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Leios がテストネットで一周しました——Earth フェーズを終え Water フェーズへ

2026-08-08SIPO

Input Output が 8 月 7 日、Ouroboros Leios がテストネット MusashiNet の上でエンドツーエンドに動いていると報告しました。ノードが同期し、エンドーサーブロックが証明され、トランザクションが実際に流れている状態です。あわせて、Earth フェーズで設計の堅さが確認できたこと、次の Water フェーズに入ることが示されました。

ここで区切りが付いたのは「作れるかどうか」ではなく「つながるかどうか」です。個々の部品が動くことと、生成・証明・伝播という一連の流れがネットワーク全体としてひとつながりに成立することは、別の達成です。Cardano のスケーリングは長く設計と論文の言葉で語られてきましたが、この報告以降は、実際に走らせた結果の数字で語れる段階に入ります。

ただし、これはメインネット投入の告知ではありません。何が終わり、何がこれから始まるのかを、順に見ていきます。

Leios is running end-to-end on MusashiNet. Nodes syncing, endorser blocks certified, and transactions flowing live on the testnet.

Earth phase confirmed a solid design. Now Water phase explores multiple parameter settings and components.

■ 「エンドツーエンドで動いた」の中身

報告で挙げられているのは三つの状態です。ノードが同期していること、エンドーサーブロックが証明されていること、そしてトランザクションがテストネット上を流れていること。

Leios の公式 FAQ は、エンドーサーブロック(EB)を「複数のブロックを参照し、承認するもの」と説明し、委員会メンバーによって約 5 秒ごとに生成されると書いています。Leios は、この並列処理と、従来どおりの逐次的なファイナリティ層を組み合わせる設計です。FAQ はこれを「並列処理(EB)と逐次的なファイナリティ層(RB)を組み合わせることで、Cardano の強固なセキュリティモデルを保つ」と表現しています。

つまり「証明されている」という一語は、Leios の中核が回ったことを意味します。EB が作られるだけでは足りません。委員会がそれに投票し、証明としてまとまり、既存の鎖の側に取り込まれる。この受け渡しが実ネットワーク上で成立して初めて、Leios は設計図から動く系になります。

目標値も公表されています。FAQ は「毎秒 1,500 件以上(現在の Praos の 30〜65 倍)」を掲げています。今回の報告は、この数字が出たという話ではなく、その数字を測れる場所ができたという話です。

■ Earth が確かめたのは設計、Water が探すのは設定

MusashiNet は、公式サイトが「Ouroboros Leios のための公開 Cardano テストネット」と説明する場所です。宮本武蔵にちなんで名付けられ、初期の試作から候補版まで、Leios 対応ノードのリリースが順に載せられていきます。運営は Input Output が行い、独立したプール運用者が Leios 対応のノードを動かし、合意形成に参加します。期間は 2026 年 6 月下旬から、メインネットのハードフォークまでとされています。

検証は五段階に分かれています。名前はいずれも武蔵が 1645 年に著した『五輪書』の巻名から取られています。地・水・火・風・空。今回の報告で名前が挙がったのは、そのうち最初の二つです。

公式サイトは Water フェーズを、水が「適応する元素」であることになぞらえて説明しています。タイミングとサイズの設定を調整し、中核部品を別のビルドに差し替えながら、最も多くのトランザクションを流せる構成を探す段階です。

この二つは、質問の種類が違います。Earth は「この設計で成立するか」を問い、Water は「どの設定が一番出るか」を問います。前者は成立か不成立かで答えが出ますが、後者は終わりのない調整ではなく、条件ごとの上限を測って地図を作る作業です。ここで出てくる数字が、Leios の現実的な性能像になります。

Leios が何を速くして何を速くしないのかについては、7 月のワークショップを踏まえた Leios が広げる Cardano の処理能力 で詳しく扱っています。スループットと決済時間は別の性能であり、そこを混同すると Water フェーズの数字も読み違えます。

■ メインネットまでに、まだ残っているもの

Leios の FAQ は、今後の道筋をこう書いています。テストネットへの展開は 2026 年を目標とし、その後、十分なテスト・監査・Cardano のガバナンス承認を経てメインネットに向かう、と。

この順序が重要です。技術的に動いたことと、メインネットに入れてよいと決まることのあいだには、監査とガバナンスという二つの関門があります。Cardano では、プロトコルの変更は最終的にオンチェーンの投票を通ります。Water フェーズ以降で出てくる数字は、その投票の場に持ち込まれる材料でもあります。

MusashiNet が公開された時点の位置づけについては Musashi Dojo 開幕 にまとめています。当時の呼びかけは「探索して、テストして、壊してほしい」でした。Earth フェーズの完了は、その呼びかけに対する最初の答えが返ってきた、ということでもあります。

■ 48〜72 時間で見るもの

【1】Water フェーズで何が検証項目に置かれるか。どのパラメータを、どの範囲で振るのかが公表されれば、Leios が現実の運用条件をどう想定しているかが見えます。

【2】MusashiNet 上での稼働が続くかどうか、そして独立した運用者側からの参加報告が増えるかどうか。テストネットの価値は、運営側だけで回っていない状態にあります。

【3】機器要件や運用コストに関する報告。Leios は既存のノードより重い処理を前提にします。ここが具体的な数字で出てくるかどうかは、運用する側にとって最も実務的な論点です。


一次ソース / 関連リンク