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Weekly Brief #29|Leios、Dijkstra で今の 3〜5 倍から段階導入

2026-10-24SIPO

Input Output (IOG) は日本時間 10 月 21 日未明、Cardano の次のハードフォーク「Dijkstra」で Ouroboros Leios をメインネットに入れるまでの手順を 5 つの段階に分けて公開し、処理能力は今の約 3〜5 倍から始めて 10〜15 倍を目指すと説明しました。ハードフォークは入口にすぎず、そのあとに SPO による BLS 鍵の登録、本番での負荷試験、ガバナンスの投票による段階的な引き上げが続きます。

同じ週、プールの可変手数料に下限を置く CIP-23 が、Dijkstra のハードフォークに全面的に含まれることが確定しました。10 月 23 日には Intersect が公開の Dijkstra テストネットを開き、SPO の参加受付を始めています。一方で、その起点になる cardano-node 11.2 は、予定から 2 週たった今も公開されていません。

ガバナンスでは、k を 500 から 1000 に上げるかを SPO に問うポールが 10 月 22 日 6 時 44 分 51 秒に期限を迎え、明示的な賛成は 2.20% にとどまりました。国庫の議案は、銅を買う 2,200 万 ADA の案に、新しく AURORA (94 万 ADA) と PFMS (960 万 ADA) が加わって 3 件になっています。

SIPO は k のポールに 3 プールで反対を投じた当事者で、3 プールとも可変手数料 3.9% で運営しています。CAP-12 の改訂版は、反映したコメントの出し手の一つとして SIPO の名前を挙げています。国庫の 3 件には、SIPO の DRep はまだ投票していません。開示の詳細は第 6 章と第 3 章に置きます。

エグゼクティブ・サマリー

  • Leios の導入は 5 段階:憲法の更新 → Dijkstra のハードフォーク → BLS 鍵の登録 → メインネットでの負荷試験 → 処理能力の引き上げ (少なくとも 2 回)。処理能力の引き上げに、もう一度のハードフォークは要りません。Leios が動き出すには、ステークの約 90〜95% が BLS 鍵を登録する必要があるとされています。
  • CIP-23 は Dijkstra に:Hard Fork Working Group の 10 月 20 日の議事録が「全面的に含まれることが確定」と記しました。CAP-12 の改訂版は、最低プールマージンを 0 で導入し、その後のパラメータ変更で初めの値を決めると書いています。
  • 公開 Dijkstra テストネットが開設:ただし今はプロトコルバージョン 11 (Conway) のままで、Dijkstra への移行は node 11.2 のプレリリースのあとです。テストネットの Dijkstra 期の設定ファイルには、最低マージン 1.5% が初期値として入っています。
  • node 11.2 は 2 週連続で予定に届かず:10 月 13 日の議事録は「10 月 12 日の週にプレリリース」、20 日の議事録は「今週タグ付けの見込み」としていましたが、10 月 24 日朝の時点でタグはありません。
  • k のポールは期限で終了:最終の明示的な賛成は 26 プール・210,480,600 ada で 2.20%、投票済みの反対は 48 プール・分母の 19.92%。最終週に Everstake の 15 プール (約 6.6 億 ada) が 29 分のあいだに反対を記録しました。情報提供のための議案なので、効力はありません。
  • 銅の議案に委員会の 2 票:憲法委員 2 名が「違憲」と判断しました。理由は、議案の文書が書き換えられる URL に置かれていること、受け取る口座がステークプールに委任されていることなどです。
  • 新しい国庫議案が 2 件:貸付の情報を共通の形で探せるようにする AURORA (940,000 ADA) と、インドの州警察の証拠管理を Cardano に記録する PFMS (9,600,000 ADA)。係属 3 件の合計は 32,540,000 ADA で、2026 年の上限の残り 42,604,371 ada の 76% にあたります。
  • 道具の側:Mithril 2642 が正式版になり、SPO の署名者に新しい設定が求められています。Hydra 2.4.2、Amaru のテストネットでのブロック生成、Dingo の 2 例目のメインネットのブロックも出ました。
  • Midnight:他のチェーンの資産に秘匿を広げる「Nightmode」を発表し、Fireblocks 傘下の Dynamic がウォレット基盤に Midnight を組み込みました。
  • 回収と補填:SecondFi は 1 億 ADA 超と 2,200 万 NIGHT を持ち主の指定先へ送り、Liqwid は夏の NIGHT の清算で損を負った貸し手に補填すると発表しました。
  • 市場は 4 銘柄とも下落:ADA −5.15%、BTC −0.42%、ETH −0.82%、NIGHT −5.46%。

1. マーケット・パルス

10 月 17 日から 10 月 24 日にかけての、朝の定点観測の値です。

銘柄10/1710/24週間
ADA$0.22563$0.21401−5.15%
BTC$81,736.8$81,392.0−0.42%
ETH$2,419.00$2,399.20−0.82%
NIGHT$0.04147$0.039207−5.46%

今週も 4 銘柄すべてが下げ、ADA と NIGHT の下げ幅が大きくなりました。NIGHT の値は両端とも Cardano の DEX の価格から算出したもので、取得元はそろっています。ADA 建てで見た NIGHT は 0.183797 ADA から 0.183203 ADA へ、−0.32% で、ほぼ横ばいでした。

エポックの境界で見ると、ADA はエポック 662 が始まった 10 月 17 日 6 時 45 分の $0.22545085 (¥35.63) から、エポック 663 が始まった 10 月 22 日 6 時 45 分の $0.22840837 (¥36.11) へ、+1.31% です。取得の時刻が違うため、週間の −5.15% とは向きも一致しません。

価格の動きと、本稿で扱う出来事は結びつけていません。

ネットワークの残りの数字も置いておきます。エポック 662 から 663 への境界で、ステーキング比率は 56.76% から 56.77% へ、委任者数は 186 減の 1,333,303、ブロックを作ったプールは 931 から 937 へ増えました。トレジャリーはエポック 663 で 1,385,672,065 ada です。

