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RealFi 利用前の Q&A、ウォレット・償還・利用条件

2026-09-27SIPO #RealFi

RealFi は 9 月 23 日、自社の dApp を 10 月 1 日に Cardano で稼働させると告知しました。この記事では、RealFi の公式ドキュメントの FAQ と、8 月 4 日に改定された利用規約(Terms of Service)をもとに、使い始める前に出てくる 7 つの問い — ウォレット、償還、利用できる人、手数料、テストネットの残高、リスク、揉めたときの扱い — に答えていきます。

RealFi の仕組みそのものは 入門編、USDrf と sUSDrf の違いは トークン編、R-Points は ポイント編 で扱いました。本稿は、その手前にある実務の確認に絞ります。公式資料にもとづく解説で、SIPO が操作して確かめた記録ではありません。

Q1. どのウォレットで使えるか

公式 FAQ は、開始時に対応するウォレットとして Lace、Eternl、Trezor、Ledger の 4 つを挙げ、「今後さらに追加する」としています。Trezor と Ledger はハードウェアウォレットなので、鍵を専用の端末に置いたまま使う選択肢が最初から用意されていることになります。Lace については、9 月 24 日に RealFi との連携が予告されています(Lace 連携の予告を扱った記事)。

利用規約は、ウォレットの位置づけも定めています。ウォレットは第三者の製品で、RealFi が運営したり提携したりするものではない、という整理です。RealFi は利用者の秘密鍵やシードフレーズを持たず、知りうる立場にもなく、資産の管理は常に利用者の手元にあるとされています。裏返せば、鍵の管理と、自分の鍵で署名した取引の責任は、利用者の側にあります。

Q2. USDrf は、どうやって戻せるか

ここは利用者の区分で答えが分かれます。FAQ によれば、USDrf を発行体に直接戻す(償還する)ことができるのは、ホワイトリストに登録された機関投資家だけです。直接の発行・償還の窓口を使い、人の承認を経る先着順の待ち行列で処理されます。準備資産の流動性を守るため、1 日あたり・1 か月あたりの上限もかかり、償還にかかる時間は待ち行列の位置と準備資産の構成しだいで、特定の期間内に終わることは保証されていません。利用規約も、直接の発行と償還には機関向けの発行契約(USDrf Institutional Minting Agreement)への同意が必要だと書いています。

個人の利用者が USDrf から抜けるときは、対応する分散型取引所(DEX)で売ることになります。FAQ は、その売り先の流動性があるか、どれだけ厚いか、いくらで売れるかをプロトコルは保証しないと明記しています。個人が抜けるときの価格は、USDrf が目標とする 1 ドルと異なる場合があります。個人にとって、1 ドル建てであることと 1 ドルで戻せることは同じ意味ではありません。

Q3. 誰が使えるか

利用規約の条件は、18 歳以上であること、そして制裁対象者などの禁止対象者でないことです。さらに、特定の法域の市民・居住者・法人には提供しないとしており、その一覧には米国、EU、英国、香港のほか、ロシア、ベネズエラ、ミャンマーなどが並び、EU を一つと数えて 29 の国・地域になります。一覧は RealFi の判断でいつでも更新できるとされています。

ドキュメントの「法域別の利用資格」のページは、米国、EU・EEA、英国、香港、包括的な制裁の対象となる法域に加えて、利用が違法になる、あるいは RealFi が持っていない登録や免許を必要とする法域でも提供しないと書いています。sUSDrf には別の条件があり、個人向けの社債の募集を制限している法域では、適格投資家や機関投資家などに限って提供されます。例として、シンガポールの証券先物法による区分が挙げられています。

日本はどちらの一覧にも名前がありません。ただし、名前がないことは、日本から使えることの保証にはなりません。自分の法域の法令を守る責任は利用者にあると明記され、RealFi は地域による接続制限をかけ、VPN などでそれを回避してはならないとしています。マネーロンダリング対策などのために本人確認(KYC / KYB)を求められる場合がある、とも書かれています。

