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委任していて動かせなかったウォレットが、移行できるようになりました——手数料は SecondFi が負担します

2026-09-09SIPO

SecondFi (旧 Yoroi) が日本時間 2026 年 9 月 9 日 10 時 53 分、公式 X アカウント (@secondfiapp) で「ウォレット移行ツールの次のバージョンが利用可能になった」と告知しました。ステークプールに ADA を委任していたために手数料分の ADA を持たず、移行ツールを動かせなかったウォレットが、これで移行できるようになります。手数料は SecondFi が負担します。

移行の局面はここで一段進みますが、同時に注意すべき対象も変わります。手順そのものは公式アプリの中で完結する設計のままで、難しさは残っていません。むしろ今月の焦点は、9 月中に予定されている資産回収ツールのほうにあります。こちらは公式アプリの外で動き、公式自身が「シードフレーズの入力を求める場合がある」と説明しているためです。本記事では、更新版で何が変わったのか、移行はどこで行うのか、そして回収ツールで最も注意すべき一点を順に整理します。

■ 更新版で変わった三つのこと

公式が挙げているのは次の 3 点です。

  • ステークプールに ADA を委任していて、ネットワーク手数料を賄うだけの ADA を持たないウォレットも移行できるようになった
  • これらの移行にかかるネットワーク手数料は SecondFi が負担する
  • ステークされている残高が、ポートフォリオ残高に表示されるようになった

これまで残高がゼロと表示されていた場合、アプリを更新すればステーク残高が反映されるはずだ、と公式は書いています。そのうえで「ステークプールに委任しているなら、移行は依然として必要」「ウォレットに資金を追加する必要はない」と念を押しています。

残高がゼロに見えていた理由は、直前の公式投稿で説明されています。ステークプールに委任しているウォレットはステークキーの預り金を保持しており、それがアプリのポートフォリオ残高に反映されていなかった、というものです。表示が 0 でも中身が空だったわけではない、という話です。

■ 「本日中」の見込みから、二日後の告知になりました

9 月 7 日の公式投稿は、この更新版について「本日中に利用可能になる見込み」と書いていました。同じ投稿には「手数料を賄えるだけの ADA がない場合、資金を追加しないでください。そのバージョンをお待ちください」「利用可能になったらここで告知します」とも書かれています。

実際の告知は 9 月 9 日でした。該当するウォレットを持つ人は、二日のあいだ「動かさずに待つ」状態に置かれていたことになります。その待機はここで解けます。逆に言えば、この二日間に「早く移行しないと危ない」と急かしてきた連絡があったとすれば、それは公式の案内とは別の出どころだった、ということでもあります。

Apple の App Store では、9 月 9 日時点で SecondFi の現在のバージョンが 10.4.3 と表示され、リリースノートには「Wallet migration flow improvements」と記載されています。

■ 移行する場所は、いま入っているアプリの中だけです

今回の告知は、移行の場所についても一段はっきりと書いています。日本語アカウントの @secondfi_jp も同日 22 時 45 分に日本語版を出しており、そちらでは次の表現になっています。

移行は、現在インストール済みの公式 SecondFi アプリを最新版にアップデートしたもの、または公式 SecondFi ブラウザ拡張機能から行ってください。移行専用の別アプリやウェブサイトは存在しません。新しいアプリをインストールする必要もありません。

これは読者側から見ると、判定基準として使えます。移行を名目に新しいアプリのインストールや、別サイトへの誘導を求めてくるものは、見た目がどれだけ整っていても移行ツールではありません。公式は 8 月 26 日の投稿で、Cardano ウォレットを装う偽アプリや偽拡張機能が公式アプリストア上にも出ていると述べており、更新版を入れるときも、ストアで既存の SecondFi を更新する形を取るのが安全です。

公式チャネルとして挙げられているのは、X の @secondfiapp と @secondfi_jp、および support.secondfi.io の 3 つです。今回の更新については、この 2 つの X アカウントの双方から告知が出ています。

■ 今月いちばん注意が要るのは、移行ツールではなく回収ツールです

ここが本記事でいちばん重要な点です。SecondFi は 9 月 1 日の投稿で、二つのツールをはっきり区別しています。

  • 移行ツール — 公式アプリと公式ブラウザ拡張ので動く。すでに稼働中
  • 資産回収ツール — 公式アプリので動く。未公開で、9 月中の提供予定

そのうえで公式は、回収ツールについてこう書いています。自動化された回収プロセスの一部としてシードフレーズの入力を求める場合がある。ただし入力してよいのは、公式チャネルから自分でたどり着いた検証済みポータル上の公式回収ツールの中だけであり、人・サポート担当・DM アカウント・第三者サイト・第三者アプリに渡してはならない、と。

つまり「公式アプリの外にあるツールがシードフレーズを求める」という形自体は、回収ツールに限っては公式の説明と矛盾しません。ここが厄介なところで、移行ツールについて成り立っていた「シードフレーズを聞かれたら詐欺」という単純な線引きが、回収ツールにはそのままの形では使えなくなります

実際、9 月 8 日には「公式の回収ツールが公開された。これは公式アプリの外で動く」と称して送金先アドレスを載せる投稿が X 上に出ていました。公式の表示名とプロフィール文をほぼそのまま複製したアカウントによるもので、この種のアカウントは短期間で現れては消えます。公式の言い回しをなぞられると、文面だけでは判別できません。

そこで、公式が 9 月 1 日に挙げている「絶対にやらないこと」のほうを基準にするのが確実です。SecondFi は、X・Telegram・Discord・WhatsApp などで自分から先に連絡することはない指定アドレスへの送金を求めることはない送られてきたリンクからアプリや拡張機能、リモートアクセスツールを入れるよう求めることはない。電話やビデオ通話をかけることもない。会話を非公開チャネルに移すよう求めることもない。これらに一つでも触れる接触は、どれだけ本物らしく見えても詐欺として扱ってよい、というのが公式の説明です。

そして回収ツールが公開されたときは、送られてきたリンクではなく、公式チャネルから自分でたどって入る。この一手間が、今月いちばん効きます。

■ 確認できていないこと

  • Android 版の状況 — 今回確認できたのは Apple の App Store 側のみです。Google Play 側のバージョンと更新日は確認できていません。Android の方は、ストアで SecondFi の更新が来ているかをご自身で確認してください
  • 6 月の流出被害を受けた方の扱い — 今回の投稿は移行ツールの話であり、資産回収ツールには触れていません。被害を受けた資産の預り金や報酬が今回の更新版の対象に含まれるかは、今回の告知からは読み取れません

■ 次に見るもの

  • 資産回収ツールの公開 — 公式は 9 月中の提供予定としています。公開時は、公式チャネル (@secondfiapp / @secondfi_jp / support.secondfi.io) から自分でたどって入り、リンクを踏まない
  • 回収ツールに関する注意事項の日本語化 — 移行ツールの告知は日本語でも出ましたが、シードフレーズの扱いを含む 9 月 1 日の「絶対にやらないこと」は、いまのところ英語の投稿にしかありません
  • 移行後の再委任 — 移行ツールはステーキングを自動的に解除し、DRep への委任も外れます。ガバナンスに参加し続ける場合は、新しいウォレットから改めて委任し直す必要があります

一次ソース / 関連リンク