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エポックな日々

決めたことが、動き出す──van Rossem発効までの5日間:エポック643

2026-07-19SIPO

エポックな日々:643(2026年7月14日 午前6時44分頃 〜 7月19日 午前6時44分頃)

序章:発効の朝に

今朝、7月19日の午前6時44分。エポックが643から644へ切り替わるのと同時に、van Rossem ハードフォークが発効し、Cardano は Protocol Version 11 のチェーンになりました。切り替え直後のブロックがすでに新しいプロトコルバージョンで生成されていることを、SIPO はオンチェーンの一次データで確認しています。

前回のエポック642を、SIPO は「止める、直す、また動かす」5日間として書きました。そこで強調したのは、批准と発効は別の時計で動く、ということです。van Rossem は投票で承認された——けれど、チェーンが実際に切り替わるのはまだ先だ、と。エポック643は、その「二つ目の時計」が鳴るまでの5日間でした。

面白いのは、この「待つ」期間に、Cardano が少しも静かではなかったことです。SecondFi 事件は、ゼロ知識証明を使った「回収」の設計が動き出し、次世代スケーリングの Leios は「速くなるはず」をどう測るかが数字で示され、SIPO 自身は DRep として12件のトレジャリー提案に票を投じ、Cardano Foundation は AI エージェント決済の標準化テーブルに席を得ました。決まったものが発効を待つ間に、次に決めるべきものと、決めた後の工程が、それぞれ前へ進んでいた——エポック643は、そういう5日間です。

「決める」と「動き出す」の間には、距離があります。今回は、その距離がどう埋められていったかを読んでいきます。

▶ エポック642振り返り:https://sipo.tokyo/post-46813/


第1章:批准の朝から、発効の朝へ──van Rossemの二つ目の時計

エポック643は、van Rossem の批准確定の報せで始まりました。エポック642の末に投票の判定が下り、7月14日の朝——ちょうどエポック643が始まる境界で——Cardano 初の「コミュニティ投票で決まるハードフォーク」の批准が確定します。DRep、SPO、憲法委員会という三つの主体がオンチェーンで承認した、Voltaire ガバナンスの設計がフルに使われた初めての大型アップグレードです。

そこからの5日間は、静かなカウントダウンでした。発効は次のエポック境界、日本時間7月19日の早朝と案内され、Intersect はコミュニティ向けの配信でカウントダウンを刻み、Input Output の週次開発レポートも批准を確認する内容になりました。そして今朝、チェーンは予定どおり Protocol Version 11 へ切り替わりました。

中身を一言でいえば、「スマートコントラクトの床が下がる」アップグレードです。Plutus に新しい組込関数が加わり、スクリプトの実行コストが下がります。開発者にとっては、同じ処理をより安く実行できる余地が生まれ、DeFi プロトコルにとっては採算の計算が変わりうる変化です。あわせてこの期間には、カルダノ財団が Plutus V3 に「眠っていた」暗号機能 BLS12-381 の実装例を公開しました。発効した機能は、使われ方の入口が示されて初めて意味を持ちます。新しい床と、その上での道具の使い方——両方がこの5日間に揃い始めました。

SIPO は SPO として、ノードを事前に対応版へ更新した上で、今朝の境界を通常の運用の中で見届けました。エポック641で「参加が関門を越えた」と書き、642で「批准と発効は別の時計」と書いた流れの先に、今朝の切り替わりがあります。投票の結果が、運用の現実になる——この一連の流れを最初から最後までオンチェーンで追えたこと自体が、Cardano のガバナンスにとって一つの実績です。


第2章:陥ちたのはアプリ層──「回収」という工程が動き出した

エポック643のもう一つの主題は、SecondFi 事件の「その後」でした。

SIPO はこの期間、Deep Dive「プロトコルは無傷、陥ちたのはアプリ層」を公開し、この事件の構図を整理しました。Cardano のプロトコル層・コンセンサス層は今回の事件で破られていません。問題が起きたのはアプリケーションの層であり、だからこそ残る宿題も、アプリ層の設計と運用の側にあります。

