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Cardano 財団、9月の提携を月次報告で総括

2026-10-07SIPO #カルダノ財団

Cardano 財団は 10 月 6 日、9 月の活動をまとめた月次報告を公開しました。FC バルセロナのファン向けプラットフォーム、Mastercard の暗号資産パートナープログラムへの参加、x402 の公式 SDK への対応、UCLA との複数年の提携、ペトロブラスの燃料追跡アプリなど、9 月に個別に発表された動きが 1 本にまとめられています。

報告は 9 月を「Cardano が 9 周年を迎え、提携と統合でインフラが利用者に近づいた月」と位置づけ、機関金融、検証できる記録、開発者の道具、人材育成、ガバナンス、各地での登壇の 6 つの章で整理しました。個々のニュースは SIPO でも単体の記事で伝えてきましたが(初期報)、並べ直すと財団がどこに力を入れているのかが見えてきます。この記事では、報告の章ごとに中身を整理し、まだ伝えていなかった項目と、これから確かめられる予定を拾います。

機関金融の入口を 3 つ

報告の最初の章は、金融機関とつながる入口です。1 つ目は、デジタル資産の保管基盤 Fireblocks で Cardano のネイティブトークンが本格的に扱えるようになる見込みです(9 月 25 日の記事)。トークン登録の規格 CIP-26 とオンチェーンのメタデータの規格 CIP-68 に対応し、Fireblocks を使う取引所や銀行の承認の流れにそのまま載るようになります。報告は、Fireblocks とのさらなる DeFi の統合を 2027 年に予定しているとも書いています。

2 つ目は、Mastercard の暗号資産パートナープログラムへの参加です(9 月 16 日の記事)。財団はプログラムのうちブロックチェーン部門で、国境をまたぐ送金、企業間の取引、決済の作業に加わります。

3 つ目は日本です。財団は Pacific Meta を企業連携パートナーに指名し、日本企業が用途を見つけてから実装するまでを支える窓口を設けました(10 月 2 日の記事)。報告は日本を「Cardano で最も活発なコミュニティの 1 つがある国」と紹介しています。

検証できる記録が、実際の業務に

2 つ目の章は、記録を第三者が確かめられる形で残す使い方です。サプライチェーンの追跡基盤 Blockforce では、Cardano を公開の証明層として 50 万件を超える記録が刻まれています(9 月 2 日の記事)。報告によれば、共同の改良で 1 件あたりの費用を 92% 下げ、1 回の取引に最大 44 件の証明書をまとめる方式で、2030 年までに自動車、食品・飲料、化粧品の分野で約 650 万件の記録が契約されています。

ブラジルでは、ペトロブラスとリオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-Rio)のブロックチェーン拠点との共同研究から、持続可能な航空燃料(SAF)と再生ディーゼル「Diesel R」の追跡アプリ 2 本が生まれました(10 月 1 日の記事)。食品の産地証明を QR コードで消費者に見せる Open Food Chain には、Kraft Heinz と Interfood が参加しています(10 月 2 日の記事)。

スポーツでは、FC バルセロナが Andamio と組んで「Barça Fan Lab」を立ち上げ、ファンが BarçaID でログインして参加の記録を Cardano 上の証明書として持てるようにしました(9 月 26 日の記事)。開発は Project Catalyst の Fund 13 の支援を受けています。

開発者と運用者の道具

3 つ目の章は道具です。Cardano は x402 の公式 SDK に加わり、アプリや AI エージェントが 1 回のウェブリクエストで ADA やネイティブトークンを払えるようになりました(9 月 21 日の記事)。プログラム可能なトークンの規格 CIP-0113 は承認されて統合され(9 月 30 日の記事)、報告によれば最初のモジュールは重大度「高」以上の指摘のない監査を通り、スイスの証券トークン規格の団体 CMTA に認証を申請しています。

運用の面で見落とせないのは、取引所などが使う Cardano Rosetta Java の v2.3.1 です。報告は、同期が止まりうる不具合の修正などを含むこの版について、2.x の古い版を使っている運用者には更新が必要だとしています。このほか、Cardano と Injective をつなぐ IBC はライトクライアントの更新を第 4 四半期の早い時期に予定し、インデクサの Yaci Store は v2.0.3 と v3.0.0-beta4 を出しました(9 月 27 日の記事)。

人材と、次の 1 年の準備

人材育成では、UCLA アンダーソン経営大学院のベンチャー・アクセラレーターとの複数年の提携が 10 月 19 日のマスタークラスから始まり、2027 年からは Cardano Academy の教材が UCLA のブロックチェーン教育に入ります(9 月 29 日の記事)。Cardano Academy は、AI エージェントを使ってアプリを作る無料講座も公開しました(10 月 3 日の記事)。財団のアクセラレーターは秋の 8 チームを発表し、各チームに導入の節目に応じて 1 万スイスフランを用意しています。

次の 1 年に向けた準備も報告に入っています。財団は 2025〜26 年のイベントで 4 大陸 20 か所に出展し、79 のプロジェクトを紹介しました。2027 年については、11 の国際会議に Cardano の統一ブースを出す案をフォーラムで示し、実現はコミュニティの支持次第だとしています。ガバナンスの章では、2027 年の予算枠(NCL)の周期に向けた財源の組み方を公開の円卓会議で話し合いました。

直近で確かめられる予定は 2 つあります。1 つは、10 月 7〜8 日にシンガポールで開かれる TOKEN2049 です。財団はプラチナスポンサーとして出展し、30 を超える Cardano のプロジェクトがブースの壇上で発表する予定で、ハッカソン「Origins」の Cardano 部門は x402 を使った課題に総額 2 万 7,500 ドルの賞金を用意しています。もう 1 つは、フォーラムの「Cardano Global Events 2027」のスレッドです。統一ブース案への意見がここに集まり、来年の出展の形が決まっていきます。

ことば

  • x402 — HTTP の「402 Payment Required」を使い、アプリや AI エージェントがその場で少額を払って API などを使う決済の手順。Coinbase が作り、いまは Linux Foundation が管理しています。
  • Cardano Rosetta Java — 取引所などが Cardano を自社のシステムにつなぐための標準的な接続口。報告は 2.x の古い版の利用者に v2.3.1 への更新を求めています。
  • NCL(Net Change Limit)— 一定の期間に Cardano のトレジャリーから引き出せる額の上限。2027 年の周期に向けて、どう予算を組むかの議論が始まっています。

一次ソース / 関連リンク

Cardano Foundation Monthly Update: September 2026(cardanofoundation.org)

Cardano Global Events 2027(Cardano フォーラム)(forum.cardano.org)