2. Leios、Dijkstra で 5 段階の導入

IOG が示した順番

IOG は 10 月 20 日付の記事「Leios is coming」で、Leios がメインネットに届くまでを 5 つの段階に分けました。日本時間では 10 月 21 日 1 時 20 分の告知です。段階ごとに、投票する主体と必要な割合が違います。

段階中身投票
1. 憲法の更新Dijkstra で増えるパラメータと、その安全な範囲 (ガードレール) を憲法に書き足すDRep 75%・委員会 3 分の 2 (SPO の投票なし)
2. Dijkstra のハードフォークLeios を含む新しいルールへ移るDRep 60%・SPO 51%・委員会 3 分の 2
3. BLS 鍵の登録各プールが Leios の投票に使う鍵を登録する投票なし
4. メインネットでの負荷試験計画的に取引を集め、本番での伝わる速さを測る投票なし
5. 処理能力の引き上げパラメータの変更で上限を上げる (少なくとも 2 回)DRep 67%・SPO 51%・委員会 3 分の 2

記事は、処理能力の目安をこう書いています。

「Leios は、いまの上限である毎秒 4.5 キロバイト分の取引の、およそ 3〜5 倍から始めることを目指し、次のパラメータ更新でおよそ 10〜15 倍を目指す」

5 段階目の引き上げについては「これらの容量の変更に、もう一度のハードフォークは要らない」とも書いています。つまり、Dijkstra でプロトコルが使える状態になり、BLS 鍵の登録で投票が動き、そのあとのパラメータ変更で扱える量が決まる、という 3 つの節目に分かれます。

仕組みを短く

Leios は、いまのブロックを「ランキングブロック」として残したまま、取引への参照を並べた「エンドーサーブロック」を上に足します。エポックの初めにステークの大きい順にプールが投票の席に就き、エンドーサーブロックの中身を確かめて BLS 鍵で署名します。記事によれば、アクティブステーク全体の 75% 以上にあたる票が集まると、署名を 1 つにまとめた証明書ができ、その取引が台帳に入ります。

そのため、Leios が動き出す条件として、記事は「ステークのおよそ 90〜95% が登録されていること」を挙げています。BLS 鍵を持たないプールも、いまのブロックは作り続けられますが、エンドーサーブロックへの投票には加われません。

Dijkstra に一緒に入るもの

記事は、Leios のほかに Dijkstra に入る変更として、入れ子のトランザクション、アカウントの改善、ガードスクリプト、Plutus V4、いつでも引き出せるステーキング報酬、新しい Pledge レバレッジのパラメータを挙げています。このうち報酬の引き出しと Pledge レバレッジは、委任者と SPO の判断に直接関わる変更です (Dijkstra で入る Leios、処理能力は今の3〜5倍から)。

開発の側でも、合意の層で Praos と Leios の重ね合わせ (Praos2) が本線に統合され、Plutus チームは Dijkstra で使える新しい組み込み関数を有効にしました。どちらもハードフォークを経るまでチェーン上では使えません。

利害を開示します。SIPO は 3 プールを運営する SPO で、ハードフォーク後の BLS 鍵の登録は SIPO 自身の作業です。

3. CIP-23 の最低プールマージン、Dijkstra に

前倒しが確定するまで

プールの可変手数料 (マージン) に下限を置く CIP-23 は、10 月初めの時点では Dijkstra のあとのハードフォーク (プロトコルバージョン 13) で有効になる見通しでした。前号で伝えたとおり、10 月 13 日の Hard Fork Working Group では、SPO の一団が「バージョン 12 で全面的に実装してほしい」と求め、開発チームに作業量の見積もりの宿題が出ていました。

10 月 20 日 (UTC)、この案を推してきたオーストリアのプール ATADA の運営者が、X に書きました。

「SPO のみなさん、やりました。minMargin の CIP-23 は、何か月も先の PV13 ではなく、今度の Dijkstra のハードフォーク (PV12) に全面的に入ります」

同じ日の Hard Fork Working Group の議事録は、これを公式に記しています。

「CIP-23 は、Dijkstra のハードフォークの範囲に全面的に含まれることが確定した」

台帳のコードで変わること

実装は、IntersectMBO の台帳のリポジトリで追えます。10 月 17 日に作られたプルリクエスト #6197 は、報酬を計算するときに「プールが登録したマージンと最低マージンの大きい方」と「登録した固定費と最低固定費の大きい方」を使うように変えるもので、プロトコルバージョン 12 以上でだけ働くよう書かれています。10 月 21 日の時点では下書きのままで、レビューは済んでいません (CIP-23 の最低プールマージン、Dijkstra のハードフォークへ前倒し)。

値はまだ 0

大事なのは、Dijkstra で入るのが「比率の床を立てられる状態」だという点です。憲法改正案 CAP-12 は 10 月 21 日 18 時 28 分に第 4 版が公開され、作者の要約はこう書いています。

「minPoolMargin は Dijkstra のハードフォークで全面的に実装される。0 で導入し、後のパラメータ更新で最初の値を決める」

同じ版では、最低固定費の考え方を定める MPC-03a に「minPoolCost は minPoolMargin と合わせて設定する。最低マージンを報酬計算に効かせるプロトコルバージョンまでは、minPoolCost はプールを運営する経済的な費用に沿って設定する」という文言が入りました。前号で取り上げた 75 ada への引き下げ案が失効したあと、固定費と比率の 2 本の床をどう組み合わせるかは、Dijkstra のあとのパラメータ変更の議論に移ります。

第 4 版にはほかにも、Peras のパラメータを別の憲法改正に分けること、Pledge レバレッジ (maxPledgeLeverage) の変更に 18 エポックの予告と、36 エポックに 1 回までという制限を設けることが入りました。Leios を緊急時に止めるための手順は、対象のパラメータが違うと編集者が指摘し、技術運営委員会 (TSC) が 10 月 28 日の会合で検討するとしています。