その宿題に対して、この5日間で「回収」の設計が二つ、形になって現れました。

一つは、Eryx が公開した、SecondFi の資金回収に向けたゼロ知識証明の PoC(概念実証)です。核にある問いはシンプルで、「秘密鍵が漏洩した後、本当の所有者をどう見分けるのか」。秘密鍵を知っていることが所有の証明にならなくなった状況で、それでも正当な持ち主だけが資産を取り戻せる仕組みを、ゼロ知識証明で作れないか——という発想です。SIPO はこの PoC を、発想の可能性と、実用化前に残る重要課題の両面から解説しました。まだ提案段階であり、そのまま使えるものではありません。それでも、「漏洩後の所有者証明」という新しい問題設定が公開の場に出たことは、事件を前へ進める一歩です。

もう一つは、Charles Hoskinson 氏が公開した「proof-zk-recovery」です。こちらは Cardano の Preview 網で実際に動くゼロ知識ウォレット回復のデモで、同じ問題意識をチェーンの上で実証する試みでした。

止めて、直して、また動かす——前エポックで見た運用の力の次に、「壊れた後に取り戻す」ための暗号学的な工程が動き出した。SecondFi のサービス自体は恒久的に運用停止となりましたが、そこで失われたものをどう回収し、同じ失敗を繰り返さない設計をどう標準にするか。エポック643は、その議論が具体的なコードと証明の話に変わり始めた期間でした。


第3章:「速くなるはず」を、測れる形に──LeiosとMusashi Dojo

次世代スケーリング設計 Leios も、この5日間で段階が変わりました。キーワードは「実測の準備」です。

SIPO は Deep Dive「Leios が広げる Cardano の処理能力」で、公開資料とワークショップの説明をもとに現在地を整理しました。設計上の目標として示されているのは、おおよそ 140〜300 TxkB/秒のスループット、平均的な取引で約 100〜200 TPS、Endorser Block 経由の取引で約 45〜60 秒の決済時間(現行 Praos は約 20 秒)といった数字です。大事な注意点として、これらは現時点ではシミュレーションに基づく予測値であり、実測値ではありません。

だからこそ意味を持つのが、テストネット「Musashi Dojo」です。エポック643の終盤、この検証の場が動き始めました。持続可能なスループット、取引の取り込み時間の分布、世界規模のネットワーク遅延での挙動、SPO の投票・認証の安定性、既存プロトコルへの妨害の有無、SPO の機器要件と運用コスト、DApp・ウォレット・インデクサとの互換性——検証すべき項目は、すでに7つの具体的なリストになっています。

実装方式としては、研究版の複雑な並行処理を簡略化し、既存の Cardano に載せやすくした「Linear Leios」が軸になっています。エコシステム側の読み解きも始まっており、SundaeSwap は「このアップグレードの本当の狙いは経済設計にある」という角度の解説を出しました。処理能力の拡大は、手数料と報酬の構造、つまり SPO とチェーンの経済にも直結します。

今朝発効した van Rossem が「今日の床」を下げるアップグレードだとすれば、Leios は「次の床」を広げる工事です。期待の言葉ではなく、目標値と検証項目のリストで語れる段階に入った——「検証で見る」というこのシリーズの物差しからすると、正しい順番で進んでいます。


第4章:4,265万ADAの読み方──同じ袋の中で、賛否を分ける

エポック643は、SIPO が DRep として最も多くの票を投じた5日間の一つになりました。7月17日、Intersect の2026年度予算プロセスから提出された開発インフラ関連の11提案(同一トランザクションで束ねられた、合計 42,645,717 ADA のトレジャリー引き出し)と、Daedalus ウォレットの保守・改善を求める Se7en Labs の提案(1,785,333 ADA)——あわせて12件です。

11提案の束に対して、SIPO は「期待事項付き賛成 10件・建設的反対 1件」という投票をしました。同じトランザクションに束ねられた提案群の中で、案件ごとに賛否を分けたのは SIPO として初めてです。分かれ目にしたのは、金額の大小でも、技術の良し悪しでもありません。提案者・受益者・投票する大口 DRep の関係がきちんと開示されているか、そして資金が公共財の構造に向かうか——この二点です。目的に同意できる提案でも、関係の開示が足りなければ、その旨を理由に付して反対する。逆に、当事者が誰であっても、開示と公共財の設計が揃っていれば賛成する。すべての票には、案件ごとの理由書をオンチェーンで添付しました。

