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国庫からの引き出し 70 件が、1 ページに並びました——エポック 554 以降で 8 億 442 万 ada、各行から提案ページへ直接飛べます

2026-09-03SIPO

Cardano の公式アカウントが、国庫からの引き出しをエポック単位ですべてプロットした図を案内しました。置き場所は cardano.org の「Cardano Supply Summary」で、投稿には「点のひとつを押すと、その引き出しの内訳が開く」と書かれています。承認の場と、実際にいくら出たかの記録が、同じ画面に並んだことになります。

これまで SIPO では、予算プロセスの議論と、可決ラインを越えた個別議案を追ってきました。追えていたのは「いくら出すことが決まったか」までで、決まったあとに国庫の残高がどう動いたかは、探しに行く場所が分散していました。今回のページは、そこを 1 枚にまとめています。実際に開いて数字を読むと、この 100 エポックで何が起きたのかが、承認の議事録とは別の角度で見えてきます。

初期報: Cardano財務引き出しを可視化、エポックごとのデータプロット公開/同日の Daily Intel 9/3 でも今日の主役として扱っています。本記事では、ページを実際に開いて中身を読みます。

■ 4 つのセクションと、エポック 210 まで戻せるスライダー

ページは 4 部構成です。準備金の推移(Reserves Evolution)、配布された報酬(Distributed Rewards)、国庫の推移(Treasury Evolution)、供託金(Deposits)。国庫だけの専用ページではなく、ada の供給がどこに置かれているかを 4 つに分けて並べた構成になっています。

冒頭にエポック範囲のスライダーがあり、初期表示はエポック 554(2025-04-24)からエポック 653(2026-09-01)まで。スライダー自体はエポック 210 まで戻せる作りで、ページには 445 エポック分を読み込んだと表示されます。範囲を動かすと、以降の集計値と一覧がその範囲で作り直されます。

また、ページ下部には「Charts are using real time data」と明記されています。固定のレポートを置いたのではなく、開いた時点の値で描き直される種類のページだ、とページ自身が説明している形です。

■ 100 エポックで、国庫は 22.43% 減っています

初期表示の範囲(エポック 554 → 653)で、ページが示している国庫の数字はこうです。

  • 国庫残高: 1,739,008,616 ada → 1,348,927,209 ada(-390,081,407 ada・-22.43%)
  • 同じ範囲の加算合計: 344,968,596 ada
  • 同じ範囲の引き出し合計: 804,427,136 ada

ここは読み方に注意が要ります。この 3 つは引き算で互いに一致しません。加算合計と引き出し合計の差は 459,458,540 ada で、残高の減少額 390,081,407 ada とは約 6,937 万 ada ずれます。ページ上に集計基準の説明がないため、「残高の増減」と「加算・引き出しの合計」は別々に置かれた数字として読み、片方からもう片方を導かないのが安全です。

準備金の側も同じ範囲で示されています。7,227,379,990 ada から 6,146,739,563 ada へ、1,080,640,427 ada の減少(-14.95%)。あわせてページには、エポック 606(2026 年 1 月)に Cardano メインネットが準備金の 50% を配り終えた、という注記が入っています。国庫は各エポックの報酬分配にかかる取り分で増え、ガバナンスアクションとして可決された引き出しで減る——増える経路と減る経路が、同じセクションの文章で説明されています。

■ 70 件は、均等には並んでいません

この範囲で実際に発効した引き出しは 70 件、合計 804,427,136 ada。一覧はエポック・件名・金額・Explorer の 4 列で、Explorer 列は explorer.cardano.org のガバナンスアクション個別ページへ繋がります。冒頭の投稿が言う「点を押すと開く内訳」は、この行から提案そのものへ辿れることを指しています。数字を眺めて終わらず、原文まで一続きで降りられる作りです。

金額の上位は、エポック 650 の AlphaGrowth Cardano PRIME が 120,000,000 ada、エポック 575 の 2025 Input Output Engineering Core Development Proposal が 96,817,080 ada、エポック 606 の Cardano Critical Integrations Budget が 70,000,000 ada、エポック 575 の Catalyst 2025 Proposal by Input Output が 69,459,000 ada、エポック 634 の IO & Ensurable Systems: Cardano Maintenance Initiative が 62,134,630 ada。表の値をそのまま足すと、この上位 5 件だけで 418,410,710 ada、期間合計の約 52% にあたります。

件数の方は別の偏り方をします。70 件のうち 27 件がエポック 576 に集中し、その多くは 100 万 ada 未満の維持・保守案件です。エポック 634 には 6 件(合計 131,510,090 ada)、エポック 645 に 6 件、エポック 646 に 5 件がまとまっています。予算プロセスで束ねて審議された案件が、同じエポックで一斉に発効するためで、時系列で見ると「常時少しずつ出ていく」ではなく「決まった節目でまとめて出る」形になっていることが分かります。

最大の 120,000,000 ada については、SIPO も DRep として賛成票を投じ、判断の理由を公開しています(SIPO DRep:AlphaGrowth Cardano PRIME に賛成)。承認時点で書いた判断と、発効後に残高から実際に引かれた記録が、別々の場所に残る形になりました。

■ 同じページに供託金が並んでいることの意味

4 つ目のセクションは供託金です。ページが示す現在値は、合計 5,317,556 ada。内訳は、キー登録に紐づくものが 4,387,556 ada、DRep が 530,000 ada、提案が 400,000 ada です。

ここで押さえておきたいのは、ページが供託金のルールを明文で書いている点です。キー登録の供託金が現在 1 件あたり 2 ada、プール登録が 500 ada、ガバナンスアクションの提出が現在 100,000 ada。そしてガバナンスアクションの供託金については、期限切れでも発効でも提案者に返され、失われることはない、と明記されています。「否決されたら 10 万 ada が消える」ではありません。提案を出す側のコストを見積もるときに、ここは事実として押さえておく価値があります。

なお、プール運営者が自分で預けるプレッジは供託金とは別の仕組みで、専用ページは準備中とされています。

■ 次に見るもの

ひとつは、発効した引き出しがこの一覧にどれくらいの間隔で反映されるかです。エポック 653 は日本時間 9 月 7 日に終わります。直前のエポックで発効した案件が、次にこのページを開いたときに何日遅れで並ぶのか。ここが安定していれば、承認を追う側は個別のエクスプローラを巡回しなくても済むようになります。

もうひとつは、スライダーの下限がエポック 210 に留まるかどうかです。それより前まで遡れるようになれば、ガバナンス以前の時代を含めた比較ができます。

そして、これは道具が増えたという話にとどまりません。承認の場と支出の記録が同じ場所に揃ったとき、次に問われるのは「いくら出したか」ではなく「出したあとに何が返ってきたか」です。今回のページは、その問いを立てられる土台の側にあたります。委任先を選ぶときも、提案に票を投じるときも、参照できる面がひとつ増えました。


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