利害を開示します。SIPO は 10 月 3 日、3 プールを運営する DRep として CAP-12 にコメントを出しており、第 4 版の要約は Pledge レバレッジの項目で、反映したコメントの出し手の一つに SIPO の名前を挙げています。SIPO の 3 プールのマージンは 3.9%、固定費は 340 ada です。

4. 公開 Dijkstra テストネットが開設、node 11.2 はまだ

テストネットの段取り

Intersect は日本時間 10 月 23 日 15 時 03 分、公開の Dijkstra テストネットが使えるようになったと告知しました。

「公開の Dijkstra テストネットが使えるようになった。SPO は node 11.1.3 を使い、pv11 の上で参加を始められる。エポックの長さは 1 日」

示された段取りは、node 11.1.3 でプロトコルバージョン 11 (Conway) のまま動かす → node 11.2 のプレリリース → ハードフォーク開始のガバナンスアクション → node 11.2 でバージョン 12 (Dijkstra) へ → Leios を除く Dijkstra の機能一式で統合とテスト、の順です。いま開いているのは最初の段で、Dijkstra の機能はまだこのテストネットでは使えません。

公開された Dijkstra 期の設定ファイルには、最低プールマージン (minPoolMargin) が 0.015、つまり 1.5% と書かれています。これはテストネットの初期値で、メインネットの値を示すものではありません。ハードフォークのあとで、下限が効いた状態の報酬計算を 1 日ごとのエポックで確かめられる、という意味を持つ数字です (Cardano の Dijkstra 公開テストネット、SPO の参加受付を開始)。

2 週続けて予定に届かなかった 11.2

テストネットの次の段を開く node 11.2 は、今週も出ていません。

時点Hard Fork Working Group の見込み実際
10 月 13 日の議事録10 月 12 日の週にプレリリース、19 日の週にメインネット向け出ず
10 月 20 日の議事録「今週タグ付けの見込み」10 月 24 日朝の時点で出ず

IntersectMBO/cardano-node のリリースとタグの最新は、9 月 29 日の 11.1.3 のままです。10 月 20 日の議事録は、11.2 について「Leios を除く Dijkstra の機能一式を含む」こと、メインネットに LSM (台帳の状態をディスクに置く仕組み) を持ち込み、その場合のメモリーの要件が約 12GB になる見込みを伝えています。Leios を含む 11.3 は「タグ付けまで少なくとも 2 週間」です。

同じ議事録は、BLS 鍵の更新について「プールの所有者の署名なしでプールの設定の中の鍵を更新できるようにする」案が Dijkstra で実装される見込みだと書きました。憲法については、パラメータ委員会が「今週、新しい憲法の草案が出る見込み」とし、10 月 23 日 23 時 (日本時間) に、委員会のメンバー、SPO、DRep にも開かれたガードレールの説明会が設けられています。前号で「翌週」とされていたガードレールのスクリプトの初版は、議事録に記載がありませんでした。

5. k のポール、明示的な賛成 2.20% で期限

Should stakePoolTargetNum (k) be raised from 500 to 1000? (SPO poll) は、日本時間 10 月 22 日 6 時 44 分 51 秒に票の受付を終え、チェーン上ではエポック 663 で期限切れとして記録されました。

区分前号 (10/17)最終
SPO 明示的な賛成24 プール・194,863,923 ada26 プール・210,480,600 ada
SPO 投票済みの反対33 プール・1,244,423,359 ada48 プール・1,906,436,008 ada
SPO 未投票8,056,965,897 ada7,403,195,983 ada
SPO 常に棄権 (分母外)618 プール621 プール
委員会賛成 1・棄権 1賛成 1・棄権 1

最終週の 18 票

今週入った SPO の票は 18 票です。委任量は 10 月 24 日朝に取得した各プールの現在の値です。

記録時刻 (日本時間)プール票委任量 (概数)
10 月 20 日 1 時 38 分VAMP (Vampyre Fund)賛成約 1,585 万 ada
10 月 20 日 19 時 52 分FHLN1 (Freiholon)賛成約 4 万 ada
10 月 21 日 1 時 04 分〜1 時 33 分Everstake・Everstake Partner の 15 プール反対計 約 6 億 6,207 万 ada
10 月 22 日 2 時 58 分HEPHY (Hephaestus Stake Pool)棄権約 85 万 ada

Everstake の 15 プールは、29 分のあいだに順に反対を記録しました。今週の 18 票には、どれも理由書が添えられていないため、理由は書きません。

議案自身の基準と、効力

議案の本文は、判定の基準を自ら宣言していました。

「十分な支持があると言えるのは、明示的な SPO の賛成が、該当するアクティブな SPO の投票ステークの 50% を超える場合に限る」

分母はいま 9,569,944,128 ada で、明示的な賛成は 2.20% でした。基準に届くには、さらに約 45.7 億 ada の賛成が要った計算です。投票済みの反対は分母の 19.92%、最後まで投票しなかった SPO のステークが 77.36% 残りました。

本文は同時に、これが情報提供のための議案 (Info Action) で、50% の基準はチェーン上の批准の条件ではないこと、また結果を「k の別の値への引き上げの根拠として解釈してはならない」ことも書いています。k は 500 のままで、このポールの結果によって変わるパラメータはありません。DRep の欄は賛成 7.78% でしたが、議案本文は DRep 票を判定に入れないと宣言しています。結果について、Intersect、IOG、Cardano 財団からの声明は、10 月 24 日朝の時点で見当たりません。

理由書を添えた DRep の票からは、両側の見方が読めます。

賛成 (GNP1_DRep):「k を 500 から 1000 に上げることに、DRep としても SPO としても賛成した」「エポックごとに委任先を変えるステークは 0.16% しかない。2021 年は 1.36% だった」

