril(軽量クライアント)、Hydra(L2スケーリング)、Plutus関連(スマートコントラクト改善)、DRep/ガバナンスツールエデュケーションコミュニティ支援インフラ整備

Leiosテストネット6月ローンチは、特に注目されています。これはCardanoのスループット限界を引き上げる重要アップデートで、Ouroboros PraosからOuroboros Leiosへの進化を意味します。

SIPO DRepの立ち位置

SIPOはDRepとして、各提案をTreasury Fit Doctrine v2.0(内部ドクトリン)に照らして精査します。

  • 構造論点(ガバナンス束ね/自己資金/公共財比率/外部流出/利益相反/プロセス完全性)
  • 効果論点(アナウンス戦略/核心エンティティ参画)

この8項目のうち、複数のNO Criteriaに該当する提案には慎重な姿勢を取ります。逆に、Cardanoエコシステムの長期的な自立性・独立性・技術基盤強化に資する提案は積極的に支持します。

SIPO DRepは現在、₳101.39M(ランク11位 / 登録済み1,009 DReps中)、委任者359名の状態です(2026/4/24時点・Koios)。エポック626期間を通じて、累計投票数は94件となりました。投票結果とvoteContextは、sipo.tokyoで順次公開していきます。

前エポック625の「Intersect予算プラットフォーム稼働」は、提案を受け付ける器の整備でした。エポック626の「IOG 9提案・$3,890万」は、その器に実際に重要な提案が投下された段階です。Cardanoの分散型資金調達プロセスは、ここからが本番です。


第3章:Masumi x402——CardanoがAIエージェント決済の標準に乗った日

4月24日、x402 Cardano Standard正式マージ

日本時間4月24日、Masumi Networkが開発を進めてきた「x402 Cardano Standard」が正式にマージされました。これによりCardanoは、AIエージェント決済標準x402に正式対応するチェーンとなりました。

▶ SIPO解説:https://x.com/SIPO_Tokyo/status/2047593466641936680

x402とは、HTTPの「402 Payment Required」ステータスコードを拡張した、AIエージェント間のマイクロペイメント標準です。元はCoinbaseが提案した構想で、すでにBase・Solanaなどの主要チェーンが対応しています。Cardanoは正式対応の最後発グループに追いつきつつある状態でした。

6ヶ月をかけた到達点

Masumi Networkによるx402 Cardano Standardの開発は、最初のコミットから約6ヶ月の歳月をかけた作業でした。CardanoのUTxOモデル上で、x402の要件(トランザクション単位のマイクロペイメント・メタデータ付き決済・リプレイ耐性)を実装する設計は、アカウントモデルの他チェーンよりも検討項目が多く、実装が複雑でした。

しかし、その結果として出来上がった仕様は、CardanoのUTxOモデルがもつ利点——明示的な状態遷移、並列性、トランザクション検証の決定論性——を活かしたものになりました。複数のAIエージェントが同時に決済を行っても、UTxOの性質から衝突が発生しづらい設計です。

AI Agent Economy——Cardanoの構造的フィット

2026年に入ってから、AI Agent Economy(AIエージェント経済)というテーマが急速に立ち上がりました。自律的に動くAIエージェントが、他のエージェントとサービスを売買し、決済を行う世界——この世界では高頻度・低コスト・高セキュリティのマイクロペイメント基盤が不可欠です。

CardanoのUTxOモデル、Hydraスケーリング、Midnightのプライバシー層、DID(Decentralized Identifier)インフラは、AIエージェント経済に対して構造的にフィットしています。

  • UTxO:状態の明示・並列性・決定論性
  • Hydra:L2で高速・低コスト決済
  • Midnight:ZK・confidential transactionsでエージェント間の匿名決済
  • DID:エージェントの識別・評判・credential管理

Masumi x402のマージは、この構造的な可能性を実装レベルで証明した第一歩です。Cardanoは「AIエージェント決済チェーン」としての位置取りを獲得しました。

次の論点

残された論点は、Cardanoに実際のAIエージェントが来るかです。x402標準に対応したチェーンは複数あります。その中でCardanoを選ぶ理由——UTxOの並列性、Midnightのプライバシー、Partner Chainアーキテクチャの拡張性——が、エンタープライズ・スタートアップ双方にどう浸透するか。SIPOとしても、この動きをDRep投票・予算提案・記事配信を通じて、引き続き観察していきます。


