Cardano 上で ADA に連動するトークン OADA を運営する Optim Finance は 9 月 13 日(日本時間 15 時 57 分)、OADA を扱っていた Splash のプールが悪用され、プールにあった OADA と ADA が攻撃者の手に渡ったと告知し、プロトコルを停止しました。同社によると、現在は OADA を ADA にスワップできず、OADA の流動性はどこにも残っていません。
OADA は、ADA へ直接償還する窓口を持たず、DEX 上の仕組みで ADA との連動を保つ設計でした。そのため今回は、1 つのプールの被害が交換の場の喪失にとどまらず、トークンの連動を支える足場の停止につながっています。ここでは、告知で確認できる事実、OADA や O の流動性を提供している人がいま確かめること、まだ明らかになっていないことを分けて整理します。
■ Optim Finance が告知したこと
告知は Optim Finance の公式 X アカウントから出されました。被害の範囲について、同社は次のように書いています。
The impact was isolated to OADA & ADA in the pool. Those funds are now in the hands of a hacker.
影響はそのプールの OADA と ADA に限られ、それらの資金は攻撃者の手にある、という説明です。ただし被害はそのプールだけで終わっていません。攻撃者は、OADA をさまざまなトークンと組み合わせていた流動性の場もすべて空にしており、Optim Finance はこれが現時点で唯一とみられる波及被害だとしています。
続けて同社は、プロトコルを停止し、流動性をすべて引き上げたと述べました。OADA から ADA へのスワップはプールの被害によって現在できず、OADA の流動性は存在しない状態です。被害の数量や、プールがどのような手順で悪用されたのかは、この告知には書かれていません。告知の末尾は「MORE INFO SOON」と、追加の情報を予告して結ばれています。
■ OADA の連動は、Splash 上の仕組みが支えていた
Optim Finance の公式ドキュメントによると、OADA は ADA に連動(ペッグ)するトークンで、それ自体は利回りを受け取りません。利回りを受け取るのは、OADA をステークした sOADA のほうです。sOADA は ADA に連動するトークンではなく、プロトコルが生む利回りを受け取る側として位置づけられています。
OADA の連動を保つ役割について、ドキュメントは Splash の DEX 上で動く AMO(アルゴリズムによる市場操作)が担うと説明し、OADA を ADA へ直接償還する仕組みはないと明記しています。利用者が OADA から ADA へ戻るには、DEX で交換するしかありません。
この設計を踏まえると、今回の告知の重さが見えてきます。償還窓口のある連動トークンなら、市場の場が荒れても発行元へ持ち込めば元の資産に戻れます。OADA ではその役割を DEX 上の場が引き受けていたため、場が失われたことは、交換の手段と連動の支えが同時に止まったことを意味します。
■ OADA や O の流動性を提供している場合に確かめること
Optim Finance が告知で利用者に求めていることは、次の 3 点です。
- OADA または O の流動性を提供しているなら、ただちに引き上げる
- OADA を ADA にスワップすることは、現在できない
- 攻撃者が大量の OADA を保有しているため、どのような形でも OADA の流動性を新たに提供しない
3 点目は、すでに起きた被害よりも、これから起きうる被害に向けた警告です。大量の OADA を持つ主体がいる状態で、OADA と別のトークンを組んだ場を誰かが新しく作れば、その場に OADA を持ち込まれ、相手側のトークンを引き出される経路になりえます。攻撃者が他の流動性の場まで空にしたという経緯は、この懸念が机上のものではないことを示しています。
一方で、影響の範囲を広く取りすぎる必要もありません。Optim Finance は影響を OADA とそのプールの ADA に限られるとしており、今回の件は Cardano のブロック生成や台帳の不具合として報告されたものではありません。ADA をウォレットで保有していることや、ステークプールへ委任していること自体が、この告知の対象になっているわけではありません。
■ 次に出てくる情報で見るもの
予告された追加情報が出たとき、確かめたい点は 4 つあります。
- 原因の所在:悪用されたのが Splash のプールの仕組みなのか、Optim Finance 側の AMO なのか、その組み合わせなのか。独立系メディアの CryptoTimes も、この点はまだ明らかにされていないと伝えています
- 被害の数量:どれだけの OADA と ADA が持ち出されたのか。公式は数量をまだ出していません
- sOADA 保有者の扱い:連動しない側の sOADA に、今回の損失がどう反映されるのか
- 停止の範囲:Optim Finance は、ADA のステーキングの権利を期間を区切って借りられる Liquidity Bonds も提供しています。今回の「プロトコルの停止」がどこまでを指すのかは、告知の文面からは読み取れません
CryptoTimes は、記事の掲載時点で Splash 側から対応する公式声明は出ていなかったと報じています。Optim Finance と Splash、両者の説明が出そろったところで、原因と責任の所在がはっきりします。
■ ことば
- OADA:Optim Finance が発行する、ADA に連動するトークンです。直接の償還窓口を持たず、Splash 上の仕組みで連動を保つ設計だったため、今回の被害で ADA への交換手段を失いました。
- AMO(アルゴリズムによる市場操作):プログラムが市場で売買や流動性の出し入れを行い、トークンの価格を目標に近づける仕組みです。OADA では、ADA との連動の維持をこの仕組みが担っていました。
- 流動性の提供:DEX のプールに 2 種類のトークンを預け、他の利用者の交換に使ってもらう行為です。片方のトークンを大量に持つ主体がいると、預けた相手側のトークンが引き出される危険があります。
一次ソース / 関連リンク
- Optim Finance 公式アカウントの告知(Splash のプール悪用・プロトコル停止・流動性の引き上げ要請、2026 年 9 月 13 日)
https://x.com/OptimFi/status/2099029810626593147 - Optim Finance 公式ドキュメント「OADA Overview」(OADA と sOADA・連動の仕組み・直接償還なし)
https://optim-finance.gitbook.io/optim-finance/oada/overview - Optim Finance 公式ドキュメント(Liquidity Bonds を含む製品の概要)
https://optim-finance.gitbook.io/optim-finance - CryptoTimes「Optim Finance Pauses OADA After Splash Pool Exploit Drains Cardano Liquidity」(2026 年 9 月 13 日)
https://www.cryptotimes.io/2026/09/13/optim-finance-pauses-oada-after-splash-pool-exploit-drains-cardano-liquidity/