反対 (dreptalk):「k を単独で変えることには反対する。SPO の経済は、minPoolCost、minPoolMargin (CIP-23)、Pledge の影響、CIP-50 の組み合わせで決まる」

数字はいずれも投票者自身の計測値です。前号までの票の動きは Weekly Brief #28 の第 6 章にあります。

6. SIPO の 3 プールと、2 本の床

ここは SIPO 自身の立場なので、記録と利害をまとめて開示します。

SIPO は 10 月 7 日、SIPO・SIPO2・SIPO3 の 3 プールでこのポールに反対を投じ、DRep としては棄権しました。期限までの新しい票はありません。理由書の全文は SIPO:k を 1000 に上げる SPO ポールに 3 プールで反対 にあります。

ポールの期限で k の議論が終わったわけではありませんが、議案の宣言どおり、結果は何かを決めるものではありません。前号と同じく、10 月 24 日朝のチェーン上の流通量 36,813,948,001 ada を k で割った機械的な試算を置いておきます。

k飽和点 (流通量 ÷ k)SIPO の 3 プール (エポック 662 終了時のライブステーク)
500 (現行)約 73,627,896 ada3 プールすべて下
1000 (ポールの案)約 36,813,948 adaSIPO 53,952,999 ada = 1.466 倍 / SIPO2 35,201,211 ada (0.956) / SIPO3 24,267,600 ada (0.659)

SIPO の 1 号機は、k=1000 なら飽和点を超える側にいて、反対はその不利を前提にした判断として読んでいただく必要があります。SIPO は 1 週間で約 156 万 ada 増えました。

もう一つの床、最低マージンについても位置を書いておきます。SIPO の 3 プールのマージンは 3.9% で、テストネットの初期値 1.5% を上回っています。メインネットでの値はまだ決まっておらず、0 で入るあいだは、SIPO を含むどのプールの報酬計算も変わりません。

エポック 662 に、3 プールは SIPO 45・SIPO2 43・SIPO3 33 の計 121 ブロックを作りました (エポック 661 は計 105)。委任者は 1,106・475・542 です。

7. 銅の議案に、委員会から 2 つの「違憲」

Cardano Strategic Copper Reserve | ₳22M RWA Tokenization は、提出から 9 日がたちました。最後に票を受け付けるのは日本時間 11 月 16 日 6 時 44 分 51 秒です。

区分前号 (10/17)本号 (10/24)
DRep 賛成2 票・12,547,657 ada2 票・13,206,411 ada (0.25%)
DRep 投票済み反対16 票・154,987,311 ada51 票・1,337,286,591 ada (分母の 25.75%)
DRep 棄権01 票・93,600,650 ada
委員会0反対 2

委員会の理由

憲法委員会では、日本時間 10 月 22 日 2 時 32 分と 10 月 23 日 5 時 00 分に、2 名がそれぞれ反対、つまり「違憲」の票を記録しました。2 名の理由書は、共通して次の 2 点を挙げています。

  • 議案の文書の置き場所:憲法は、議案の文書を「提出後に書き換えられない」形で置くことを求めています。理由書は、この議案の文書が提案者のウェブサイトの URL にあり、ハッシュは書き換えを検知できても、書き換えそのものを防がない、と指摘しています。
  • 受け取る口座の委任:22,000,000 ada を受け取る口座が、投票では「棄権」の選択肢に委任されている一方で、ステークプールにも委任されており、憲法がこれを禁じている、としています。

1 名はさらに、受取人が自ら唯一の管理者になっていて、資金の使い道を独立に確かめる仕組みがまだ決まっていない点も挙げました。DRep の賛成 2 票には理由書がありません。批准には委員会の 3 分の 2 の「合憲」が要り、残る 5 名はまだ投票していません。

提案者の側では、Cardano 財団のガバナンス責任者が Toto Finance の CEO とこの議案について話す「Cardano Governance Hour #12」が、日本時間 10 月 28 日 1 時 30 分から予定されています。

SIPO の DRep は、この議案にまだ票を投じていません。

8. 国庫に新しい議案 2 件、AURORA と PFMS

AURORA (940,000 ADA)

日本時間 10 月 19 日 6 時 14 分に提出された AURORA: Open infrastructure for bringing real credit markets to Cardano. は、Cardano 上の個別の貸付の機会を、異なる貸付の仕組みをまたいで探し、比べ、確かめられる共通の基盤を作る提案です。要約はこう書いています。

「国庫への要求は 940,000 ADA で、4 つのマイルストーンにわたる約 5 か月の開発に使う。開発は Fairway が責任を持ち、Sundial が技術面で、Fallen Icarus が設計の助言で関わる」

資金はまず独立した 5 分の 3 のマルチシグに入り、国庫の資金で作るソフトウェアは Apache License 2.0 で公開するとしています。貸付の実行や決済は、それぞれの仕組みに任せる設計です。

票は DRep の賛成 5 票・20,410,682 ada (0.41%)、投票済みの反対 19 票・1,010,850,250 ada (分母の 20.06%) です。委員会では、銅の議案と同じ 2 名が「違憲」としました。理由書は、文書が GitHub のブランチの URL に置かれていること、費用の内訳と国庫へ返金される条件が書かれていないこと、過去 24 か月に国庫から ADA を受け取ったかが示されていないことを挙げています。

PFMS (9,600,000 ADA)

日本時間 10 月 21 日 20 時 49 分に提出された PFMS: Bringing Government Scale Adoption to Cardano by Trivolve Tech は、インドの開発会社 Trivolve Tech が作る警察の証拠管理システム「PFMS」の開発費を求める議案です。議案の作成者の欄には、Trivolve Tech と Cardano 財団が並んでいます。