第4章:Midnight 3連動——Midnames・Eclipse・Zealy・USDM・Pulse

4月24日、Midnightエコシステム3つの動きが同日に揃った

日本時間4月24日、Midnightエコシステムの3つの動きが同日に揃いました。Midnightは2026年3月にメインネットを立ち上げてから、約1ヶ月半で本格的なエコシステム形成フェーズに入っています。

▶ SIPO解説:https://x.com/SIPO_Tokyo/status/2047506303413866780

動き①:Midnames mainnet実装——エンタープライズ向け分散型ネーム解決

Midnamesは、Midnightネットワーク上で動作する分散型ネーム解決サービスです。4月24日のmainnet実装により、`[name].midnames`形式のアドレスがMidnight上で正式に利用可能になりました。

Midnamesが単なる「Midnightの.ensクローン」ではない点は、ZK-SNARKsによる部分的なプライバシーを提供する設計です。ネーム所有者の本人性はDIDで確認できますが、その背後の詳細情報(実名・住所・企業属性)は、開示条件を所有者が制御できます。エンタープライズ用途、特にB2Bの取引・監査・コンプライアンス対応で強い需要が見込まれます。

動き②:Eclipse Bounty Round 2——開発者インセンティブ4週間

同じ4月24日、Eclipse Bounty Round 2が開始されました。4週間のBountyプログラムで、Midnightの技術検証・dApp開発・教育コンテンツ制作に対してインセンティブが支払われます。

Round 1(2026年3月実施)では、主にZK-SNARKs周りの技術検証・MCP(Midnight Compact Protocol)のテストが中心でした。Round 2は、実用的なdApp実装に比重を移しています。Midnames・DID・USDM統合を活用したアプリケーション開発が主な対象です。

動き③:初のZealyパートナースプリント——コミュニティ動員

同日、Midnightとしては初のZealyパートナースプリントが開始されました。Zealyはタスクベースのコミュニティ動員プラットフォームで、日本・韓国・東南アジア・ラテンアメリカで広く使われています。

このスプリントを通じて、Midnightはテクニカルコミュニティの外部——一般的なWeb3愛好家層にリーチします。Cardanoは歴史的にテクニカルコミュニティが強い一方、ソーシャルなコミュニティ動員は後発でした。Zealyスプリントはそのギャップを埋める試みです。

動き④:USDMがCardano↔Midnightを初めて渡った——プライバシー付きドル決済

4月24日早朝、VIA Labsのブリッジを通じて、USDM(Mehen発行・Cardanoネイティブのドル連動ステーブルコイン)が、Cardano↔Midnight間を初めて渡りました

▶ SIPO解説:https://x.com/SIPO_Tokyo/status/2047448567552634886

これはMidnightエコシステム初の本格的なステーブルコイン対応です。これまでMidnight上では、NIGHT・DUSTといったネイティブトークンのみが主な決済手段でした。USDMの到着により、ドル建てでの決済がMidnight上で可能になります。

Midnight上でUSDMを使う意味は、単にドルが使えるということではありません。ZK-SNARKsベースのconfidential transactionsと組み合わせることで、「ドル建てだが取引内容は匿名」という決済が成立します。これはB2Bコマース・プライベートバンキング・医療・法務といった、プライバシーと法定通貨計算が両立するべき領域で強い需要が見込まれます。

ブリッジにはVIA Labsが採用されています。VIA Labsは、Cardano/Midnight固有のPartner Chain設計に適合したブリッジ機構を持ち、従来のEVM L2ラップブリッジのような構造的脆弱性が発生しにくい設計です。第1章で触れたKelp DAO $292Mハックのようなリスクを、Midnightは構造的に回避しています。

動き⑤(前エポック末尾):Pulse Privacy DEX × 1AM Wallet——Midnightメインネット初日統合

関連する動きとして、エポック626の2日目(4/21)に、Pulse Privacy DEX1AM Walletとの統合を完了しました。Midnightメインネット初日から稼働する、最初のプライバシーDEXです。

▶ SIPO解説:https://x.com/SIPO_Tokyo/status/2046365453845684620

Pulseは、ZK-SNARKsベースの注文マッチングを行うDEXです。取引内容(銘柄・数量・価格)が外部から見えない状態で、マッチングとセトルメントが完了します。MEV(Miner Extractable Value)が構造的に発生しない設計で、機関投資家のOTC需要に応える位置取りをしています。