Daedalus 保守提案への期待事項付き賛成も、同じ物差しの延長にあります。資金管理は最も強い設計(マイルストーン監督付きのスクリプト管理)が使われており、過去に別の場で同種の提案へ賛成してきた SIPO 自身のスタンスとも一貫します。

投票の外側では、ガバナンスの日程が着々と進みました。トレジャリー引き出し群の投票は7月28日頃の締切に向けて続いており、次期の純増限度(NCL)として 350m ADA を設定する提案も投票中です。そして、2026年憲法委員会選挙の投票が、一時停止していた Hydra Voting の再開とともに動き出しました。DRep が4名を選出する投票で、締切は7月23日21:45 UTC(日本時間24日朝)です。前エポックで「止めて、直して」いた投票インフラが、実際に本番の選挙で「また動いた」ことになります。

反対の数ではなく参加が結果を決める——エポック641で確認したこの構図の中で、預かった投票力をどう使うかは、理由の質で問われます。SIPO は、賛否の結論と同じ重さで、理由の開示を積み重ねていきます。


第5章:見えないインフラは誰が持つべきか──Blockfrostの岐路

この5日間、ガバナンスの議論に一つの大きな問いが加わりました。「取引の過半が通るインフラを、誰が持つべきか」です。

Blockfrost は、開発者が自分でノードを運用しなくても Cardano にアクセスできるホスト型の API サービスです。2020年に Five Binaries が立ち上げ、2024年に IOG の傘下に入りました。Cardano Foundation の開発者調査では4年連続で利用率1位、2025年調査では回答者の 71.5% が利用しています。提案書には、多くのエポックで Cardano 全取引の過半がここを経由するとの記載もあります(この数値は提案書と発言に基づくもので、第三者による独立検証はできていません)。

いま、この Blockfrost の所有権を IOG から切り離し、コミュニティが統治する非営利組織へ移す国庫提案「Blockfrost’s transformation to not-for-profit」(9,832,979 ADA)がオンチェーン投票にかかっています。ソースコード・商標・ドメインを含む知的財産のすべてを移転し、理事会5席のうち4席をオープンソース実績のあるインフラ開発企業枠、1席を公募のコミュニティ枠とし、IOG は初年度のみ議決権のない助言席を持つ——「営利企業への補助金」ではなく「公共財化の移行費用」として設計された提案です。

ところが投票は伸びていません。批准には DRep 投票力の 67% が必要ですが、7月17日の記事作成時点で賛成は 12.65% にとどまっていました。Charles Hoskinson 氏はこの状況を受けて動画を公開し、すでに反対票を投じた DRep に再考を呼びかけるとともに、投票の結果がどうであれ、Blockfrost のレガシーインフラは年末に IO を離れることを明言しています。投票の締切はエポック645が終わる日本時間7月29日早朝です。

SIPO がこの提案を注視するのは、第4章で書いた物差し——開示と公共財構造——の、いわば応用問題だからです。5月の前回提案(維持費と次世代インデックス開発)は批准に至らず期限切れとなり、SIPO は当時、期待事項付きの賛成票を投じていました。今回は所有権そのものを公共財の側へ移す再設計です。「見えないインフラ」は、動いている間は誰も気にしません。けれど、その持ち主と資金の設計は、チェーンの分散性そのものに関わります。答えが出るのは次のエポックです。


第6章:外側の時計──日銀の1%、封鎖の原油、日本の資本の行き先

Cardano の外側でも、エポック643は節目の多い5日間でした。

日本では、7月16日に日本銀行が政策金利を1%へ引き上げました。31年ぶりの水準であり、総裁不在のまま決めた異例の利上げです。長期金利は10年債利回りで2.7%台前半と、1990年代後半以来およそ26年ぶりの高さに達しました。「金利のある世界」への回帰が、いよいよ水準として本物になってきています。

アメリカでは、新しく就任したウォーシュ FRB 議長が初の議会証言に立ち、「高インフレに寛容さはない」と明言しました。一方で地政学は再び荒れています。エポック初日の7月14日、トランプ大統領がイランへの海上封鎖の再発動を打ち出し、原油は急騰。その後もクウェートの淡水化・発電施設への攻撃などが伝わり、WTI は週間で +14% 超の $81 台まで駆け上がりました。株式は週半ばに持ち直したものの週末に軟化し、VIX は 18 台へ上昇。ビットコインの Fear & Greed 指数は 25 の「Extreme Fear」でエポックを終えています。リスク資産にとって、静かな週ではありませんでした。