「本提案は、警察向けの証拠管理システム PFMS の設計・開発・導入のため、マイルストーンで区切った 9,600,000 ADA の国庫引き出しを求める」

証拠の記録ごとのハッシュをまとめて Cardano のメインネットに書き込み、改ざんされていないことを確かめられるようにする計画で、最初の導入先はテランガナ州です。提案書は、年に約 150 万件の取引を見込み、検証の収益の 70% を国庫に、20% を Cardano の基盤ライブラリの保守に、10% を Trivolve Tech に向けると書いています。Cardano 財団は X で「この議案の管理者を務め、DRep が承認すれば、マイルストーンごとに達成を確かめてから資金を出す」と表明しました (PFMS、インド警察の証拠管理に960万 ADA のトレジャリー請求)。

票は DRep の賛成 10 票・182,529,961 ada (3.46%)、投票済みの反対 3 票・26,416,431 ada です。委員会では 1 名が「合憲」としました。その理由書は、文書が書き換えられない IPFS に置かれている点を挙げる一方、「批准の前に受取口座がステークプールに委任されたら、違憲に変える」と条件も書いています。

AURORA と PFMS の締切は、どちらも日本時間 11 月 21 日 6 時 44 分 51 秒です。

上限の残りとの関係

議案額締切
銅22,000,000 ADA11 月 16 日
PFMS9,600,000 ADA11 月 21 日
AURORA940,000 ADA11 月 21 日
合計32,540,000 ADA

2026 年の上限の残り 42,604,371 ada に対して、係属中の 3 件の合計は 76% にあたります。前号で触れた Mesh SDK の ₳600,000 の草案は、まだチェーン上に出ていません (Cardano トレジャリーの引き出し枠、残り約 4,260 万 ADA)。

SIPO の DRep は、AURORA にも PFMS にも、まだ票を投じていません。

9. ネットワーク:エポック 662 は 156,063 件

エポック期間 (日本時間)ブロック取引1 ブロックあたり手数料
66010/7 6:44 〜 10/12 6:4421,2431,780,89683.8 件337,720.00 ada
66110/12 6:44 〜 10/17 6:4421,385253,31411.85 件67,761.27 ada
66210/17 6:44 〜 10/22 6:4421,268156,0637.34 件54,576.59 ada

エポック 662 の取引は 156,063 件で、記録を作ったエポック 660 の前、エポック 659 の 158,011 件とほぼ同じ水準に戻りました。

報酬の側では、エポック 661 の報酬の総額が 6,165,276 ada と確定し、エポック 660 の 6,224,828 ada から 0.96% 減りました。国庫の残高は、エポック 663 への境界で +3,743,601 ada 増えています。前号で書いたとおり、報酬の原資は準備金からの払い出しと手数料を合わせたもので、その 20% が国庫に入ります。ここで書けるのは、この並びの算術までです。

10. 道具とレイヤー 2

  • Mithril 2642 が正式版に:前号で試験用ネットワーク向けのプレリリースとして伝えた 2642.0 は、正式版になりました。開発ブログは 10 月 20 日、メインネットを含む 3 つのネットワークに展開したと告知し、署名者を動かす SPO に、署名者を 1.2.5 に更新し、新しい設定項目 PROTOCOL_CONFIGURATION_READER_ADAPTER_CONFIG を入れるよう求めています。設定を入れていない署名者も次のディストリビューションまでは動きますが、次の版でこれまでの読み方が削除されます (Mithril 2642.0 のメインネット展開、SPO の署名者に新設定)。
  • Hydra 2.4.2 (10 月 23 日):リリースノートは「より大きなスナップショットのまとまりによる処理量の向上、より速い部分的なファンアウト、hydra-node の Windows 版」をうたい、2.4.0 からの差し替えで済むと書いています。
  • Hydra v2 で Glacier Drop を再現:IOG は 10 月 22 日、2025 年の Midnight のトークン配布 Glacier Drop の請求 24,576 件を、いまの Hydra で再実行した結果を公表しました。1 秒あたりに確定できる請求は 1.9 倍、1 件が確定するまでの時間は 2.3 倍速くなったとしています。再実行は、配布のときにヘッドを動かしたのと同じチームが行ったものです (Hydra v2、NIGHT 請求の確定時間を9.9秒から4.4秒に)。
  • Amaru (10 月 22 日):Rust 製のノード Amaru は、KES・VRF・運用証明書を渡せば「テストネットでブロックを作れる」ようになりました。メインネットでのブロック生成は無効のままです。
  • Dingo、2 例目のメインネットのブロック:Go 製のノード Dingo で、コミュニティプールの GMBL が日本時間 10 月 21 日 22 時 47 分 16 秒、ブロック高 14,097,344 のブロックを作りました。9 月の 1 例目から約 5 週間後です (Dingo、2 つ目のプール GMBL がメインネットでブロック生成)。v0.87.0 のリリースノートには「開発用ネットワークのセキュリティの境界の強化」という項目があります。
  • cardano-cli 11.5.0.0 と Plutus 1.72.0.0:cardano-cli は、ノードの設定を確かめるコマンドで Dijkstra の設定ファイルも検査するようになりました。Plutus は、プロトコルバージョン 12 以上でのスコープの検査を直しています。
  • Intersect の 5 つの道具:cardano-api、cardano-rpc、cardano-wasm、cardano-sieve、cardano-testnet が、Cardano の開発者向けの道具一覧に加わりました (Intersect の5ツール、Cardano の Builder Tools に掲載)。

cardano-node は、今週もリリースがありません。

11. Midnight:Nightmode と、入口の広がり

Nightmode

Midnight は日本時間 10 月 20 日 22 時 53 分、他のチェーンにある資産にも Midnight の秘匿と選択的な開示を使えるようにする「Nightmode」を発表しました。Sig Network と組んだもので、告知は Bitcoin、Ethereum、Solana、Tron などの公開チェーンを対象に挙げています。公式ブログの説明は次のとおりです。

「Nightmode は、マルチパーティ計算 (MPC) の保管庫のコントラクトを使って、Midnight を公開ブロックチェーンにつなぐ」「元のチェーンの資産は、そのネットワークを離れない」

