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OpenZeppelin 国庫提案、公開討議を前に反対票が先行

2026-09-15SIPO

Cardano の公式アカウント @Cardano は、OpenZeppelin に 11,787,063 ADA を支出する国庫提案を取り上げる「Cardano Governance Hours #10」を、日本時間 9 月 16 日 1 時から 30 分間開くと告知しました。投票が始まって 1 週間、DRep(委任代表者)の票は投票済み反対が 13.04%、賛成が 0.88% で、提案者が公開の場で説明するのは反対が先行している状況のなかでのことになります。

初期報: Cardano Governance Hours #10、OpenZeppelin資金引き出し提案を議論

セッションには OpenZeppelin の Relationship Manager、Arturo Beccar-Varela 氏が参加します。提案の中身と支払いの仕組みは、投票開始時の記事「OpenZeppelin への 1,178 万 ADA 国庫提案、投票開始」で整理しました。今回はその後の 1 週間に積まれた票と、反対票に添えられた理由を読みます。自分の委任先の DRep がこの提案にどう投票し、理由を公開しているかを確かめるには、ちょうどよい時期です。

■ 1 週間で積まれた票

日本時間 9 月 15 日 9 時 18 分時点の集計は次のとおりです。

  • DRep の賛成は 0.88%(6 票)。可決に必要な水準は 67% です
  • 投票済みの反対は 13.04%(17 票)
  • 常時不信任の設定によるものが 2.65%
  • まだ投票していない分が 83.43%
  • 憲法委員会は賛成 1、反対 0、未投票 6

9 月 10 日の時点では賛成 0.0%、投票済み反対 0.48%(3 票)でした。未投票の分は 96.84% から 83.43% へ減り、その減った分の大半が反対に回っています。

賛成率は未投票の分も分母に含めて計算されるため、参加しない DRep が多いほど 67% は遠くなります。いまの数字は、票を投じた DRep の多くが反対を選んでいる、という事実を示しています。

提案の登録は日本時間 9 月 9 日の未明で、期限はエポック 661、10 月中旬です。現在はエポック 655 にあたるので、残りはおよそ 1 か月です。この種別は国庫支出なので、ブロック生産者(SPO)は投票の対象になりません。

■ 反対票に添えられた理由

反対 17 票のうち 11 票には理由の文書が添えられていました。このうち取得できた 7 件を読むと、論点はおおむね三つに分かれます。なお、7 件の多くは「開発者向けの基盤を強くするという方向性は支持する」と前置きしています。提案の目的そのものより、進め方と規模に向けられた反対です。

一つ目は、既存の取り組みとの重複です。複数の DRep が、Input Output の contracts-library リポジトリや、Cardano Foundation が進める CIP-113 関連の実装を挙げ、「既存の取り組みでは何が足りないのかを分析してほしい」「単独で作るより、既存のチームと協力してほしい」と書いています。すでに資金を得ている開発者体験向けの提案と重なる、という指摘もありました。

二つ目は、国庫に返ってくるものがない点です。予算は納品分と管理手数料だけで構成され、収益の分配や返済の仕組みはありません。ある DRep は、作られるライブラリが OpenZeppelin の他チェーンでの主力製品と同種であることを挙げたうえで、第 3 マイルストーンの受入基準のうち Cardano 側の利用を問う項目が「独立した Cardano 開発者 1 名以上がライブラリをレビューし、書面で意見を出すこと」だけだと指摘しています。この文言は提案書の受入基準の表にそのまま書かれています。

三つ目は、規模です。国庫への支出要求が続くなかで 1,179 万 ADA は大きい、範囲を絞った版なら改めて検討する、という理由です。

■ 提案書に書かれていること、書かれていないこと

提案書の本文を読み直すと、反対理由のいくつかにはすでに答えがあります。支払いは契約署名時の 20% を除いて四つのマイルストーンに分けられ、各回とも OpenZeppelin が公開可能な証拠を添えて受入フォームを出し、Intersect の納品保証部門が承認して初めて払われます。契約満了時に残った資金は国庫へ自動的に戻ります。

提案書には、投票結果についての姿勢も書かれています。OpenZeppelin の Cardano への関与はこの投票の結果に左右されず、否決された場合は出された懸念について関係者と話し合い、内容を見直して再提出する、という一文です。あわせて、この提案は Intersect が後援・推奨するものではなく、Intersect は管理サービスの要件を満たした提案として、可決されれば管理者を務める立場だと明記されています。

一方で、反対理由の中心である「既存のライブラリとの違い」を比べた節は、提案書にはありません。Input Output、Cardano Foundation、Intersect と協力すると書かれているだけです。対象とするスマートコントラクト言語も、初期の評価フェーズで決めるとされたままです。

■ セッションの 30 分が分けるもの

今回のセッションで、既存の取り組みとの役割分担が具体的に説明されれば、様子を見ていた DRep が票を投じるきっかけになります。未投票はまだ 8 割を超えており、票の並びが変わる余地は大きく残っています。

反対に、差分の説明が出ないまま時間が過ぎれば、反対票が積み上がり、提案書が自ら書いている「見直して再提出」の道に進む可能性が高くなります。その場合でも、今回反対した DRep の多くが方向性を支持していることは、次の提案の設計にそのまま使える材料です。セッションの後、反対を投じた DRep が理由を更新するかどうかにも注目しています。

■ ことば

  • Cardano Governance Hours — @Cardano が開く公開セッションのシリーズです。7 月の #9 では Daedalus ウォレット保守の国庫提案を取り上げており、国庫提案をひとつずつ関係者と掘り下げる形で回を重ねています。
  • 常時不信任(AlwaysNoConfidence) — ADA 保有者が委任先として選べる既定の設定の一つです。国庫支出の提案では反対側に数えられるため、gov.tools の「No」表示には投票済み反対とこの分が合算されています。
  • 納品保証(Intersect Delivery Assurance) — Intersect の中で、マイルストーンごとの成果物が受入基準を満たしているかを検証する部門です。この承認がないと支払いが実行されない仕組みで、反対理由の「成果の担保」に対する提案側の答えにあたります。

一次ソース / 関連リンク

※ 票数と比率は AdaStat を主・Koios を照合として、日本時間 9 月 15 日 9 時 18 分に取得したものです。締切前のライブ投票のため、閲覧時点の数値とは異なります。