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Midnight の9月報告、開発スプリント上位3作は請求書アプリ

2026-10-06SIPO #Midnight

Midnight の日本向け公式コミュニティアカウント(@midnight_jpn)が 10 月 5 日、9 月のエコシステムレポートを日本語で案内しました。元になった公式ブログの月次報告「State of the Network」9 月版は、メインネットでの審査なしのコントラクト配備を筆頭に、ウォレット、クラウド、パートナー、開発者向けの催しの動きを並べています。

配備の開放そのものは 10 月 2 日の記事で詳しく扱いました。この記事では、同じ報告の後半に並んだ動きを読みます。並べてみると、開発スプリントの上位 3 作がそろって請求書のアプリだったことをはじめ、Midnight の最初の使い道として、金額や取引相手を伏せたまま支払いだけを確かめられる業務が見えてきます。

10 月 2 日の記事: Midnight メインネット、コントラクト配備が審査なしで可能に(2026年10月2日)

報告の筆頭は、配備の開放

報告は、3 月のメインネット稼働後の最初の段階を、安定と安全を優先した期間と位置づけています。そのうえで「計画どおり、次の成長段階であるパーミッションレスなスマートコントラクト配備へ移る」と書き、アプリが利用者に代わってコントラクトを配備できるようになったことで、利用者の受け入れが簡単になると説明しています。

配備の門が外れたことで、次に問われるのは、誰が何をどの入口から作るかです。報告の残りの部分は、その入口がどれだけ用意されているかの一覧として読めます。

開発者と利用者の入口: Google Cloud と Gero Wallet

Google Cloud は、Web3 向けのポータルの中に Midnight の専用ページと、テストネット用の NIGHT を受け取れる配布所(フォーセット)を設けました。開発者が試験用のトークンを手に入れる手順が、大手のクラウドの画面の中で完結する形です。

ウォレットでは、Gero Wallet が 9 月 16 日に 2.7.1 を公開しました。GitHub のリリースノートは、この版で Gero が「Midnight の dApp に完全に対応したウォレット」になったと書いています。秘匿した残高(シールド残高)が試験ネットワークだけでなくメインネットでも使えるようになり、dApp の取引の証明・手数料の支払い・送信を利用者に代わって行う接続の仕組みも加わりました。

手数料の側では、Ura Labs が 9 月 8 日に試験環境の Preprod で Relay Club を始めています。アプリの DUST 手数料を API 経由で肩代わりし、利用者が DUST を持たなくても使えるようにする試験で、報告によるとテストの NFT の発行までを終え、開発者向けの組み込み手順を詰めている段階です。

パートナー: OpenZeppelin は S&P Global の傘下へ

報告はパートナーの項で、Midnight の言語 Compact 向けにスマートコントラクトのライブラリとアプリの雛形を作っている OpenZeppelin が、S&P Global による買収に合意したことを取り上げています。S&P Global の 9 月 17 日の発表によると、OpenZeppelin は格付け部門の S&P Global Ratings に加わり、OpenZeppelin の名前のまま独立した事業部門として運営を続けます。買収額は公表されていません。

スマートコントラクトの部品とセキュリティを手がける会社が、格付けの会社の中に入るということになります。Cardano 側では、Intersect が管理する OpenZeppelin の開発スタックに国庫から 11,787,063 ADA を引き出す提案が投票にかかっています。SIPO は DRep として 9 月 25 日に反対票を投じ、理由と賛成に転じる条件を公開しました。Midnight では部品の作り手として、Cardano では財源の使い道として、同じ会社の名前が出てきていることになります。

ほかに、AI の作業の流れを扱う OODA AI が、Base チェーンでの証明と並べて Midnight のセキュリティ機能を自社の実行基盤に組み込んだことも報告に並んでいます。

開発者の催し: 上位 3 作はすべて請求書

VIA Labs のクロスチェーン開発スプリントには 37 人が参加し、Cardano から Midnight への USDM(ドル建てのステーブルコイン)の送金が 12 件、決済アプリが 5 本完成しました。報告が紹介する上位 3 作は次のとおりです。

  • 1 位 Midnight Private Invoices: 請求書をコミットメント(中身を伏せた約束の印)だけの形でチェーンに置き、ゼロ知識証明で決済する
  • 2 位 Privoice: 改ざんがあれば分かる形で、請求書の決済を記録する
  • 3 位 USDM Invoice Relay: Compact のスマートコントラクトで、請求額ちょうどの支払いを受け取る

1 位と 2 位のリポジトリの説明文は、どちらも「金額と取引相手は伏せ、決済は公開で確かめられる」という同じ形を掲げています。企業どうしの請求と支払いは、取引先や金額を競合に見せたくない一方で、払ったかどうかは確かめたい、という場面の代表です。必要なことだけを証明するという Midnight の設計が最初に形になる場所として、開発者が自然に請求書を選んだことは、この先のアプリの方向を考える手がかりになります。

韓国では、4 週間のオンラインのハッカソン Midnight Korea Hackathon 2026 が開かれ、賞金総額は 6,000 ドルでした。報告の時点で応募は 9 月 28 日に締め切り、受賞作は 9 月 29 日に発表する予定とされていました。

報告にはこのほか、Nightforce のアンバサダーが Preprod に出したトークンのローンチパッド Noctis Zone も載っています。販売開始から 24 時間の購入データを伏せて自動売買のボットを防ぐ仕組みで、SIPO では 9 月 23 日に扱いました。

東京で、作り手の話を聞ける日

報告そのものは日本の予定に触れていませんが、日本の読者にとっての次の機会は近くにあります。10 月 10 日には東京・白金台の八芳園で「Midnight City: Tokyo」が開かれ、チャールズ・ホスキンソン氏と Midnight City のチームが登壇します。配備が開いた直後のこの時期に、どんなアプリが手前にあるのかを作り手に直接尋ねられる場です。

次の手がかりは、10 月版の State of the Network です。今回の報告で Preprod にあった Relay Club や Noctis Zone、スプリントの請求書アプリが、メインネットの配備として報告に並ぶかどうか。配備の開放がどれだけ早く実際のアプリにつながったかは、その一覧で確かめられます。

ことば

  • State of the Network — Midnight の公式ブログが毎月出している活動報告。ネットワークの節目、アプリ、パートナー、開発者向けの催し、リリースをまとめており、日本語版はコミュニティアカウントが案内しています。
  • DUST — Midnight で手数料に使う資源で、NIGHT を持つと生まれます。他人の手数料を肩代わりできる設計のため、Relay Club のようにアプリが利用者の分を払う仕組みづくりが進んでいます。
  • コミットメント — データの中身を見せずに、その中身を後から変えていないことだけを示す印。請求書アプリでは、金額や相手を伏せたまま支払いと請求の対応を証明するのに使われています。

一次ソース / 関連リンク

Midnight 公式ブログ「State of the Network – September 2026」(midnight.network)

S&P Global: OpenZeppelin の買収合意の発表(2026年9月17日)(investor.spglobal.com)

Google Cloud: Midnight テストネットの NIGHT 配布所(Google Cloud Web3 Portal)

Privoice(GitHub)(GitHub)

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