使い道として、秘匿した取引、非公開の貸付、リキッドステーキング、機関の支払い、実物資産の非公開の決済が挙がっています。ブログには、いつから使えるかは書かれていません (Midnight、他チェーンの資産を秘匿する Nightmode を発表)。

ホスキンソン氏は 10 月 21 日と 22 日に X で「Midnight へようこそ、Tron」と書き、Sig Network は 10 月 24 日未明に「TRON + Midnight は 12 月に」と投稿しました。Tron の側の公式アカウントからは、今週 Midnight への言及は見当たりません。本稿では、両者の関係を「提携」とは書きません。

ウォレットと配布の道具

  • Dynamic が Midnight に対応 (10 月 22 日):Fireblocks 傘下の Dynamic が、非カストディ型のウォレット基盤の全体に Midnight を組み込みました。メールやソーシャルログインで作るウォレットから、拡張機能を別に入れずに、秘匿の取引まで進めるとしています (Fireblocks 傘下の Dynamic、組み込みウォレットで Midnight に対応)。
  • NuFi の予告:マルチチェーンのウォレット NuFi は、Zcash (約 1 週間)、XRP (約 1 か月) の対応に続き、Midnight にも「その後まもなく」対応すると告知しました。
  • Quantum Alliance:10 月 16 日、量子計算機に備える公開標準を作る 9 団体の同盟が発足し、創設メンバーに Midnight Foundation が入りました (Quantum Alliance 発足、Midnight が耐量子の物差しづくりへ)。
  • 映像シリーズ:Midnight Foundation は 10 月 22 日、ベネズエラの野党指導者レオポルド・ロペス氏を追った『Freedom Fighters』全 4 話を公開しました。

ノード、台帳、Compact には今週リリースがなく、新しく公開されたセキュリティ勧告もありませんでした。ロードマップの BABE への移行、ブロック生成の報酬、NIGHT のステーキングについても、今週の新しい発表はありません。

利害を開示します。SIPO は Midnight の Nightforce のアンバサダーの一員で、Cardano の SPO として、ロードマップにあるブロック生成の開放の対象になりうる立場にあります。

12. 回収、補填、点検

  • SecondFi の回収:旧 Yoroi の SecondFi は 10 月 21 日、10 月 7 日に回収のツールを公開して以来、検証と処理を終えた申請について 1 億 ADA 超と 2,200 万 NIGHT を指定先へ送ったと報告しました。今後数日で、回収のスマートコントラクトを通じた送金を自動化するとしています (SecondFi の資産回収、1 億 ADA 超と 2,200 万 NIGHT を送金)。
  • Liqwid の補填:Liqwid は 10 月 22 日未明、7 月と 8 月の NIGHT の清算のあとで不良債権を負った貸し手に、損失を補填すると発表しました。Liqwid と Wanchain のチームなどが支える善意の取り組みとしており、総額と対象の市場の名前は示されていません。請求が始まるときは Liqwid の Discord と X で告知するとしています (Liqwid、NIGHT 清算の不良債権を負った貸し手に補填へ)。
  • Indigo の修正:Indigo は 10 月 20 日未明、TxPipe が見つけた脆弱性を、INDY DAO の承認を経てチェーン上で修正したと発表しました。警告から修正の完了まで、利用者の資金が危険にさらされたことはないとしています (Indigo、TxPipe が見つけた脆弱性を DAO の承認で修正)。
  • TxPipe の修正版:TxPipe は 10 月 22 日夜、データノードの Dolos など 4 製品で、秘密鍵を誰でも導き出せてしまう認証局 eMudhra の中間証明書を信頼しないようにする修正版を出しました (TxPipe、eMudhra 中間 CA を信頼しない修正版を4製品で公開)。
  • Intersect の会員エリア:Intersect は 10 月 22 日 1 時 48 分、PHP の脆弱性の報告を受けて、会員向けのページを予防のため止めたと告知しました。10 月 24 日朝の時点で、再開の告知はありません。
  • なりすましと配布の遅れ:Iagon は、IAGONAUT という名前のトークンは自社と無関係だと声明しました。Palm Economy は、9 月の VyFi の侵害の影響で、権利確定分の配布を手作業に切り替えて延期しています。

今週、Cardano の DeFi で新たな事件の報告は見つかっていません。

13. DeFi の動き

  • Minswap が DEX の取引高で首位:DefiLlama の集計で、10 月 15〜21 日の 7 日間の Cardano の DEX の取引高は Minswap が約 274 万ドルで首位でした。前の週に首位だった Dano Finance が約 6 割減らしたことによる入れ替わりで、DEX 全体の取引高は 32.7% 減っています (Minswap、直近7日の取引高で Cardano の DEX 首位に)。
  • Minswap と FluidTokens:10 月 20 日の X の音声配信「The merging」は録音が公開されましたが、両社から文字での発表はまだありません。本稿では引き続き「合併」とは断定しません。
  • RealFi のドルの入口:SundaeSwap は 10 月 20 日、ADA から RealFi の利回りつきトークン sUSDrf へ直接交換できるようにしました。Strike Finance では、sUSDrf を担保にした借入の残高が 10 月 18 日早朝に 11 万 9,199 ドルとなり、担保の一覧で最も多くなっています (RealFi の sUSDrf、Strike の借入担保で11.9万ドルの首位に)。Strike は、紹介した相手がさらに紹介した相手の手数料の 12% を払う仕組みも始めました。
  • Surf:貸付の Surf は、預かり資産が 1,750 万 ADA になったとし、数日中にレバレッジの機能を再開すると予告しました。DefiLlama の値とは約 110 万 ADA の差があり、Surf は数え方を示していません。

