LIVE ADA-- MCAP-- TVL-- STAKE-- EPOCH-- Cardano & Midnight 総合情報ポータル
SIPO
速報 Cardano重要投票、9月1日期限まで7日残存 8時間前 速報一覧 →
HOMESignal › Cardano 財団が「使われるほど、語られなくなる」と書きました——ブロックチェーン単独のハイプサイクルは 2024 年版で止まっています
Signal

Cardano 財団が「使われるほど、語られなくなる」と書きました——ブロックチェーン単独のハイプサイクルは 2024 年版で止まっています

2026-08-26SIPO

Cardano 財団が日本時間 8 月 25 日 6 時 57 分、一行の主張から始まる投稿を出しました。「使われるようになるほど、それについて語る人は減る」。そのうえで Gartner の名前を出し、詳しくは次号のニュースレターで、と続けています。当社は投稿そのものを初期報として先にお伝えしました。

先に一点はっきりさせておきます。この主張は Gartner が発表した調査結果ではありません。財団自身の見立てであり、その論拠はまだ公開されていない次号に置かれています。ただ、投稿が事実として触れている部分——ブロックチェーン単独のレポートがどうなったか——は、いま外から確認できます。インフラを動かす側にとっては、確認する価値のある種類の話でもあります。

投稿に何が書かれ、そのうち何が今の時点で裏を取れるのかを分けて見ていきます。

■ 投稿に書かれていること

The more useful blockchain becomes, the less anyone talks about it.

Gartner dropped its blockchain report last year, then found it inside payments, supply chains and cybersecurity.

Full story in the next Simply Blockchain, our free monthly newsletter

ブロックチェーンが有用になるほど、それについて語る人は減る。Gartner は昨年ブロックチェーンのレポートをやめ、その後それを決済・サプライチェーン・サイバーセキュリティの中に見つけた。詳しくは無料の月刊ニュースレター「Simply Blockchain」の次号で——という内容です。

「次号で」と書かれているとおり、財団がこの主張をどう組み立てるのかは、まだ読めません。今あるのは結論の一行と、その根拠として名指しされた一社の名前だけです。

■ 「レポートをやめた」の部分は、どこまで確認できるか

Gartner が公開している文書の一覧をたどると、ブロックチェーンを単独で扱ったハイプサイクルとして確認できるのは「Hype Cycle for Blockchain and Web3, 2023」と、翌年の「Hype Cycle for Web3 and Blockchain, 2024」です。2025 年版に相当するものは見当たりません。

この空白について踏み込んで報じているのが、CIO の 2025 年 3 月 6 日の記事です。Grant Gross 氏による同記事は、直近のブロックチェーン向けハイプサイクルが 2024 年 7 月のものであることを示したうえで、Gartner のバイスプレジデント Adrian Leow 氏の見解として、同社が次のブロックチェーン向けハイプサイクルを出さない可能性に触れています。ブロックチェーン技術が約束された水準には届いていない、という趣旨の発言も併せて紹介されています。同記事によれば、NFT・Web3・分散型取引所・IoT 向けブロックチェーンといった項目が、いずれも幻滅期に向かう位置にあったとされています。

財団の投稿にある「last year」が指す年は、公開されている文書の並びとは少しずれます。単独版として確認できる最後のものは 2024 年版で、それが最後になるかもしれないと報じられたのが 2025 年です。年の数え方はさておき、「単独のレポートが続いていない」という部分自体は、外から裏が取れる話だと言えます。

■ 「その後、中に見つけた」の部分は、まだ裏が取れません

投稿の後半——決済・サプライチェーン・サイバーセキュリティの領域の中にブロックチェーンを見つけた、という部分は、財団の側の整理です。Gartner がそれらの分野の分析にブロックチェーンをどう位置づけたのかを示す資料は、この投稿からはたどれません。

ここは次号を待つ部分です。本稿の側で補って書くことはしません。財団がどの資料を根拠に置くのかまで含めて、次号で示されるはずのものです。

■ 語られなくなることが成功である領域と、そうでない領域

「使われるほど語られなくなる」という言い方には、技術の成熟をめぐる古い観察が入っています。動いていることが当たり前になった仕組みは、名前で呼ばれなくなる。誰も TCP/IP の話をしないのは、それが失敗したからではありません。

ステークプールを動かす立場から言えば、この方向は歓迎すべきものです。ブロックを作る側の仕事は、誰にも意識されないことが最良の状態です。委任している方がプールの稼働について何も考えずに済んでいるなら、それは仕組みが働いている証拠になります。基盤は、背景に沈むことで役割を果たします。

ただし、同じ理屈をそのまま持ち込めない領域があります。ガバナンスです。

誰が何に賛成したのか、期限がいつなのか、票が足りているのか——ここは語られなくなった瞬間に止まります。実際、いま投票を受け付けているパラメータ変更提案「Reduce minPoolCost to 75 ada and increase Plutus Memory Limits (Part 2)」では、日本時間 8 月 26 日 9 時 21 分の時点で未投票が 45.53% 残っています。決済やサプライチェーンの中で静かに動くようになることと、投票が静かになることは、まったく別のことです。

Cardano は、この二つを同じチェーンの上に同居させています。片方は静かになるほど良く、もう片方は静かになると壊れる。「語られなくなる」を一律に成熟の指標として使えないのは、そのためです。


次に見るもの

ひとつめは、次号の「Simply Blockchain」が実際に何を根拠として置くかです。Gartner のどの分析を指しているのかが示されれば、後半の主張の確認ができます。

ふたつめは、Gartner の側から 2026 年に何か出るかどうかです。単独版が復活するのか、別領域の分析の中に分散したままなのか。どちらであっても、企業側がブロックチェーンをどの棚に置いているかの手がかりになります。

そして最後に、読み手それぞれへの問いとして。自分が関わっている領域は、静かになることが成功に近づく側でしょうか。それとも、静かになった時点で何かが止まる側でしょうか。同じ「話題にならない」でも、意味が逆になります。


一次ソース / 関連リンク