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Cardano の USDM、9月下旬の発行で比率2割超に

Cardano のブロックエクスプローラー Cexplorer は9月25日、Cardano 上のステーブルコインの時価総額が 6,700万ドル(約 2億6,262万 ADA)を超え、USDCx の比率が 7 割を下回る一方、USDM の比率が 2 割を超えたと投稿しました。オンチェーンの発行記録をたどると、USDM の流通量は 9月21日と23日の新規発行で 1 週間あまりのうちに約 490万枚増えています。

この半年、Cardano のステーブルコインの伸びを引っ張ってきたのは、2月に始まった USDCx でした。そこへ USDM がまとまった量を積み増し、構成比が動いた形です。数字の出どころを確かめながら、何が増え、それがどこで使われようとしているのかを整理します。

6,700万ドルの中身

Cexplorer の投稿は、総額が 6,700万ドルを超えたこと、USDCx の比率が 70% を下回り、USDM が 20% を上回ったことを伝えています。

別の集計元でも、おおむね同じ姿が確認できます。DeFiLlama のステーブルコイン集計では、9月26日時点で Cardano 上の合計は約 6,833万ドルで、そのうち USDC(Cardano 上では USDCx)が約 4,665万ドルです。USDM の現在の流通量は、Koios で確認できるオンチェーンの総供給量で 1,354万枚でした。

これらを合わせると、USDCx が全体の 7 割弱、USDM が 2 割強という構成になり、Cexplorer の投稿と整合します。残りの 1 割ほどを、USDA、DJED、iUSD などが分け合っています。なお、集計元によって USDM の計上値には差があり、DeFiLlama の USDM は 1,453万ドルと、オンチェーンの総供給量より大きく表示されています。

USDM は1週間で約490万枚増えた

USDM の発行と償還の記録を Koios でたどると、流通量は春から減り続けていました。3月下旬に約 1,693万枚だったものが、6月下旬には約 1,225万枚、8月下旬には約 950万枚、9月17日時点では約 863万枚まで細っています。

流れが変わったのは 9月21日です。この日に 200万枚、23日に約 282万枚がまとめて新規発行され、流通量は 9月26日時点で 1,354万枚に戻りました。USDM が 2 割を超えたのは、USDCx が減ったからではありません。DeFiLlama の USDCx は 9月19日以降、約 4,640万〜4,680万ドルの範囲でほぼ横ばいで、比率の変化は USDM の積み増しによるものです。

この追加発行を誰がどんな目的で行ったのかは、発行記録からは分かりません。USDM は発行体が法定通貨の準備に対して発行・償還する種類のステーブルコインで、まとまった発行は、その分のドルが Cardano 側へ持ち込まれたことを意味します。1 回きりの動きなのか、続くのかは、次の数週間の発行記録で見えてきます。

USDCx が半年で積み上げた土台

比率の話とは別に、全体の水準を押し上げてきたのは USDCx です。USDCx は、Circle の xReserve に預けられた USDC に 1 対 1 で裏づけられたドル建てステーブルコインで、Circle の発表によると 2月27日に Cardano で利用可能になりました。対応する取引所から USDC を直接 Cardano のウォレットへ送れる経路を持つのが特徴です。

DeFiLlama で Cardano 上の USDC の推移を見ると、3月末の約 1,733万ドルから、6月末に約 3,207万ドル、8月末に約 4,406万ドル、そして現在の約 4,665万ドルへと伸びています。同じ期間に Cardano 全体のステーブルコインは、6月末の約 5,651万ドルから約 6,833万ドルへ増えました。

Cardano のエコシステムは長く、DeFi に流れ込む「ドル」の薄さを課題にしてきました。規模としてはまだ小さいものの、Circle の裏づけを持つ USDCx が土台をつくり、Cardano ネイティブの USDM がそこに積み増される、という二本立ての形が見えてきたことになります。

使い道の側でも、2 つのドルが並び始めた

日本時間9月25日に発表された Project Catalyst の Pilot 2026 の採択 12 件には、この 2 つのステーブルコインを前提にした案件が複数並んでいます。

  • Pay(Cexplorer) — 事業者向けに、USDM と USDCx で請求書と決済リンクを発行し、支払いの確定を注文と結びつける仕組み
  • anyqr(SyncAI) — Cardano のウォレットの USDCx で、10 か国の店頭 QR コードに支払い、店側は現地通貨で受け取る仕組み
  • ATLAS(House of Titans) — USDM と USDCx を担保にした無期限先物の試験運用

今回の比率の変化を投稿した Cexplorer 自身が、決済の側でも USDM と USDCx の両方を扱う案件で採択されています。ステーブルコインの量が増えることと、それを使う場所が増えることが、同じ時期に進んでいます。

確認できる次の一点は、USDM の発行記録です。9月21日と23日のような大口の発行が続くかどうかは、Cexplorer や Koios で USDM のトークンページを見れば、日付と数量で確かめられます。10月中にもう一度同じ集計を見て、USDM の 2 割が定着するのか、USDCx がふたたび比率を戻すのかを確かめます。

ことば

  • USDCx — Circle の xReserve に預けられた USDC を裏づけに、Cardano 上で発行されるドル建てステーブルコインです。2月の開始以降、Cardano のステーブルコインの伸びの大半を担ってきました。
  • USDM — Moneta が Cardano ネイティブに発行する、法定通貨を準備とするドル建てステーブルコインです。今年は流通量が減っていましたが、9月下旬のまとまった発行で比率が 2 割を超えました。
  • xReserve — Circle が提供する、USDC を預かって別のチェーン上の対応トークンの発行を裏づける仕組みです。ブリッジを経由せずに USDC を各チェーンへ持ち込む経路として使われています。

一次ソース / 関連リンク

流通量・時価総額は、日本時間 2026年9月26日に DeFiLlama と Koios のデータで確認した値です。