SIPO は RealFi のアルファ・アンバサダーとして、RealFi の SPO アクセラレーターに参加しています。

14. 組織と人の動き

  • SEC への共同書簡:Cardano 財団は 10 月 21 日、米証券取引委員会 (SEC) が 3 月に ADA を「デジタル商品」に分類した判断を、提案中の規則の本文に書き込むよう求める書簡に、Stellar、Hedera、Aptos Labs、Ava Labs、Chainlink とともに署名したと発表しました。いまの分類は規則の説明部分にしか書かれていない、というのが書簡の問題意識です (Cardano 財団など6団体、ADA のデジタル商品分類を SEC 規則本文に)。同じ日、財団は EU の MiCA の見直しの意見募集に「規制が多いほど良い規制というわけではない」とする回答も出しています。
  • インドの農地 10 万件:財団は 10 月 22 日未明、5am.earth の仕組みでインドの農地 10 万件が Cardano に登録されたと発表しました。この取り組みは 6 月に国庫から ₳1,000 万の引き出しが承認された案件で、SIPO の DRep も期待事項をつけて賛成を投じています (5am.earth の農地登録、インドで10万件に)。
  • UCLA での初回授業:財団と UCLA アンダーソン経営大学院の提携で、10 月 19 日に最初の授業が開かれ、2027 年に授業の教材に Cardano の内容が入ると予告されました。
  • Intersect の予算:Intersect の週次更新 #133 は、2026 年の予算で 25 件の契約、計 204,639,279 ada をすべてチェーン上の契約として立ち上げたと伝えています。パラメータ委員会は、UTxO の最低 ADA を決める utxoCostPerByte をどこまで安全に下げられるかの調査の担い手を募っており、応募の締切は 11 月 4 日です。
  • ホスキンソン氏:10 月 18 日、Aiken の共同創設者 Lucas Rosa 氏と、Groth16 の証明で「intent」と「PCD」を扱う Cardano 向けのプログラミング言語を開発していると明かしました。10 月 20 日には、自分自身のソースを書き出す小さなプログラム群「Quinelings」を公開しています (ホスキンソン氏、Cardano 向けの新しいプログラミング言語を開発中)。前号で取り上げた「[ANN] soon」の中身は、今週も発表されていません。
  • Agora の知識ベース:Cardano のガバナンスの資料を、出典をたどれる形で一か所にまとめる「Agora Knowledge Base」が公開されました (Agora、Cardano ガバナンスの知識ベースを公開)。

15. リスク・ディメンション

  • 運用 (ノードの日程)。 node 11.2 は 2 週続けて予定に届いていません。テストネットの Dijkstra への移行、ハードフォーク開始の議案、メインネットの日程は、すべて 11.2 のあとに並んでいます。LSM を使う場合のメモリーの要件 (約 12GB) も、運用の準備に関わります。
  • 運用 (Mithril)。 署名者の新しい設定は、次のディストリビューションで必須になります。設定を入れずにいると、その版でプロトコルの設定を読めなくなります。
  • ガバナンス (2 本の床)。 最低マージンは 0 で入り、値は後のパラメータ変更で決まります。最低固定費をどう組み合わせるか、Pledge レバレッジをどう使うかと合わせて、プールの経済の前提が数か月のうちに動く可能性があります。
  • プールの経済 (SIPO 自身)。 SIPO の 1 号機は k=1000 の飽和点の 1.466 倍の位置にあり、SIPO2 も線の 95.6% まで来ています。ポールは期限で終わりましたが、k の議論そのものが終わったわけではありません。
  • 国庫。 係属中の 3 件の合計は上限の残りの 76% です。銅と AURORA には、文書の置き場所や受取口座をめぐる違憲の判断が出ており、PFMS にも受取口座の委任についての条件がついています。
  • Midnight。 Nightmode の提供時期はブログに書かれておらず、Tron との関係も Midnight 側と Sig Network 側の表現にとどまります。
  • 回収と補填。 SecondFi の回収、Liqwid の補填とも、受け取りの手続きは公式の経路だけで告知されます。なりすましの案内に注意が要ります。
  • Web の足元。 Intersect の会員エリアの停止は、ガバナンスの手続きの一部が一般的な Web の仕組みの上に乗っていることを示しました。

16. 来週の注目

  1. cardano-node 11.2 — 2 週遅れのプレリリース。確認先は IntersectMBO/cardano-node のリリース面と、Hard Fork Working Group の 10 月 27 日の議事録です。
  2. 公開 Dijkstra テストネットの次の段 — 11.2 のあとに設定ファイルが出し直されるか。確認先は Cardano Operations Book の Dijkstra のページです。
  3. CAP-12 と新しい憲法の草案 — TSC が 10 月 28 日の会合で Leios の停止の手順を検討します。確認先は CAP ポータルの CAP-12 のページです。
  4. cardano-ledger のプルリクエスト #6197 — CIP-23 の報酬計算の変更が下書きを外れ、マージされるか。確認先は IntersectMBO/cardano-ledger の当該ページです。
  5. 銅の議案の Governance Hour — 10 月 28 日 1 時 30 分 (日本時間)。確認先は @Cardano の X の告知です。残る 5 名の委員の票も、gov.tools の当該議案のページで追えます。
  6. AURORA と PFMS の票 — 締切はどちらも 11 月 21 日 6 時 44 分 51 秒。確認先は gov.tools の各議案のページです。
  7. Intersect の週次更新 #134 — k のポールの結果がどう記録されるか。確認先は Intersect のニュース面です。
  8. ライトクライアントの技術ワークショップ — 10 月 30 日 0 時 (日本時間)。確認先は IOG の X の告知です。
  9. Strike の後半の配布 — 10 月 28 日に 1 万 STRIKE。確認先は @strikeperps の X です。
  10. Cardano Card の終了 — 10 月 31 日。確認先は @cardano_card の X です。
  11. エポック 664 の境界 — 10 月 27 日 6 時 44 分 51 秒。k のポールがチェーン上で取り除かれた記録になるかを、Koios のガバナンスの記録で確かめられます。