Midnightメインネット初日の統合は象徴的です。Midnightは、最初から本格dAppが動くネットワークとして立ち上がりました。

総括——Midnightは「エンタープライズ向けCardanoレイヤー」としての形を得た

エポック626の4日目、わずか1日のうちに、Midnightエコシステムは「メインネット立ち上げ」フェーズから「エンタープライズ向けCardanoレイヤー」フェーズへと移行しました。

  • ネーム解決(Midnames) — B2B取引の基盤
  • 開発者インセンティブ(Eclipse Round 2) — dApp開発の加速
  • コミュニティ動員(Zealy) — 一般層へのリーチ
  • ドル建て決済(USDM × VIA Labs) — 法定通貨レイヤー
  • プライベートDEX(Pulse) — 機関投資家向けOTC

この5つが揃ったことで、Midnightは「Cardanoで、プライバシーが必要なものは全部ここに」という明確な役割を獲得しました。


第5章:jpg.store閉鎖——Cardano NFT最大市場、5年の歴史に幕

4月24日、jpg.store閉鎖を発表

日本時間4月24日、Cardano NFTマーケットプレイスの最大手であるjpg.storeが、サービス閉鎖を発表しました。5年の歴史に幕です。

▶ SIPO解説:https://x.com/SIPO_Tokyo/status/2047427121975550436

jpg.storeは、2021年にCardano NFTが急速に立ち上がった時期から、常にエコシステムの中心にあった存在でした。累計取引高・ユーザー数・クリエイター数のいずれでも、Cardano NFT市場の大半を占めていました。

閉鎖の背景——NFTサイクルの終幕と、次の基盤への移行

閉鎖の主因は、NFT市場全体の長期的な縮小です。2021-2022年のNFTバブル期と比較して、取引高・アクティブウォレット数・新規クリエイター数のいずれも90%以上下落しています。Cardano NFT市場も例外ではなく、jpg.store単独での収益性が維持できない状態が続いていました。

ただし、この閉鎖は「Cardano NFT市場の終わり」を意味しません。NFTというカテゴリは、ユースケースの方向性が2024年以降大きく変わりました。

  • アートコレクタブル → 縮小
  • ゲーム内アイテム → Paima・Yogaの分散型ゲームスタジオが継続
  • RWA(Real World Assets) → Midnight・Realm Laboなどが新規領域
  • DID/Credential → Lace・Midnight DID で基盤化
  • ティッケット・アクセス制御 → 企業ユースケース

jpg.storeの閉鎖は、「art-first のNFTサイクル」の終幕であり、「utility-first のトークン化」への移行期であることを示しています。次の基盤はMidnight・DeFi Kernel・Partner Chainの上に構築されていきます。


第6章:エポック626 市場指標・KPI分析

マクロ12指標——原油急騰 × 株式軟調の警戒局面

エポック626最終日(2026年4月24日クローズ)時点のマクロ12指標は次の通りです。

指標24h変化
BTC/USD$78,170-0.02%
ETH/USD$2,326-1.67%
ADA/USD$0.25073+1.05%
NIGHT/USDT$0.03666-0.85%
S&P 5007,108-0.41%
日経平均先物59,450-0.76%
DXY98.811+0.22%
USD/JPY159.77+0.18%
Gold$4,714-0.38%
WTI原油$97.02+4.37%
米10年債利回り4.32%+0.68%
VIX19.31+2.06%

レジーム:原油急騰(+4.4%)× 株式軟調の警戒局面

エポック626期間中の主な動きは次の3点です。第1に、Hormuz海峡の再封鎖観測によりWTI原油が$97台まで上昇し、$100が視野に入りました。第2に、CLARITY Act確言とBTC ETF月次黒字転換で暗号資産市場の制度的不確実性が後退しました。第3に、日経先物が円安(159円台)を受けて底堅さを維持しました。

Cardano/ADAは、エポック期間を通じて+1.05%の上昇。IOG予算9提案公開・Leios 6月テストネット期待・Masumi x402マージが下支え要因でした。

BTC Fear & Greed Index推移

エポック626期間中のFear & Greed推移は次の通りです。

日付分類
4/2029Fear(エポック開始)
4/2133Fear
4/2232Fear
4/2346Fear寄り中立(CLARITY確言)
4/2439Fear(エポック終了)

