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Dijkstra の後、SPO は BLS 鍵を登録します——Amaru はメインネットのブロック生成を 11 月に置きました

2026-08-15SIPO

Intersect の週次更新 第 124 号(2026 年 8 月 14 日付)が公開されました。冒頭の要約では、Dijkstra の計画がハードフォーク作業部会のもとで進んでいること、DRep と SPO の票を必要とするオンチェーンのアクションが 2 件続いていることが挙げられています。今回の更新で目を引くのは、そこから一段先の記述です。Dijkstra のあと Leios がブートストラップ期に入り、そのあいだにステークプールが BLS 鍵を登録する、と書かれています。SIPO はこれまで Dijkstra について「範囲が決まる」「土台の実装が入る」という段階を追ってきました。今回は、決まったものがプール運営者の手元の作業として現れる最初の記述です。あわせて、別実装のノードがメインネットでブロックを作る時期も具体的な月として置かれました。順に見ていきます。

初期報: Dijkstra進捗、CAP稼働、MLabs3プロジェクト完了

■ Dijkstra の後、SPO の手元に作業が 1 つ増えます

更新はハードフォークの計画について、範囲と日程を維持していると書いています。焦点はエコシステム全体の日程づくり、影響の評価、準備状況を測る指標の整備、そして代替ノードチームが変更点を検討できる状態をつくることに移っている、という整理です。そのうえで、Dijkstra に続いて Leios がブートストラップ期に入り、そのあいだにステークプールが BLS 鍵を登録すると述べています。

この鍵が何であるかは、Leios の仕様である CIP-0164(Ouroboros Linear Leios)に書かれています。仕様は、Leios の投票参加者およびブロック生成ノードとして参加するために、プール運営者は既存の VRF 鍵・KES 鍵に加えて、投票方式のための暗号鍵をもう 1 本登録する必要があると規定しています。鍵は BLS12-381 という楕円曲線上のもので、委員会に選ばれたノードがエンドーサーブロックへ投票し、その署名をまとめて 1 本に集約するために使われます。証明書は「誰が署名したか」を示すビット列と、集約された署名 1 つで構成される、という書き方です。

署名を 1 本に畳めることが要点です。多数の投票をそのまま運ぶのではなく、集約した形で持ち回れるからこそ、スループットを上げる設計が成り立ちます。プール運営者から見れば、鍵の登録は KES 鍵の更新と同じく運用作業の側にある話です。ただし CIP-0164 はまだ Proposed の段階で、ブートストラップ期の移行手順そのものは仕様の中に細かく書かれていません。いつ、どの手順で登録するのかは、これから示される準備情報を待つ部分になります。

■ 11 月に、もう 1 つのノードがブロックを作りにきます

同じ節で、Amaru の状況が報告されています。更新によれば、Amaru のノードは現在リレーとして動作し、検証を行い、チェーンの先端まで同期しています。そのうえで、メインネットでブロックを生成することを 2026 年 11 月に目標として置いている、と書かれています。テストと再現性を高めるために Antithesis と協働したことも触れられています。

Amaru は PRAGMA が開発している、Rust で書かれた Cardano のノードクライアントです。リポジトリでは「完全にオープンソースなノードクライアント」と説明されています。ブロックを作る実装が増えるということは、ネットワークがどれか 1 つの実装の挙動だけに依存しなくなるということです。更新の中で Intersect が「代替ノードチーム」という言い方をし、ハードフォーク作業部会への参加を呼びかけているのは、その方向の作業にあたります。作業部会は毎週火曜 15:00 UTC に開かれ、予定は公開カレンダーで確認できます。

あわせて、Dijkstra の準備状況を追跡する仕組みが用意されたことも書かれています。基準を精緻化し、テストネットからの報告を含める予定で、コミュニティ側のチームにも準備状況の報告により強く責任を持ってほしい、という書き方です。11 月という月は目標として置かれたものです。その手前の進み方は、この追跡の仕組みを通して見えるようになります。

