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RealFi の sUSDrf、10月26日の分配で年利12.20%

RealFi が日本時間 10 月 26 日夜、今のエポックの年利(APY)が 12.20% だと公表し、Input Output(IOG)も同じ日にこの数字を紹介しました。公式資料が見込みとして示す「最大 10% 程度」を上回る水準で、10 月中旬から 12% 台が続いています。

ここでいうエポックは、Cardano の 5 日ごとのエポックではなく、RealFi が利回りを配る週 1 回の区切りです。12.20% という数字がどう作られ、どんな順番のリスクの上に乗っているのかを、公式資料から確かめます。

週 1 回、USDrf が増える仕組み

RealFi は、ドル建てのステーブルコイン USDrf と、それをステークした sUSDrf の 2 つのトークンで動いています。利回りが付くのは sUSDrf の側です。10 月 21 日の同じ形式の投稿では、USDrf を「1 ドルに連動するよう設計」、sUSDrf を「現在 12.07% APY(10 月 19 日の分配スナップショット)」と分けて示していました。今回の 12.20% は、その 1 週間後のスナップショットにあたります。

公式資料によると、現実の借り手が契約どおりに返済すると、RealFi の財務部門がオフチェーンの資金の流れを照合し、実現した利益に見合う USDrf を新しく発行して、週ごとのステーキングのエポックで sUSDrf の保有者に配ります。sUSDrf の枚数は増えず、1 枚あたりで引き換えられる USDrf の量が増えていく形です。資料は、保管庫の残高が 1.000000 から 1.033333 USDrf に増え、sUSDrf の供給は変わらなかった取引を例として挙げています。

RealFi 自身が告知に添えているとおり、利回りは変動し、保証されません。12.20% は、その週の分配を年率に直した数字として読むのが自然です。

資料の「最大 10%」と、いまの 12% 台

利回りの源は、米国債やマネー・マーケット・ファンド、投資適格の CLO(ローン担保証券)の ETF、新興国の変動金利の社債、プライベート・クレジットを組み合わせた資産の束です。RealFi のサイトは資産ごとの目安として、直接融資の準備金を年 14〜16%、公開市場のクレジットを 6〜8%、マネー・マーケット・ファンドを 3〜4% と示しています。

一方で、資料の注記は sUSDrf の見込みを「最大 10% 程度」としており、サイトの表示も同じです。10 月 15 日に「12.1%」、19 日の分配で 12.07%、26 日の分配で 12.20% と、公表値はこの見込みを上回ったまま推移しています。どの資産がどれだけ寄与したかの内訳は、今回の告知には書かれていません。利回りの高い直接融資の比重や、返済が入る時期の偏りで週ごとの数字は動くので、1 週分の数字より、数週の並びで見るほうが実態に近づきます。

利回りの裏にある損失の順番

sUSDrf の利回りは、損失を先に引き受ける位置と引き換えです。資料によれば、資産の束に損失が出たとき、まず RealFi 自身の損失準備金が吸収し、残りを sUSDrf が負担し、そのあとで初めて USDrf の保有者に影響が及びます。損失は sUSDrf の引き換え比率の低下として表れます。

換金への備えとして、RealFi は 7 日分の純換金見込みの 120% 以上の流動性準備を持ち、資産の 10% 以上を即時に引き出せる層に置くとしています。それでも資料のリスク一覧は、スマートコントラクト、価格の連動、準備資産の不振、規制、換金の遅れ、取引相手、技術の 7 つを挙げ、USDrf も sUSDrf も銀行預金にあたらず、保険の対象でもないと書いています。

使える地域にも条件があります。米国、EU と EEA、英国、香港、包括的な制裁の対象地域では利用できません。また、個人向けに社債などの販売を制限している地域では、sUSDrf は適格投資家や機関投資家などに限られ、資料はシンガポールの証券先物法を例に挙げています。日本は列挙にありませんが、それだけで利用できるとは言えず、自国の法令に照らす責任は利用者にあると資料は明記しています。

次に見るもの

週 1 回の周期どおりなら、次の分配スナップショットは 11 月 2 日です。RealFi の公式 X と、アプリの Insights の画面で、12% 台がもう 1 週続くかを確かめられます。あわせて、資料の「Reserve Attestation」のページは、準備資産の証明を HT Digital が担うとしたうえで「詳しい文書はまもなく掲載」としています。利回りの数字に加えて、その裏の準備資産を第三者が確かめた文書が出るかどうかが、次の確認点です。

RealFi の利回りは、すでに Strike Finance の保管庫にも組み込まれています(10 月 14 日の解説)。sUSDrf の利回りが動けば、それを担保や運用に使う Cardano の DeFi の数字にも波及します。

ことば

  • APY — 年利を複利込みで表した数字です。RealFi の場合は週ごとの分配を年率に直したものなので、週が替わるたびに変わります。過去の週の数字は、次の週の利回りを約束しません
  • sUSDrf — USDrf をステークすると受け取るトークンです。枚数は増えず、1 枚で引き換えられる USDrf の量が週ごとの分配で増えていきます。損失が出たときは USDrf より先に引き受ける劣後の位置にあります
  • 劣後 — ほかの層より先に損失を負担する位置のことです。先に損をかぶる代わりに、利回りを受け取ります。sUSDrf の利回りは、この順番を引き受けることの対価でもあります

一次ソース / 関連リンク

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