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minPoolCost の期限まで 5 エポック、DRep 投票権の 8 割が未投票です——Dijkstra 第 1 段のスコープは確定しました

2026-08-09SIPO

Intersect が週次アップデート #123 を公開しました。オンチェーンで投票中のガバナンスアクション 2 件について、SPO と DRep の双方に参加を呼びかける内容です。あわせて、Dijkstra era 第 1 段のハードフォーク範囲が確定したこと、憲法修正ポータルに最初の 4 件が入ったこと、定款の改訂版が発効したことが報告されています。ここで効いてくるのは「期限のある投票」と「期限のない準備」が同じ週に並んでいることです。前者は残り時間が減っていく話で、後者はノード運用の計画が立てられるようになる話です。順に見ていきます。

初期報: Intersect、ガバナンスアクション2件が実施中、CAP Portalが協議開始

■ 期限はエポック 653、DRep 側は投票権の 8 割が動いていません

投票中の 2 件は次のとおりです。

  • Reduce minPoolCost to 75 ada and increase Plutus Memory Limits (Part 2) — プール運営の固定手数料(minPoolCost)の下限を 170 ada から 75 ada へ引き下げ、Plutus の実行メモリ上限の引き上げを当初計画の 25% まで完了させるパラメータ変更です。
  • Update Constitutional Committee 2026 — エポック 653 で任期が切れる憲法委員会の 4 議席に、2026 年の選挙で選ばれた候補者を着任させる提案です。新しい任期はエポック 799 までとされています。

Intersect は前者について、次のように書いています。

As it includes parameters within the Network group, it requires approval from both DReps and stake pool operators: 67% of active DRep voting stake, 51% of active SPO voting stake.
(Network グループのパラメータを含むため、DRep とプール運営者の双方の承認を必要とします。アクティブな DRep 投票権の 67%、アクティブな SPO 投票権の 51% です)

そして期限について、The deadline for ratification is September 1st.(批准の期限は 9 月 1 日です)と明記しています。オンチェーン上の期限エポックは 653 で、現在はエポック 648 です。残りは 5 エポックです。

minPoolCost 提案の投票状況を AdaStat と Koios の両方から取得し、値が一致することを確認しました。8 月 9 日 1 時 20 分(日本時間)時点です。

  • DRep 賛成(可決基準・閾値 67%): 16.11%(45 票)
  • 投票済みの反対: 0.08%(3 票)
  • AlwaysNoConfidence: 3.22%
  • 未投票: 80.58%
  • 棄権: 5 票(可決計算の分母から除外)
  • 憲法委員会: 賛成 1・反対 0・未投票 6

ここでの賛成率は「可決計算の分母(棄権を除き、未投票を含む)」に対する割合です。未投票は反対の意思表示ではありませんが、閾値の計算上は賛成側に立たないため、結果としては不成立の方向に働きます。

前日 8 月 8 日に Weekly Brief #18 で記録した時点では、賛成 15.59%(41 票)・未投票 81.11% でした。1 日で 4 票、0.52 ポイント動いています。動いてはいますが、この速度で 67% に届く距離ではありません。残り 5 エポックで必要なのは、この傾きが変わることです。

SPO 側については、Intersect が求めているのはアクティブな SPO 投票権の 51% です。自分たちが受け取る固定手数料の下限を決める提案に対して、投票しなければ数には入りません。SIPO 自身の投票と判断の根拠は、minPoolCost 提案について憲法委員会の更新について、それぞれ公開しています。

■ Dijkstra は 2 段構え、Peras は 2027 年 Q2 の「エラ内ハードフォーク」へ

7 月 31 日の週次アップデート #122 の時点では、最初のハードフォークに何を載せるかは「確定する見通し」の段階でした(次のハードフォークに何が入るか、が決まる段階に来ています)。今回、それが確定として報告されています。