まとめ

今週、Dijkstra の中身は SPO の側から具体的になりました。IOG は Leios の導入を 5 つの段階に分け、処理能力を今の 3〜5 倍から始めて、ガバナンスの投票ごとに 10〜15 倍へ上げていく道筋を示しました。SPO にとっては、ハードフォークのあとの BLS 鍵の登録が、Leios を動かす条件そのものになります。

手数料の床も、Dijkstra で 2 本になります。CIP-23 の最低マージンはハードフォークの範囲に入ることが確定し、0 で導入されて、値は後のパラメータ変更で決まります。前号で失効した最低固定費の引き下げの議論は、この 2 本をどう組み合わせるかという形で続きます。

一方で、k を 1000 に上げるかを問うポールは、明示的な賛成 2.20% で期限を迎えました。議案自身が宣言した基準には遠く、結果は何かを決めるものではありません。国庫には 3 件の議案が並び、委員会の判断は、文書の置き場所や受取口座の委任という手続きの点から先に出はじめています。

ただ、どの段取りも、まだ出ていない node 11.2 を起点にしています。来週も、最初に確かめるのは cardano-node のリリース面です。

参考・出典

本文で SIPO 自身の記事に触れた箇所は、その場でリンクしています。以下は一次ソースです。

透明性メモ

  • k のポールの最終の票:10 月 24 日 7 時 15 分 (日本時間) に Koios から取得した、エポック 663 の集計です。分母は、明示的な賛成 210,480,600 ada に、反対として働く分 (投票済みの反対・常に不信任・未投票) 9,359,463,528 ada を足した 9,569,944,128 ada です。2.20% は賛成 ÷ 分母、19.92% は投票済みの反対 1,906,436,008 ada ÷ 分母、77.36% は未投票 7,403,195,983 ada ÷ 分母、基準まで約 45.7 億 ada は 0.5 × 分母 − 賛成です。明示的な棄権と「常に棄権」の 621 プールは、議案本文の宣言どおり分母から外しています。
  • 「期限切れ」の書き方:チェーン上の状態は「expired」(エポック 663) です。情報提供のための議案には批准の手続きがなく、「否決」という状態もありません。
  • Everstake の 15 プール:登録名が「Everstake」または「Everstake Partner」のプールです。委任量の合計は 10 月 24 日朝に取得した各プールの現在の有効ステークで、投票の時点の値ではありません。運営者の意図や理由は書いていません。
  • 「反対が X%」の書き方:公開 API が返す反対率には、未投票と「常に不信任」の分が含まれます。本文の反対の割合は、投票済みの反対だけを分母で割った値に限っています (銅 25.75% = 1,337,286,591 ÷ 5,193,471,251、AURORA 20.06% = 1,010,850,250 ÷ 5,038,508,795)。
  • 委員会の票:記録時刻まで書き、委員の名前は本文に書いていません。「違憲」「合憲」は、各委員の理由書の判断の書き方によります。理由の要約は、理由書の逐語の範囲です。
  • AURORA と PFMS の締切:議案の期限のエポック (669) から、エポックの境界の時刻で計算した値です。AURORA の提出日は、チェーン上の記録 (10 月 18 日 21 時 14 分 UTC) によります。
  • 上限の残りとの比:76% は 32,540,000 ÷ 42,604,371 の算術です。可否の見通しではありません。
  • 最低マージン 1.5%:公開 Dijkstra テストネットの Dijkstra 期の設定ファイル (dijkstra-genesis.json) にある値です。メインネットでは 0 で導入されると CAP-12 の第 4 版が書いています。
  • node 11.2:10 月 24 日朝の時点で、IntersectMBO/cardano-node のリリース一覧とタグに 11.2 がないことを確かめています。
  • 報酬と国庫:報酬の総額は Koios のエポック情報の値です。国庫の増分は各エポックの残高の差 (1,385,672,064.61 − 1,381,928,463.90) です。
  • 飽和点の試算:10 月 24 日朝のチェーン上の流通量 36,813,948,001 ada を k で割った機械的な試算です。SIPO の 3 プールの値は、エポック 662 の終了直後に取得したライブステークです。
  • SIPO の利害:k のポールについては 3 プールで反対・DRep で棄権を投じた当事者であることと 1 号機が k=1000 の飽和点を超える側にいること、CIP-23 と CAP-12 については 3 プールのマージンが 3.9%・固定費が 340 ada であることと CAP-12 の第 4 版の要約に SIPO のコメントが反映元として挙がっていること、Leios については BLS 鍵の登録が SIPO 自身の作業になること、銅・AURORA・PFMS については DRep がまだ投票していないこと、Midnight については Nightforce のアンバサダーの一員でブロック生成の開放の対象になりうる立場にあること、RealFi については アルファ・アンバサダーとして SPO アクセラレーターに参加していること、5am.earth については DRep が 6 月に賛成を投じたことを本文で開示しています。
  • 市場の値の取得時刻:10 月 17 日の値は 6 時 35 分 02 秒、10 月 24 日の値は 6 時 35 分 01 秒の朝の定点観測です。CoinGecko の 7 日の日次系列 (10 月 17 日 9 時 → 10 月 24 日 7 時 23 分) では ADA −5.33%、BTC −0.33%、ETH −1.12%、NIGHT −6.78% で、基準の時刻と系列が違います。エポック境界の ADA (+1.31%) は境界の時刻ちょうどの値です。
  • 「セキュリティ」の語:cardano-node は今週リリースがありません。Dingo は v0.87.0 のリリースノートに security の語がある範囲で書いています。Indigo、TxPipe、Intersect の件は、各社の告知の表現によります。
  • 書かなかったこと:Minswap と FluidTokens の配信の中身 (文字での発表がないため)、Cardano R&D セッションと Midgard Labs の東京の会の中身 (文字での記録を確かめられなかったため)、Musashi Dojo の負荷試験の公式の数字 (公表されていないため)、Midnight のインデクサーのリリースノートが触れる未公開の勧告の中身、各議案の可否の見通し。
  • 価格と出来事の関係:結びつけていません。

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