制度の側では、対照的に「実装」が進みます。Circle は OCC から国法信託銀行の認可を取得し、ステーブルコインの発行体が銀行制度の内側に立つ道筋が具体化しました。議会の CLARITY 法案は最終局面に入り、残る対立点は倫理条項に絞られてきています。そして AI エージェント決済の標準化では、Linux Foundation 傘下の x402 Foundation が7月14日に正式稼働し、Cardano Foundation が Associate Member として参加しました。HTTP の「402 Payment Required」を使い、アプリや AI エージェントがリクエスト単位で支払うためのオープン仕様です。これは Cardano が唯一の決済チェーンに選ばれたという話ではなく、Cardano 上の実装要件を外部の標準化プロセスへ持ち込む入口を得た、というのが正確な位置づけです。

日本の資本の動きには、波紋がありました。SBI がステーブルコイン・RWA 戦略の主軸に Solana 財団を選んだことです。円建てステーブルコインと日本株のオンチェーン化という大きな絵の中で、日本の大手金融資本がどのチェーンと組むか——Cardano の歴史を日本のコミュニティが支えてきたと考える立場からは、静かに効いてくる論点です。技術は前進し、資本の物語は多極化する。この非対称を、SIPO は感情ではなく観察対象として追っていきます。


第7章:エポック643 市場指標・KPI分析

マクロ12指標(エポック643期間・7/14〜7/19)
ADA はエポック初日の $0.157 前後から反発基調をたどり、切り替わり時点では $0.1660 と、前エポックの下げの多くを取り戻しました(期間ネットで約 +6%)。BTC は $62,000 台から一時 $65,000 近くまで戻して $64,000 前後で着地、ETH は $1,765→$1,922→$1,838 と往復。$NIGHT は $0.028 前後で週末に -7% と軟化しました。株式は S&P500 が 7,515→7,572→7,458 と週末に軟化し、日経平均は金曜に約 -4% の急落(先物ベースで週間 -6.2%)。VIX は 18.8 へ切り上がり、ビットコイン Fear & Greed は 25(Extreme Fear)。米10年債は 4.54%、日本10年債は 2.7%台前半(約26年ぶり高水準)、ドル指数は 100 台後半、USD/JPY は 162円台前半。原油はイラン海上封鎖の再発動を受けて WTI $81.77(週間 +14%超)、金は $4,023 でした。開発・ガバナンスの進捗と価格・マクロは、今回もはっきり別の時計で動いています。

Cardano オンチェーン KPI
※自動集計(Dune 経由)の基準日は 2026-07-17 23:59 UTC(エポック643終盤)です。ステーキング関連はエポック643:100%時点(7/19 朝取得・adastat 系)を併記します。

  • ステーキング率:約 56.8%(ネットワーク総ステーク ₳21.4b ÷ 循環供給 ₳37.6b・エポック643:100%)/Dune 算出では 57.39%
  • アクティブ・プール:2,694(エポック643:100%)
  • Nakamoto 係数:165(7/17 基準)
  • 日次トランザクション:22,018(7/17)/アクティブアドレス 11,517/Script Tx 比率 30.80%
  • ステーブルコイン総額(Cardano):約 $57.73M(USDCx $38.9M・USDM $9.55M・USDA $4.35M・Djed $2.33M・iUSD $1.61M ほか)
  • Treasury 残高:約 14.74 億 ADA(epoch 643 基準)
  • ガバナンス:アクティブな提案 25件(7/17 基準)。この境界で van Rossem が発効し、トレジャリー引き出し群・NCL 350m ADA・Blockfrost 非営利化・憲法委員会選挙の投票が進行中

SIPO DRep 活動
SIPO DRep の投票力は 約 ₳89.79M(active・有効期限エポック663)。この期間は第4章のとおり12件のトレジャリー提案に投票し、すべての票に案件ごとの理由書をオンチェーンで添付しました。投票力の大きさは、理由の開示とセットで初めて健全に機能する——SIPO はそう考えています。