The hard fork scope for the first phase is now frozen, following last week’s presentation to the Technical Steering Committee on July 29.
(第 1 段のハードフォーク範囲は、7 月 29 日の技術運営委員会への提示を経て、確定しました)

区切り方も具体化しました。第 1 段は Linear Leios と Nested Transactions を一緒に載せ、Haskell ノードチームは 2026 年内の mainnet 到達を当面の目標としています。第 2 段の Peras は、2027 年 Q2 にエラ内ハードフォーク(intra-era hard fork)で有効化する計画です。

ステークプールを運用する側にとって意味があるのは、この「区切り方が決まった」という点です。第 1 段が 2026 年内、第 2 段が 2027 年 Q2 という枠が置かれたことで、ノード更新の準備をいつ始めるかを逆算できるようになります。Peras がエラ内ハードフォークとして分離されたことも、更新の重さが 2 回に分かれるという意味で運用計画に効きます。

■ 憲法修正ポータルは、4 件が協議期間に入りました

8 月 6 日にアルファ版として公開された憲法修正ポータルについて、最初の週の結果が報告されています。提出されたのは 4 件で、内訳は憲法改正提案(CAP)が 3 件、論点提起(CIS)が 1 件です。

ここで新しく示されたのは、協議期間の設計です。Intersect は Minimum consultation periods range from 14 to 90 days.(最低協議期間は 14 日から 90 日の範囲です)と書いており、最低期間が過ぎた時点で、次の段階へ進める状態かどうかを著者自身が表明する、という手順になっています。期間が一律ではなく、提案の性質に応じて 14 日から 90 日まで幅を持つ設計です。

4 件それぞれの中身と、CAP-1 と CAP-2 が同じ条文範囲を取り合っている問題については、Cardano 憲法を直す入口が開いた — CAP ポータルの使い方と、参加すると何が変わるかで詳しく扱っています。

■ 定款が第 2 版になり、フランス語の用語が 2,280 語を超えました

組織側の動きも 2 件あります。

ひとつは定款です。Members have approved the proposed updates to the Intersect ByLaws, following the successful completion of the member vote.(会員投票の完了を経て、Intersect 定款の改訂案が会員によって承認されました)とあり、公開されている文書は「Intersect’s bylaws v2」として、2026 年 8 月 3 日発効の改訂版になっています。Intersect はワイオミング州の非営利法人として運営されています。

もうひとつは翻訳です。Membership & Community Committee の選出メンバーによって、Intersect のウェブサイト向けに英語からフランス語へ 2,280 語を超える用語が翻訳されました。ガバナンスに参加するための言語の壁を、コミュニティ側のボランティアが削っている形です。

■ ここから見ておきたいこと

  • minPoolCost の DRep 賛成率の傾き — 1 日で 0.52 ポイントというペースが変わるかどうか。期限はエポック 653 です。
  • SPO 側の積み上がり — アクティブな SPO 投票権の 51% という要件に対して、投票するプールが増えるかどうか。
  • 憲法委員会の更新が間に合うか — 現職 4 名の任期はエポック 653 で切れます。任命アクションの期限も同じエポック 653 です。
  • CAP / CIS の第一号が Ready へ上がるか — 最低協議期間は 14 日から 90 日です。最初に期間を終えるのがどれになるか。

2 件とも、投票しないことが選択肢のひとつに見えてしまう構造になっています。可決計算の分母には未投票が含まれるため、様子を見ているつもりの態度が、そのまま不成立の側に積み上がります。期限のある話として扱う理由はここにあります。


一次ソース / 関連リンク

投票状況の数値は AdaStat を主、Koios を照合として取得し、両者が一致した値のみを記載しています。取得時刻は 2026 年 8 月 9 日 1 時 20 分(日本時間)です。投票は期限まで動くため、確定値ではありません。憲法委員会の任命アクションについては、突き合わせ可能な集計を確認できなかったため、投票状況の数値を記載していません。