■ 委員会が欠けると、通せる議題が 2 種類だけになります

ガバナンスの節では、憲法委員会の入れ替えについて、これまで表に出ていなかった条件が示されています。2026 年の選挙は Hydra Voting で終了し、入れ替えのアクションは 7 月 31 日にオンチェーンへ提出されました。このアクションには DRep と SPO の票が必要で、憲法委員会は棄権します。期限は 9 月 1 日、エポック 653 です。

更新はここで、既存の任期が終わる前にこのアクションが成立しなかった場合に何が起きるかを書いています。委員会は 7 名から 3 名に減り、必須とされる最低人数の 5 名を下回ります。その状態ではガバナンスが滞り、Info Action と、委員会を更新するアクションだけしか通せなくなる、という説明です。復旧するまでその状態が続くとされています。

もう 1 件、同じエポック 653 を期限とする minPoolCost の提案については、8 月 15 日 9 時 19 分(日本時間)に取得した集計で、DRep の賛成が 32.43%(68 票)でした。可決の基準は 67% です。投票済みの反対は 0.89%(8 票)、AlwaysNoConfidence が 3.92%、未投票が 62.76% です。ここでの賛成率は、棄権を分母から除き未投票を含む可決計算に対する割合で、未投票は反対ではありません。前日までの推移は minPoolCost の DRep 賛成が 22.8% へ、未投票は 73% で扱っています。

実務の側では、更新が SPO 向けに Cardano Developer Portal の手引きを案内しています。2 件の SPO 投票を同時に済ませれば、コールドキーに触れる回数を 1 回に減らせる、という書き方です。鍵を保管庫から出す作業を伴う運用者にとっては、この点は日程の組み方に直接効きます。

■ 憲法の入口と、運用の土台が同じ週に動いています

憲法改正提案ポータル(CAP)は Rare Evo で公開され、アルファ試験の段階に入りました。更新の時点で 4 件が提出されており、内訳は憲法改正提案(CAP)が 3 件、憲法に関する課題提起(CIS)が 1 件です。ポータルは Civics Committee が運営し、ada の保有者であれば誰でも利用できるとされています。憲法改正の検討を行う作業部会は、毎週木曜 09:00 UTC に集まってフィードバックを受け付けています。Dijkstra に伴う憲法の改正も、この入口を通る手順が定められた、と更新は書いています。

同じ週には、Intersect の予算執行の側で MLabs の 3 件のプロジェクトが完了しました。Cardano.nix、Plutarch、そして楕円曲線まわりのツール整備に向けた研究の 3 件で、それぞれ完了報告が提出されています。このうち Cardano.nix の最終回の依存更新は、ノードを運用している側にそのまま効く内容です。cardano-node が 10.7.1 から 11.0.1 へ、cardano-db-sync が 13.7.0.1 から 13.7.2.1 へ、Ogmios が 6.14.0 から 7.0.0 へ、Blockfrost が 6.4.0 から 6.7.0 へ更新され、土台となる nixpkgs は安定版の 26.05 に固定されました。監視まわりの互換性調整も含まれ、CI は通過しています。

■ 次に見るもの

【1】BLS 鍵の登録手順が、どこで案内されるか。CIP-0164 は鍵の役割を定めていますが、登録の段取りは別に示される必要があります。Dijkstra の準備状況を追う仕組みに載るかどうかが最初の手がかりです。

【2】Amaru の 11 月。現在はリレーとして同期している段階で、ブロックを生成するのはこれからです。準備状況の報告とテストネットからの報告で、その手前の進み方を追えます。

【3】委員会の入れ替えアクションの票。期限はエポック 653 で、DRep と SPO の両方が必要です。不成立の場合に委員会が 5 名を下回るという条件が示された以上、残りのエポックでの動き方が論点になります。

Dijkstra は、これまで「いつ・何が入るか」の話として語られてきました。今週の更新は、そのあとにプール運営者の手元で何が起きるかを、はじめて具体的な作業として書いています。鍵を 1 本増やすこと、そして別実装のノードが同じネットワークでブロックを作りはじめること。どちらも、運用する側から見れば準備の対象です。


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