Indigo Protocol は日本時間 10 月 13 日未明、RealFi のドル建てステーブルコイン USDrf を iUSD のペグ安定化モジュール(PSM)に加える提案が、オンチェーンの投票に入ったと公式 X で告知しました。可決されれば、USDrf と iUSD を 1 対 1 で交換できるようになり、投票はステークした INDY で行います。
10 月 3 日にガバナンスツール Clarity で賛否の確認が始まった提案が、実際にプロトコルの設定を変える投票の段階に進んだ形です。Cardano の上で発行された 2 つのドル建て資産を、ブリッジを使わずにつなぐかどうかが、INDY を持つ人の票で決まります。この記事では、オンチェーンに記録された提案の中身と、投票の手順、可決後に効いてくる点を整理します。
オンチェーンの提案に書き込まれた数字
Indigo の公式 X は、可決された場合に起きることを 3 つ挙げています。
- USDrf と iUSD を 1 対 1 で交換できる
- PSM が応じられる範囲なら、どの規模でもスリッページ(注文時と約定時の価格のずれ)がない
- ブリッジを使わない、Cardano ネイティブのドルの経路ができる
Indigo が公開している投票のデータによると、今回の提案は「PSM の新設」の種類として 10 月 13 日 2 時 36 分(日本時間)に記録されました。中に書き込まれた設定は、交換の比率が 1 対 1、iUSD の発行にかかる手数料が 0.5%、USDrf への償還にかかる手数料が 1.0% です。この数字は、Clarity に出された提案書の手数料(10 月 3 日の記事)と同じで、Clarity の段階から変えずにオンチェーンへ持ち込まれています。
同じ発行 0.5%・償還 1.0% の組み合わせは、USDCx と iUSD の PSM でも使われています。9 月に USDCx の PSM の設定を見直した投票(日本時間 9 月 7 日締め切り)で、この数字に設定されました。USDrf の PSM は、既にある USDCx の PSM と同じ条件で並ぶことになります。
投票の締め切りと、INDY のロック
同じデータでは、投票の終了は日本時間 10 月 18 日 2 時 34 分です。投票できるのは INDY をステークしている人で、票の重さは投票した時点でステークしている INDY の量で決まります。
Indigo のドキュメントは、投票に関わる注意点を 2 つ挙げています。
- 投票すると、ステークした INDY はその提案の投票期間が終わるまでロックされる
- 一度投じた票は変えられない
投票期間の途中で INDY を動かしたい人は、投票する前にこの 2 点を確かめておく必要があります。可決の条件(定足数や賛成の割合)について、ドキュメントは別の文書「DAO Voting Procedures」を参照するよう案内しています。
可決したあとに効いてくる、償還の上限
Indigo の公式 X は「PSM が応じられる範囲なら、どの規模でも」スリッページがないと書いています。この「応じられる範囲」が、新しい PSM では意味を持ちます。
Indigo のドキュメントは USDCx の PSM を例に、発行の向き(ステーブルコインを預けて iUSD を受け取る)は量の制限がない一方、償還の向き(iUSD を渡してステーブルコインを受け取る)は、その PSM に残っている量までに限られると説明しています。USDrf の PSM に当てはめると、償還で受け取れる USDrf は PSM に残っている分までです。新しく作られた PSM は、USDrf を 1 枚も持たない状態から始まります。可決の直後に iUSD を USDrf に替えようとしても、先に誰かが USDrf を預けて iUSD を発行していなければ、償還に応じる USDrf がありません。
提案書が償還の手数料を発行より高く設定したのも、この準備が短期の取引で流れ出るのを抑えるためだと説明されていました。USDrf から iUSD への入口が先に開き、その流れで貯まった USDrf が、反対向きの出口の大きさを決めていく順番です。
次に見るもの
確認先は Indigo アプリの投票の一覧で、10 月 18 日 2 時 34 分(日本時間)の締め切りのあとに結果を確かめられます。可決された場合は、USDrf の PSM が実際に開いてから、どれだけの USDrf が預けられるかが次の数字になります。償還の上限はその量で決まるので、PSM の残高が増えていくかどうかで、USDrf と iUSD の間の 1 対 1 の経路が両方向に使えるものになるかが分かります。
ことば
- PSM(ペグ安定化モジュール) — 合成資産と、ほぼ同じ価値の資産とを固定の比率で交換する仕組み。Indigo では組み合わせごとに別の PSM を作り、追加や手数料の変更は DAO が投票で決めます。
- INDY — Indigo Protocol のガバナンストークン。ステークした量に応じて提案に投票でき、投票中はその提案の期間が終わるまでロックされます。
- USDrf — RealFi が発行するドル建てのステーブルコイン。10 月 1 日にメインネットで動き出し、Indigo のほか SundaeSwap や Liqwid でも組み込みが進んでいます。
※ 提案の記録時刻・設定値・投票の終了時刻は、Indigo が公開している投票データ(2026 年 10 月 14 日 9 時 24 分・日本時間に取得)にもとづきます。
一次ソース / 関連リンク
- Indigo Protocol 公式 X: USDrf の PSM 提案のオンチェーン投票開始(2026 年 10 月 12 日 UTC)
https://x.com/Indigo_protocol/status/2109722214471987541
Indigo アプリ: 投票の一覧(投票状況の確認先)(app.indigoprotocol.io)
Indigo Protocol ドキュメント: How To Vote(INDY による投票の手順)
docs.indigoprotocol.io
Indigo Protocol ドキュメント: Indigo Protocol V3(PSM の仕組み)
docs.indigoprotocol.io
Clarity: Proposal to add USDrf as Approved Collateral for iUSD Minting via the Indigo PSM(提案書)(clarity.vote)