第8章:エポック643 配信記事の紹介

エポック643(7/14〜7/19)に SIPO・SITION の各アカウントから配信した主な記事です(暗号資産・ブロックチェーン関連を中心に抜粋)。

日付媒体種別タイトルURL
7/14@SIPO_Tokyoエポックな日々止める、直す、また動かす──Cardanoが「動かし続ける力」を見せた5日間:エポック642https://sipo.tokyo/post-46813/
7/14@SIPO_TokyoDaily Intelvan Rossemが批准、CardanoはProtocol Version 11へhttps://sipo.tokyo/post-46802/
7/15@SIPO_TokyoDaily IntelCardanoがx402の標準化テーブルへhttps://sipo.tokyo/post-46831/
7/15@SIPO_TokyoSignalSecondFi資金回収に向けたゼロ知識証明のPoCをEryxが公開https://sipo.tokyo/eryx-secondfi-zk-recovery-poc/
7/16@SIPO_TokyoDeep Diveプロトコルは無傷、陥ちたのはアプリ層 ― SecondFi 事件が Cardano に残した宿題https://sipo.tokyo/post-46852/
7/16@SIPO_TokyoCharles動画「proof-zk-recovery」:Cardano Previewで実証したゼロ知識ウォレット回復https://sipo.tokyo/post-46840/
7/16@SIPO_TokyoCharles動画「RealFi」:アフリカのマイクロファイナンスからCardano上のUSDrへhttps://sipo.tokyo/post-46849/
7/16@SIPO_TokyoDaily Intelvan Rossemが批准完了、発効は7月18日へhttps://sipo.tokyo/post-46863/
7/16@SIPO_TokyoDeep DiveLeiosが広げるCardanoの処理能力──Musashi Dojoで見えたスループット、決済時間、Linear Leioshttps://sipo.tokyo/post-46866/
7/16@SIPO_TokyoSignalvan Rossem批准完了、Protocol Version 11へ|7月19日JSTの有効化予定とBLS12-381https://sipo.tokyo/post-46872/
7/16@SIPO_TokyoSignalMidnightのbuilder向けプログラムを整理|MLH HackathonとNight Sky Acceleratorhttps://sipo.tokyo/post-46875/
7/16@SIPO_TokyoDeep DiveAIエージェントの責任はどこまで追えるか|Masumi Networkhttps://sipo.tokyo/post-46877/
7/17@SIPO_TokyoDaily Intelあさっての朝、van Rossemハードフォークが発動しますhttps://sipo.tokyo/post-46886/
7/17@SIPO_TokyoSignalPlutus V3の「眠っていた暗号機能」をどう使うか──カルダノ財団がBLS12-381実装例を公開https://sipo.tokyo/post-46891/
7/17@SIPO_TokyoDRep投票SIPO DRep:Intersect 2026年度予算の11提案をどう投票したかhttps://sipo.tokyo/post-46894/
7/17@SIPO_TokyoCharles動画「Blockfrost」:取引の過半が通る「見えないインフラ」の岐路https://sipo.tokyo/post-46898/
7/17@SIPO_TokyoDRep投票SIPO DRep:『Se7en Labs: Daedalus Wallet Maintenance and Improvements』https://sipo.tokyo/post-46901/
7/18@SIPO_TokyoDaily Intel明日の朝、van Rossemが発動しますhttps://sipo.tokyo/post-46907/
7/18@SIPO_TokyoWeekly Brief#15|床が上がる — van Rossem 発効と、その上に積まれる標準・研究https://sipo.tokyo/post-46910/
7/16@SITIONjpDeep Diveステーブルコイン発行体が「銀行」になる──CircleのOCC国法信託銀行認可https://x.com/SITIONjp/status/2077551452260859912
7/16@SITIONjpSignalトランプ、上院議員をホワイトハウスへ──CLARITY最終局面の最後の壁は「倫理条項」https://x.com/SITIONjp/status/2077555947615244321
7/17@SITIONjpDeep Dive税率は3月に決まっていた──暗号資産立法で日本が使った「条件付きの予約」https://x.com/SITIONjp/status/2077911617334083831
7/17@SITIONjpSignal100万円の上限がない円ステーブルコイン──SBIが日本株をオンチェーンに載せる前提https://x.com/SITIONjp/status/2078111555951169945
7/18@SITIONjpDaily Intel円の決済が、二つの設計に割れるhttps://x.com/SITIONjp/status/2078238623976345775

