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Indigo、USDrf を iUSD の PSM 担保に加える提案

2026-10-03SIPO #RealFi

Indigo Protocol は日本時間 10 月 3 日未明、RealFi のドル建てステーブルコイン USDrf を、iUSD のペグ安定化モジュール(PSM)の担保に加える提案を DAO に出したと発表しました。認められれば、USDrf を預けて iUSD を 1 対 1 で発行し、iUSD を USDrf に戻すこともできるようになり、手数料は発行が 0.5%、償還が 1.0% と提案書に書かれています。

RealFi がメインネットで稼働した翌日に、Cardano のもう一つのドル建て資産である iUSD との間に、ブリッジを使わない交換の経路を作ろうとする動きです。投票はガバナンスツールの Clarity で始まっており、締め切りは日本時間 10 月 5 日 0 時 15 分です。この記事では、提案書の中身と、まだ書き込まれていない部分を分けて整理します。

提案の骨子: 1 対 1 の交換と、発行 0.5%・償還 1.0%

Indigo の公式 X は、RealFi の稼働を祝う言葉に続けて、新しい DAO 提案を次のように紹介しました。

Mint $iUSD 1:1 with USDrf, and redeem back to USDrf with ZERO SLIPPAGE!

— Indigo Protocol 公式 X(2026 年 10 月 2 日 UTC)

Clarity に掲載された提案書「Proposal to add USDrf as Approved Collateral for iUSD Minting via the Indigo PSM」によると、交換の比率は手数料を引く前で 1 USDrf = 1 iUSD に固定され、PSM のコントラクトがこれを守ります。比率が固定なので、価格のオラクル(外部の価格情報)は値付けには使わず、USDrf がドルから大きく外れたときに交換を止める安全装置にだけ使うとしています。

スリッページ(注文時と実際の交換時の価格のずれ)はありませんが、手数料はかかります。

  • USDrf で iUSD を発行する — 発行する iUSD の 0.5%
  • iUSD を USDrf に償還する — 戻ってくる USDrf の 1.0%

償還のほうを高くしたのは意図的だと提案書は説明しています。償還が進むと PSM が持つ USDrf が減っていくため、短期の裁定取引で準備が少しずつ流れ出るのを抑え、発行のほうを促す設計です。2 つの手数料の組み合わせで、iUSD がおよそ ±0.5〜1% の範囲で取引されている間は、PSM を使った裁定が利益にならない帯ができます。この帯が iUSD のペグの目標として許容できるかどうかは DAO が考えるべき点だと、提案書自身が書き添えています。

提案が挙げる狙いは 5 つです。iUSD がドルより高くても安くても裁定で戻す経路を増やすこと、USDrf の保有者に iUSD への直接の入口を作ること、PSM の準備を複数の発行体に分けること、手数料を DAO の財源にすること、そして Cardano 上で発行された資産どうしなのでブリッジの危険を避けられることです。

Indigo の PSM と、いま入っている組み合わせ

PSM は、Indigo が V3 で導入した仕組みです。ドキュメントによると、iUSD のような合成資産と、それとほぼ同じ価値を持つ承認済みの資産とを 1 対 1 で交換します。ドキュメントの例(USDCx と iUSD)では、発行の方向は量の制限がなく、償還の方向は PSM に残っている資産の量までに限られます。組み合わせは 1 つずつ別の PSM として作られ、組み合わせの追加・削除、発行や償還の停止、手数料の変更は DAO が決めます。

V3 の展開計画には、iUSD と USDCx・USDM・USDA の PSM が並んでいました。Indigo は 9 月 8 日、PSM を通った交換が 230 万ドルを超えたと投稿しています。USDrf が加われば、iUSD の PSM に新しい発行体のドルがもう一つ並ぶことになります。

ドキュメントには、PSM が DexHunter や SteelSwap などの DEX アグリゲーターと統合するとも書かれています。SteelSwap は 10 月 2 日に RealFi への対応を発表したばかりで、USDrf と iUSD の間の 1 対 1 の経路ができれば、アグリゲーターが選べる道筋も一つ増えます。

提案書がまだ埋めていない項目

提案書は「About USDrf」の節で、発行体を RealFi とし、裏付けを「成長性と社会的な影響の大きい事業への直接融資を軸に、マネー・マーケット商品、米国債、世界の変動利付債で安定性と流動性を補った分散プール」と説明しています。

一方で、同じ節のうち、USDrf のドルとの連動を支える償還の仕組みと誰が償還できるか、準備の証明・監査・透明性の項目は、10 月 3 日 14 時(日本時間)の時点で記入欄の見出しが残ったままの状態です。提案書は自らのリスクの表で、準備の不透明さや実物資産の信用リスクへの対策として「準備の証明の公開」や「発行体の報告の DAO による確認」を挙げており、この欄に何が書き込まれるかは、投票する側の判断材料に直結します。

リスクの表には、ほかに次のような項目が並びます。

  • USDrf のペグ外れや発行体の破綻 — 価値の落ちた USDrf で iUSD が発行され、PSM が傷んだ担保を抱える。対策は DAO による経路の一時停止
  • 償還の流動性 — PSM の USDrf が足りず償還に応じきれない。対策は、償還を実際に保有する USDrf の範囲に限ることと、1.0% の償還手数料
  • 発行体の規制上のリスク — 継続的な監視と、一時停止・取り下げの権限

取り下げの目安として、USDrf が長くドルを下回る、発行体が準備の証明を出さなくなる、準備に重大な毀損が見つかる、償還に影響する法的・規制上の措置を受ける、といった場合が例示されています。

Clarity の投票と、その先のオンチェーン投票

Clarity の投票は日本時間 10 月 3 日 0 時 15 分に始まり、10 月 5 日 0 時 15 分に締め切られます。選択肢は Yes と No の 2 つで、投票期間中は途中の票数が表示されない設定です。

Indigo の DAO では、ステークした INDY による投票の手順がドキュメントで定められており、PSM の組み合わせの追加も DAO の権限に含まれます。今回の提案は、10 月 3 日 14 時(日本時間)の時点で、Indigo アプリのオンチェーン投票の一覧にはまだ載っていません。

分かれ道は 2 つです。Clarity で Yes が多ければ、提案書の手数料をそのまま、あるいは調整して、Indigo アプリのオンチェーン投票にかけられるかどうかが次の段階になります。No が多ければ、手数料の帯や準備の開示を見直した案が出直してくるかどうかが焦点になります。確認先は、10 月 5 日 0 時 15 分以降の Clarity の提案ページの結果と、そのあと Indigo アプリの投票一覧に USDrf の PSM が現れるかどうかです。提案書の空欄だった USDrf の償還と準備の開示の項目が、その時点で埋まっているかもあわせて見ておくと、議論の進み方が分かります。

ことば

  • PSM(ペグ安定化モジュール) — 合成資産と、ほぼ同じ価値の資産とを固定の比率で交換する仕組み。iUSD がドルから離れたときに裁定で戻す経路になり、Indigo では V3 で導入されました。
  • iUSD — Indigo Protocol が発行する、米ドルに連動する合成資産。担保を預けて借りる形で発行するほか、PSM を通じてステーブルコインと 1 対 1 で交換して手に入れることもできます。
  • Clarity — Cardano の DAO が提案の掲載や投票に使うガバナンスツール。オンチェーンの最終投票とは別の場で、今回の USDrf の提案はまずここで賛否を問われています。

一次ソース / 関連リンク

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