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Midnight の手数料を USDM で支払い可能に、Capacity Exchange 経由

2026-08-14SIPO #Midnight

Midnight の対応 dApp で、取引手数料を DUST ではなく USDM で払えるようになりました。SundaeSwap の告知によれば Capacity Exchange を経由する仕組みで、当面は Sundae Labs が 1 トランザクションあたり $0.02 でスポンサーするとしています。手数料の払い方が増えただけ、と読むと小さく見えますが、Midnight は「NIGHT を持っていなければ何も動かせない」構造で設計されたネットワークです。そこに別の入口ができた、というのが今回の中身です。

これまでの前提——DUST は買えず、譲れない

Midnight は、ネットワークの資産である NIGHT と、取引の実行に使う資源である DUST を分けています。手数料に使うのは DUST のほうです。そしてこの DUST には、他のチェーンのガス代とは決定的に違う性質があります。公式ドキュメントの言葉では、DUST は遮蔽されており譲渡できません。利用者どうしで DUST をやり取りすることはできず、取引所で買ってくることもできません。

DUST は NIGHT を保有していると時間とともに生成されます。1 NIGHT が生む DUST の上限は 5 で、満タンまでおよそ 1 週間かかります。使えば減り、持っていれば戻る。太陽光パネルと電気のような関係だ、と公式は説明しています(仕組みの詳細はこちらの記事とこちらの記事で扱いました)。

この設計には利点があります。手数料が資産価格に振り回されないので、事業者は費用を見積もれます。一方で、入口には壁ができます。まず NIGHT を手に入れ、それを登録し、DUST が溜まるのを待つ——他のチェーンから来た人にとって、これは「使ってみる」までの距離がかなりある構造です。

何が変わったのか

SundaeSwap の告知は次のとおりです。

Midnight users can now pay for transactions on supporting dApps with USDM instead of DUST via the Capacity Exchange!

For now, Sundae Labs is sponsoring transactions for $0.02 per transaction. We’ll continue to monitor and adjust prices as circumstances change.

対応している dApp に限られること、そして価格は当面のものであることが、告知の中に明示されています。状況に応じて調整していく、とも書かれています。日本語コミュニティ向けの案内でも、Capacity Exchange で USDM がサポートされた点が同じタイミングで伝えられました。

この二日間の並びを見ると、順番に意味があります。まず USDM が Midnight 上に展開でき、Cardano からの送金が実際に完了したことが報告されました。そのうえで、その USDM を手数料の支払いに使える経路が置かれました。資産が渡れるようになっただけでは、渡った先で何もできません。渡った資産で最初の一手が打てるところまで揃って、ようやく入口になります。

ただし、Capacity Exchange の仕組みそのものは、Midnight の公開ドキュメント(DUST の設計解説)にはまだ記述がありません。誰が DUST を用意し、USDM をどう受け取り、価格をどう決めるのか——そこが文書として出てくるかどうかは、これが一時的な施策なのか基盤の一部なのかを見分ける材料になります。

babel fees という考え方

この話は Cardano 側で長く議論されてきた考え方とつながっています。Midnight 側の開発者の投稿を @IOHK_Charles が共有しました。

Feels good to have protocol-level support for babel fees

babel fees は、ネットワーク本来の手数料トークンを持っていない人が、自分の持っているトークンで手数料を払えるようにする発想です。裏側では誰かが手数料トークンを立て替え、その対価として利用者のトークンを受け取ります。利用者から見れば「持っているもので払えた」だけですが、その一手間を誰かが引き受けている、という構造です。

今回の $0.02 という価格は、その引き受け手が当面いくらで肩代わりするか、を示した数字だと読めます。手数料そのものの原価がこの額だと発表されたわけではありません。両者を混ぜて読むと、あとで価格が動いたときに「値上げされた」と誤解することになります。

次に見ておくこと

【1】スポンサー価格が外れたあと、実費がどのあたりに落ち着くか。$0.02 は当面の設定であることが告知の中で明示されています。

【2】対応 dApp がどこまで広がるか。今回の仕組みは「対応している dApp」に限られます。数が増えなければ、入口は一つのアプリの中に閉じたままです。

【3】Capacity Exchange の仕様が公開ドキュメントに載るか。載れば、DUST を持たない人がネットワークを使う経路が、恒常的な設計として扱われていることになります。


一次ソース / 関連リンク

タグ: #Midnight
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