Q4. 手数料と税金はどうなるか

利用規約によれば、RealFi は現時点でサービスの手数料を取っていません。それでも、取引にはブロックチェーンのネットワーク手数料、プロトコル自体の手数料(ある場合)、連携先のプロトコルやウォレットの手数料がかかりえます。取引は返金されず、将来サービスに手数料を課す権利も留保されています。税金は、利用に関わるものすべてが利用者の責任です。

Q5. テストネットの残高は、メインネットに持ち越せるか

利用規約の答えは明確です。テスト環境のトークン・残高・報酬には金銭的・経済的な価値がなく、償還もできず、予告なく変更・停止・リセット・削除されることがあります。発行・償還・報酬の規定が効くのは本番のネットワークだけです。テストネットで積み上がった数字は、メインネットの資産にはなりません。

R-Points も同じ整理で、金銭的な価値はなく、譲渡や売買もできず、利用者の財産ではないとされています。詳しい条件はポイント編にまとめています。

Q6. どんなリスクがあるか

公式ドキュメントは、利用にともなうリスクとして次の 7 つを挙げています。

  • スマートコントラクトのリスク:コードに未発見の脆弱性があり、資金を失う可能性
  • ペッグのリスク:市場のストレスや裁定の失敗で、USDrf が目標の価値から外れる可能性
  • 準備資産のリスク:裏づけの資産の成績が落ちる、あるいは債務不履行が起きて sUSDrf の価値が下がる可能性
  • 規制のリスク:将来の規制で、ある法域での運営やトークンの法的な分類が変わる可能性
  • 流動性のリスク:償還の待ち行列、市場の流動性、サーキットブレーカーの作動で、すぐに抜けられない可能性
  • 取引相手のリスク:サービス提供者、カストディアン、裏づけの資産の借り手が義務を果たさない可能性
  • 技術のリスク:Cardano を含む基盤が停止や障害を起こす可能性

加えて、損失は sUSDrf の保有者が USDrf の保有者より先に引き受けること、USDrf も sUSDrf も銀行預金ではなく保険の対象でもないこと、元本が失われうることが明記されています。Q2 の償還の条件と合わせて読むと、個人にとって流動性のリスクは、DEX で売れる値段の形で現れると理解しておくのが実務的です。

Q7. 揉めたとき、どこで解決するか

利用規約の準拠法は英領ヴァージン諸島(BVI)の法律です。当事者間の話し合いで解決しない紛争は、英語で、BVI 国際仲裁センターの規則にもとづく単独仲裁人の仲裁で最終的に解決するとされ、手続きは個人単位で行われ、集団での仲裁や集団訴訟は放棄する形になっています。日本の裁判所で争う前提にはなっていない点は、使う前に知っておきたいところです。

10 月 1 日に確かめ直すところ

SIPO は、RealFi のアルファ・アンバサダー(Alpha Ambassador Programme)として、RealFi SPO アクセラレータープログラムに参加しています(告知記事)。そのうえで、上の答えはすべて本日時点の公式資料の記述で、メインネットの開始とともに変わりうるものです。

RealFi が dApp の稼働を告知している 10 月 1 日には、公式ドキュメントの 3 か所を開き直すことをおすすめします。一つは利用規約のページの改定日(いまは 8 月 4 日)、二つめは法域別の利用資格のページの一覧、三つめは対応ウォレットの FAQ です。改定日が動いていれば、Q3 から Q7 の答えを読み直す合図になります。

ことば

  • USDrf と sUSDrf — USDrf は米ドル建てのステーブルコイン、sUSDrf はそれを預けて受け取る利回りつきの受取証です。償還の窓口も、提供される地域の条件も、二つで別々に定められています。
  • 償還の待ち行列と上限 — 機関投資家が USDrf を発行体に戻すときの手順。人の承認と先着順で処理され、1 日・1 か月の上限がかかるため、戻せる時期は約束されていません。
  • 制限法域 — RealFi がサービスを提供しない国・地域。利用規約とドキュメントの双方に一覧があり、RealFi の判断で更新されます。一覧にないことは、利用できることの保証ではありません。

一次ソース / 関連リンク

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