(このほか、@SIPO_Tokyo は毎朝の Daily Intel、@SITIONjp は12指標・Event Risk Radar、@LifeMakersCom はこの期間 AI・宇宙を中心とした Daily Intel・星読みを配信しています)


第9章:エポック643 終了時点 ステーキング動向

エポック643:100%時点の SIPO 3 プール合計は、有効ステーク ₳104.05M / ライブステーク ₳104.10M / 委任者 2,191 名でした。エポック643 のブロックは 103(前エポック 112)、Lifetime 累計は 46,171 に達しています。

プール有効ステークライブステーク委任者ep643ブロックLifetime
SIPO₳42.68M₳42.73M1,1414219,633
SIPO2₳33.73M₳33.74M4772814,731
SIPO3₳27.64M₳27.63M5733311,807

ライブステークは、エポック641終了時点の ₳103.91M からこの2エポックで ₳104.10M へと小幅に増えました。委任者数も 2,187 名から 2,191 名へ、静かな微増です。ブロックは 94(ep641)→ 112(ep642)→ 103(ep643)と、期待値のまわりで安定した巡り合わせが続いています。価格が反発し、ハードフォークがあり、市場の外側が荒れた5日間でも、委任の床は静かに保たれていました。

SIPO DRep の投票力は 約 ₳89.79M(active・有効期限エポック663)を維持しています。ネットワーク全体では、総ステーク ₳21.4b・アクティブプール 2,694・総委任 1,346,242 で、こちらも大きな変動はありません。詳しい内訳は、本日朝に公開したステーキング状況スレッドをご覧ください。


終章:発効は、始まりの合図

エポック642の終わりに、SIPO は「次のエポックで確認すべきもの」をいくつか挙げました。答え合わせをしておきます。

van Rossem の発効は、今朝、予定どおりの境界で確認できました。エポック643は Protocol Version 10 のまま終わり、644の最初のブロックから 11 になっています。Hydra Voting の復旧は、憲法委員会選挙という本番の投票の再開という形で確認できました(締切は7月23日21:45 UTC・日本時間24日朝)。Leios の実装接続は、Musashi Dojo の始動と検証7項目の具体化という形で、期待から検証の段階に入りました。制度と AI 決済の権限設計は、x402 Foundation の正式稼働と Cardano Foundation の参加という、思っていたより速い形で進みました。確認できなかったものは、引き続き観察のリストに残します。

そのうえで、エポック644で確認すべきものを挙げておきます。

  1. Protocol Version 11 の初週:発効そのものはゴールではありません。新しい床の上で、ノード群が安定して動き続けるか。Plutus の実行コスト低下が、DeFi プロトコルの採算にどう現れるか。
  2. 憲法委員会選挙の結果(7月23日21:45 UTC 締切):4議席を選ぶ、Voltaire のもう一つの本番です。
  3. トレジャリー投票の締切(7月28日頃):Intersect 2026年度予算の引き出し群、NCL 350m ADA。SIPO が投じた12件の票も、ここで結果が出ます。
  4. Blockfrost 非営利化の採否(7月29日早朝締切):賛成 12.65%(7/17時点)からどこまで動くか。「見えないインフラ」の持ち主を決める投票です。
  5. Leios(Musashi Dojo)の初期データと、Night Sky アクセラレーター第1期の選考(今月末)。

決めることと、動き出すことの間には、いつも距離があります。エポック643は、その距離が「待ち時間」ではなく「工程」なのだと教えてくれた5日間でした。批准された変化は発効の朝を迎え、壊れたものには回収の設計が立ち上がり、速さの約束は検証項目のリストになった。発効は終わりではなく、新しい床の上で何を建てるかの始まりです。

いつも SIPO / SIPO2 / SIPO3 へ委任をいただき、ありがとうございます。新しいプロトコルの上でも、SIPO は SPO・DRep・観察者として、変化がほんとうに動き出す瞬間のいちばん近くに立ち続けます。


出典・参照