CLARITY Act成立確言を受けた4/23に最高46まで改善したあと、4/24には39へ後退しています。制度的不確実性の緩和は恒久的ではなく、Hormuz観測・FOMC来週など新たな材料待ちの状態で、市場はまだFear圏を抜けていません。

Cardanoオンチェーン指標(Dune Analytics)

エポック626期間中(データ基準日 2026-04-22)のCardanoオンチェーン指標は次の通りです。

指標
ADA価格$0.24833
時価総額$9.18B
流通供給量36.96B ADA
ステーキング率58.98%
Nakamoto係数167
日次Tx20,654
アクティブアドレス12,930
Script Tx比率39.09%
ステーブルコイン総額$50.16M
Treasury1,613.5M ADA

特筆点

  • Nakamoto係数167は、主要L1の中で依然として最高水準の分散性を示しています。
  • Script Tx比率39.09%は、Cardano DeFi・NFT・スマートコントラクト活動の基礎値として安定しています。
  • ステーブルコイン総額$50.16Mは、前エポック比でわずかに増加。USDMがCardano↔Midnight初ブリッジで使用され、USDCxが圏内シェア首位です。

ガバナンスアクション状況

  • 提案中:3件
  • 批准:0件
  • 失効:42件

エポック626末時点で、新規のDRep投票対象となる提案が3件アクティブです。IOG 2026年予算9提案は、厳密にはエポック626終了直前にアクティブ化したため、上記集計には未反映です。エポック627の序盤で本格的な投票フェーズに入ります。

SIPO DRep活動

エポック626終了時点(2026-04-24)のSIPO DRepステータスは次の通りです。

項目
Live Stake₳101.39M
Delegators359名
Rank11位 / 1,009 登録済みDReps
累計投票数94件
Active UntilEpoch 645
Deposit500 ADA

SIPO DRepは、Cardanoガバナンスの安定的な判断主体として、継続的な投票参加を保っています。IOG 2026年予算9提案への投票については、5月24日期限に向けて、1件ずつSIPO’s Goals and Activity Policyに照らして精査し、sipo.tokyoでvoteContextと判断根拠を公開していきます。


第7章:エポック626 配信記事の紹介

エポック626期間中(2026年4月20日〜4月25日)に、SITIONグループから公開された主要記事を紹介します。

@SIPO_Tokyo(Cardano / Midnight / SIPO)

4月20日

4月21日

4月23日

4月24日

@SITIONjp(暗号資産・ブロックチェーン関連)

@LifeMakersCom(暗号資産・ブロックチェーン関連)

第8章:エポック626終了時点 ステーキング動向

ネットワーク全体(adastat.net)

指標
総サプライ₳37.27b
総ステーク₳21.80b
総ウォレット数5,831,166
総ホルダー3,263,801
総委任数1,352,299
アクティブプール2,723
時価総額$9.38b
ADA/USD$0.2517

前エポック625終了時点と比較すると、ウォレット数+3,061・ホルダー+919・委任数+173です。アクティブプールも2,718→2,723(+5)とわずかに増加。ネットワーク参加者の基盤は引き続き拡大基調です。

SIPO 3プール合計

指標
エポック626ブロック106
総ブロック数44,289
総アクティブステーク₳114.31M
総ライブステーク₳114.12M
総委任者数2,189

プール別実績(エポック626:100%)

SIPO

  • エポックブロック:48 / 総ブロック:18,797
  • 有効ステーク:₳48.12M / ライブステーク:₳48.04M
  • 委任者:1,137名
  • マージン 2.5% / 固定費 340₳ / 保証金 50.0k

SIPO2

  • エポックブロック:33 / 総ブロック:14,166
  • 有効ステーク:₳35.89M / ライブステーク:₳35.84M
  • 委任者:480名

SIPO3

  • エポックブロック:25 / 総ブロック:11,326
  • 有効ステーク:₳30.30M / ライブステーク:₳30.24M
  • 委任者:572名

3プール合計で106ブロックを生成。前エポック625(111ブロック)比ではわずかに減りましたが、稼働実績は安定しています。委任者数は総計2,189名で、前エポック625(2,186名)から+3名の増加。基盤コミュニティは引き続き拡大しています。

