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Ledger、CryptoBilis 経由の端末に不正な植込みを確認

2026-10-11SIPO

ハードウェアウォレットの Ledger は日本時間 10 月 11 日未明、東南アジアの販売店 CryptoBilis から製品を買った利用者の資金流出を調べるなかで、影響を受けた利用者の端末 1 台に不正なハードウェアの植込み(インプラント)が見つかったと公式サポートの X で明らかにしました。Ledger は前日に同店へ販売と出荷の停止を求めており、CryptoBilis は調査が終わるまでハードウェアウォレットの全在庫の販売を止めたとしています。

ADA を Ledger で保管している方も多いはずです。Ledger は自社のシステムが破られた兆候はないとしており、調査は特定の販売店を通った端末に絞られています。どこで買った端末かによって取るべき行動が変わるので、2 回の告知の中身と、Cardano の利用者が確かめておきたい点を整理します。

10 月 9 日と 10 日、2 回の告知

最初の告知は日本時間 10 月 9 日 22 時半ごろに出ました。Ledger は、CryptoBilis という販売店から製品を買った東南アジアの利用者から資金流出の報告を受けて調査していると公表し、予防措置として、調査結果が出るまで同店に Ledger 端末の販売と出荷をすべて止めるよう求めたと書いています。あわせて、直近 90 日にこの販売店から買った人に向けて、まだ設定を始めていなければ始めないこと、設定済みなら新しいシードの新しい Ledger 端末へ資産を移すことを検討するよう呼びかけました。

2 回目は「状況の更新」として、日本時間 10 月 11 日 2 時ごろに出ています。要点は次のとおりです。

  • 影響を受けた利用者の端末の 1 台に、許可されていないハードウェアの植込みがあったことを確認した
  • 調査の一環として、影響を受けた利用者に連絡を取っている
  • CryptoBilis は、調査が終わるまでハードウェアウォレットの全在庫の販売を止めたと Ledger に確認した
  • 関係当局と協力して加害者の特定を進めており、セキュリティの緊急対応チーム SEAL 911 の協力に謝意を示した
  • Ledger のセキュリティ基盤、システム、サービスが侵害された兆候はない
  • 改ざんを防ぐ仕組みのさらなる強化に取り組んでいる

被害額については、オンチェーンの追跡にもとづく複数の推計が報じられていますが、Ledger 自身は金額も、影響を受けた人数も示していません。植込みがどの段階で、どのような仕組みで行われたのかも、現時点で公表されていません。

「新しい端末と新しいシード」を勧める意味

ハードウェアウォレットの安全は、リカバリーフレーズ(24 語のシード)が端末の中で生まれ、外に出ないことを前提にしています。端末そのものに手が加えられていれば、この前提は買った時点で崩れています。

Ledger の呼びかけが、同じ端末でシードを作り直すことではなく、新しい端末と新しいシードへの移行になっているのはこのためです。改ざんされたおそれのある端末で作った新しいシードには、同じ疑いが残ります。まだ設定していない端末を使わないよう求めているのも、設定の時点でシードが生まれるからです。

Cardano の利用者が確かめたいこと

まず確かめるのは購入元です。Ledger の案内の対象は、直近 90 日に CryptoBilis から買った端末です。Ledger の公式ストアなど、別の経路で買った端末について、Ledger は今回の案内を出していません。

該当する場合に ADA を新しいウォレットへ移すときは、Cardano ならではの手順が加わります。新しいシードからはステークキーも新しく作られるため、ステーキングの委任先プールと DRep(委任代表者)への委任は、移した先のウォレットであらためて設定し直す必要があります。古いウォレットの報酬アカウントに未引き出しの報酬が残っていれば、それも忘れずに移します。

もう一つは、便乗した詐欺への備えです。Ledger 自身が、こうした事案に詐欺師がつけ込もうとすると注意を促し、Ledger が 24 語のリカバリーフレーズを尋ねることは決してないと書いています。問い合わせは Ledger の公式サポート(support.ledger.com)からに限るよう求めています。

次の更新で分かること

確認できる次の一点は、Ledger の公式サポートの X(@Ledger_Support)と support.ledger.com で出る次の更新です。植込みの仕組み、影響を受けた端末の範囲、対象期間を 90 日から変えるかどうかが示されれば、該当するかどうかをより正確に判断できます。CryptoBilis の販売再開も、調査の区切りを示す目安になります。

ことば

  • リカバリーフレーズ — ウォレットの秘密鍵を復元するための単語の並び(Ledger は 24 語)。これを知る人は誰でも資産を動かせるため、今回 Ledger は、端末だけでなくフレーズごと新しくするよう勧めています。
  • ステークキー — Cardano で、どのプールと DRep に委任するかと、ステーキング報酬の受け取りを管理する鍵。シードを変えるとこの鍵も変わるので、委任の設定をやり直すことになります。
  • SEAL 911 — 暗号資産の分野で、ハッキングや流出の被害に対応するホワイトハッカーの緊急窓口。Ledger は今回の調査で協力を受けたと明らかにしています。

一次ソース / 関連リンク

Ledger 公式サポート(support.ledger.com)