委任いただいた皆様、いつもありがとうございます。エポック627も安定運用でお応えします。


終章:削って、広げて、走り出す——Cardanoが自立の次の地平に踏み出した5日間

エポック626(2026年4月20日〜4月25日)は、Cardanoにとって「自立の宣言と、次の地平の同時発進」というタイトルにふさわしい5日間でした。

IOGは予算を50%未満に削減し、「自立型エコシステム」への転換を正式に宣言しました。削る決断です。これは後退ではなく、分散型エコシステムとしての成熟への必要なステップです。IOGが汎用的な支援から退き、Intersect・MBO・Project Catalyst・独立DAO・パートナー企業が並行して動く体制——この構造こそが、長期的に持続可能なCardanoの姿です。

同時にCardanoは、次の地平へ踏み出しました。Masumi x402マージによるAIエージェント決済標準対応。Midnight Midnames・Eclipse・Zealy・USDM・Pulseによる、プライバシー付きエンタープライズレイヤーの確立。これらは単なる個別発表ではなく、Cardanoエコシステムが「次の10年」に何を提供するのかを具体的に形にした動きです。

一方で、外部世界ではKelp DAO $292MハックがEVM L2ラップブリッジの構造的限界を改めて示しました。CardanoのUTxO + Partner Chain + Hydraアーキテクチャは、直感の正しさを実証される形になりました。CLARITY Act 5月末成立確言、Japan FSA 7月施行、BTC ETF月次黒字転換は、制度面の不確実性が薄まるシグナルです。暗号資産市場は、Fear圏を抜けようとしています。

エポック625の記事で私たちは、「動き始めた制度が、市場に試される」と書きました。エポック626では、動いた制度が、大胆な決断を下し、次の地平へ踏み出した——この進化を見届けられたことは、SIPOとしても意義深い5日間でした。

エポック627は、IOG 9提案・$3,890万のDRep投票本番、Leios 6月テストネットに向けた準備、Midnightエコシステムのさらなる動き、米国CLARITY Act成立の可否——重要な節目が続きます。SIPOはDRepとして、SPOとして、コミュニティとして、このすべての節目に参加していきます。

削って、広げて、走り出した5日間。エポック626は、Cardanoの次の10年への明確な助走でした。


▶ sipo.tokyo:https://sipo.tokyo

▶ SIPO DRep: drep1yffld2866p00cyg3ejjdewtvazgah7jjgk0s9m7m5ytmmdq33v3zh

▶ 前エポック625振り返り:https://sipo.tokyo/?p=39683

▶ Cardano Governance(gov.tools):https://gov.tools

▶ IOG 2026年予算提案(Intersect):https://www.intersectmbo.org/news/recent-cardano-governance-actions

エポック627も、引き続きよろしくお願いします。

#Cardano #ADA #カルダノ #Midnight #Masumi #x402 #SIPO #SPO #ステーキング #DRep


もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。

シリーズ連載:進化するカルダノ・ベーシック
エポックな日々
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
Laceマニュアル

SIPOはDRepへの登録と活動もしております。もしSIPOの活動に興味がある方、DRepへの委任方法について知りたい方は以下の記事をご覧ください。また委任もぜひお願いいたします。

SIPOのDRepとしての目標と活動方針・投票方法

SIPOのDRepとしての目標と活動方針・投票方法:ニュース動向 & ステーキング状況 in エポック507

SIPOのDRepとしての目標と活動方針・投票方法:ニュース動向 & ステーキング状況 in エポック507

SIPOのDRep投票履歴:https://sipo.tokyo/?cat=307

ダイダロスの方は最新バージョン7.0.2で委任が可能になりました。

SIPOのDRep活動にご興味がある方は委任をご検討いただければ幸いです。

DRep ID:

drep1yffld2866p00cyg3ejjdewtvazgah7jjgk0s9m7m5ytmmdq33v3zh

二つのIDはダイダロス以外のウォレットではどちらも有効です。ADAホルダーがSIPOにガバナンス権を委任する際に使用できます。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

カルダノエコシステムとSITION

お問い合わせ

Contact Us
SIPOのステーキングサービス、Cardano ADA、ADAの購入方法から保管方法についてご興味、ご質問がある方はこちらのフォームからお問い合わせください。24時間以内にメールにてご返信いたします。

最新投稿